手心システム

登録日:2021/01/16 (Sat) 21:30:59
更新日:2024/03/06 Wed 23:02:50
所要時間:約 6 分で読めます






手心システムとは、星のカービィシリーズに搭載されているシステムの一つである。


概要

ボスに負けて何度も再戦している時、「なんか最初と比べてボスのゲージ軽くなってない?」と思ったことはないだろうか。
実はこれ、気のせいなどではなく本当に体力上限が減っているのだ。

なかなかボスに勝てないプレイヤーに対し、ゲーム側で文字通り手心を加えてくれるのが、この「手心システム」なのである。
一言で言えば、ランクシステムの形をした初心者救済措置(ゲーム)

手心システムは、中ボス・ボスに負けると次からはその回数に比例して、相手の初期体力/防御力が減少するというもの。
それだけだけでなく、行動の隙が大きくなったり、回復アイテムが支給されたり、と各方面からプレイヤーに手厚い支援が行われる。
体力や隙の変化は一回負けただけでは分かりづらいが、リトライを重ねるほど目に見えて変化を実感できるようになり、最初に戦う時よりも格段に少ない苦労で倒しやすくなる。
「こいつが倒せれば次のエリアに行けるのに…!」という、あと一歩の時には地味ながらも有り難いシステムである。

どういう手心が加えられるのかは作品によって細かく異なるが、大体の作品でボスの体力減少は共通となっている(減少率の限界はさすがにある)。
ただし、モードセレクト画面に戻ると連敗補正がリセットされるほか、「格闘王への道」などの「一回負けたら即終了」のボスラッシュおまけモードでは当然ながら意味がないし、そもそもあるかどうか検証しようがない*1

星のカービィWii』でひっそりと実装されて以来、以降の星のカービィシリーズでほぼ標準搭載されるようになった初心者救済システムであるが、それ以前の作品には一切存在しない。
夢の泉の物語』のメタナイト戦に欲しかったと思うプレイヤーはきっと少なくないはず……

カービィ初登場のシステムというわけではなく、古くは特にアーケードゲーム*2等でよく見られる「ランク*3と呼ばれるシステムがあり、
そちらと比較すると、クリアしてもらうために易しくする方向のみに難易度を調整するシステムが、ユーザーに分かる形で搭載されているのは意外と珍しい。


主な作品の手心システム

※他にもあれば追記歓迎

星のカービィWii/星のカービィWiiデラックス

有効:メイン、エクストラ、マホロアエピローグ(Wiiデラックス)、刹那の見斬り(DX:わいわいマホロアランド)

前述したとおり、手心システムが初搭載された作品。
この時はまだ名称がなく、大々的には発表されていないマスク要素となっており、言われるまで存在自体を知らなかった人も少なくない。
ただし、何度も負け続けるとトマトボックスが支給される。格闘王以外で通常ボスをトマトボックスでシバき倒せるネタプレイはこの時だけ。

星のカービィ トリプルデラックス

有効:ストーリー、デデデでゴー!

本作で初めて「手心システム」という名称がついた。
クラッコクィン・セクトニア(第2形態)では4回ぐらい負けるとステージの穴が塞がれ、通常より落下死の危険が少なくなる。
他にはトグ・ロ・ガラーガで負け続けた場合、行動の順序そのものが入れ替わるという変わり種も。
トマトボックスは登場しないが、代わりにふっかつトマトが新たに登場。バンダナワドルディがアシストスターの代わりに投げてくれる。
下画面でタッチすればマキシムトマト同様に全回復し、持ったまま体力が無くなっても自動で使って全回復してくれる素敵仕様の救済アイテム。ここまでお膳立てされたらゴリ押ししてもまず負けないだろう。

カービィファイターズZ

有効:ひとりで

チーム・DDDの人数が一つ下の難易度に格下げされる。64(めちゃむず)なら47(むずかしい)、47なら32(ふつう)に、というシンプルな変化。
変化しているのは人数だけであり、最後のデデデ大王戦の難易度(使用技、行動パターン等)は変わらないので注意。

星のカービィ ロボボプラネット

有効:ストーリー、メタナイトでゴー リターンズ

トリデラと基本的に同じで、敗北がかさむとバンダナワドルディからふっかつトマトが貰える。
ただ、流石に通常のボス戦でロボボアーマーが支給されることまではない。

星のカービィ スターアライズ

有効:ストーリー、星の○○○○、アナザーディメンションヒーローズ

今までと同じだが、アイテムストック機能が無いのでふっかつトマトは無し。
アナザーディメンションヒーローズ」のボス達は体力が多い上に本シリーズの中でも凶悪な強さを誇り、初見で世話になる機会は多いはず。
特にこのモードのラスボスの体力・攻撃力は群を抜いており、誇張抜きでシリーズ最強格のボス敵なので、負けてしまってもむしろ当然と開き直って、諦めずに勝利を掴み取ろう。

スーパーカービィハンターズ

ボス戦メインの狩りゲースタイルの作品なので色々勝手は違う(基本的に勝たないと強い武器やアイテムなどを買えないなど)が、
同じクエスト=ボスに負け続けると、住人がアイテムを届けてくれることがある。

