ホットロディマス/ロディマスコンボイ

登録日:2010/11/08 Mon 19:23:13
更新日:2024/08/26 Mon 20:39:38
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宇宙を一つに!




トランスフォーマーシリーズに登場するキャラクター。本稿では、G1シリーズを中心に、後の作品に出てきたリメイクキャラクターも紹介する。
原語名はHOT ROD(ホットロッド)/RODIMUS PRIME(ロディマスプライム)。
「ロディマス」という名前については、本来は(HOT)ROD+(OPUT)IMUSという合成なので、原語の方がよりニュアンス的には近くなる。

声優は原語版ではジャッド・ネルソン(ザ・ムービー)、ディック・ゴーティエ(TVシリーズ)。
日本版では石丸博也(2010、HM、ザ・ムービー)、高瀬右光(ザ・リバース)、置鮎龍太郎(キスぷれ)。

【概要】

サイバトロンの若き新米騎士
ただし厳密には騎士である「Knight(ナイト)」ではなく「Cavalier(キャバリアー)」なので一段落ちる「騎兵」がより近い。

口は軽いが内に熱い正義を秘めた熱血漢。若輩ながら単純な戦闘の実力については相当なもの。
コンボイがマトリクスをウルトラマグナスに手渡す際、偶然零れ落ちたそれを手にしたら、内部のプライマスの魂が昔の自分と似た姿であると認識しマトリクスに「選ばれて」新総司令官となった。
司令官となった後はその若さ*1故に「新人の自分がこんな大役を担ってよいか」と苦悩することになる。
とは言え、多数の異星人と友好関係を結んだり、異星人同士の諍いの調停を任されたりする等の政治的・外交的な成果は非常に上げており、明らかに優秀枠に入る。

ホットロディマスの頃は架空の「2000年代仕様マスタング(「マスタング」は米スポーツカーブランドの一つ)風スポーツカー」、司令官になった後はキャンピングカーに近いキャビン一体型のトレーラーに変形する。どちらともファイヤーパターンが特徴的。

携行武器はホットロディマス時代は「フォトンレーザー」という二挺のレーザーハンドガンと両腕のエギゾーストパイプを応用した三連レーザーと左腕に隠されたカッター*2、そして模擬戦のみで使われた剣と盾*3
ロディマスコンボイ時代はフォトンレーザーを長い小銃化した「フォトンエリミネータ」一挺と、追加されたコンテナ部が変形する連装大型砲台などの武装を備えた「モビルディフェンスベイ」が加わる。

【劇中の活躍】


トランスフォーマー ザ・ムービー


今日がお前にとって、
最後の日だぞガルバトロン!

サイバトロンシティにてウルトラマグナスら生き残りのサイバトロン戦士や友人のダニエルと共にコンボイの死を看取る。
その後、クインテッサ星人にチャーと共に処刑されかけたり、ジャンキオンのレッグガーと親交を交わしながらもユニクロン内部に侵入。
その後、ユニクロン内での対決でガルバトロンに奪われたマトリクスを取り返しその力で、ロディマスコンボイとなる。
ガルバトロンを宇宙の果てに飛ばしたり(キスぷれにて地球に飛ばされていたことが明らかになり……)、マトリクスを解放してユニクロンを内側から破壊したり獅子奮迅の活躍を見せる。




戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー2010


ちょうどいい機会だからハッキリ言おう。
俺はもう銀河系の平和だとか宇宙の運命とかにかかわるのはゴメンだ。
どうなろうと知ったことか!

来る日も来る日もやれデストロン軍団だ、クインテッサだと息つく暇もありゃしない!
それもいつかは必ず終るっていうんならともかく、この戦いにゴールは無いんだぜ!

マトリクスを取り戻したいだと?結構じゃないか、取って来いよ。
でもそいつを付けるバカはもう俺じゃないぜ。
俺はもうゴメンなんだよぉ!

