星のカービィ ディスカバリー

登録日:2022/04/01 Fri 06:17:27
更新日:2024/04/05 Fri 22:20:24
所要時間:約 31 分で読めます






いろんなものをほおばってヘンケイ!!

シリーズ初3Dアクション!


さあ準備は できたかい?
見えたよ

NEW WORLD



星のカービィ ディスカバリー』(Kirby and the Forgotten Land)とは、2022年3月25日に発売されたNintendo Switch用のアクションゲームである。
発売:任天堂
開発:ハル研究所


◆概要


星のカービィシリーズ30周年に合わせて登場した作品。
前作『星のカービィ スターアライズ』に引き続き、「据置機のカービィはハード末期に出やすい」のジンクスを破った一作となる。


本作のもっとも大きな特徴は、シリーズ初の本格的な3Dアクションとなったことだろう。
過去にさかのぼれば『カービィのエアライド』の『シティトライアル』で既に実現していたが、あちらはあくまでも内容的にレースゲームのおまけにすぎなかった。
どちらかと言えば『カービィの3Dチャレンジ』及び『カービィのすいこみ大作戦』をベースに、
カービィ バトルデラックス!』で試作されたコピー能力の追加や新要素の追加で、大幅な発展を遂げたものと言った方がふさわしいが、
実際制作陣的にもエアライドの頃*1からこれらの作品で着々と3Dアクションのノウハウを培っていたとのこと。

初報の映像(後述)から誤解されがちだが、設計としてはオープンワールドではなくステージクリア型で『スーパーマリオ3Dワールド』に近い。

シリーズでは珍しく、最初から難易度を選択できる。
体力がワイルドの2倍で、初心者に優しい「はるかぜモード」と、体力がはるかぜの半分だが、コインスターを多くもらえる「ワイルドモード」の2つから選択可能。
もちろん後からでも切り替えられる。はるかぜで楽々進んでいたり、ワイルドモードでミスすると変更するかどうかのメッセージが出る。


なお、3D化に伴って一部の操作方法も地味に変わっている。
特に出し方が変化した幾つかのダッシュ技があり、これまでの横スクロールカービィをやり慣れた人ほど戸惑いやすい。

前作と比べるとロード時間がかなり早くなっている。


他に特徴的なのは、冒険の舞台がかつての文明の面影を強く残す、ポストアポカリプスな世界観であること。
公式で「新世界」と呼称されており、「自然と文明が融合した」らしい。
緑に覆われた都市を歩くだけでなく、遊園地や海などバリエーションも豊富。
Nintendo Directで初報の映像が公開された際には「廃墟と化した都市や某オートマタを思わせるショッピングモール跡のシーンから始まり、その後砂浜に流れ着いたカービィのシーンでそれがカービィ新作だと判明する」一連の流れには多くのファンが驚愕、興奮した(ただし、最初にお馴染みの赤い蝶が写っていたため、ごく一部その時点でカービィだと気づいていた者もいた模様)。
全体に渡ってメカニカル、かつ近未来的な印象を前面に出していた『星のカービィ ロボボプラネット』とは別の意味で攻めた作品である。
そもそもが異世界だからなのか、珍しくグリーングリーンズのフレーズはカービィハウスとメタナイト戦のみでほかには全く存在しないばかりか、
星のカービィWii』以降一気に増えた過去作BGMアレンジもめっきりと数を減らしている。

とはいえステージには雑魚キャラが所狭しと暮らしており、また動物の姿も多数見られる。
本来なら死んでいるはずの電気系統もそれなりに生き残っており、中には大掛かりな機械が作動している箇所すらもある。
廃墟ではあるが死んではいないのがこの新世界の特徴だ。

また、新世界にはかつての住民が使っていたとされる独自の言語が存在しており、作中で実際に作曲され当時の新世界で流行したという設定の挿入歌も存在する。


体験版も配信されており、オープニングのステージ、序盤のステージ、ボス「ゴルルムンバ」と戦えるステージの3つが遊べる。ワドルディの町は体験版では解放されない。
製品版と違って特定のムービーが削除・省略されているという違いがある。挿入歌もこの時点では聴けなかったため、製品版でビックリさせられたプレイヤー多し。
ボスクリア&ミッション全クリアで製品版に使用するキーワード(後述)が獲得できる。
その上、次回からコピー能力を進化(後述)させた状態で再挑戦することが可能(進化フラグは任意でオフにもできる)。残念ながらコインスターの獲得状況やミッション達成状況のデータは引き継げない。

