ネオライダー

登録日:2019/10/12 (土) 21:34:35
更新日:2019/10/16 Wed 00:56:37
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ネオライダーとは、1990年代にTVシリーズ放映以外の形態で展開された仮面ライダー作品とそのヒーローの総称である。

●目次

【概要】

上述の通り、1990年代の新規仮面ライダー作品及び或いは『仮面ライダーBLACK RX』と『仮面ライダークウガ』の間の時期の作品を指す総称。

この時期に展開されたライダー作品である『ウルトラマンvs仮面ライダー』『マスクド・ライダー』もカウントしない。
これは前者は昭和ライダー作品の外伝的作品である事、後者は海外作品の上に昭和ライダー作品のリメイクであるため。

ネオライダーの名称に関しては公式で分類として定義された訳でなく、ライターのガイガン山崎氏が提唱したのが始まりとされる。
仮面ライダーJのメイキング映像では、ナレーションにてZOとJが「ネオライダームービー」として紹介されており、総称の源流はここからとの見方もある。
とにかく、ネオライダーという呼称はファン間で生み出された概念だったのだが、公式の人間も一部で使い始めている。
このような現象は、後に第二期平成ライダーシリーズでも発生している(「平成二期」も元々はファン間での提唱された)。

元号が平成に移ってから製作された作品であるが、公式では平成ライダーシリーズに含まれていない。
現在の公式の定義における平成ライダーは『仮面ライダークウガ』~『仮面ライダージオウ』までのTVシリーズ作品を指すためである。
これも元を辿れば、平成ライダーシリーズという概念自体が初めから発生していなかった存在であることも影響している*1

公式のオールスター作品で扱う場合は、昭和ライダーシリーズとしてカウントされる場合が多い。
平成ライダーシリーズに入れられず、作風的には昭和ライダーシリーズ寄りであるための判断だろう。
後の『THE FIRST』『THE NEXT』『アマゾンズ』のように、どのシリーズにも属さない作品群として扱われる事も。

TVシリーズで展開しなかった影響で知名度的にはやや劣る傾向が正直あり、商品展開も恵まれているとは言いにくい。
現にネオライダー作品が展開されている間でも、ゲーム作品などへの出演は当時最後のTVシリーズだったRXが呼び出される事が多かった。
そのために世間的には1990年代は「ライダー冬の時代」と解釈されやすく、ネオライダーに関与している白倉伸一郎氏などもそのような趣旨の発言をしている。
一方で昭和ライダーシリーズから進化した作風であるネオライダー作品自体の評価は高く、後世でも根強いファンを獲得している。

なお、製作には仮面ライダーシリーズの原作者である石ノ森章太郎氏も携わっている。
石ノ森氏は1998年に逝去したため、ネオライダーに分類される『J』が最後の関与作となった。

【作品の特徴】

作風自体のベースは昭和ライダーシリーズから続いているが、一部は独特な新要素が生まれ始めていた。
そのようないくつかの要素には、後の平成ライダーシリーズに影響を与えたと考えられる点も見られる。

  • 主人公は全てバッタモチーフ
  • 世界観が継続しておらず、各作品でそれぞれ独立している。昭和ライダーシリーズとも繋がっていない(『仮面ライダーワールド』のみは例外)
  • 変身ベルトがあまり重視されていない。シンとZOに関してはそもそも変身ベルトに該当する物が完全に存在しない。
  • 全ての作品に雨宮慶太が製作で関与している
  • TV作品として放送されることはなく、Vシネマや映画の媒体で展開された


【作品一覧】

1992年:『真・仮面ライダー序章

「変身」への挑戦

forever 希望を永遠に託すの

ネオライダー第一作目にして仮面ライダー誕生20周年記念作品。ただし、正確には21周年目の作品である。
『RX』以来3年ぶりの新作だったが、TV媒体ではなくオリジナルビデオの形で提供される事になった。
初期案はコスプレしたライダーオタクが事件に巻き込まれるシナリオだったが、白倉氏がそれに反対して「原点回帰」をテーマとする作品を提唱。
原点回帰のテーマを石ノ森氏も苦笑いで了承し、「大人向け仮面ライダー」として作られる事になった。

展開する媒体も手伝ってか、昭和ライダーシリーズでは見られなかったリアル寄りな作風やエログロと言った過激な要素を多数導入。
変身ベルトや掛け声などの要素も廃止され、主役ライダーもスーツ的なヒーロー的デザインではなく完全な虫型人間として描かれる。
宮下隼一と小野寺丈が脚本を担当したが、執筆したストーリーは明るい要素がないハードな脚本となった。
これらの要素を取り入れた本作を、石ノ森氏は「真の仮面ライダー」と評した。

「序章」の名前から分かる通り、シリーズ化を予定していたが現在も続編は発売されておらず、実質打ち切りに。
公式側からも続編を製作する予定がない事が明言されている。なお、この事は超スピンオフでもネタにされた。
この事情は、売上不振ではなくむしろ売上的には成果を出した(公式公認)のだが、続編作品は一般受けする新規作品にするとの方針でこのような結果になった。

1993年:『仮面ライダーZO

変身!! 不滅のヒーロー!!

