エアーボット

登録日:2020/12/01 Tue 13:42:41
更新日:2025/07/08 Tue 01:59:17
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ベクターシグマ!
これらマシンたちに、アルファートリンの高貴な命をお与えください!
自ら考える力と、知識と知恵をお与えください!
そして、命と自由を……
何よりも愛する心を彼らにお与えください!


見よ、サイバトロンの新戦力!


名付けて……


エアーボット部隊の誕生を!



エアーボットとは『トランスフォーマー』シリーズに登場するサイバトロンの1部隊であり、
全員が航空機にトランスフォームする。海外名は「エアリアルボット」。



【概要】

初登場は初代41・42話の前後編「ベクターシグマの鍵」。
メガトロン率いるデストロンは五台の車を強奪しカーロボットに改造、セイバートロン星に帰還しアルファートリンからサーキットキーを強奪しマザーコンピューターであるベクターシグマの力で陸上部隊スタントロンを誕生させた。
コンボイ司令官率いるサイバトロンもオメガスプリームでセイバートロン星に向かうが、メガトロンの操り人形と化したガードロボット・センチュリオンの壁の前になすすべもなかった。
倉庫にひとまず撤退したサイバトロンはラチェットとホイストの応急処置でスクラップのロボを囮として利用、ハーメルンの笛吹きの如く一網打尽に仕留めた。
だが時すでに遅し。ベクターシグマはすでに機能停止し、スタントロンは地球で破壊活動を開始していた。
そこでコンボイは恩師でもあるアルファートリンにこう提案する。


メガトロンが陸で戦いを挑むなら、我々は空で受けて立つつもりです!


かくして、倉庫内にあった旧型の宇宙船を地球型のジェットファイターに改造。
アルファートリンが自らのパワーユニットとコネクトすることで再起動したベクターシグマによって五台のジェットファイターは命を与えられた。
こうして、サイバトロン初の航空部隊にして初の合体戦士でもあるエアーボット部隊が誕生した。

加入当初は、リーダーであるシルバーボルトを除き以下の問題が目立っていた。
  • スタントロンの破壊活動の影響で疑いの目を向けた地球軍に対し「あんなアホどもを守るために戦えってのか?」(Byスリング)と不服そうに見る
  • 満足に空も飛べずスタントロンに翻弄されるサイバトロンに反抗的な態度をとり、生みの親でもあるコンボイにも反発する
  • セイバートロン星から地球に一往復するだけで爆発、修理を余儀なくされるオメガスプリーム「ポンコツ」(Byスリング)呼ばわりする
  • たまたま見ていた地球のコメディーを見て馬鹿馬鹿しいと呆れる
  • デストロンのジェットロンら、特にスタースクリームのテクニックに憧れる
そんな彼らだが、シルバーボルトによりエネルギーがなくとも懸命に動くスパークプラグの背中を見せられ、少し態度を改める。
しかしデストロンに憧れるなど、問題行動は残っていた。そんなエアーボットもある事件をきっかけに真のサイバトロン戦士となる…



【メンバー】

指揮官シルバーボルト

CV:西村知道
エアーボット部隊のリーダー。コンコルドに変形する。
生真面目な性格で血気盛んなチームの良心。
かつては輸送宇宙船であったために低空しか飛んだことがなかった。
それゆえに命を吹き込まれてもなお高所恐怖症に悩まされ、スリングにもからかわれていた。
しかし、他人を構っている間はその事を忘れて奮闘できる強い責任感の持ち主。
それを見抜いたコンボイは「私にいい考えがある」とひらめき、彼を指揮官に任命した。
彼もそれに応えるかのように奮闘、血の気の多いメンバーを纏め上げ、立派な指揮官となった。
武器は静電放射ライフル。
旧玩具では発進基地にも変形可能で、漫画版で使用されている。
後に『超生命体トランスフォーマー ビーストウォーズメタルス』をはじめとした別作品に名前だけ登場することがあるがほぼ無関係。


航空戦略家スカイダイブ

CV:喜多川拓郎
F-16Aに変形する。
メンバーの中では頭脳派で、スリングと共に飛行機泥棒に捕まり、デストロンのアジトに潜入したこともある。
一度見たマニューバをほぼ完璧に再現するという特技を持つ。
武器はレーザー誘導式ミサイルとネガ・ガン。


偵察員ファイアーボルト

CV:城山知馨夫
F-4ファントムIIに変形する。海外名は「ファイヤ―フライト」。*1
のんびり屋で注意力散漫な性格、しばしば遅刻したり、合体フォーメーションを間違えたりする。
モットーは「俺が飛ぶと、無事じゃすまない……味方も」である。
自己紹介シーンでコンボイの頭で映らないという悲劇に見舞われた
武器はファイアーフォッグミサイルと光子置換銃。


副官スリング

CV:鈴置洋孝
シーハリアーに変形する。海外名は「スリングショット」。
メンバーでも特に血の気が多く攻撃的、おまけに大ボラ吹き。頭の形がどことなく卑猥に見えるとか見えないとか。
アイアンハイドに負けず劣らずの過激な口調も目立つ問題児だが後に改心し、武器用コンソールを失っても戦い続けるという勇敢な戦士となる。
武器は追撃砲とトルクライフル。
彼も後に『超生命体トランスフォーマー ビーストウォーズネオ』に名前だけ登場したがこちらも実質無関係。


戦士エアーライダー

CV:堀内賢雄
F-15に変形する。海外名は「エアレイド」。
エアーボットの切り込み隊長的存在で、生まれて間もなくセンチュリオンの群れに飛び込むなど、ほぼ毎回突撃する命知らず。
武器は追尾ミサイルとトルクライフル。



エアーボット部隊!
君たちの力を見せてやれ!!




