登録日:2020/10/26 Mon 00:08:36
更新日:2024/09/12 Thu 00:44:12
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『
白心上人』とは、『
犬夜叉』の登場人物。
CV:松岡文雄
■概要
本編のおよそ100年前、白霊山の麓にお清め所を開き、多くの罪人や迷える者の魂を救ったという、たいへん徳の高い僧侶。
しかし飢饉と疫病が同時に発生したことで自身も病に倒れ、未来永劫その地の人々を救うべく即身仏になることを決意。入滅後、
ミイラ化した遺体は湖の中心にある聖島という小さな島にあるお堂に祀られた。
アニメでは彼にまつわるわらべ歌も作られている。
そして本編、白霊山の清浄すぎる結界と、その周辺に出没する七人隊や
奈落の手先たちに違和感を覚えた
犬夜叉一行が聖島へ行ってみると、なんとお堂は藻抜けの空になっていた。
当初は、奈落が白心上人の遺体を使って結界を張り、その中に逃げ込んだと思われたが…。
■作中での行動
なんと、
ミイラは――白心上人は生きていた。
死の直前、彼は気づいてしまったのだ。苦しむ人々が、白心上人の入滅を祈っている。それはすなわち、
誰もが白心上人の死を望んでいるということ。
彼は初めて後悔に襲われた。生きることへの執着と、圧倒的な闇への恐怖。
これにより、白心上人の魂は成仏できず、長い間暗闇の中に取り残されることになる。
そこへ、奈落が偽りの救いの手を差し伸べた。
憐れな…聖人とあがめられ、迷うことも悩むことも許されず。
だが――誰ひとり、おまえのことなど考えてはいない。
こうして、高僧・白心上人は、邪悪な半妖・奈落を守るために結界を張ったのである。
その後、
弥勒の風穴によって結界になにかしら関わっていると見られる数珠を失った白心上人は、その場から逃亡。
逃げた先で彼が出会ったのは、同じく死人の
桔梗であった。
「あなたからは憎しみも怨みも感じない。感じるのは哀しみだけ(要約)」と語る桔梗との問答の末、白心上人は自分の本当の気持ちを悟る。
白心上人は、奈落に諭されてもなお、人間や世の中を怨んでなどいなかった。
彼は本当は、
「死を恐れてしまった」「自分の現状を人間や世の中のせいだと考えてしまった」己の心の弱さから自己嫌悪に陥り、哀しんでいたのだ。
あなたはじゅうぶんに、人々に尽くしてこられた。もう…。
己の心の弱さを受け入れ、未練を断ち切った白心上人は無事に成仏し、魂は天へと登っていった。
■その実力や如何に
さてこの白心上人、直接的な活躍期間は
五話とわずかながらであったものの、『犬夜叉』の読者・視聴者からは
作中最強の存在ではないかと言われている。
その徳の高さは敵対しながらも弥勒はおろか桔梗すら明確な格上として接し、成仏して魂は天へと登っていった――すなわち、
「奈落に協力する」という罪を犯してもなお、極楽行きだった可能性があるほど。
何より作者である
高橋留美子先生が、
「白心上人の法力を五段階評価するなら七ぐらい」と語っている。
かごめですら最終的には六だったのに。
(なお桔梗は五、
楓は四、弥勒は三、といったところらしい。意外と弥勒が低い)
桔梗をして「清浄すぎる」と言わしめる結界を、山一つ覆う規模で何日も張れることもさることながら、その浄化の力が難攻不落。
「奈落など一瞬で消滅させられる」と断言されるこれは妖怪だけでなく七人隊の残忍な心はおろか、弥勒の下心にすら反応し、不快感を味わわせる非常に強力なもの。
あの
殺生丸ですら白霊山の麓にいれば人間の
蛇骨に切り傷を負わされるほどにまで弱体化したため、終盤に出てきた
死神鬼や
曲魂さえも多大な悪影響を受ける可能性が高い。
作中で浄化の影響を受けていなかったのはかごめ、
珊瑚、
琥珀、
りん、
神無の五名。
白心上人の結界は弥勒の至近距離からの風穴にすら耐える前代未聞の強度がある上に、破られても
吸い込まれることなく逃げることができるため(逃げる事しか出来なかったともいえる)、
この五名の内で彼に対抗できる可能性があるのはコピー&封印で相手の能力をメタれる神無だけ。
しかも、先手を取らないとまず間違いなく神無が負ける。
この他にも
独鈷と呼ばれる仏具を自在に操って遠隔攻撃をしたり、空を飛んだり、自身や他人をワープさせたりと、その力は作中に登場するどの僧侶も巫女も超えている。
念のため言っておくと、彼は七人隊と違って
四魂のかけらによる補強を受けていない。死んだことで能力が強化されたわけでもない。
素でこれなのである。
これほどの力があったからこそ、白心上人は多くの人々を救い、同時に「自分は聖人であらねばならない」と知らず知らずの内に自身を追い詰めていた。
