爆球連発!!スーパービーダマンのバトル一覧

登録日:2020/08/11 (火曜日) 03:36:39
更新日:2024/12/30 Mon 05:27:09
所要時間:約45分で読めます





本項目では今賀俊の漫画爆球連発!!スーパービーダマン』(以下『スパビー』)の作中で行われたビーダマンバトルについて記述する。


【概要】

ビーダマンはタカラ(現タカラトミー)から発売されている玩具である。
当該項目にある通り、当初は普通の玩具としての側面が強かったが、漫画で扱われたスーパービーダマンシリーズ以降は競技玩具としての側面が強くなっていった。
現実にも公式大会が開催され、それを基にした「5種競技キット」が市販されるなど、全国の子供たちがビーダマンバトルに興じていたのである。

そんなビーダマンブーム最盛期と言える時代に、コロコロコミック定番のホビーとのタイアップで連載されたのが『スパビー』。
そして『スパビー』の記事にある通りにその描写は 非常に派手 であり、拳銃弾のごとく飛ぶビー玉で遠距離のターゲットを狙い撃つような現実離れしたバトルが展開された。
作中の公式大会も現実のバトルとはかけ離れたサバイバルゲームのようなバトルが展開され、そこで行われる駆け引きなど、漫画として楽しめることが重視された内容になっている。
おそらく漫画を読んでビーダマンにあこがれたちびっ子たちの多くが、漫画のようなショットが現実に撃てなくて落胆したことだろう

描写こそ現実離れしているが、現実の競技ルールを参考に作られたと思われるものもあり、いくつかは再現可能だったりする。
というか現実のビーダマンも(当時のものは)改造次第で漫画初期のような球を飛ばせたりもするのだが、危険なので再現するときには素直に小規模化しましょう。

なお競技のプレイヤーには「 ビーダー 」という呼称が用いられる。
後期では「ダークマター」というルールから逸脱したビーダマン使いをビーダーと区別しているが、
ややこしいので以下では特に分ける必要がない限り「プレイヤー=ビーダー」として記述する。

【主なルール体系】

劇中では参加人数により「個人戦」「チーム戦」が分類され、さらにバトルフィールドによって「ステージバトル」「オープンバトル」に分けられた。
「ステージバトル」は競技台で行われるバトルであり、現実のビーダマン競技はほとんどこのタイプ。
しかし『スパビー』ではこの競技台もかなり大規模に描かれることが多く、また公式大会でもオープンバトルの方に比重が寄っていった。
一方で「オープンバトル」は広場での野試合のように開けた場所で行うもので、こちらが本作のバトルの多くを占める醍醐味と言える。
劇中の公式大会では映画セットのような大掛かりなものを組んでバトルフィールドとし、その中でターゲットを狙うものが多く描かれた。

加えて、狙うターゲットの種類により大まかに以下の通りに分かれる。

  • ポイント制
 バトルフィールドに配置されたターゲットをビーダマンで撃ち、命中させた側が勝利、またはそれによりポイントを得て多く取得したほうが勝利。
 ターゲットは野試合では空き缶やビーダマンなど、公式大会では競技ごとに専用のターゲットを使う。
 ターゲットだけでなく、サッカーのようにゴールが用意されそこを狙うパターンもある。

  • ラリー
 持ち球一つで、ビー玉を射出した後止まった地点にビーダーが向かい、そこから射出して……を繰り返し、ゴールを目指す。
 球を撃たず進んだり、ビー玉を紛失したら失格。
 劇中ではこれをのラリーに喩えているが、球技の印象としてはゴルフが近いかもしれない。
 ただ、劇中ではゴルフのように「撃った回数」が問題視される競技はなく、「先にゴールした者の勝ち」だけが描かれている。

  • サバイバル
 サバイバルゲームのように、ビーダーごとにライフポイントが設定され、それを奪い合う。
 チーム戦の場合が多く、「相手の全滅で勝利」と「リーダーの撃破で勝利」のパターンが描かれた。
 後述するようにビーダマンで直接人を狙うことはできないので、ビーダーにはライフを肩代わりするターゲットが追従しこれを狙う。

公式競技のレギュレーションが明記されることはなく、劇中で示されたのは「ビー玉は統一規格しか使えない」だけ。
野試合ではこれに限らず、ジャイアントボムと呼ばれる大型のビー玉を射出するビーダーも現れている。
ただし金属球は野試合でも「ビーダーの道に外れた行い」として厳しく糾弾されている。
連載終了後に現実で金属球を撃つビーダマンも出た?知らん。

ビー玉に規格が設定される一方で、ビーダマン本体の改造は非常に自由度が高い。
劇中では市販品のみならず、拡張装備どころか全パーツをイチから設計した特定ビーダーの専用機を使っても何も問題視されていないばかりか、
発射機構も通常の指で押すトリガーだけでなく、逆に引いたりスリングショットの応用でハンマーを叩きつけたりバネの力で飛ばしたり拳で叩いたり……
と、様々な改造品が登場していた。
ぶっちゃけ ビー玉を発射する機構に人間の動作が加わっているのなら何をやってもいい レベルである*1
ちなみに作者は本作に登場するビーダマンは「人力で発射することでビー魂が乗る」という制約を設けており、スリングショットやストライカージェミニは人力でエネルギーを貯めているので可としている。
ファンの動画で話題になった200点射改造ビーダマンも作者の中では 「人力で200発貯めてその位置エネルギーを利用してるので縛り内」 らしい。
(作者は「ビーダマンの本質はビー玉射出装置」とTwitterで幾度か述べており、機構の自由な発想はここに基づいているのだろう)
一方で電動の機構は作中にはマガジン等以外ではロボットターゲットしか使っておらず、現実に存在した「Dr.タマノスペシャル」も本作には登場しなかった。

なお、作中ではビーダーの絶対的事項として「人に向けて撃ってはいけない」ことが幾度も重ねて強調されている。
これを破った者が上記「ダークマター」に堕ちてしまうことが連載後期には描かれている。
言うまでもなく、現実の玩具のルールを順守しているのだが、漫画のように宙を飛ぶ勢いのビー玉を人に当てたらどうなるものか、説明するまでもない。
劇中ではダークマターの他、特別編のバーチャルビーダーのように人を直接狙う競技も描かれたが、タマゴたち主要人物は最後までこの原則を守り抜いた。
重ねて述べるが、「人に向けて撃ってはいけない」のは絶対的事項であり、現実でもやってはいけない。
なお前述の200発ビーダマンは相手の手を巻き添えにしたが。

…というか、当時のビーダマンは本気で20km/h前後で撃てるのでガチで人に向けてはいけない。200(ryの製作者とその仲間は当然のようにスパビーすら超える魔改造機でバトビー以降のPvP競技をやってたしなんなら相方とディレクトダイレクトヒットバトルをやってたけど

この他、野試合においては「互いのビーダマンやビー玉を賭ける」など、バトルにおける賭けや条件もしばしば描かれている。
両者の合意があれば問題ないのだろうが、大抵の場合は片方がイカサマしてトラブルを呼んだり、ちびっ子からビーダマンを奪うなどの弱い者いじめの手段として描かれており、あまり評判は良くない。

【劇中のバトル】

以下は劇中で行われたバトルを本編の掲載順→特別編の順番に記述する。

記述するのは
  • 劇中である程度ルールの説明が存在すること(ルール説明なしでバトルの展開が省かれている幕間の野試合などは類似競技に付記)
  • 対等の対戦相手となるビーダーがいること(本編と特別編のVSオーグルや特別編のVSグーバなどは除外)
を原則として記述する。

※以下、劇中の展開も記述するためネタバレ注意!