カービィファイターズ2

有効:ストーリー

本作のストーリーは連戦形式だが、いつものボス連戦とは違う*4こともあって手心システムは有効。
残機の概念が無いのでスコアは減るものの気軽にやり直せる。逆にハイスコア狙いでは世話になることはない。
アイテムを取って強化を重ねながら進むこと前提のゲームバランスだからか、2章以降のボスキャラは素の状態だと凄まじく体力が多いため、一回負けるだけでも次からは少し倒しやすくなることが起きる。
ただしアルゴリズムが超凶悪な鏡の国の守護者は除く
真の最終章である5章に限り、3回敗北でゲームオーバーになるのであまり救済になっていない。

星のカービィ ディスカバリー

有効:ストーリー

3Dアクションとなった本作でも健在。
さらにモード選択として、クリアごとにコインスターが50もらえる「ワイルドモード」の代わりに、カービィの体力が2倍近くになりこっそり敵を狙いやすくなる「はるかぜモード」を選ぶことができる。

またボスラッシュが遊べるコロシアムでは手心システムこそないものの、負けると コインスターを支払ってコンティニューできるようになった。
今までのボスラッシュは一発勝負がアタリマエだったのを考えると、とりあえず100%クリアだけならなんとかなるようになった。メトロイドドレッドのように、最終的にはタイムアタックになるし
…が、本作はミス毎に残機ではなくコインを失うマリオデ式であるのに合わせ、コロシアムも負けがかさむほどコンティニュー料金が倍に倍にと増える(最大2000枚)。コインスターはコピー能力の進化やフィギュア集めに使うことを考えると負けすぎは手痛い出費になりかねない。

類似するシステム

あつめて!カービィ

同じステージで何度もミスすると、無敵キャンディが支給される*5
また、手心系統とは厳密に異なる仕様だが、ミスした後にマップ内のステージアイコンにメロンが表示されることがあり、そのステージに向かうと出現フルーツがカービィを増やしやすいメロンばかりになる。


余談

  • ボスの体力が変動する類似システムとして、『星のカービィ (ウルトラ)スーパーデラックス』のボスの仕様が挙げられる。
    これは『Wii』『スターアライズ』等のマルチプレイで見られるような多人数時の補正とは別物で、ボスのゲージが出現する前にヘルパーを呼び出していると、ボスの体力が少しだけ増える仕組みになっており、引っ込めても元に戻らない。
    逆に言うとボス前にヘルパーを引っ込め、ゲージが出てから再度呼び出せば元の体力のままで袋叩きにすることも可能。
    • しかし、増加量はそこまで極端な倍率ではなく、「ちょっとだけ硬いかな?」と感じられる程度。普通にプレイする分には目立って気になる変化とも言えず、ぶっちゃけ誤差の範疇である。
  • また「連敗で弱体化するボス」という概念に関しては『大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ』の隠しキャラ解禁の伝統である「挑戦者の乱入戦」なども先例として挙げられる。こちらは挑戦を繰り返すたびにCPレベルが下がっていく。

  • 初搭載された『星のカービィWii』の頃には、任天堂ではその2年前に発売された『New スーパーマリオブラザーズ Wii』のおたすけブロック(おてほんプレイ)を筆頭に
    「クリアできない、ゲームが苦手なプレイヤー」への配慮を組み込むようになっており、手心システムも時流に乗って登場した救済措置であることは容易に推測できる。
    そもそも初代カービィ自体が「最近のゲームは難しすぎる」という危機感から生まれたゲームだということ考えれば、原点回帰……とまではいかずとも、今でも変わらない思いやりが組み込まれ続けている証だろう。

  • ボスが体力減少したり隙が大きくなったりするのは「何度も挑まれるうちにボスも段々疲れてくるから」というれっきとした理由があるらしい。ごもっともです。

  • Wiiエクストラモードのボスは、5連敗の状態では手心システムによるHP補正によって真・格闘王への道でのHPとほぼ同じになる。
    また、ロボボプラネットの通常プレジデント・ハルトマンとRe:プレジデント・ハルトマンは行動パターンが苛烈さ以外全く同じであり、こちらを3回ミスすると、このシステムでHP補正がかかり、通常版にもかかわらず真かちぬきボスバトルのRe:ハルトマンとほぼ同じHPになる。
    真格タイムアタックの練習にはもってこいだが、Wiiの方はこちらにもHP補正がかかっていてわざとダメージを喰らうパターンが組みにくく、ロボボの方は再度3回ミスすると更に補正がかかるのが注意点。
    ちなみにハルトマンの方は3回ミスした時点で補正状態がセーブされる為、撃破しない限りいくらでも補正版ハルトマンで練習可能。練習用にコピーを取りに戻ると毎回メタナイトボーグと戦わされるが。



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最終更新:2024年03月06日 23:02

*1 その代わり、格闘王などでは最初からボス達の体力がストーリーの時よりもやや低下していることが多い。

*2 ゲームセンターの経営的には1コインで長時間プレイされるのはあまり好ましくないので、極端に言えば適度に「死んでもらう」ために使われている。

*3 パワーアップの状態や生存時間に応じて敵の攻撃が苛烈になったり、耐久力が増加したり、と言った具合。多くの場合は死んだり、コンティニューすると緩和される=難易度が低下するようになっている。

*4 各章での対戦相手は敵のカービィ+αが中心であり、その合間や最終戦にボス戦を置くのが基本の流れとなっている。

*5 本作に登場する「ビッグキャンディ」とは似て非なる。あちらは無敵に加えてカービィ達が大きくなる。