2022年8月8日に「新世界へ走り出せ!編」、2022年9月14日に「絶島の夢をうちくだけ!編」として、
小説版が角川つばさ文庫より刊行された。

2022年11月には売上本数が527万本に達し、シリーズ最高の売上となったことが 発表された


◆あらすじ


ある日、プププランドの空に突如として巨大な穴が出現。
カービィはその中に吸い込まれてしまい、未知なる「新世界」に迷い込む。

しばらく新世界を探索するカービィであったが、道中でナゾの敵「ビースト軍団」がワドルディ達を捕らえる場面に遭遇。
同じくビースト軍団に襲われていたナゾの生き物「エフィリン」を助けたカービィは、平和を取り戻すべく新たな冒険に出発する……


◆登場人物


カービィ

新世界にいざなわれたピンク玉。
いつの間にか身についた新たな力を駆使し、新世界を冒険する。

バンダナワドルディ

カービィと共に穴へ吸い込まれ、新世界にやってきた。
本作では2Pキャラ扱いとなっている。

ワドルディ

救出対象にして本作のアイドル。
救出できるワドルディはなんと全部で300匹。
新世界に吸い込まれた後、みんなで町を築いていたが、幾度もビースト軍団の襲撃に見舞われた末に町は壊滅、ワドルディ達も全て散り散りにさらわれてしまった。
ステージ中で檻に囚われているほかに、各ステージに設けられたミッションの達成でも救出できる。
そのため本作では敵のワドルディが存在せず、ビースト軍団のガルルフィがその代わりとなっている。
また、同じワドルディでも色の濃淡が違うという地味な個体差がある。
そして本作では遂に本編でCVが付き、「わにゃ、わにゃ」と愛らしい声を発するようになった*2アニカビファン歓喜。ただ可愛いだけでなく、とらわれたワドルディが助けを求める声が聞こえることでヒントにもなっている。

エフィリン

ビースト軍団に襲われていた、ネズミのような外見の不思議な子。
ワドルディ達と一緒に町で暮らしていたらしく、助けてくれたカービィと一緒に冒険へ出発することに。
本作におけるカービィの相棒ポジション……の筈なのだが、前例どものせいで発売前からファン達に黒幕・ラスボス説を囁かれる等あらぬ疑いを向けられたかわいそうなキャラ。
が、あながちハズレとも言い切れない絶妙なポジションだったりする。

ビースト軍団

本作の敵対勢力。
ワドルディ達をさらったり食料を奪ったりと大暴れしている。
文字通り可愛らしい獣の姿をした、あるいは獣化したような外見の敵キャラが多く、その中でも強大な幹部が複数いる模様。

メタナイト

新世界にやってきた孤高の剣士。
メインシリーズでは珍しくストーリーには一切関わらず、コロシアム(後述)でカービィとの決闘を待ち望んでいる。
そのため、多くのプレイヤーから「そんな事してる暇があるならお前も異変解決手伝えよ!」とツッコまれた。メタニート


デデデ大王

おなじみカービィのライバル。
だが、ガウンには幾つも羽を差し、顔にビースト軍団のようなメイクを施すなど、いつもと違ってワイルドな姿に。
どうやら彼も何かしらの経緯でビースト軍団入りしたらしく、今回限りの手下を従えてカービィと敵対する。
今作のデザインは『星のカービィ3』『星のカービィ64』に近い意匠となっているが、これは本作の世界観に合わせてワイルドにしようとしたらデザイン担当が同じこともあって偶然似ただけで特に意識したわけではないという。


◆本作の仕様・および新要素


◇基本アクション

ホバリングに高度制限が定められ、基本的に「飛んだ時の足場」もしくは「今真下にある足場」から一定の高度以上は飛べないようになっている。
また本編では『64』以来久しぶりにホバリングし続けると息切れするようになった。
ただし奈落に落ちそうな時は飛んだときの足場まで浮上できる。
スライディングの出し方も変更され、ガード中にジャンプボタン(携帯機モードの場合はLかRを押しながらA)で出すようになった。
「スライディング中に小ジャンプ」を繰り返せば、どこぞの変態みたく素早く移動することが可能。
ただし、慣れないとホバリングが暴発しやすいので要練習。

また、ガード中の移動入力で緊急回避が出せるのは『星のカービィ トリプルデラックス』以降と同様だが、本作は敵の攻撃が当たりそうなギリギリで緊急回避を合わせるとジャスト回避になり、わずかな間だけ敵の動きがスローになりコピー能力によっては高威力の攻撃を直に出せるものも。
本作はボスの攻撃が全体的に激しいのに加え、今回のコピー能力はいずれも 強力な無敵技が無い ため、被弾を抑えるには緊急回避・ジャスト回避を使いこなせるかがカギとなる。
要は某英傑のジャスト回避や某スタイリッシュ魔女のウィッチタイムみたいなものである。
移動はLスティックのみで行う関係上、十字キーにはスマブラよろしくアピールが振り分けられた。