終盤のエピソード『重すぎた使命』など上記の台詞のように自分の立場に悩みながらも、ウルトラマグナスなどの優秀な部下に支えられながら総司令官としての仕事を全うした。
ただし様々な事情でマトリクスを外してホットロディマス状態に戻る事も有った。
終盤、宇宙ペストウルトラマグナスエアーボットが感染していく中、コンボイ司令官の遺体を運び出しておいた後はスカイリンクスに宇宙ペストの解決策を見つけるためにクインテッサの捜索を依頼。だが、レッグガーに宇宙ペストを移され自身も感染してしまう。その後復活したコンボイに半ば強引にマトリクスを返却する形で元の姿に戻る。


トランスフォーマー ザ・リバース

『2010』から引き続きホットロッド(ホットロディマス)として活躍。
惑星ネビュロンに到着した際は、ネビュロン人であるファイアーボルトをパートナーとしたターゲットマスターとなる。


トランスフォーマー ザ☆ヘッドマスターズ

『2010』から引き続きホットロディマスの姿となり、セイバートロン星を救うために地球をあちこち移動しデストロンと交戦。南極でブロードキャストの最期(後にツインキャストとして復活するが)を看取ったことも。
セイバートロン星に到着後、コンボイの後を追いかけてベクターシグマ内部に侵入。
アルファートリンの力によりマトリクスを注入*4され再度ロディマスコンボイになり、夢のダブルコンボイの共演が実現した。

ベクターシグマ内部に侵入したガルバトロン、サイクロナス、デストロンヘッドマスターと交戦し撃退するがコンボイはベクターシグマの暴走を止めるために命を投げ出してしまう。
ロディマスはまたしてもコンボイの最期を看取ることになった。

コンボイの死後、再び司令官になりサイバトロンを率いるがセイバートロン星爆発後、フォートレスにその任を託しチャー、ブラーと共に大宇宙に旅立っていった。

マトリクスを持ったまま。

当初は『ザ・リバース』と同様にチャー、ブラーともどもターゲットマスターとなり戦線に復帰する予定だった。

また、後年の『トランスフォーマー ザ☆バトルスターズ/RETURN OF CONVOY』ではスターコンボイ附属のマイクロTFとしてホットロディマスが登場。
企画では消防車が変形、ボディが上下に分割されてロボット形態となるニューロディマスコンボイの登場が予定されていた。
ニューロディマスコンボイの変形ギミックは後に『勇者警察ジェイデッカー』のデュークファイヤーに流用されている。

漫画版では最終話で再登場。
サイバトロンが宇宙へ去ったデストロンを追って地球を去る日が近付いた頃、まだ地球に残っていたサウンドブラスターを退けたクロームドームとウィーリーとスパイク一家の前に姿を見せる。
宇宙での旅の中で、アルファートリンとコンボイの教え、マトリクスの新しい力「地球の魂」によって平和と生きる喜びを教えられ、それが美しい人間の心であった事、
ロボットも地球人も「生きる」ために変身して成長していき、ダニエルも「大人」という大きな目標へまっしぐらに向かうトランスフォーマーである事を語った後、
先に宇宙へ行ったフォートレスと合流するために別れを告げた。

【アメコミでの活躍】

●マーベル版

US版では諸事情で登場が遅れ、目立った活躍は少ないがUK版ではメインキャラとして活躍しており、
2012年にIDWから刊行されたマーベル版の続編『リジェネレーションワン』でも主役の一人として活躍している。

●IDW版

IDW版トランスフォーマーでは、『More than Meets The Eye(MTMTE)』誌でサイバトロニアンの理想郷を作るため、伝説のナイツ・オブ・サイバトロンを探しに宇宙船ロストライトの艦長として仲間とともに危険の多い旅をしている。

【G1の玩具】

ホットロッド

G1当時の玩具は、日本ではロディマスコンボイの後に発売された。
プロポーションもなかなか良い商品となっており、2丁のレーザー銃を装備した通常バージョンの他にターゲットマスターのファイヤーボルトを追加したターゲットマスター仕様も発売。両者共にコレクションとして復刻販売も行われた。

クラシックスおよび日本版の「変形!ヘンケイ!トランスフォーマー」で、デラックスクラスでのリメイク版が発売。G1に近いデザインでのリメイクは歓迎された。
「ユナイテッド」ではホットロッド名義でカップ(チャー)、ブラーとともにクリア成型のものがセット品で発売されている。

2014年の通販限定シリーズ「クラウド」では同期であるスプラング(ジェネレーションズ版でスプリンガー名義)のリカラーで登場。元ネタがトリプルチェンジャーなので、ヘリコプターモードが追加された。頭部の塗装パターンはIDW版を彷彿させるものになっていて非常にかっこいい。

