ロード・ドーパント

登録日:2019/03/03 Sun 19:28:32
更新日:2024/11/20 Wed 11:20:14
所要時間:約 16 分で読めます






腹が減ったよ…… 消耗が……どんどん激しくなる……

あ、あれがっ………
……ロード

…その名を知ってるのか、だったら生かしておけない。獲物にちょうどいいかも、ね……


ロード・ドーパントとは、漫画風都探偵』に登場する怪人である。




【概要】

何者かが「道の記憶」を宿したガイアメモリ「ロードメモリ*1で変身したドーパント
別作品のパワードスーツを彷彿とさせる重厚な外見が特徴的で、時折それには不釣り合いな長い舌をだらしなく垂らす事もある。また、背中や舌の中心には道路の中央線を思わせる意匠が施されている。

なお、第1巻巻末に掲載されている寺田克也氏のデザインラフでは新たな幹部ドーパント達と同様に新型のガイアドライバー「ガイアドライバーrex」を装着しているが、これは最初期の段階でデザインされた為。

能力

主な能力は「空間の生成」
自身の体成分を使用して血液が凝固したかのようなドス黒い『道』を作り出す。その際には口から吐き出したゲロセメント状の液体を自身の両腕から発生させる大型の車輪状のエネルギーで整地する形で行う。
また、このエネルギーは腿の間にも発生させる事が可能で、緊急時にはうつ伏せの姿勢で3つの車輪型エネルギーを高速回転させて走行する。

しかし、これらの能力を使う度に自身の肉体を消費するという性質上、消費したエネルギーの急速な補充を余儀なくされ、やがて普通の食事では到底間に合わない程の渇望感に苛まれてしまうのが欠点。
その結果、「一番手っ取り早く人体の成分を補充する」為に人体を直接吸収……つまり、人間を食らうという悍ましい行為に走るようになってしまった。
能力行使の半ば前提条件として人食いが求められるその性質からか、二階堂守(リアクター・ドーパントの変身者)から「まるで獣」と評されたように、
基本的にこのドーパントの変身者はその殆どが上記の欠点に加え、メモリの影響でどんどん思慮が浅くなり、凶暴化するという副作用にも陥っている。

このようにデメリットが目立つロード・ドーパントの能力だが、空間生成能力そのものはかなりの範囲で応用が利くというメリットもまた存在する。
一例として路面を舗装する時のように超高速と超高温を駆使する事により、物体を焼き切る事が可能で、この技で初めて異空間に足を踏み入れた翔太郎の左手の甲に傷を負わせている。
高熱は仮面ライダーWサイクロンメモリによる風で防御は出来るが、それでもその力は強大でフィリップもロードメモリについて「街に残されたメモリの中でも相当 高ランクの物に違いない。」と推測している。
また、無数の牙が生えた大きな口から強風を放つ事も可能で、これをこのドーパントの大群が一斉に行う事でWと仮面ライダーアクセルをまとめて吹き飛ばす程の威力になる*2
その他にも空間を渦状に湾曲させて風都と異空間を繋ぐ能力も備えている。

異空間『裏風都』

ロード・ドーパントが自身の能力で生み出した異空間。
常に風が吹く風都とは逆に風が一切吹かない場所で、辺り一面に黒い道と建物が立ち並んでいるが、
これらは裏風都に多数存在するロード・ドーパントが生成したもので、材料(・・)を確保する為に夥しい数の人間が犠牲になったと考えられる。
また、この場所には『ハイドープ』には至らず、正気を失ったドーパントが怪人態のまま徘徊している*3が、ロード・ドーパントは彼ら『出来損ない』をも掃除(・・)して街を広げている。

そしてこの異空間を拠点に、新たに風都にガイアメモリを流通させている新組織こそが、謎多き青年・万灯(ばんどう)雪路(ゆきじ)率いる『裏風都 / 街』である。



作中での活躍

第1話の時点で夕凪町のT字路付近にある立川ビル付近で次々と人間を捕食していたが、犠牲者の中にはビルのオーナーである悪徳企業家・立川蓮司(CV.小西克幸)の部下も含まれており、
現場に彼らの遺体の一部が何度か発見されていた事から、事件のかなり早い段階で刃野幹夫、真倉俊ら風都警察署の超常犯罪捜査課が捜査していた。
それからほどなくして異空間に迷い込んだ翔太郎と「『魔女』を探して欲しい」と依頼した青年・坪崎忠太を襲撃。
この時はまだドーパントの姿を現しておらず、一時は2人を追い詰めるものの、フィリップの妨害を受けて取り逃がしている。

