禁止カード(パウパー)

登録日:2020/01/23 Thu 10:19:50
更新日:2020/02/13 Thu 11:09:47
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MtG 禁止カード


ここでは、Magic The Gatheringのパウパーフォーマットにおける禁止カードについて述べる。


概要

パウパーとはMagic Online認定フォーマットであり、コモンカード限定構築戦。後に公式フォーマットに昇格した。
Magic Onlineでも紙でもよいので一度でもエキスパンションないし構築済みデッキにコモンで収録されればカードプールに加えられる。*1

所詮コモンと甘く見るなかれ。
20年以上にわたって継ぎ足し続けた膨大なカードプールにより、他の構築環境に負けないレベルの本格的なデッキを組むことができる。モダンやレガシーで禁止のカードも使えたりするのだ。
ぶっちゃけ魔境度合でいったらレガシーと大差ないレベルである

フォーマット制定当初は主にストームと感染のせいで開幕数ターンで勝負が決まる超高速環境だったが、
それらのキーカードが軒並み禁止になった今はだいぶ落ち着いている。それでも青有利な環境な辺りさすが使用範囲がレガシーと同じなだけはある。

ちなみにパウパーでの禁止カードが発表される度にパウパープレイヤー以外から「こいつコモンだったのかよ!」と驚かれるのは一種のお約束。

禁止カード一覧

  • 《頭蓋囲い/Cranial Plating》
パウパーでは唯一の、制定時より禁止のカード。
キーカードの多くがコモンのおかげでパウパーでも親和はかなりの完成度で組むことができる。
その親和と相性がいいのはスタンダードで証明済みなので、禁止も止む無しだろう。

  • 《大あわての捜索/Frantic Search》
制定時より禁止の頭蓋囲いを除くと最初の禁止カード。
フリースペルドローはコモン限定構築でもやっぱり許されなかった。
猛威を振るっていたストームデッキを弱体化させるためであるといわれている。

  • 《巣穴からの総出/Empty the Warrens》、《ぶどう弾/Grapeshot》
赤系ストームデッキのキーカード。
ぶどう弾はパウパーではストームへの対策手段が皆無に近い上にコンボ成立が非常に早いため。
総出はぶどう弾よりは対策カードがあるが、それを引けなければ負けというのは問題があるので禁止に。

  • 《激励/Invigorate》
ピッチスペルのクリーチャー強化呪文。マナコストを払う代わりに相手を3点回復させる事で唱えることができる。
感染デッキをトップメタに押し上げた戦犯。最速2ターンキルはダメである。
毒を10ポイント与えればライフ関係なく殺せる感染デッキにおいては、代替コストの相手のライフを増やすデメリットはほぼ皆無。なのに効果は実質倍。つまり0マナ+8/+4修正ということになるのだ。

  • 《時間の亀裂/Temporal Fissure》、《雲上の座/Cloudpost》
赤系ストーム絶滅後に台頭した、8postストームデッキのキーカード。
赤系ストームと感染程ではないがコンボ成立が早く、環境で猛威を振るったため使用禁止に。フリースペルとの組み合わせで大量のマナを生み出す姿はかつてのトレイリアのアカデミーの様。
時間の亀裂はだいたいストーム5くらいで唱えられて相手の戦場を全バウンス、その後土地がなくて何も出来ない相手をゆっくりとビートしていた。デッキ構築の関係上ハンデスやカウンターが効きにくいのも禁止理由だろう。
雲上の座はストーム以外にも3、4ターン目に大型フィニッシャーを出せてしまうマナ加速能力が危険視されたのもある。

  • 《宝船の巡航/Treasure Cruise》
何故このご時世でこいつがコモンなのか
一部デッキのバリエーションを増やすなどの働きもしたが、まあ当然のごとく禁止。パウパー禁止で四冠達成してしまった。
なお片割れの《時を越えた探索/Dig Through Time》はレアだったおかげで4冠は免れた。ますます何でこいつがコモンだったのか不思議である。