2016年の「タイタンズリターン」では、ヘッドマスター仕様となってデラックスクラスでリメイク。日本では「レジェンズ」で発売、武器が変更され、ターゲットマスターの「ファイアーボルト」が付属。元々はネビュロン人だったが、レジェンズの漫画では意外な人物が変身する。

2021年にはザ・ムービーでの仕様を再現した「スタジオシリーズ86」で発売。
スタジオシリーズらしく再現度が高いうえ、マトリクスと劇中のマトリクス発光エフェクトも付属している。

最高級路線の「マスターピース」では後述のロディマスコンボイがホットロディマスになれるほか、後にMP10以降のカーロボットフォーマットに合わせたホットロディマスが発売された。

ロディマスコンボイ

G1時代には新司令官ゆえにシリーズ開始当初に発売された…が、様々な意味で出来が悪いことで有名(プロポーションが悪かったりギミックに乏しかったり)。
近年、タカトミから発見された初期試作は出来が良かったのに…

その後もロディマスコンボイとしてはほとんど商品化されなかった。商品数がかなり多い先代に比べてかなりの不遇感は拒めない……
一応、「ユナイテッド」にてヘケヘケ版のホットロディマスの配色を大きく変更し、エンジン部にマイクロン合体用ジョイントが追加されたリデコ版がロディマスコンボイとして再販された。単なる色替えで老け顔じゃないし、肝心のマイクロン連動は手の穴が小さいため持てないが。

登場から30年以上経った「パワーオブザプライム」にて、ついにロディマスプライム主体でリメイクされた。
司令官らしくリーダークラスになっており、ホットロッドがトレーラー部分と合体してロディマスプライムになるという合体方式を採用している。
ホットロッド単体でも商品として成立しそうなクオリティを誇り、加えて合体するとボリュームの関係でやたらマッシブな体形になって非常にかっこいい。
あえてデザイン上の難点をあげるとするなら、ロディマスプライムとしてのビークルモードではホットロッドの全体像がトレーラー部分の隙間から丸見えであり、スーパーカーの後部に何かのガワを被せただけにしか見えないというぐらいか(実際そうなんだけど)。

キングダム」にてようやく当時版の玩具に近い仕様のロディマスコンボイが販売された。リーダークラスより上のコマンダークラスだが、本体の大きさはボイジャークラス程度で、キャブ部分などが豪華になっている。

マスターピースでは、ロディマスコンボイとホットロディマスのコンパチで4段変形が可能。
ただし初販版は品質がシリーズ最悪であり、パーツの噛み合わせが悪かったり変形が複雑だったり武器が持てなかったりとツメが甘かったのか色々と不評な点が多かった。
その後リメイクされたマスターピースコンボイ発売に合わせて再販された際に、前述した不評箇所は改善された。
店舗限定の米国仕様はファイヤーボルトが付属するが、一部パーツが省略されている。

【G1以外】

他のTFキャラ同様、ホットロディマス及びロディマスコンボイをモチーフとしたキャラクターが後の作品にも存在する。ここでは、名前が同じだけのキャラ*5は省略する。

トランスフォーマースーパーリンク


ガルバトロン!

相変わらず目に余る悪行の数々、
そしてメガザラックに対するこのむごい仕打ち!

このロディマスコンボイが見逃すわけにはいかない!!

第13話「狙われたキッカー」ラストにて初登場。声優は置鮎龍太郎、英語版はポール・ドブソン。
本格的にグランドコンボイ率いるサイバトロンと接触するのは第15話「敵か?味方か?ロディマスコンボイ」から。
ファイヤーシンボルの描かれた赤いセミトラックから変形する。さすがに顔はG1ロディマスよりは若く見える。
基本装備はG1と同じ「フォトンエリミネーター」。他のサイバトロン戦士とスーパーリンク可能で、彼が上半身になる際は背中のキャノン砲が使用可能。

8000年前、自由を求めて同志と共に戦火の真っ只中にいたセイバートロン星から脱出したフロンティアスピリッツの持ち主で、彼の伝説にホットショットも尊敬するほどだった。
レッドアラート、ランドマインと共にチームロディマスを結成、宇宙の平和のために戦うが、ユニクロン復活の報を聞き太陽系に帰還。
アルファQとも面識があったらしく、彼らの母星を守れなかった罪滅ぼしのため、ユニクロンの能力でその復活に奔走。
これを巡ってグランドコンボイ率いるチームコンボイとも対立したが、後にガルバトロンがユニクロンを乗っ取り制御不能に陥った際にはチームコンボイと共に戦い、最終的には彼らの陣営に加わる。