第2話ではラストで西風切の商社マン・高木雅彦を殺害して捕食するが、続く第3話でその行動範囲の広がりと立川ビルに無関係な犠牲者の発生という事態から、
フィリップは「ロード・ドーパントが立川への怨恨目的ではなく、消費したエネルギーの補充の為に無差別に人間を襲っている」と推測。
同話終盤で本項目冒頭の台詞と共に遂にその全貌を現し、翔太郎と坪崎を亡き者にしようとするが、またもフィリップに攻撃を阻止され、続く第4話冒頭で一時撤退。

そして第5話。
部下をロード・ドーパントの餌食にされて激怒した立川とその部下達が拳銃を手に翔太郎とロード・ドーパントの変身者と目される記憶喪失の美女・ときめを取り囲む中、
翔太郎は「ときめが殺人鬼=ロード・ドーパントではない」という証拠*4を語るも、「その殺人鬼が立川一派の中にいる」と聞かされて逆上した立川は間近にいた部下の一人・サブに2人の殺害を指示するが……






以下、『風都探偵』第5話のネタバレ注意!








正体



腹が……腹が減ったよお。我慢して暮らしてる方の身にもなれってんだよ、このクソ社長が…

サ………サブ?

こんな社会のクズみたいな連中の溜まり場だ。身内を食ってりゃ騒ぎにもなるまいと思ったが、意外と早く警察沙汰になりやがった…

そうか、おまえがっ……

それ以降……もうダメさ… 次の飢えが来るのが早すぎて…抑えきれねえ…!

\ロード!/

ヤツだ!


まあ、仕方ない。そこの探偵にほぼ仕組みを見抜かれたからな。あんたの言う通り、この場の全部を始末して食っちまおう。
そん中に、あんたらも加わるがね、社長……

ロード・ドーパントの正体はモブ同然の立川の部下の一人・サブ(CV.興津和幸)*5
仮にも立川に従う立場のサブが身内を捕食していたのも、上記の通り「暴力団や詐欺グループと関係が深い社会のクズだからこそ、殺害しても表沙汰にはならないだろう」という短絡的なものだった*6

翔太郎の推理を受けた彼は事もあろうに上司の命令を無視したばかりか、逆に彼の顔面を拳銃を握ったままの手で殴打。
地に伏して鼻っ柱を押さえる立川を尻目に上記の台詞を吐くと、ロード・ドーパントとしての正体を現し、そのまま立川一派諸共翔太郎とときめを食い殺して証拠隠滅を図ろうとしたが、またしてもフィリップが駆け付けた事で失敗。
そのまま翔太郎とフィリップが変身したWと交戦するが、百戦錬磨の仮面ライダー相手に終始劣勢に陥った事でときめを人質に取って異空間への逃亡を図り、その後は彼女も食らおうと目論む。


人質取んのかよ… 汚え奴だな。

俺が『自分の街』に逃げ込むまでの間だけさ。その後は食料にする。
この女は俺が作った裏道をずっとチョロチョロしていた。その罰だ。

……悪いが、おめーがつかんでるのはバッドガールの手じゃねえ。


それは俺の右腕だ……!!

……はいいが、掴んだ腕がW ルナジョーカーの右腕だった所為で逆に手痛い反撃を見舞われて失敗し、ときめも奪還されてしまう。
不利を悟ったのか、ロード・ドーパントは異空間に逃走して自ら生成した道路を走り続けるが、ハードボイルダースタイリッシュ立ち乗りしたWに追撃された末、
最後はジョーカーエクストリームをまともに背中に受け、異空間から投げ出されると共に遭えなくメモリブレイクされた。


く………そっ……

残念だったな。真の『路上の王(ロードキング)』は……

『俺たち』だ…!!

そしてサブはそのまま倒れ込んで意識を失い、立川一派共々逮捕された事で『路上の王(ロードキング)』に纏わる事件は(ほぼ)解決したのだが……











!? なんだ、何をした?

今のは『合図』さ。俺の部下を…この場に集めた!

ハッ!

ううっ!な、なんだとっ!

あいつらはっ………!?


ロード・ドーパント!?