【サラー・円編】

公式大会開催前なので、ほぼオープンバトルであるが、バトルフィールドを制限することで屋外でもステージバトルに近いものが描かれた。

◆空き缶落とし(カンシューティング)
広場でタマゴたちが行うバトルは、ターゲットとして空き缶をつかう「カンシューティング」がメインであり、ターゲットの使い方で多くの派生ルールが出ている。
記念すべき連載最初のルール説明が入ったバトルはタマゴVSガンマによるカンシューティングで、工事現場をフィールドにした。
空き缶を3本並べて、その手前にロープを置いてそれより前から撃つ。相手より多くの缶を先に倒せば勝ち。
ただし持ち球は2発なので、1発外せば勝ちは無くなってしまう。よって正確な狙いが要求される。

フィールドは工事現場だけに障害物も多く、狙いやすいポイントを選ぶのも重要だが、タマゴが接近して一つ落とした後にガンマはスタート地点から狙撃。
それを見たタマゴは布と足まで使った極限のシメ撃ちで、ガンマと同じ場所から狙い撃つ勝負に出た。
結果はタマゴ側のビー玉は狙いがずれたものの、鉄骨に当たっての跳弾でターゲットに向かい、ガンマの狙撃と同時に着弾、引き分けとなった。

◆空き缶早撃ち勝負
バトルを求め付きまとうタマゴに折れたガンマが、タマゴの「自分の知らないバトルをやりたい」という要求に答える形で設定したバトル
広場の土管の上に缶を10本ずつ並べ、先に自分の分を落とした方の勝ち。狙いと連射力が要求される。

開始するなり、タマゴが1発撃つ間にガンマは5連射で半分を落として見せた。
両手撃ちでリロードに体勢を変える必要のあるタマゴに対し、片手撃ちで空いた手に次弾を用意できるガンマに圧倒的に有利なルールで、ガンマは周囲から批難された。
タマゴはこれに対し、缶は一直線に並べてあるのだから横から撃てば一撃と動くが、力を入れすぎてビーダマンが破損。
ガンマはこれをルールに対するごまかしとして失格を言い渡す*2が、泣き叫ぶタマゴとビーダマンの関係を知りビーダマンを修理。
明確な勝敗がつかないままにお流れとなった。

単行本11巻の特別編では札月兄弟がこれらしきバトルをガンマに挑んで負けており、ガンマは自分に連射勝負を挑む札月の根性を見直したが、実は札月側の缶は接着して2本ずつ倒れるようになっていると判明しあきれ果てていた。

◆サラー邸のバトル(仮称)
街でタマゴたちに目を付けたサラーが、自宅の戦闘庭園(バトルガーデン)に誘って行ったバトル。初のステージバトルとなる。
ビリヤード台のような競技台に向かい合って立ち、相手のゴールにビー玉を入れれば勝ちという単純なルール。
ただし「多少の障害物」として 開始前に天井からが降ってきて台に突き刺さる

剣を避けて狙う必要があり、基本は競技台の壁部分に跳弾させて狙うことになるが、サラーは「スネークショット」という変化球で剣を避けて撃ってくる。
しかも金持ちの利点を生かし、「一人一体のルールはない」の名目で無数のビーダマンを使い、一発撃っては投げ捨てるというえげつない連射を繰り出した。
ビー玉を止める防御が精いっぱいのタマゴだが、正面の剣に隙間がありちょうどゴールを一直線で狙えると判明。

ガンマから借りたロングバレルで狙いを定め、渾身のパワーショットを撃つとサラーの球は割れ、そのまま1発でゴールに入った。
なお割れた球には重りが入っており、スネークショットは重心をずらしたビー玉によるイカサマと判明した。

◆ビーダマンバトルラリー
先のバトルの負けを認められないサラーが本気を出して挑むとしたバトル。
サラー邸裏のガケを使うラリー式の内容。ビー玉は1つだけを使用し、ビーダーは撃ちながら崖を下っていき、相手より先にゴールに撃ち込めば勝利となる。

ガケは急勾配とヘアピンカーブが続いて海岸まで下るようになっており、海岸のビーダマン像がゴールとなる。
フィールドの構造上、下手に強く撃てばあっさりコースアウトしてガケの下にビー玉が転落、紛失して失格になってしまう。

こちらではサラーはガンマのビー玉を使って不正はないと証明した上で、愛機であるゴールデンビーダマンを使用。独自の機能であるの変化球を駆使してコースを順調に下っていく。

執事のセバスチャン曰く、サラーは天性のコントロール能力を持っていて「我々が手を貸さずともこのコースでは無敵」とのこと。
タマゴはカーブ一本曲がるのにも何発も撃って苦戦するが、ガケの構造から 自分がビー玉と同時に落ちて ショートカットしつつビー玉を紛失しないように進む荒業を実行。

タマゴの熱意に狼狽えながらも続けるサラーだが、雨天の影響でビー玉がスリップ・転落し、結局タマゴと同じ行動をとることに。
最終的に手がボロボロになりながらも、足を使ってのシメ撃ちで最後の一発をタマゴが決め、勝利した。

この最後の1発のシーンは本誌掲載時のあらすじ・人物紹介部分でタマゴの絵として長らく使われており、コロコロで追っていた読者には印象深いカットであろう。

◆巣箱チャレンジ(仮称)
雪山のスキージャンプ選手ビーダー・隼人が行っていた挑戦にタマゴがチャレンジしたことで、結果的にタマゴと隼人と隼人の兄のバトルになったもの。
隼人は兄と雪山に秘密のジャンプ練習場を作っており、そこからジャンプしつつ木の上にある空の巣箱の穴にビー玉を撃ち込むことで金メダルの願掛けにしていた。
しかし一度も入らなかったらしく、さらに隼人はスキージャンプの失敗がトラウマで飛べなくなっており、今では行っていなかった。

話を聞いたタマゴはスキーが滑れないためソリでジャンプして狙い、外れたものの的にかすらせて見せた。
それに反応する隼人を見た彼の兄が、隼人を奮起させるべく自らも挑戦。ただし隼人の兄はビーダーでないので、 タマゴを肩車して撃たせる 形で挑戦した。
その後、タマゴと兄の励ましを受けた隼人は自ら挑戦、トラウマを振り払って完璧なジャンプを決め、巣箱の穴にも見事命中させた。
巣箱は落ちてしまったが、隼人の兄が春になったら戻すと語っている。

◆激突(クラッシュ)バトル
「勝負を断ったから不戦勝」という理屈でガンマのビーダマンを奪った円大作が、取り戻しに来たガンマとの対決で提案した。
一本のレールのそれぞれの端にビーダマンを置き、そこにビーダーが立って向かい合ってレールを走らせ撃ちあう。相手側のビーダマンを倒せば勝ち。
劇中では珍しく、友達と遊ぶ場合の方法が図で示されたバトルであり、再現が容易な部類に入る。
図では溝を掘ってレールにしているが、円は川を渡して釣り糸を張り、それをレールとしていた。このため屋外ではあるがバトルフィールドは決められており、ステージバトルの類に入ると言える。
正面切って撃ちあうので、パワー勝負が要求される。円は大型ビー玉「ジャイアントボム」を使うパワーシューターで、ガンマを事前に研究していたことから彼の苦手なパワー勝負を選択していた。
三回勝負で二回勝った方が勝ちとし、円が勝てばガンマの新型機とタマゴのビーダマン両方をもらうという内容で条件が組まれた。