  • 《フェアリーの大群/Cloud of Faeries》
2マナ1/1飛行のフリースペルで、さらにサイクリング持ちという何かおかしいクリーチャー。
青単フェアリーや、このカードのフリースペルを使った無限コンボデッキ(Familiar Combo)が環境を支配していたため使用禁止に。
ちなみにこいつの禁止が発表された時に「今のパウパーでの土地以外の使用率上位10枚は9位まで青いカードで10位が稲妻」というわりと想定内衝撃的な一文があった。
コンボ以外でも青単で2ターン目にこいつが出る→土地2枚アンタップで《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》と《対抗呪文/Counterspell》構え、という動きは相当に強い。
その後《流浪のドレイク/Peregrine Drake》なんてカードをコモン落ちさせちゃうあたりアホであるが。
フリースペルばっかが注目されてサイクリングの影が薄い

  • 《流浪のドレイク/Peregrine Drake》
5マナフリースペルのクリーチャー。初出のウルザズ・サーガではアンコモンだったが、エタマスでコモン落ちしたことから解禁。
フリースペルって時点で怪しいと思ったそこのあなた、正しい。
直ぐ上にあるフェアリーの大群と比べて、重くなった代わりに1度に出せるマナが増えた結果安定性や爆発力が増し、ドレイク自身が2/3飛行なので戦力にも数えられる。
こうして直前に禁止指定されたフェアリーの大群の後釜としてサクッとデッキに入り自分の名前を冠するドレイク・フリッカーを生み出した。
プレイヤーがみんな「これはすぐに禁止になるな」と思っていたため使用率は10%を超える程度だったが、そのせいかウィザーズは禁止改訂でこれをスルー。
これにより「最低あと3か月は禁止にならないから使おう」と考えるプレイヤーと「禁止されるまでパウパー休もう」と考えるプレイヤーが増加し、参加者は減ったのに使用率は一気に増え、占有率が20%を超えるほどに。
このわかりやすぎる反応にウィザーズは大慌て。MOだけで行われるフォーマットであることも含めて臨時の禁止改定を発表。ようやく禁止カードになった。

なお、フェアリーの大群が禁止になったのにまたフリースペルクリーチャーを出すという暴挙だが、実はエタマスに入るカードやそのレアリティを決める時期はフェアリーの大群を禁止指定にすると決める前だったのだ。
実際にエタマス発売後のコラムにて「フェアリーの大群が禁止になると分かっていたらコモンでは収録しなかった」と言っている。

  • 《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》
  • 《噴出/Gush》
ヴィンテージ制限レガシー禁止なのに4枚使えたドローカード。ある意味パウパーの特色であったが、ついに投獄された。
共に《撃退/Foil》コモン落ちに伴い【青黒デルバー】が大暴れしたせいである。
撃退がコモン落ちする以前まではそこそこ均衡が取れていたが、その後は完全に一強になっていたので致し方なし。
ちなみにギタ調はこれで宝船以来の四冠である。

  • 《目くらまし/Daze》
代替コストとして島1枚を手札に戻して唱えられるピッチカウンター。1マナ払えないと打ち消す不確定カウンターだがフルタップからでも使えるのは大きく、レガシーでもよく見る1枚。
上述のドローソース達とともに、デルバーの大暴れを抑止するために投獄された。
素のコストも2マナであり普通に唱えることも現実的。また《撃退/Foil》の代替コスト用の島を調達することもでき、序盤の隙を潰すのに重宝された。
1度に3枚を禁止にされたデルバー系を筆頭とする青系テンポデッキは大幅に弱体化を余儀なくされ、他のデッキと違い強化もあまりされなかったために、メタ上位から消えてしまった。
パウパー登場当初から存在した青系テンポデッキの大幅な衰退により、パウパーのメタゲームは大きく変動することになった。