性格は冷静沈着で責任感が強いが、グランドコンボイに負けず劣らずの石頭。
一時期はユニクロンの処遇を巡って意見がぶつかり合い、最終的に決裂した際にはグランドコンボイを見送りながらも「石頭め…!」と呟いたが、彼も人のことが言えないであろう。
中の人が勇者シリーズ出演経験者のためか、メガザラックを救う際にガルバトロンに啖呵を切る姿が主役勇者ロボっぽかったのは気にしちゃいけない。

部下であるレッドアラートの上にスーパーリンクすることでスピードアップ。
ホットショットと和解した際には彼の下になりスーパーリンク。ロディマスに憧れるホットショットとの相性は抜群で、ホットショットがロディマスの下になり更なるパワーをみなぎらせて窮地を脱することが多かった。

玩具は「SC-10 司令官 ロディマスコンボイ」として発売。劇中通りハーフトラックから変形、エネルゴンポケット(クリアパーツ)とエネルゴンウェポンが装備可能。
また、ごく一部のメンバーを除きサイバトロン戦士とスーパーリンクする。

なお、講談社『テレビマガジン』2004年10月号読者プレゼントとして、『ブラックロディマスコンボイ』が限定オーダーされた。
基本カラーが赤から黒に変更された部分を除き『SC-10』と変わりはない。

トランスフォーマー アニメイテッド

オートボットの一員「部隊司令官ロディマス」としてゲスト出演。声優は石丸博也、原語版がジャッド・ネルソンで、どちらも『ザ・ムービー』と同じ。
海外名の「ロディマスマイナー」は本作での指揮官階級*6からであり、「ロディマス小隊長」位の意味。決して存在がマイナーとかそういう訳では無い。

武器はエナジーボウガンという弓矢。
同じく弓矢が武器であるMARVELのヒーロー、ホークアイがモチーフとなっているらしく、メットのデザインにも面影が見られる。
若干ウマヅラではあるが、AGOメイテッドにしてはスッキリした顔立ちのイケメン

本編では第30話に登場。
「チーム・アセニア」を率いて別の星でディセプティコンの別働隊と戦っていたが、オイルスリックの宇宙サビにやられてしまった。そして出番終了。まあゲストなので……。
むしろ一話限りのゲストにもかかわらず完全新規造形で玩具が発売されたので、他のゲストよりは優遇されている方かもしれない。

玩具は前述の通り新規で、デラックスクラスで発売。エナジーボウガンも付属し、ミサイルギミックがついている。
デラックスクラスのオプティマスとのセットで、クリアバージョンも発売された。

トランスフォーマー サイバーバース

「ホットロッド」名義で登場。シーズン1では回想のみ登場、シーズン2より本格的に登場する。声優は佐藤拓也、原語版はトラヴィス・アーツ。

バンブルビーの親友で、日本語版では博多弁でしゃべる。勇敢な性格で、少々向こう見ずな部分もあるが、ロディマスらしく指揮に優れ、一時はオプティマスの不在時に指揮官代理となったことも。

玩具は日本では「アクションマスター」版のみタカラトミーモール限定で発売。可動や造形に重視したシリーズの商品で再現度は高いが、やや塗装が少ない。


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最終更新:2024年08月26日 20:39

*1 より正確には一兵卒ランクの新人が小隊長・大隊長などの管理職業務を経ずに総指揮官になったのでその手の経験の不足。しかもマトリクスに選ばれたということはサイバトロン全軍の指揮官を通り越してセイバートロニアンそのものの指導者でさえある。

*2 玩具ではディスクカッターの様に再現される場合が多いが、実際は棒状のカッター部を回転させて円盤カッター状にする物である。

*3 騎兵(騎士)扱いされる所以はこれにある

*4 2010最終盤にマトリクスの中身は解放され尽くし空っぽの状態になっていた

*5 マイ伝のホットロッド(スパリンのホットショット)や最後の騎士王のホット・ロッドなど

*6 「マグナス」→「プライム」→「マイナー」の順に偉い。なので本作では珍しくウルトラマグナスの方がコンボイ(オプティマス)より偉いという設定。