ガンマは新型機クイックローダーの連射とパワーウイングの強化で向かうが、体力がついていかず一戦目で勝つも二戦目で敗北。
三戦目をタマゴにまかせるが、足を使ったシメ撃ちが使えない*3ためメタルウイングを装備。
しかしまともに撃つことすらできず、ショットで釣り糸を切ったことで円が延期を提案、タマゴたちも特訓することに。
翌日の再戦ではメタルウイングを使えるようになったタマゴがパワーで互角、手数で勝ることで有利になるが、円は鉛玉「ヘビーボム」を繰り出した。
レールが釣り糸なので鉛の重さでレールがたわんで広がり、通常の球は当たる前に隙間から落ちるというバトルの根幹を破壊するイカサマに、タマゴは激昂。
マックスパワーを接近させたヘビーボムに直接当てて制止した上に、もう一発撃ちこんでヘビーボムを送り返た。
通常のジャイアントボムで鉛玉を止められるはずもなく、ビーダーの道を踏み外した報いのごとく円は己の生んだヘビーボムに倒されるのだった。

◆バトルサッカー
練習のために広場を占拠したサッカー部と、広場を賭けて戦ったバトル。サッカー部はストライカーの黒羽兄弟が、ビーダーはタマゴとガンマが参加。
サッカーのフィールドに見立てた場所で、ゴール部分に空き缶を置き、ゴムボールにビー玉を当てて動かしゴールに送り込む。先に相手ゴールの缶をゴムボールで倒せば勝ち。
作中初のチームバトルであり、連携が非常に要求される。

当初、チームバトル未経験ゆえに翻弄されるタマゴとガンマだが、思い切ったタマゴがガンマに待機を指示して一人で兄弟からボールを奪う。
ガンマもタマゴを信じ、タマゴの約束通りに正面に送られてきたボールを撃ちぬいて見事ゴール。抜群のコンビネーションを見せた。

単行本9巻の特別編ではタマゴが広場でかけるたち友人とこのバトルをしているが、タマゴが勢い余って土管に突っ込み救急搬送され、決着はお預けになっている。

◆宝探し勝負(トレジャーハントバトル)
タマゴをライバル視するネコ丸が、夜中に練習していたところ偶然タマゴが現れたために挑んできたバトル。
バトルフィールドに隠されたターゲット5つのうち、先に3つを倒した方が勝ち。
劇中のバトルフィールドは夜中の墓地で、ターゲットは夜光塗料を塗って光るビーダマンをガンマが隠した。

ネコ丸はそのフットワークでタマゴたちを驚かすが、肝心のビーダマンの狙いがさっぱりだったので、タマゴに2点先制される。
が、夜光塗料は時間経過で光が弱まるため、タマゴは次第に発見できなくなり、夜目の効くネコ丸有利な内容になっていった。
同点に追いつかれるが、タマゴはネコ丸の狙う方向からターゲットを推測し、そこにめがけて撃つことで勝利した。

パワーと連射はそこまで要求されないので、現実再現もしやすい部類だが、バトルフィールドの確保がネックだろう。
少なくとも 昼夜問わず墓場で遊ぶのはやめましょう


【全日本ビーダー選手権(地区大会)編】

ここからは主に公式大会となり、チーム戦をメインのバトルとして描くようになっていく。
当初はステージバトルが中心となるが、準決勝からは会場に巨大なセットを組んだオープンバトルとなる。
ちなみに、予選種目の時には「実際の種目とは異なります」との注意書きが添えられている。

◆「天国への階段」
予選種目。多数のビーダーを3人一組のチーム16組に絞り込む、全員参加型バトルロイヤル。

ルールはラリー制で、会場までの道のりにはソケットというくぼみがあり、ビー玉を撃ってこれに引っ掛けながら進んで障害を潜り抜けていく。
エントリー時にチームの申請を行い、通し番号付きのビー玉をもらう。持ち球はこの1発で、申請したチーム全員がゴールしなければ予選突破とはならない
チーム全員のゴールしたタイムで予選順位が決定され、上位16チームのゴールで終了。

第1関門は坂道で、これの先にある第2関門が迷路。ノーヒントだが、山に作られているので上昇気流が吹き抜けるのをつかめば攻略できる。
第3関門は細い橋を渡らせ、ビーダーはその上の金網を通る。橋から落ちたビー玉はどうなるのか不明だが、おそらくは紛失扱いで失格。
これを抜けた最終関門は巨大なクッションの階段……というかほぼガケを上るもので、一番上にゴールがある。

数々の技能はもちろん、とにかく最後まで体力を要求されるもので、最終関門は息切れして止まるビーダーが目立っていた。

タマゴたちのチームは伊集院とその手駒にされている後藤・三上の妨害を幾度と受けるが、いずれも機転で乗り越えていき、最下位ながらも予選通過を果たした。
本選第1試合ではそれを幾度も笑われるが、1位通過の伊集院がタマゴたちのほぼ目前でゴールしていたので、実際の順位にはそれほど開きがなかったものと思われる。

ちなみに、タマゴたちのチームで一番数字が大きいサラーの番号は3で割り切れない数字である*4

◆タイムショックバトル
本選第1試合。円形のテーブルを半分に分けてそれぞれのチームの陣とし、中央から出る爆弾型タイマーを撃ちあって押し込む。
タイマーは60秒で爆発し、その時点で自陣にタイマーがある方の負け。3回勝負で2本先取した方の勝ち。
現実のビーダマン競技の「ホッケー」に似ているが、あちらはゴールに押し込むバトルサッカーに近い内容なのに対し、こちらは制限時間制で細部が異なる。

連射とパワーの双方が要求されるバトルで、ファイティングフェニックス開発に集中していたガンマたちはタマゴ抜きで対戦することになる。2対3という不利な条件に加え、ラボに用意されていたOSパーツを自分たちだけ見逃したこともあり1戦目は惨敗。
2戦目ではあえてOSギアを外し、二人は己の力を最大限出してなんとか勝利する。
だが、3戦目でも無茶な連射を続けたガンマはビーダマンを落としてしまいピンチに。

しかしタイムアップ間近、ファイティングフェニックスを完成させたタマゴが登場、たった一撃で相手陣地の端までタイマーを押し返して逆転勝利するという衝撃の初陣を飾った。

次の試合では伊集院たちのチーム(キング・ビーダーズ)が対戦したが、タマゴへの挑発としてあえて打ちっぱなしにさせた後、同じように一撃で勝利して見せている。これを宣戦布告ととらえたガンマは新パーツ開発のため急いでラボに戻るのであった。

◆ブロックバスターバトル
本選第2試合。長方形のステージに向かい合い、互いの陣にあるブロックの壁の内側にターゲットを隠す。
相手のブロックを破壊してターゲットを見つけ、先にゲットしたチームの勝ち。
現実の競技として採用されたバトルであり、市販の競技セットにも「ブロックシューティング」として用意された内容である。
ただし、市販セットでは競技台の狭さとブロックの少なさから漫画のようにターゲットを隠せはしないので、むしろ先にブロックを崩してターゲットを取る早撃ち勝負のような趣が強い。

カスタムパーツで連射能力を強化したガンマだが、対戦相手のパーフェクトハンターズは散弾により面でブロックを攻撃できるという、このバトルと非常に相性のいい相手だった。
しかもサラーのゴールデンビーダマンにターゲットが映り込んで特定されるというミスまで起き、ターゲット前のブロックを破られるピンチにまで至る。
しかしタマゴの自陣ブロックを撃って穴をふさぐ奇策と、ガンマのビー玉爆弾作戦*5で逆転勝利した。

◆シューティング・テニス
ワイルドワイバーンを完成させたガンマが練習のため外に出たところ、同じく新パーツのテストに来たビリーが挑んできたバトル。
カンシューティングの派生競技で、それぞれが交互に缶を狙って撃ち、一発でも外すか止まるまでに撃てなければ負け。

