ベルメール(ONE PIECE)

登録日:2019/11/01 Fri 23:43:30
更新日:2025/03/10 Mon 02:06:58
所要時間:約 5 分で読めます




ノジコ!!ナミ!!誰にも負けるな!!
女のコだって強くなくちゃいけない!!
何があっても生まれて来たこの時代を憎まないで…!!

漫画『ONE PIECE』の登場人物。


【プロフィール】


本名:ベルメール
所属:元海軍支部将校(のちに退役)
肩書:みかん農家
年齢:享年30歳(もし生きていればこの人と同い年)
誕生日:12月3日(みかんの日)
星座:射手座
身長:186cm
血液型:S型(現実だとO型)
出身地:東の海・コノミ諸島・ココヤシ村
初登場:単行本・第9巻・第77話『夢の一歩』
好きな食べ物:みかん
CV:日髙のり子

【人物】

ナミノジコの育ての親で本編ではすでに故人。
赤みがかった髪の両サイドを刈り上げた変わった髪型*1と咥えタバコが特徴。
勝気でさっぱりした性格で、この性分は娘達にも引き継がれている。
昔はココヤシ村でも有名な悪ガキで、当時から始末に追われていたであろう駐在のゲンゾウとは古い付き合い。
大人になってからも色仕掛けでゲンゾウをからかったり、まだ幼少の娘たちに酒を飲ませようとしたりとやんちゃなところは相変わらず。
娘たちと血のつながりがないことに負い目を感じることもあったが*2、実の娘のように愛情を持って二人を育てた。

【来歴】

不良娘と評判だった彼女だったが、ある時突然村を飛び出したかと思うと、海軍に入隊
オイコット王国での戦闘中、傷を負い死を覚悟した時、戦災孤児だったノジコとナミに出会う。
まだ赤ん坊だったナミの無邪気な笑顔に生きる力を取り戻し、嵐の中二人を連れて村に帰還し、命を取り留める*3
その後、周囲の反対を押し切って二人を養子にむかえた。
退役後はみかんの栽培を生業にしており、裕福でこそないものの三人で幸せに暮らしていた。

しかし8年前(新世界編からは10年前)、ジンベエ七武海加入によって解放されたアーロンとその一味が村に襲来する。
自宅が村のはずれだったため発見が遅れ、抵抗をはかるが返り討ちにあい、左腕を踏みつぶされるなど暴行を受け重傷を負う。
駆けつけたゲンゾウに説得され貢ぎ金を払おうとするも、貯えが10万ベリー(大人一人10万ベリー、子供一人5万ベリーが条件だった)少々しかなく、三人分の金額に届かなかった。
この際娘達は偶然外出しており、村の名簿にも養子についての記録はなかったので一味はまだ存在に気づいていなかった。
ゲンゾウ達はなんとか三人を救おうと口裏を合わせ、ベルメールの分の貢ぎ金を払ったうえで姉妹を密かに船で海に逃がそうとした。
10万ベリーを受け取り立ち去ろうとするアーロンたち。しかし……

子供二人で10万ベリー……!!*4
それは私の娘達の分 私の分は足りないわ
ゲンさんごめんなさい… 私…!! 家族がいないなんて言えないや

ベルメールは自分を犠牲にして最愛の娘達を救う道を選んだ
何より、血のつながらない家族であっても、あるいはだからこそ、その絆をなかったことにするなど彼女にはできなかったのだ。

大好きな母が殺されてしまう事実に堪え切れず駆け寄ってきた娘達をボロボロの身体で抱きとめるベルメール。
そして銃口を突き付けられてなお、運命を受け入れたその表情は堂々とした笑顔だった。

ノジコ!!ナミ!!
大好き♥

銃声が鳴り響き、勇敢な母の魂は凶弾に断たれた。

人に褒められなくたって構わない!
いつでも笑ってられる強さを忘れないで…
生き抜けば必ず楽しいことが……
たくさん起こるから………!!!