ま、まさか……!こんなバカな!!

驚いたかね、メガトロン!
これが合体戦士!


スペリオンだ!!



合体戦士スペリオン

CV:西村知道
エアーボットの5人が合体した巨大ロボット

シルバーボルトを中心とし、他の4人が手足に変形合体するスクランブル合体全員飛行機なんだから誰がどこやっても同じとか言わない
合体時には各員の意志は抑えられスペリオンの人格で行動することとなる。
基本はスカイダイブが右脚、ファイアーボルトが右腕、スリングが左腕、そしてエアーライダーが左足となっている。
合体した際に両腕を振り上げてポーズをとるのが特徴で、サイバトロンでは珍しく目が赤色。
武器は静電気放射ライフルで、右腕に取り付けられている。

一方で当時の合体戦士の宿命で知能はそれほど高くはなく、複数の媒体でデストロン側の小細工に翻弄される描写がされていた。
この問題が改善されるのは次のプロテクトボット/ガーディアンまで待たねばならない。
描写媒体によって[[作画崩壊]]抜きでの顔の基本形が変わるのがスペリオンの特徴。
G1アニメなどでは赤いバイザーにマスクとあんまりサイバトロン戦士っぽくない顔で描写されるのに対し、テレビマガジンや一部のアメコミでは玩具通りに青いバイザーに口が露出する姿で描かれている。

OVA「スクランブルシティ発動編」では基本形態に加え、手足の入れ替えによるモードチェンジを披露している。
作中では、パワータイプ(エアーライダーが右脚、スリングが右腕、ファイアーボルトが左腕、そしてスカイダイブが左脚。つまり基本の左右の手足を入れ替え)、
アタックタイプ(ファイアーボルトが右脚、エアーライダーが右腕、スリングが左腕、スカイダイブが左脚。ただしファイアーボルトが間違えた隙にワイルドライダーに強制合体されて苦しめられる)を見せた。

【主な活躍】

「ベクターシグマの鍵 PART2」

前述のとおりオメガスプリームを修理するスパークプラグに感化されコンボイらの窮地を救うべく出撃、スペリオンに合体しメナゾールとの一騎打ちに挑む。
パワーで勝るメナゾールに押されかけるもオメガスプリームが合流したことで2対1と優位になりメナゾールを退却させた。

「突撃エアーボット」

飛行機連続失踪事件の調査のため中東で捜索を行っていたところ待ち伏せていたコンバットロンと遭遇、交戦。
スリングが行動不能となるもコンボイの介入によってコンバットロンは撤退、スリングも無事救助された。
その後スリングは航空機として中東の小国に潜入、少年ハッサンと共にメガトロンと盗賊団の野望を阻止した。

「ひきおこされた戦争」

膨大なエネルギーをキャッチしたサイバトロンはセイバートロン星に帰還する。
だがそれは、エアーボットたちを消し去るためのメガトロンの罠だった。
ジェットロンに憧れるスリングら四名のやらかしでタイムマシンへとおびき出されたエアーボットたちは、900万年前のセイバートロン星に飛ばされてしまう。
荒れ果てた現代と異なり、エネルギーに満ち溢れた環境に感動する彼らは、エネルギー集積所で働くちょっと冴えない青年「オライオン・パックス」と友人の「ダイオン」、恋人の「エリアル」(後のエリータ・ワン)、そしてメガトロンと出会う。
だが野心を露わにしたメガトロンらデストロン軍団の襲撃でダイオンは死亡、オライオンとエリアルは重傷を負う。
エアーボットたちはそんな彼をアルファートリンの元まで運び、彼に修理を依頼する。
そうして誕生したサイバトロンを守るナンバーワン戦士が、後の司令官コンボイである。

エアーボットはコンボイによって誕生したが、彼らもまたコンボイ誕生の立役者でもあったのだ。

ホイルジャックらがタイムマシンを修復したことで現代に帰還したエアーボットたちは、デストロンの非道さに激しい憎悪を抱く。
温厚なシルバーボルトも

デストロンのクズ共を叩き潰すんだ!!

と激怒したのはともかく、一度はデストロンに憧れていたスリングに至っては

俺たちからは絶対に逃げられやしないぞ、メガトロン!!
お前がくたばるまで、俺たちは戦い続ける!いいな!!