ガンマは姿を隠したまま挑むビリーを引きずりだすことに成功するが、勝負は互角で決着せず。
そこにガンマ用のターゲットの缶を集めたタマゴが来たため、放り投げさせて連射勝負に切り替わった。
連射勝負の結果、ガンマ8個命中、ビリー5個命中でガンマが勝ったと思われたが。ビリーが去った後に二つずつ当てていたことが判明。
それぞれを別に当てていれば負けていたことに気づいたガンマはビリーへの対抗心を燃やすことになった。

なお、劇中で大会参加者は 期間中に大会以外のバトルは禁止 とされているのだが、誰にも見つかっていないためかお咎めなしだった。

◆ストリート・シューティングバトル
準決勝。会場内に映画セットのような西部劇の町「ウエスタンワールド」が用意され、そのメインストリートを歩いて出てきたターゲットを狙うポイント制バトル。
ターゲットは板状になっており、明確に正面から倒さなければポイントにならない様子。
往路と復路に分かれ、行きは3分割されてメンバーが一人ずつ出て対戦する個人戦。帰りは全員で参加するチームバトルで、砂嵐のギミックが作動して視界をふさぐようになっている。
復路ではターゲットの種類も、動いて当たりにくい「ダンシングターゲット」と複数のダミーの中に一つだけ本物が隠された「メニーターゲット」に変化する。
そして最後のターゲットは、上の給水塔から水のカーテンが手前に流されることで水圧のバリアによりビー玉を阻むターゲットになっている。
往路は各5点のターゲット、復路は6点で合計21点。先に11点取得すれば勝利になるため、展開次第では往路だけで決着がつくこともありうる。

バトルフィールドが西部劇の町で開けた形になっており、ターゲットを狙いやすい場所を探すのも作戦の一つである。
劇中ではバーグラーズの大倉とサラーの対決で、大倉がサラーの射線上に立ったことを妨害としてガンマが抗議するが、上記の理由で不正ではないとされている。

またステージのどこからターゲットが出るかは予想がつかず、地面から現れたり建物の屋根の上だったり窓の向こうだったりと様々。
さらに建物のセットは意外と精巧に作られていて、ビー玉の衝撃でターゲット手前の窓が閉まってしまうというハプニングも発生した。
ただしそういうハプニングでもパワーショットで障害物を破壊できる(窓はアメ細工だった)ため、試合続行不可能にはならない。

チームガッツはガンマが往路でビリーとの個人戦に敗北、その能力に動揺したことで復路で早々追いつめられてしまう。だが、ビリーの言葉とサラーたちの説得で冷静になり、チームプレイを活かして反撃を開始。ついには同点に追いつく。

最終ターゲットではビリーが水のカーテンの特性から地道に狙うのに対し、チームガッツはタマゴが足を使ったシメ撃ち「キャノンショット」で正面突破、勝利を収めた。

続くキング・ビーダーズは対戦相手のT・レックス相手に1点も与えないまま、往路第3区でコールド勝ちとなり、新型機の存在とその実力で会場は静まり返った。

◆ゴールデンターゲット探し
決勝戦の第1試合と第2試合の種目。会場内に作られた「栄光の金字塔(グローリアスピラミッド)」というダンジョンで行われるバトル。
それぞれのチームが別の入り口から入り、ステージ内に隠された金色のターゲットを探す。

ギミックとして、壁などに色の違うパーツがあり、そこを破壊するとライトが出てくる。このライトは少しずつずらしてステージを照らしており、すべてのライトが当たる部分がターゲットの位置となる。

加えてそれぞれのビーダーには「シャドウボム」という半球状の爆弾型ターゲットが随伴。これは2発ビー玉を当てられると爆発し、破壊されたビーダーは次の試合まで参加できなくなる。

各ビーダーはこれを守り、相手のボムを撃破しながらターゲットを探すというサバイバルゲームの要素も組み込まれている。

なおターゲットを示すライト以外にも、ピラミッド内部は崩れやすい柱など仕掛けが用意されており、ガンマは入り口にある落とし穴という初見殺しもいいとこの罠にハマった。

この試合で初登場したシャドウボムは作劇的に非常に都合がよいアイテムであり、後の試合にもたびたび登場している。

◆ゴールデンボムハンティング
決勝戦第1試合と第2試合とでそれぞれ1点ずつ取った場合に行われる最終種目。
各チームに一人、大将を選出。大将には金色のシャドウボム「ゴ-ルデンボム」がつく。
今度はターゲットではなく純粋に各ビーダーのシャドウボムを狙うサバイバルで、先に相手のゴールデンボムを撃破したチームが優勝となる。
今度のボムは1発で爆発し、さらに会場は第2試合のステージの中央部分がせりあがる形で狭くなっているため、まさに気の抜けないサドンデスとなっている。

決勝戦の顛末については伊集院圧政の項目を参照。

【TOPビーダー選手権(全国大会)編】

大会におけるステージが人工島を丸ごと一つ使うものになるなど、スケールがさらに拡大していった。
ここではTOPビーダー選手権開催までの間の展開も扱う。

◆ヘビー・カンシューティング
劇中で行われたのはガンマ提唱の早撃ち勝負と同じ内容だが、こちらは空き缶に水を入れて重たくすることでパワーも要求されるものになっている。

西公園で、負けた方が公園を出ていく条件で札月鋭一とビリーが対決。
ビリーは連射でフォローできるため普通なら負けないが、札月はJBAの落とした試作PIビーダマン「X-01」を装備しており、性能差で負けてしまった。
公園を取り戻すためガンマの協力でPIビーダマンを手にしたビリーは、負ければ札月兄弟の子分になる条件でリベンジマッチ。
実は札月側はビリーの缶だけ水を増やし、さらに最後の缶は砂まで入れるというイカサマを働いていたが、ビリーは開始の合図を「鋭一が先に抜く」としながらも新型機で圧倒。
最後の缶も合体ビーダマンのブラストグリフォンで撃破、札月を追い出した。
直後、JBAの面々が現れて、札月のX-01は回収されている。

◆シューティングサッカー
記憶喪失のビーダー・村上海人の記憶を取り戻す手がかりをつかむのと、完成したばかりのバリアントワイバーンの性能テストのために行われたバトル。
サッカーコートを模したステージで、それぞれのビーダーがゴール地点に立って撃ちあい、先に10点先取したほうが勝ち。

ゴール部分はキーパーとなる人型の板がついており、上にいるビーダーの位置と連動することでビー玉を防げる。
現実にも同種の競技は存在するが、こちらは漫画らしくバトルフィールドがかなり広大になっている。

当初はガンマが優勢だったが、バトル途中で海人が記憶を取り戻し、ノーチラスポセイドンが本来の性能を発揮。
驚異的な連射力よって対抗意識を燃やしたガンマと海人は足を止め、防御を捨てた純粋な連射力勝負になった。
結果、パワーではワイバーンが勝っていたこともあり、10対5でガンマが勝利。

◆チームガッツメンバー選出特別バトル
TOPビーダー選手権には5名のメンバーがいると知りビリーを勧誘したチームガッツだが、特別扱いを嫌うビリーが「実力でなるなら」と提案したため開催。

四方を開けた広場中央の土管にタマゴとガンマが陣取り、二人のシャドウボムを参加者が狙う。ボムを撃破したビーダーが新メンバーの資格を得る。
ただし、チームガッツも土管の上から反撃する。参加者は紙風船を足に着け、それを割られたら失格となる。

一見するとチームガッツとの直接対決だが、紙風船は チームガッツ以外の攻撃で割られても失格 である。
なので下手に先走って飛び出せば、後ろに待機する他のビーダーが紙風船を狙って攻撃してくることになる。
要するにタマゴとガンマは「攻撃してくるターゲット」に過ぎず、本当の対戦相手は他の参加者