それがやがて上記の自己嫌悪につながり、奈落に利用される結果になってしまったのであった。
■余談
作中では、弥勒などにより幾度か「偉いお坊様が~」「100年以上前にある人間の僧侶に~」という逸話が語られているが、作者によるとこれは白心上人のことを指しているらしい。
つまり彼は劇中より前の時代にも溶命樹や冥王獣を始めとした数々の強力な妖怪たちを封印・浄化してきた事になる。
原作
漫画において、白心上人の退場回は、
煉骨の退場回でもあった。
追記・修正は白心上人のわらべ歌を歌いながらお願いします。
- 蛮骨からは、欲があるから余計に生きてる死に損ないの上人と唾棄されているなど、あるいみ、一番弱点を突かれている。 -- 名無しさん (2020-10-26 01:39:18)
- あんな凶悪な妖怪が蠢く世界で人間がよく生存できるもんだと思っていたが、人間も鍛えまくればこうなれると知ってある意味バランスが取れている…のかなぁ? -- 名無しさん (2020-10-26 01:48:04)
- こいつは別格にしても、犬夜叉世界の坊主や巫女ってクソ強いんだよなぁ。モブ坊主ですら強い奴なら神楽の風刃を防ぐ結界張れたり、奈落の赤子を真っ二つにできるし -- 名無しさん (2020-10-26 15:00:57)
- しわくちゃのミイラみたいな爺さん坊主というどう足掻いても人気というか好印象持たれなさそうなキャラクターなのに、圧倒的な実力と丁寧に描写される人徳や心の弱さを持ち合わせた顛末から割と印象深いよね -- 名無しさん (2020-10-26 17:43:01)
- 誰かが「死んでほしくない」と泣いてくれるだけで救われたんじゃないだろうかと思う一方、より自分を追い詰めて闇堕ちしてしまいそうなのがな……上人を救った桔梗ってやっぱり偉大だわ -- 名無しさん (2020-10-26 18:32:57)
- いろんな意味で本当に人間かと疑わしいレベルの人物。確かに人間らしい弱さもあるっちゃあるがそれを差し引いてもメンタルも法力も飛びぬけてる。この人の現役時代に四魂の玉あったら浄化出来てたんじゃねえか疑惑すらある -- 名無しさん (2020-10-26 19:44:10)
- 竜骨精や鉄鷄のような巨体を誇る大妖怪なら単純な腕力だけでこの人に勝てそうな気はするけど、やっぱり結界が突破できないかな・・・ -- 名無しさん (2020-10-26 20:43:13)
- 記事としては作中同様、圧倒的な力を持った僧侶が何故か奈落についている→後々至極腑に落ちる理由だったことがわかるって方が読みやすい気がする。 -- 名無しさん (2020-10-26 20:57:12)
- 才能もあったんだろけど徳を積んだ聖人君子だからこその法力だろうな -- 名無しさん (2020-10-26 22:33:03)
- 禁書のはメガテンの大僧正のが元ネタもじゃねー? -- 名無しさん (2020-10-27 12:30:23)
- ↑イラストレーターのはいむらきよたか先生がブログで自ら公言してるよ -- 名無しさん (2020-10-27 14:40:41)
- そいつらみんな即身仏が元ネタだし、即身仏自体がある種デザインとして完成されてるから似たり寄ったりになるのは当然と言える -- 名無しさん (2021-01-21 18:56:59)
- 即身仏になるってのが仏教における一種の修行なので、生前より作中の時期の方がはるかに強い可能性はある -- 名無しさん (2021-05-03 21:58:16)
- 自分の意思で体をミイラ化させて死ぬって、心や精神が強いってレベルじゃ収まらんな。常人には想像できない苦しみ -- 名無しさん (2021-10-21 19:52:39)
- マップ兵器兼前作主人公みたいな干物 -- 名無しさん (2022-04-17 22:24:03)
- 即身仏の修行をしても途中で断念したり即身仏になる前に死んじゃったりと相当ハードルの高いものだからね。 -- 名無しさん (2022-07-24 04:30:33)
- あの世界なら即身仏の修行途中に妖怪と戦うも法力はまだしも体力の著しい低下で無念の死…とかあったんかな -- 名無しさん (2022-12-14 22:03:30)
- この人なら妖霊星にも対抗できるかな? -- 名無しさん (2023-10-07 15:55:51)
- ああなった最大の原因はもちろん市井の人々にあるんだろうけど、絶対悪であったとは言えないので何とも物哀しい。 -- 名無しさん (2024-07-25 11:32:42)
最終更新:2024年09月12日 00:44