……マジかよ。俺たちが倒したやつ以外にも、ロードがこんなに…!?

サブ、とか呼ばれていた奴だな。アイツはまだ駆け出しの予備軍の一人に過ぎなかった。

俺の部下はそうした多くの候補の中から選ばれし者たちだ。
この街を円滑に運営し 広げていくために。彼らが大地を生成し、街を拡大していってくれる…

ロードのように強力なメモリを…そんなに多数保有しているとは……

おい…ちょっと待ちな。そいつら、確か……この黒い地面を生み出すために…人を喰うんじゃなかったのかよ……!

そうか……!あの言葉…そういう事か!

仕方あるまい。道を作ればエネルギーが枯渇し、人間を摂取する。それがこいつらの仕組みなんだ…


まさかの再登場

第41話にて多数の別個体が登場。
以前Wと戦ったサブが変身した個体は二階堂曰く「駆け出しの予備軍の一人」……即ち、落ちこぼれに過ぎなかった。

大半の個体はサブがマシに見えるレベルで知性が崩壊しており、放っておくと飢えのあまりに共食いを初める始末で、『街』の幹部達を悩ませている。
『街』の準幹部である二階堂守/リアクター・ドーパントの配下として行動する個体は裏風都に蔓延るロード・ドーパントの中から選び抜かれた精鋭達で、彼の指示には忠実に従う。
……とはいえ、知性の低さに関しては相変わらずのようで、極めて高い体温を持つリアクター・ドーパントに軽々しく触れたロード・ドーパントの一体は瞬時に手が溶けるように焼け爛れ、
そのまま変身が解除されてもなおロードメモリと燃える左手を抱えて明後日の方へ走り去っていた。

第44話からは七三分けとスキンヘッドの2名の黒服が変身した個体が登場したが、こちらは二階堂が風都に放った刺客だけあってか、まともな会話が出来る程度には理性を残している。
この2体は第46話冒頭でアクセルガンナーの砲撃でメモリブレイクされると裏風都に逃走しようとしたが、
最期は満身創痍の二階堂に首根っこを掴み上げられ、敵の眼前で拠点への入口を発生させる行為を咎められながら生身のまま焼き尽くされて死亡するという末路を迎えた。

アニメ版では

アニメ版では、体色が真っ白であることが判明し、原作で省略されがちだった瞳が終始くっきり描かれているため、顔の生物感が増している。
また、舌は相変わらず長いが、ほぼ全編に渡って舌を垂れ流しっぱなしだった原作に対し、普段は口を閉じているため化け物感は控えめになりややカッコいい。

終盤のWとのカーチェイスシーンは大幅に肉付けされており
  • 頭上の高速道路に光弾を放って崩落させ、Wを押しつぶそうとするロード
  • それに対し、ルナサイドの伸びる右腕で柱を掴み、バイクごと回避するW
  • ルナトリガーにチェンジして誘導弾で鉄骨を落とし、足止めを図るW
  • 口から体組織を吐き出して道を形成し、逃げる距離を稼ぐロード
  • サイクロンジョーカーに戻って旋風で浮遊し、形成された道に飛び乗るW
  • 逃げる内にエネルギーの限界が来て肩の警告灯が点滅し、焦るロード
  • 最後の悪あがきで光輪を投げつけるが、纏めて蹴り破られメモリブレイク

……など、見どころシーンが満載となっている。

なお、悪あがきで抵抗した関係でジョーカーエクストリームは腹に食らっている。



口先ばかりで空回りが多い俺だが、一つだけ死んでもやると決めてる事がある。

それが…

項目を追記・修正する、という事だ!


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最終更新:2024年11月20日 11:20

*1 ロゴはRの字型の道路。

*2 設定上、W ルナトリガーの体重が80kgで、アクセルの体重は93kg。

*3 第39話の時点ではスイーツ・ドーパント、トライセラトップス・ドーパント、ビースト・ドーパントの3体が確認出来る。

*4 ときめが所持していたガイアメモリは破損しており、彼女はロードメモリの真の所有者の動きを感知し、それを利用して追い剥ぎをしていたに過ぎなかった。

*5 なお、『週刊ビッグコミックスピリッツ』掲載時のキャラ紹介では「立川に金で雇われていただけで、部下でもない」と書かれていた。

*6 この思慮の浅さの、前述したロードメモリの副作用によるものと思われる。