これは意図的に用意された「ルールの罠」であり、同士討ちすることでガンマたちが大量の相手をしなくてすむ上に、これに気づければ相応の腕利きであることが保証されるという一石二鳥の構造になっている。

実際に残ったビーダーは、ほとんどが全日本選手権でチームガッツと当たったような、相当の実力の持ち主だったのでこの試みは成功と言えるだろう。
……気づけていなかったネコ丸が、他のビーダーに押されて前に出れなかったために偶然生き延びてしまったが。
最初に獲得したビリーは、この構造からこれを「やられるためのバトル」「お前らに勝ったと思っていない」と評した。
やはりこの男、どこまでもキザである。

上記の罠により半数以上脱落後、残った者たちが膠着状態になるが、ビリーが先陣切って登場。タマゴたちの足場が狭く移動の自由が利かない点を突いてタマゴを撃破した。
それを見てビリーのチームメイトだった大倉が飛び出し、それが呼び水のごとく続々とビーダーが突撃*6
乱戦となるが、恐怖で飛び込めなかったネコ丸の適当に撃ったビー玉が、偶然ガンマのボムにヒットしてしまい……。

◆バルーンショット
ネコ丸に因縁をつけた札月兄弟が、ネコ丸の飼いのミミを人質にとって求めてきたバトル。
負ければネコ丸は託された新型機のハンティングリンクスを引き渡すという条件で、泣きながらも受けるしかなかった。
先を丸めた画びょうをセロテープで固定した風船を流し、それを撃つ。割れるのは画びょうに当たった時だけで、風に吹かれて不規則に動く風船を狙う難しい競技である。

しかし札月兄弟は、弟の鋭二が糸で風船を操り、ネコ丸を疲労させたところで鋭一の前に風船を動かしてゲットするというイカサマを企てていた。
開始直後、様子を見ていたガンマたちがイカサマに気づいて鋭二を捕まえ、ミミも奪還したことで正々堂々の勝負に。
ハンティングリンクスの機能で苦手だった狙い撃ちを克服したネコ丸は、人生初の(そして作中で彼個人として唯一の)勝利を飾った。

◆海戦(シーバトル)
TOPビーダー選手権第1回戦。水をテーマにした闘技場「ウォーターワールド」で行われる。
(巨大なプール)の中央にいくつかの背の高い岩が立ち並ぶ構造のバトルフィールドで、互いのチームがボートに乗り移動。
ボートは自転車のような足漕ぎ式で、運転メンバー2名とバトル参加メンバー3人にチームを分割。バトル中にビーダマン同士をタッチすることで運転とバトル参加を入れ替えられる。
ボートは前に2つ、後ろに3つのターゲットブイを浮かせており、相手チームのブイを先に全て撃破したチームの勝利。

波により常に足場が揺れるため、慣れなければ狙い撃ちも難しい。
しかし、 バトル参加メンバーならば攻撃する場所は自分のボートでなくても問題ない というルールになっている。
よって海を泳いだり、中央の岩場に陣取ったりするのはもちろん、 相手のボートに飛び乗ってブイを狙う という海賊のような戦法も可能。
戦略の自由度においては作中でもおそらくトップクラスであろう。

チームガッツは相手チームの瀬戸内バイキング(村上海人のチーム)が水上戦に慣れていたこともあり、上記のような奇策によって一瞬で追い込まれるが、高速ドライブによる水切りショットなどこちらも数々の策で対抗。
しかしチームガッツの船がタマゴの力で故障、さらに瀬戸内バイキング側の船もキャノンショットで浸水・沈没の危機となり、あろうことか海人はボートを衝突させて全員を海に叩き落しチャンスをつかむ作戦に出る。
作戦通り一番に顔を出したが、船に残ったネコ丸がギリギリ一発を止め、次弾がブイに命中する前にタマゴの水中キャノンショットが相手ブイを貫いて、チームガッツが接戦を制した。
このバトルで設備が激しく故障してしまい、次の試合開始が遅れてしまうことになっていて、次に試合する予定のヴァンクィッシャーズがクレームをつけていた。
上記の通り故障原因は主にタマゴのバカ力のせいである。

余談だが、プールの水深は 海人が身長の倍以上の深さまで潜っても足がつかないレベルで深い
にもかかわらず、 参加者は誰一人として救命胴衣の類を身に着けず 、ボートにも浮き輪などはなく、あまつさえ 決着後におぼれているビリーをJBA職員の誰も助けに行く様子がなかった (気づいたガンマが助けに行った)。
ビーダマンの威力云々と別の意味で、作中で最も生命の危険がある競技だったのではないだろうか……。

◆陸戦(ランドバトル)
TOPビーダー選手権準決勝。土と岩をテーマにした闘技場「闘いの谷(バトルバレー)」で行われる。
全員参加のサバイバルで、円形の岩が立ち並ぶ谷がバトルフィールド。
各自シャドウボム(1発で爆発)を装備し、大将には大型のキングシャドウボムを装備させる。キングボムを撃たれたら負け。
各チームのスタート地点には通常シャドウボムの予備が3個置かれており、通常ボムを破壊された場合でもここで補充すれば戦線復帰可能。
逆に言えば残機を使い切れば、以降撃破されたメンバーは退場となる。
キングボムのマスターは交代が可能であり、参加者がタッチすることでマスターを交代する。
キングボムは大きいために、バトルフィールドの岩に引っかかって移動することができない場所があるというデメリットも抱えている。
ただし、バトルフィールドの岩は軽く脆い素材でできていて、ビー玉で破壊可能。通り道の確保や相手キングボムを封じる障害物に使える。

チームガッツは対戦相手のヴァンクィッシャーズリーダーがガンマの後輩・我猛トキオということもあり、ガンマの性格を分析した作戦とタマゴをも凌駕するバーニングアトラスのパワーに苦しめられる。
しかし冷静さを取り戻したガンマが相手の動きから冷静に行動を分析し、さらにタマゴのコンバットフェニックスが戦闘中に完成。
キングボムを守る八点射バーニングアトラスに対して賭けに出て、見事勝利をつかんだ。

前述したとおり(ビーダマンが未完成とはいえ)タマゴをも圧倒したパワーショットを放つバーニングアトラスにその八点射改造、「最強」と称されたコンバットフェニックス誕生と登場ビーダマンのインパクトが強い。
加えてトキオたちの行動から相手大将の位置を絞り出すガンマのように駆け引き・心理戦描写も作中屈指の完成度として読者の評価が高いバトルの一つである。

◆ボルケーノ・サバイバル
TOPビーダー選手権決勝。火山を模した人工島とその中の古代遺跡風の迷宮「マグマオーシャン」をバトルフィールドとする。
陸戦同様、全員参加の総力戦で行われるが、今回は全員が通常シャドウボムを装備し、シャドウボムは2発で爆発する仕様。
シャドウボムを破壊されるか、 溶岩に転落 したビーダーは失格となる。

「コ、コラー! マスター!! 溶岩に落ちたら失格どころか死んでまうやないかー!!」

……さすがにそんなことはなく、この島に流れている溶岩はJBAが開発した演出用の特殊ゼリーである。実際は火傷するような高温ではないし、沈みもしない。
これによりもしも高所から溶岩に転落するようなことがあれば、クッションの代わりになってくれるため怪我もしないで済むようになっている。
にしても漫画のJBAは娯楽のために凄まじい超技術を惜しげもなく投入しているが、予算はどこからきているのだろう