とまで言い放つほどで、改めてコンボイと共に戦う事を誓うのだった。


「スクランブルシティ発動編」

メトロフレックス破壊のために出撃したデストロン軍団を迎え撃つもデバスターに苦戦するコンボイを支援するためウルトラマグナスの命令で出撃、空からのアウトレンジ攻撃でデバスターとスタースクリームらを撃退する。
だが次に現れたスタントロン部隊との戦いでは苦戦を強いられ、再合体中にファイアーボルトのミスで合体に失敗、隙を突いたメナゾールによってデッドエンドを右足にはめられてしまう。*2
コンボイの射撃でデッドエンドが外れ再合体したのもつかの間、コンバットロンまで現れメナゾール、ブルーティカス双方に追い詰められるがガーディアンとメトロフレックスの到着によりデストロン軍団の撃退に成功した。

『ザ・ムービー』では出番がなかった*3ものの『2010』でも引き続きサイバトロンの主力として活躍している。

【玩具】

玩具は1986年に発売。5人の単体販売の他、セット箱も発売されている。スタントロンとはライバルの位置づけにある。またスタントロンと共にスクランブルシティシリーズの第1弾の商品として、専用のテレビCMも製作されている。

玩具のシルバーボルトを始め多くのキャラは頭部や顔のデザインが異なる。特にスペリオンは庇がある他口のあるデザインとなっており、当時の児童誌のイラストでもこちらの状態で作画されているため、アニメ版との乖離が激しい。また武器も手持ちになっている。

後に『リターン・オブ・コンボイ』展開時に、ロボットポイントによる通販限定で海外版が発売されたほか、『G2』では海外限定で仕様変更品が発売された。

さらに2013年にはカバヤの『トランスフォーマーガム』にシルバーボルトがラインナップ。また同時発売の『G(ガイア)スクランブル』に残り4体もラインナップされており、これらをそろえることでスペリオンに合体可能*4
ファイアーボルトとスリング、エアーライダーとスカイダイブは色替えであり*5、これらは同一番号にどちらか1つが入っている。

そしてスクランブル合体TFがリメイクされた「コンバイナーウォーズ」でも当然リメイク。新メンバーとしてヘリコプターに変形する「アルファブラボー」が追加された一方で、スリングがリストラ…と思いきや後に発売された。
G2カラーも後にセットで発売、こちらはスリングがいる。その際ミニボット「パワーグライド」も付属する。パワーグライドはいつもの戦闘機に加え、銃に変形してスペリオンに持たせることが可能。

日本では「ユナイトウォーリアーズ」としてアニメ仕様にリカラーされて登場。こちらでもスリングのいる旧版同等の仕様である。
省かれたアルファブラボーは頭部違い、ローター数違いなどのリデコ品がいくつか日本でも発売されている。
一方でシルバーボルトに水平尾翼がある、エアーライダーがF-15ではなくF-14風の見た目、ファイアーボルトがスリングと同形状、スカイダイブの尾翼が2枚などビークルモードはかなりオリジナルな造形になっている。また他のCW追加メンバーと異なり「完全に色だけが異なるリカラー品」は日本では登場していない。

2025年には新シリーズ「エイジ・オブ・ザ・プライム」てエアリアルボットの5人が登場。

「レガシー」版メナソーのようにシルバーボルトがコマンダークラス、残りの4人がデラックスクラスとなっておりシルバーボルトにはロボット形態用の砲台とビークルモード用のブースターを兼ねたスペリオン素体用パーツが付属、残りの4人をそれに合体させることができる。
メナソー同様スクランブル合体が出来ない欠点やファイヤーフライトがスリングショットの、スカイダイブがエアレイドのリデコとなっている点こそあるものの、ビークルモードはちゃんと元の航空機に似た作りとなっておりスペリオンも可能な限りアニメ版での外見に寄せている。
プレイバリューではUW版、見た目の再現度ではAOTP版に軍配が上がると言えよう。
日本ではシルバーボルトが6月、スリングとエアーライダーが7月、スカイダイブとファイアーボルトが12月発売。
海外版においてエアーライダーが開封早々に白いパーツが既に変色しているという報告が相次いでおりスリングも同様にすでに変色してしまっているらしいが日本版でどうなるかはまだ不明。


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最終更新:2025年07月08日 01:59

*1 「ファイアフライ」と呼ばれることもある。

*2 本来メナゾールの右腕はドラッグストリップが担当だが作画ミスで両腕がデッドエンドになっていた

*3 ザ・ムービー誕生20周年記念にIDWから出版されたコミックによるとオメガスプリームやガーディアンと共にメナゾール、ブルーティカスと描写外で交戦していた模様。

*4 ただし合体用の手首と足首は同じ『Gスクランブル』にラインナップされているスタントロンとコンバットロンも買わないと揃えられないという意地悪仕様。

*5 ただし一部パーツを組み替えることにより異なるシルエットの戦闘機になるように見立てており、単なる色替え商品にはなっていない。またかつてはエアーライダー(黒)以外は似たりよったりだったカラーリングもスリングは緑、ファイアーボルトは赤、スカイダイブは紫と差別化されている。