  • 《アーカムの天測儀/Arcum's Astrolabe》
「モダンホライゾン」という、モダンで使えるカードを増やすために作られたパック出身。ぶっ壊れカードを大量に排出しモダンをぶっ壊したというのは密に密に。
1マナで出せるキャントリップ付きのマナフィルターだが、その1マナは氷雪マナ*2で支払わなければならない。
氷雪マナでないと支払えないとはいえ氷雪基本土地はすべてコモンなので使用可能な上に、もともと【青赤氷雪デルバー】というデッキが《雪崩し》*3を活用していた。
そのデッキの土地基盤の組み方がすでに共有されていたためその点は問題にならず、むしろ1マナでカードを引きつつマナフィルターを設置できるという点が注目される。
青メインで白と赤を足したデッキができたのだが、このカードの存在によりパウパーなのに色事故とはほぼ無縁となる。
それどころかサイドボード含めて、シングルシンボルのカードを少量ならどの色でもタッチできる、事実上の5色デッキとなってしまうことに。
おまけに《コーの空漁師》で使い回すというパウパーおなじみの手法により更にカード・アドバンテージを確保できる。
以前使われていた似たカードである《予言のプリズム/Prophetic Prism》は2マナだったのでテンポに問題があったのだが、このカードはそれすら克服していた。
おまけに1マナとなったため《粗石の魔道士/Trinket Mage》でサーチ可能。序盤に手札に来なくても全く問題がない。
最後にこのカード自体が氷雪パーマネントなため、上記の《雪崩し》のパワーアップに貢献する。

「土地が弱いためマナ基盤に弱点を抱えている」デッキが多いパウパーにおいて、容易にそれを克服した上にアドバンテージ源にもなるこのカードが弱いはずもなく、
このカードを採用した3色以上の《雪崩し》採用デッキが高い勝率と使用率を出したため禁止となった。

  • 《ハーダの自由刃/Hada Freeblade》
  • 《炎の円/Circle of Flame》
  • 《次元の歪曲/Spatial Contortion》
こいつらの禁止理由はちょっと特殊である。
パウパーはコモンしか使えないフォーマットであるが、こいつらはパック収録時はアンコモンであり本来は使えるはずのないカードである。
しかしMagic Online内のプロモカードではコモンで印刷されていたために実はパウパーで使用できており、「プロモでのみコモンなのに使えるのはおかしい」ということで投獄された。
正直な話アンコモンのカードをパウパーのデッキに入れようとするプレイヤーなど皆無であったので、ある意味驚かれた。

このため、正式にパック収録時にコモンで刷られたカードが出てくれば解除される可能性が高い。
《堂々巡り/Circular Logic》のように紙ではアンコモンのみだがMagic Onlineのパックではコモンなので使用可能という例もあるしね。

  • 《トーラックへの賛歌/Hymn to Tourach》
  • 《陥没孔/Sinkhole》
  • 《High Tide》
こいつらも特殊事例。
パウパーが紙のカードでもサポートされるようになったのだが、それに際してMagic Onlineだけでなく紙でコモンとして刷られたカードも使用可能となった*4
よって紙のカードではコモンのカードが存在するがMagic Onlineにはアンコモン以上のものしか存在しないカードの使用が可能になったのだが、その中でも明らかにカードパワーのおかしい上述の3枚は紙のカードでのパウパー制定と同時に禁止になる。
2マナで2枚のランダムハンデス、2マナの土地破壊、1マナで島から出るマナが増えていくとどれも強力であり、むしろ何故コモンなのかと問いたくなるレベルである。

ちなみに海外のとある大規模コミュニティでは上記に加えて《ゴブリンの手投げ弾/Goblin Grenade》と《商人の巻物/Merchant Scroll》が禁止になっていた。


追記・修正は、《灰のやせ地/Ash Barrens》を4枚揃えてからお願いします。


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