心の彼方へ 今愛が止まらない

ネオライダー第二作目にしてまたもや仮面ライダー誕生20周年記念作品。正確には22周年目の作品である。
『東映スーパーヒーローフェア』として、他東映特撮作品と併映されたため48分程度の劇場版作品となった。

監督とキャラクターデザインは雨宮慶太が担当し、脚本は杉村升氏が執筆。
前作からは生物的なデザインや変身ギミックの簡素さと言った要素は多少引き継ぎ、こちらでも「原点回帰」をテーマにしている。
しかし、真と比較すると一般向けな作風へと回帰しており、初代を意識した「陰を抱える正統派ヒーロー」的な作品になっている。
また、敵として悪の結社的な組織が存在せずに小さな人間関係内で展開される世界観が構築された。

ノベライズ版として『仮面ライダーZO 闇の少年』(著:射口巌)が小学館スーパークエスト文庫から刊行されている。
漫画版も存在し、月刊少年キャプテンで掲載された島本和彦版とてれびくんで連載された青木たかお版、更に塚田秀一郎版が存在する。
青木たかお版は『RX』とのクロスオーバーストーリーになっている事が有名。


1994年:『仮面ライダーJ

ミラクルJパワーで今こそ、巨 大 変 身!!

壊さないで…離さないで 心繋ぐ愛を

ネオライダー第三作目にして最終作。原作者の石ノ森章太郎氏が関わった最後の仮面ライダー作品でもある。
前作同様に『東映スーパーヒーローフェア』の劇場版作品として公開された。

『ウルトラマンVS仮面ライダー』の好評を受け、石ノ森氏との激論を経て仮面ライダーの巨大ヒーロー化を実現した。
監督は前作から雨宮慶太が続投したが、脚本は特撮の大御所である上原正三氏が執筆している。
前作よりも更に子供向けに特化した作品となっており、爽快感溢れるシナリオが描かれる。
当時エコロジーがブームになっていたこともあり、作品テーマに環境破壊や自然を推し出しているのも特徴。

小学館スーパークエスト文庫から上原正三自らが執筆したノベライズ版も刊行された。
こちらは歴代仮面ライダーシリーズとの繋がりを持った設定となっている。
小石さとしによる漫画版も展開されており、てれびくんで掲載された。

本作を最後に仮面ライダーシリーズの完全新作の製作は終焉を迎える事になる。
こうして仮面ライダーシリーズは休眠状態に入り、6年後の2000年の時代まで沈黙の時期が始まったのだった。


【関連作品】

1994年:『仮面ライダーワールド

東映シネファンタジー'94や全国各地の遊園地で上映された短編の3D映画作品。
仮面ライダー 世界に駆ける』の続編的立ち位置にあり、内容的にも一応繋がっている。

『ZO』と『J』のクロスオーバー作品となっており、更に敵役としてパワーアップしたシャドームーンが登場する。
『ZO』のネオ生命体を除く『BLACK』~『J』までの歴代怪人も再生怪人として出演し、本作のみ昭和ライダーシリーズとネオライダーの世界観が連続した設定になった。
ZO及びJの人間体は出演せず、オリジナルキャストによる声のみの出演となっている。
脚本は東利彦が執筆し、監督は戦隊シリーズに多く携わっている渡辺勝也が担当した。

ネオライダーを昭和ライダーシリーズとして扱っている公式の分類に倣うと、本作が昭和ライダーシリーズ最後の映像作品である。
本作で描かれた要素は、後の平成ライダーシリーズにおけるクロスオーバー作品の原型になったと見られる場所がある。


【関連キャラクター】

仮面ライダーゾンジス

『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』において登場する、敵組織クォーツァーの幹部カゲンが変身する仮面ライダー。
ネオライダー三人のライドウォッチを有しており、外観もネオライダーを掛け合わせて悪役風にアレンジしたような姿となっている。
なお、ライドウォッチを奪われた後のネオライダー三人がどのような状況なのかは最後まで語られなかった。




forever 希望を永遠に託すの

壊さないで…離さないで 心繋ぐ愛を
壊さないで…離さないで 心繋ぐ




追記・修正は、額に目を持つバッタ人間で革ジャンとジーンズが似合う青年で大地の精霊の力で巨大化できる人にお願いします。

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