言い換えれば、これは バトルフィールドから転落することを前提に作られたバトル であり、開始直後に遺跡に通じる橋が崩落するのを始め、遺跡全体が徐々に沈んで狭くなっていくようになっている。
遺跡の壁は陸戦の岩のようにビー玉で破壊可能な材質で出来ており、壁を破壊して小部屋に避難したり柱を倒して通路を作るなどして打開できるようになっている。
こうしたことを見越してかシャドウボムの性能もこれまでに比べると非常に高く、壁に張り付いて登ったり空中に浮いたりすることも可能で、ビーダーに徹底して追従できるようになっている。

決勝のシャイニングウォリアーズ戦ではリーダーの命とタマゴが一騎打ちするように誘導され、他のメンバーはそれぞれが正面から対決。
円たちシャイニングウォリアーズのラフな戦い方によって、シャイニングウォリアーズは(参加していない光を除き)全員ライフ1残して生存、チームガッツはタマゴ以外全滅。

直後にダークマター介入によって会場が崩壊したためバトル中断となるものの、 実質的にチームガッツの完全敗北 といえる結果になってしまっている。
もっとも作品のテーマ的にはタマゴが残っている以上敗北が決定したわけではないし、ガンマもこの結果を自分の負けとしながらも「タマゴが残っていた以上結果はわからない」と減らず口を叩いていた*7


【ダークマター編】

TOPビーダー選手権決勝途中から介入してきたダークマターにより、決勝戦は中断。
以降は公式大会ではなく、ビーダーと(ダークマターに乗っ取られた)JBAの抗争のためのバトルが主流となっていった。
このため野試合のようなバトルが増加したが、その中でJBAの有する施設でのバトルとなることで、これまでの公式戦のようなバトルフィールドでの戦闘も続いている。

ダークマターとビーダーのバトルでは、バトルそのもののルールとは別に「 敗北した場合、相手の勢力に入らなければビーダマンを持てなくなる 」という掟が適用される。
この他「タイマンバトルでは外野の手出しができない」など、ビーダー(ガーディアン)との間にいくつかの取り決めが交わされていることがうかがえる台詞がある。

◆津印とタマゴの一対一(タイマン)バトル
決勝戦に乱入した津印が、ガーディアンフェニックスを求めて挑んできたバトル。
先にターゲットをゲットした方の勝ちだが、狙うものがそれぞれ異なる。
津印は近くに飛行するシャドウボム「フライングボム」を浮かせ、タマゴはそれを狙う。津印が狙うのはタマゴのビーダマン本体。
開始前にタマゴのコンバットフェニックスは破壊されてしまい、タマゴはガーディアンフェニックスを預かって挑むことになった。

遺跡の壁面にしがみついていた状態から開始したタマゴは、開始と同時に手を放し落下しながら射撃。
津印が立つ柱の出っ張り部分を貫通しながらターゲットに正確に狙いを定めた。
しかし柱の破片でボムが動いたためにヒットせず、直後に津印が仲間から撤退の合図を受けたために去り、勝敗なしで流れることになった。

◆早撃ち(クイックショット)
チームガッツの調査のために現れたダークマターの津印と伴太が、札月兄弟から持ち掛けられたもの。
互いに背を向けて立ち、間に置いた空き缶を合図とともに振り返って撃ち、先に相手側に飛ばした方の勝ちというカンシューティングの亜種バトル。
札月が負ければチームガッツの情報を提供、逆に津印が負ければ彼のビーダマン(ストライカージェミニ)を渡すという条件で行われた。
津印たちはあくまで偵察のために来ていたので、ダークマターであることは伏せており、上記のダークマターとのバトルの掟は適用されていない。

バトルは鋭一と津印のタイマン。
鋭二が投げたコインが落ちた時を合図に開始し、札月は振り返らずに射撃して命中、勝利するという神業を見せ、ストライカージェミニは彼の手に渡った。
……が、札月兄弟のことなのでそんな技量のあるはずもなく、当然のごとくイカサマ。
その内容は合図とともにあてずっぽうに鋭一が撃ち、着弾の瞬間に鋭二が糸で缶を引っ張るというあまりにしょうもないもので、横で見ていた伴太にはバレバレだった。
伴太は「だまされる方が悪い」と終わるまで黙っていたが、真相を知った津印が黙っているはずもなく……。

◆キツネ狩り(フォックスハンティグ)
上の経緯で札月兄弟への報復に来た津印たちと、助けに来たタマゴ&ビリーとの間で行われたバトル。
鋭一にフライングボムをセットして逃げさせ、10秒経過してからそれを追い、先にボムを撃破したほうが勝ち。

鋭一はアジトとしている廃ビル内部へ逃げ込んで階段で追いつめられ、キレてダークマターを撃とうとするがビリーが制止。
向かっていくビリーを津印が背後から撃つと脅して鋭一を前に出させるが、ビリーは背後からの津印の射撃を本当に後ろを向いたままの連射で撃墜。

続けて放たれる伴太のバーストオライオンの四点射をタマゴのフルパワーショットが弾いてボムを撃破、タマゴ&ビリーの勝利となった。
津印は掟に従い、ビーダーに戻るぐらいならとビーダマンを破壊しようとするが、タマゴは札月兄弟を許すならビーダーにならなくていいしビーダマンをやめなくてもいいと説得。
これに応じて津印と伴太は撤退した。

尚、前述の通りこのバトルにおいて一応ビーダーである鋭一はダークマターにビーダマンを向け、発砲するというビーダー最低最悪のタブーを犯してしまっている*8。だが、実際には命中することがなかったこと、そもそもの経緯がダークマター側が鋭一を撃って負傷させることで動きを止めようとしていたことによる正当防衛であること、ガーディアンであった高原光のように責任の重い立場ではなかったことから不問となった模様。

◆E-unit争奪戦
新型機「E-unit」のデータとそのプロトタイプ「ミラージュ」が廃棄された実験場に隠されていると知った第6研究所メンバーとダークマターが、その実験場「三ケ月島(クレセントアイランド)」で繰り広げた抗争。
実験場はもともとロボットターゲットを使うアミューズメント施設の予定地で、ビーダーがターゲットを撃破して進んでボスを倒すというもの。
しかし本物のビー玉を使うロボットの攻撃の危険性から開発中止となり、以後ロボットの人工知能研究のため ロボットを野生化 させているという、魔境と化している。

厳密にダークマターとの間でルールを決めているわけではないが、実験場内部に入るためにこのテーマパークのルールとしてシャドウボムとリストバンドの装備が必要。
シャドウボムは一発ヒットで爆発し、失格者はリストバンドが強制的に動いて繋がり手錠をさせられることで行動不能となる。
これにより、実質的にビーダーとダークマターの対等条件によるバトルとして成立している。
目的は奥でミラージュを装備して攻撃してくる狼型ロボットターゲット「ガルム」に球を当てることで、勝者にはガルムからミラージュとE-unitのデータが贈られる。

奥に逃げるガルムを追うため、チームガッツはビリーが、ダークマターは津印が単独で先行。
津印の攻撃でビリーのファントムイーグルが破損してしまうが、奥地の洞窟でのガルムとの決戦では津印を利用してガルムを足止めさせ、岩陰からイーグルの最期のショットを放つことでガルムにヒットさせた。
勝利したビリーにはミラージュが与えられ、さらにデータの隠し場所も教えられるが、そこで他のダークマターがガルムを急襲しデータは奪われてしまった。

◆「白い闇」(ホワイトダークネス)
漫画『スパビー』における最終決戦となったバトル。ダークマターと結託したDr.迫が支配・率いるJBAと、支配を免れ独立宣言した第6研究所を代表とする新JBAとの運命を賭けたバトル。
負けた方は勝者の勢力に吸収されるというもので、まさしく互いの命運をかけたバトルとなった。