なお、実は襲撃時に村の船がすべて破壊されていたため、ナミ達を逃がす作戦には一縷の望みも残っておらず、結果的に娘を守るための道は他になかった*5
海兵としての経験ゆえか、ベルメールはこのことも悟っていたのだろうと劇中で推測されている。

彼女の死後、ナミは村を救うため孤独な戦いに身を投じ、ノジコは陰ながら妹を見守った。かつて母が語ったいつか楽しい日々が必ず訪れるを信じて。
……そして8年後、長く険しい道のりではあったがようやくその日々は訪れる

彼女の墓は海や村を望む小さな岬に建てられており、かつては木製だったが、新世界編以降は石造に作り替えられている。
墓前にはミカンと風車が備えられているほか、時折ナミの手配書や麦わらの一味の記事の載った新聞を持ってノジコやゲンゾウが訪れている。

【余談】

ベルメール(belle-mère)とはフランス語で義母を意味する言葉。まんまである。

彼女が栽培していたミカン畑は娘達にとっても宝物で、現在はノジコが引き継いでいるほか、ナミも旅立ちの際に数本を船に植林している。また、「belle-mère's みかん」というブランドでノジコが売り出しており、好評を得ている。*6

家計が厳しかったので普段は質素に暮らしていたが、料理はそれなりに上手かったようで、ナミとケンカしてしまった際には夕食で仲直りしようとしていたほか、扉絵でも一家揃っての食事風景が描かれている。
ちなみにナミの得意料理の「鴨肉のロースト みかんソース」も彼女譲りである。

死ぬ間際に遺した「生き抜けば必ず楽しいことが~」という言葉はナミへと受け継がれ、とある人物を救うことになる。

海兵時代の所属や詳しい階級は不明だが、海軍将校にのみ着用が許される「正義」のコートを羽織っていたため、少なくとも少尉以上だったと考えられる。
また、年齢を逆算していくとロシナンテとはほぼ同期であったと思われる(彼女の方が1歳年長)。どちらも似た運命を辿ったのは偶然か。

ナミにしてみれば海軍は、アーロンの支配から救ってほしいのにあっさり撃退されるわ、挙げ句にアーロンと癒着したうえに直接的にも惨いことをされたりと、作品全体で見ても相当ろくな思い出がない側である。
しかしそのわりには海軍を殊更に嫌っている様子はなく、それはやはり命がけで自分たちを救ってくれたベルメールの存在があるからだろう。
パンクハザード編では、ヴェルゴの隠蔽によってさらわれた子供達がシーザーの実験台としてつらい目に遭っていたことから、最初は海軍側の無責任を咎めはしたものの、真剣に向き合ってくれたたしぎの眼差しにベルメールの面影を重ね、信頼できるとして子供達のことを託している*7

STRONG WORLD』に連動した0話にも登場しており、脱獄したシキの報を聞き、

「東の海に来たら私がブチのめしてやるわ!」

と息巻いていた。映画での結末を見ると感慨深いものがある。




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  • 初登場がクリーク編~ローグタウン編終了まで
  • 根は優しい
  • 子供には常に優しい
最終更新:2025年03月10日 02:06

*1 作者によれば「女の度胸」の意味

*2 自分たちも周囲も家族であると認識しているにもかかわらずベルメールさんと呼ばおり、自分に向けられた言葉でないにも関わらず「本当の家族じゃない」という言葉に激怒している。また、ナミとノジコにもっといい暮らしをさせてあげたかったと涙ながらに謝罪する一幕もあった。

*3 ナミには橋の下で拾ったとウソをついていた

*4 アニメでは直前に「待ちな!!誰が私の分だって言った!?」と台詞が追加されている

*5 もっとも、仮に村の船が破壊されていなくても、前述の通りプライドの高さ故に家族の事をなかったことにしたくないという理由に、正直に喋り、殺されていたと思われるが。

*6 商売の才能もあると思われるが、大海賊時代での治安の悪化やアーロンが襲来していたことも影響していると思われる

*7 『STAMPEDE』の勢力相関図などでも信頼関係として記されている