白心上人

登録日:2020/10/26 (月曜日) 00:08:36
更新日:2020/10/27 Tue 15:33:49
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白心上人(はくしんしょうにん)』とは、『犬夜叉』の登場人物。

CV:松岡文雄


概要

本編のおよそ100年前、白霊山の麓にお清め所を開き、多くの罪人や迷える者の魂を救ったという、たいへん徳の高い僧侶。
しかし飢饉と疫病が同時に発生したことで自身も病に倒れ、未来永劫その地の人々を救うべく即身仏になることを決意。入滅後、ミイラ化した遺体は湖の中心にある聖島という小さな島にあるお堂に祀られた。
アニメでは彼にまつわるわらべ歌も作られている。

そして本編、白霊山の清浄すぎる結界と、その周辺に出没する七人隊や奈落の手先たちに違和感を覚えた犬夜叉一行が聖島へ行ってみると、なんとお堂は藻抜けの空になっていた。
当初は、奈落が白心上人の遺体を使って結界を張り、その中に逃げ込んだと思われたが…。


作中での行動


誰だ…わが聖域を侵す者は…。

なんと、ミイラは――白心上人は生きていた。
死の直前、彼は気づいてしまったのだ。苦しむ人々が、白心上人の入滅を祈っている。それはすなわち、誰もが白心上人の死を望んでいるということ。
彼は初めて後悔に襲われた。生きることへの執着と、圧倒的な闇への恐怖。

わしは――全身全霊で人々に尽くした――

なのに――

なぜ死なねばならないのだ。

これにより、白心上人の魂は成仏できず、長い間暗闇の中に取り残されることになる。
そこへ、奈落が偽りの救いの手を差し伸べた。

怨め――

怨んでもいいのだ。

憐れな…聖人とあがめられ、迷うことも悩むことも許されず。

だが――誰ひとり、おまえのことなど考えてはいない。

(わしが――口が裂けても言えなかったことだ。)

自分を偽るな。おまえは生きたかったのだ。

わしとともに来い。わしとともに生きよ。

こうして、高僧・白心上人は、邪悪な半妖・奈落を守るために結界を張ったのである。

その後、弥勒の風穴によって結界になにかしら関わっていると見られる数珠を失った白心上人は、その場から逃亡。
逃げた先で彼が出会ったのは、同じく死人の桔梗であった。
「あなたからは憎しみも怨みも感じない。感じるのは哀しみだけ(要約)」と語る桔梗との問答の末、白心上人は自分の本当の気持ちを悟る。
白心上人は、奈落に諭されてもなお、人間や世の中を怨んでなどいなかった。
彼は本当は、「死を恐れてしまった」「自分の現状を人間や世の中のせいだと考えてしまった」己の心の弱さから自己嫌悪に陥り、哀しんでいたのだ。

苦しかったのですね。

ああ…苦しかった。

あなたはじゅうぶんに、人々に尽くしてこられた。もう…。

もう自由におなりください。

……。

いいのだろうか…。

もう…いいのです。

……。

己の心の弱さを受け入れ、未練を断ち切った白心上人は無事に成仏し、魂は天へと登っていった。


その実力や如何に


わが結界は破れぬ。

さてこの白心上人、直接的な活躍期間は五話とわずかながらであった*1ものの、『犬夜叉』の読者・視聴者からは作中最強の存在ではないかと言われている。
その徳の高さは敵対しながらも弥勒や桔梗が明確な格上として接し、成仏して魂は天へと登っていった――すなわち、「奈落に協力する」という罪を犯してもなお、極楽行きだった可能性があるほど。
何より作者である高橋留美子先生が、「白心上人の法力を五段階評価するなら七ぐらい」と語っている。かごめですら最終的には六だったのに。

桔梗をして「清浄すぎる」と言わしめる結界を、山一つ覆う規模で何日も張れることもさることながら、その浄化の力が難攻不落。
「奈落など一瞬で消滅させられる」と断言されるこれは妖怪だけでなく七人隊の残忍な心はおろか、弥勒の下心にすら反応し、不快感を味あわさせる非常に強力なもの*2
あの殺生丸*3ですら白霊山の麓にいれば人間の蛇骨*4に切り傷を負わされるほどにまで弱体化したため、終盤に出てきた死神鬼(ししんき)曲魂(まがつひ)さえも多大な悪影響を受ける可能性が高い。

作中で浄化の影響を受けていなかったのはかごめ、珊瑚琥珀りん神無の五名*5
白心上人の結界は弥勒の至近距離からの風穴に耐える強度がある上に、破られても吸い込まれることなく逃げることができる*6ため(逃げる事しか出来なかったともいえる)、
この五名の内で彼に対抗できる可能性があるのはコピー&封印で相手の能力をメタれる神無だけ。
しかも、先手を取らないとまず間違いなく神無が負ける*7

まとめると、ただ真正面から挑むだけでは、作中に登場する全キャラを投入しても白心上人を倒すことはまず不可能という見解が多い。
妖怪や半妖はそれだけで手も足も出ず、人間が白心上人の結界を破るには彼と同じぐらい徳を積む必要がある*8
そうでなければ取れる手段は、『満足できる結果を出して手を引いてもらう』か、『数多の犠牲を覚悟の上であらゆる策を用い、弱体化させて倒す』の二択ぐらいだろうか。桔梗は結果的に前者を行ったことになる。

この他にも独鈷(どっこ)と呼ばれる仏具を自在に操って遠隔攻撃をしたり、空を飛んだり、自身や他人をワープさせたりと、その力は作中に登場するどの僧侶も巫女も超えている。
念のため言っておくと、彼は七人隊と違って四魂のかけらによる補強を受けていない。死んだことで能力が強化されたわけでもない。素でこれなのである。

これほどの力があったからこそ、白心上人は多くの人々を救い、同時に「自分は聖人であらねばならない」と知らず知らずの内に自身を追い詰めていた。
それがやがて上記の自己嫌悪につながり、奈落に利用される結果になってしまったのであった。


余談

作中では、弥勒などにより幾度か「偉いお坊様が~」「100年以上前にある人間の僧侶に~」という逸話が語られているが、作者によるとこれは白心上人のことを指しているらしい。
つまり彼は劇中より前の時代にも溶命樹や冥王獣を始めとした数々の強力な妖怪たちを封印・浄化してきた事になる。

原作漫画において、白心上人の退場回は、煉骨の退場回でもあった。

また、彼は『とある魔術の禁書目録』に登場する僧正のデザインの元ネタである。



追記・修正は白心上人のわらべ歌を歌いながらお願いします。

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最終更新:2020年10月27日 15:33