全国8か所のうち第1・3・4・6研究所が新JBA側、他の研究所がダークマター側として対決するサバイバルで、予備の会場として作られた「バトルクレーター」というクレーター状の闘技場で行われた。
E-unit争奪戦と同じく、シャドウボムとリストバンド装備で戦い、失格者はリストバンドで拘束されるのも同じ。
ただしバトルフィールドには噴霧器で濃い霧が張られ、非常に視界が悪い状態での戦闘となる。

しかし、Dr.迫はダークマターに有利になるようにルールを設定しており、ダークマター側には赤外線スコープを配備して霧の中でも相手の位置を把握できるようにしていた。
これに対してダークマターのリーダーである夜見はDr.迫を追及し霧を晴らすように要求するが、拒否されたため自ら指令コードを入力して霧を晴らした。
その後、夜見の口からガンマは、ダークマターの組織化と今までのガーディアンとの戦いは、ダークマターおよび自らの過ちでダークマター化した末弟マダラの救済にあったこと、
そして夜見こそがJBAのオーナーであるという真実を告げられる。
同時にDr.迫も夜見の正体に気づいて自暴自棄になり、会場の設備を破壊したためにステージが水没の危機に瀕する。
マダラの攻撃により気絶したビーダー達を助けるべくガンマ達が奔走する中、タマゴはマダラと正面から対決。
増水の結果、最大の武器であるフットワークを奪われたマダラは、タマゴのキャノンショットを止められず敗北。
「決められたルールで戦うからこそ、条件が変われば力の差はひっくり返る、だからバトルは面白い」というタマゴの言葉の意味を悟り、ビーダーとして立ち直った。



バトルは、ただビーダマンを撃つだけじゃないんだ。

ルールや状況が変われば、力の差なんて簡単に逆転してしまう。

バトルは生きているんだぁ!!


これまでの所業が露見したDr.迫は置手紙を残し失踪、会場に駆けつけたDr.タマノと夜見が握手を交わしてJBA再建を誓い、ここにビーダーとダークマターの和解が成立したのだった。

また観客として来ていたダークマターが、会場の異変に気付いてビーダーとダークマターを区別せず救助に当たったシーンは(そのダークマターが強烈なモヒカンスタイルだったこともあって)最終話の名シーンとして名高い。


【特別編(読み切りスペシャル)】

Bパーク編(恐怖!オーディーンの反乱)

SFCのゲームをコミカライズした前後編の読み切りで行われたバトル。単行本5巻収録。
この作品ではJBAが 施設内において立体映像を物質として固定する技術 の開発に成功しており、バーチャル空間において現実と同じバトルが実践できる。
しかし不可能を可能にする力・ビー魂を理解できず、そのことで廃棄される可能性に危機感を抱いたマザーコンピューター・オーディーンがタマゴたちを監禁、挑戦してきた。

なおBパークのバーチャルビーダーたち(ビーダーワールド四天王)は、ゲーム版の闇のビーダー4人衆と同じ名前・同様の容姿だがバトル内容がゲームと大きく異なる。ここでは漫画版のみ記載。

◆くい打ちバトル
タマゴと遭遇したビーダーワールド四天王のジャイアントゴロウが挑んできた。
本編で円と行った激突バトルと同様の内容だが、ターゲットは互いの足場を固定する杭。
立体映像の火口の中で行われ、撃たれた方は下の溶岩に真っ逆さま。しかも立体映像ながら落ちた汗が一瞬で蒸発する本物の熱気に包まれている。
ただし決着後の描写から、ゴロウの裁量で映像を切り替えることが可能なようなので、実際のところは演出としての機能が強いのだろう。

ゴロウはタマゴに向かい、接近すればするほど巨大化するBIGボールを放つが、タマゴはどんな球でも全力で打ち破ろうと腹を決め、正面から撃破。
実はBIGボールは相手に恐怖を感じさせるための幻影にすぎず、本当はただのビー玉であった。
それを見抜けずとも正面からぶつかった上に、転落するゴロウを助けようとしたタマゴの心にゴロウは敬意を表し、ガンマの場所への通路を開いた。

◆決闘バトル
ガンマと遭遇したビーダーワールド四天王のスナイパーシンゴが挑んできた。
雪原バトルフィールドで 互いに向けてビー玉を撃ち先にヒットさせた方が勝ち
当たり前だが、「人に向けて撃ってはいけない」のは絶対的事項であるため、絶対に真似してはいけない。
シンゴの言い分は「いつもお前たちがやっているように目に付いたものをターゲットにしているだけ」「俺は映像だから空き缶だと思えばいい」とのこと。

シンゴは自動給弾装置(オートマガジン)で高い連射力を持ちガンマを圧倒するが、ガンマのショットで降ってきた雪によりビーダマンを落としてしまう。
しかしガンマはそこから人間を撃つことはやはりできず、あえて自分を狙わせ、発射口を正確に射貫くことで勝利した。

◆岩石おとし
サラーが囚われるオーディーンの宮殿へ向かうタマゴとガンマに、ビーダーワールド四天王のハスラーナミと疾風のタクヤが挑んできた。
バトルフィールドの峡谷は岩が崩れやすく、ビー玉で岩を撃って相手を埋めれば勝ち。
ルールを聞いたガンマは即座に二人の頭上に連射して岩を崩落させ、二人の前後の道をふさいでしまった。
ルール説明から決着までわずか10コマ 。この展開には珍しくタマゴがツッコミ役に回ってしまっていた。
「アホか! そんなアブナイバトルつきあってられるか。」
「……って、もう決着ついてるけど……。」

◆死闘(デスマッチ)
オーディーンとの決戦。 決闘バトルの発展形で、お互いを撃ちあって動けなくなった方の負け。
当然タマゴは反対するが、オーディーンは タマゴたちを各自の専用機に変え 、ビーダマン同士の撃ちあいなら問題ないとして挑んできた。
オーディーンにはナミとタクヤが加勢するが、コンピューターとして最も効率的な戦いをするオーディーンは仲間を巻き添えにするなど非道な戦法をとる。

能力値で完全に上回るオーディーン相手にタマゴは、ガンマとサラーに自分を撃たせその勢いを乗せて激突、オーディーンを倒した。
オーディーンは反乱の理由としてタマゴたち人類への羨望を語るが、タマゴはバトルでオーディーンにビー魂を感じており、この対決でついにオーディーンは完成した。

なおバトル後、オーディーンたちとの「今度はちゃんとしたBパークで遊ぶ」との約束の上でタマゴたちが再び飛び込むシーンで話は幕を閉じるが、彼らが本来どういうバトルを担当していたのかは不明である。


その他の特別編

◆バトルリレー
単行本8巻収録の特別編で、ニセチームガッツとタマゴ&ガンマ&小野寺マリの混成チームのバトル*9
3種目を一人一つずつクリアして次の人につないでいく。一種目目はヘビー・カンシューティング、2戦目は揺れるブランコの上の缶を狙うスウィングショット、三戦目は空き缶の壁の奥のターゲットを倒すウォールバトル。
ウォールバトルをクリアしたほうの勝ち。

マリの提案で「チームバトル」としてニセチームガッツから提示されたものだが、ニセチームガッツはチーム戦未経験なためか実態はただの個人戦の連続。
ただし、種目の特性に応じてメンバーを選出する余地はあるので、チームでいることの意義がまったく損なわれているわけでもない。
本物側は1番手をタマゴ、2番手をガンマ、アンカーをマリで挑み、最初の二つをそれぞれ一発であっさりクリア。
マリも堅実な作戦で壁を崩すが、ニセチームガッツのタッチのミスに巻き込まれて手を痛めてしまい狙いが定まらなくなってしまう。
しかし片手撃ちでパワーショットできるバリアントワイバーンをガンマに貸してもらってクリア。
このことでニセチームガッツは本物と戦っていたことに気づき、ガンマに恫喝されると以前子供たちから奪ったビー玉を返して退散した。

◆決闘(シュートアウト)
単行本9巻収録の特別編のバトル。
タマゴの救急搬送後、バトルフェニックスを預かっていたかけるが札月兄弟にフェニックスを奪われてしまい、取り戻すために自分のビーダマンを全て賭けて挑んだ。
離れて向かい合い、中間地点に置いた空き缶を合図と同時に撃ちあう。先にゲットした方の勝ち。
バトルフェニックスの性能への過信から、札月兄弟にしては珍しくイカサマ一切なしの勝負となった。

ドライブショットの存在で大方の予想通り、札月優勢かと思われたが、かけるは前日にDr.タマノから貸してもらったマスター攻略王スペシャルⅢを使用。
タマゴ並みのパワーシューターでないと性能を最大限発揮できないフェニックスに対して並のビーダーでもそれに匹敵するドライブショットが撃てる機構を搭載しており、見事鋭一を撃破、フェニックスを取り戻した。

◆棒倒し
単行本11巻収録の特別編のバトル。
タマゴたちの町にやってきたビー玉番長が札月兄弟に騙され、チームガッツを倒すため挑んできた。
互いに向き合ってターゲットを撃つのは上記の決闘と似た内容だが、ターゲットは深く埋め込んだ棒であり、相手側に倒した方の勝ちとなる。

棒は生半可なパワーではびくともしないので、ポリバケツを吹っ飛ばせる超パワーシューターの番長は気合溜めに時間がかかるという欠点を考慮してもなお有利なルールと言える。
だが対戦相手は作中最強のパワーシューターのタマゴで、一戦目は気合溜めの間に撃たれて敗北。
二戦目はタマゴは棒を撃たず、番長が発射した後にそのショットを弾くように発射。それは棒の周辺にスズメが来ていたためで、タマゴの真意とビー魂を知った番長は敗北を認めた。
結果、タマゴは総番長として扱われるという出世を遂げることになった……。

◆ウィリアム・テル
単行本11巻収録の特別編のバトル。
札月兄弟の姉であるスケ番・寿利亜がビー玉番長に挑んだもの。寿利亜はビーダーではないが、喧嘩の道具としてビー玉を飛ばす技を使うのでバトルが成立した。
息子の頭の上に置いた林檎を射貫いたウィリアム・テルの伝説にちなんだ不良の度胸試しで、大切な人の頭上の空き缶を撃ち落とす。
当たり前だが、「人に向けて撃ってはいけない」のは絶対的事項であるため、絶対に真似してはいけない。
もっとも、その危険性も踏まえた上での「度胸試し」でもあり、実践する場合には撃つ人間に相当なプレッシャーがかかる。
なお寿利亜は弟・鋭一の頭上に空き缶を置いたが、鋭一曰く「アネキは、オレがけがしても平気なんだ」。

ビー玉番長は真っ当なビー魂の持ち主なので、このバトルを「邪道」と拒絶し、的として総番(タマゴ)が立候補してもなお「負けてやむなし」と動かなかった。
しかし鋭一が逃げ回ったために寿利亜の流れ弾がタマゴに向かって飛び、それを落とすために番長は発射、そのまま的の空き缶に命中して勝利した。
バトル後、番長はルールを破ったことから広場を去ろうとするが、寿利亜の説得もあって引き留められ、寿利亜も番長に惚れこんで彼にビーダマンバトルを挑むべく練習を始めるという結末で終わった。

◆ドライブ対決
コロコロアニキ2021年夏号で約20年ぶりに描き下ろされた対決。
タマゴと札付兄弟が遠くに置いた空き缶に当てた方が勝ちというルールで戦う、というもので上記の◆決闘と勝負のルール自体は同じ。
だが問題なのは勝負に使うのは ビーダマンではない ということだ。
なんと キャップ革命ボトルマン である。

JBAのコンピュータが 未来のコンピュータに繋がり、そこに入っていた未来のホビーの設計図を取得したので
ちょっと試作して子供たちに遊ばせてみよう *10という
タイムパラドックスなど一切恐れないDrタマノの所業でこの夢のコラボが実現した。

札付は 「全員がはじめてのホビーなら知識や技術の差はないし、俺が取ったボトルマンに有利な勝負をすぐに挑めば一勝はもぎ取れる」
というイカサマではないがセコい考えを思いついたために
遠距離まで飛ばしやすいドライブショットを撃てるワンダーグレープを取った上で、遠くに置いた空き缶に当てる勝負を仕掛ける。
(ここでいうドライブショットとはボトルキャップを横向きに射出して車輪のように転がして撃つことで、
ワンダーグレープのみ横向きで撃てるがそれ以外のボトルマンはいわゆるキャップの頭が上になる方向で射出する)
タマゴの持つコーラマルはしめ撃ちショットでパワーを乗せられるがドライブショットは撃てない…のだが

タマゴ「コーラマルでもドライブショットは撃てるぜ!横向きでな!!」*11
タマゴはコーラマルを90度横に回転させてしめ撃ちを行い、パワーを乗せたドライブショットで勝利する。
ボトルマンはフットパーツが接地していなければレギュ違反なのは内緒。

「時代が進みホビーが変わってもバトルは行う人間の心次第ってことやな」 というガンマの言葉で奇跡の対決の幕は降りたのだった。

項目は、ただ文章を書くだけじゃないんだ。
追記や修正が加われば、内容の質なんて簡単に逆転してしまう。
項目は生きているんだぁ!!

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最終更新:2024年12月30日 05:27

*1 現実の大会も当時は改造のレギュレーションが緩く、発射機構を電動フルオートにしたギャラクシーフォートレスなどごく一部を除き容認されていた。

*2 もっとも、先の空き缶落としと違って射撃ポイントを設定しなかった以上、タマゴはルールの裏をかいただけとも言えるのだが……。

*3 レールを岩の上に張ったために岩の下からでは射角の都合で乗せられず、岩に乗って撃とうとすると姿勢のせいで後ろに転がってしまった。

*4 1004なので、3で割ると「2」の余りが出ることになる。つまり……。

*5 相手チームのブロック内部にビー玉の塊を作り、そこにパワーショットを当ててビリヤードのように球を弾かせ、一気にブロックを吹き飛ばす方法。相手チームメンバーからも「そんな神業みたいなこと」と言われる無茶な策である

*6 なおガンマはこのまま動かなかったら5人目は他で探すつもりだったらしい。

*7 ただし、仮にタマゴが一人で残された全員を撃破したとしても、無抵抗の光を攻撃できずにいたので「チームガッツの勝利」で終われたのかは疑問が残る。一応、光が溶岩に身を投げるなどすれば「シャイニングウォリアーズの負け」で終わることは可能だが……。

*8 実を言うと、札月の初登場時に西公園を追い出された経緯として「人にビー玉を当てたから」ということがほのめかされている。しかしこの件についてはそれ以降、今回含めて一切触れられていない。本人の申告通り故意の行いではなかったのか、作者が設定を忘れていたのか…

*9 サラーはマリの提案で女装して正体を隠すタマゴたちを見るなり、無言で帰ってしまった。

*10 タマゴのような信頼できる顔馴染みのビーダーだけではなく、明らかにその辺にいそうな町内の子供たちにもボトルマンをばら撒いている。

*11 この台詞は第一話の「普通のビーダマンでもパワーショットはできる!シメ撃ちでな!!」にかけている。コロコロの紙面では(おそらく)最後に描かれた話で第一話の台詞を持ってくるセンスは流石である。