今作では水上でもコピー能力を使用できる代わりに恒例の水鉄砲はできなくなっている。
また水ステージでは水上を泳いで進むのみで、シリーズでは珍しく水中に潜る場面が全くない。

ちなみに初期状態では「オートのみこみ」がオンになっており、能力ありの敵を吸い込むと自動でコピーしてくれる。
オフにすると従来のように口に含んで止まり、中ボスの死体もほおばれる*3


◇システム面

今作ではあのヒゲオヤジと同様に残機の概念がなくなり、体力がなくなった際はコインスター100個と引き換えに復帰する。
スターアライズでは残機数百とか当たり前だったし残当
これに伴ってか、シリーズ恒例であったステージクリア後のゴールゲームが廃止された。

加えて今作は即死ギミック(落下死、圧死)も軒並み割合ダメージへと手加減されステージに復帰することになった。
また収集アイテムの初見殺し(取り逃したらステージ最初からやり直し)も、特定ほおばりへんけい後のリトライスターの登場により軽減され、初心者にはかなり優しくなっている。
とあるボスが即死攻撃を持っていたりするものの普通にやればまず抜け出せるので小ネタである。

前作では廃止されていたストックアイテムが復活。
元気ドリンクやマキシムトマトといった回復アイテムを1個だけ持っておけるが、代わりに持ち込める強化アイテム(後述)も登場した。

ゴールゲームが無くなった代わりに、ステージをクリアするとステージ内で獲得したコインスターの最高量が記録される。


◇ミッション

今作にて追加された新要素。
ステージ内で特定の条件を達成するとワドルディを救出できるというもの。
特定の敵を一定数倒したり、特定のアイテムを入手したり、特定の場所に到達するなどその内容は様々。
勿論ボス戦でも設定されており、こちらでは特定の行動の他、一定時間内に倒す、全ボス共通でノーダメージクリアが要求されるなどプレイヤーのスキルが問われる内容となっている。
最初はミッション内容が伏せられているが、達成されなかったミッションはステージクリアごとに上から一つずつ明かされるので、面倒ではあるが判明しているミッションを回収しつつステージを周回していけばいずれは達成される。


コピー能力

本作のコピー能力は12種類。初の3Dということもあってか近年の本編どころか一部の番外作品よりも少ない。
おなじみの能力であるビームやスパークなどもないなどやや寂しいところがある。特に常連コピーだったパラソルとストーンが2回目の欠場となった。しかし…(後述)
上記の通り、ソードの回転斬りやファイアのバーニングアタックなどにあった無敵効果は全て撤廃されている。

今作では能力を解除した時に残る能力星が能力の武器を包んだ球体に変更され、飛び跳ねることが無くなり比較的長い時間残るようになった。他のコピー能力を取得しても即座に消えたりはしない。
また、謎解きやミッションに関連するコピー能力を持った敵は倒しても無限に復活するため、一種のヒントになっている。

更に、中ボスを倒した時はボスをコピーせずとも後に対応するコピーのもとが現れる親切設計となっており、やっぱり必要そうだと思ったら取りに戻ることもできる。

・レンジャー

シリーズでは初となる、銃型の武器を用いた遠距離型コピー能力。因みに過去作に「ガンマン」というものがあるが、あれは厳密にはコピー能力ではない。
過去作の「スナイパー」に近い能力で普通に弾丸を撃つだけでなく、タメ撃ちにも対応している。
空中でボタンを長押しすると近くを薙ぎ払うことも可能。

・ドリル

ありそうで無かった、ドリルをモチーフにしたコピー能力。
『星のカービィ64』の時点でミックスコピー「ストーン×ニードル」の武器としては出ていたが、あれとは完全な別物である。
こちらは地中を掘り進むことができ、囲んで掘るとその内側を崩落・爆発させる「グラウンドーン」が発動する。
地中に潜っている間は多くの攻撃を回避することができるが、衝撃波やダメージ床など地中まで当たり判定がある技・ギミックもあるため完全な無敵状態ではない。
今作の敵がビースト軍団と言うことで発売前は地面を掘れる「アニマル」の復活が望まれていたが、逆にビースト軍団が敵であることでどの相手もアニマル能力をコピーできそうな感じになってしまったために生まれたという*4


◇進化

本作では特定条件(後述)を満たすと、コピー能力を「進化」させることが可能。
進化したコピー能力は名前と帽子が変わり、元の能力にはなかった性質や技を得られる。
例えばお馴染みの「ファイア」は、進化すると火山の帽子を被った「ボルケーノファイア」になり、火を吹く代わりに火山弾を連射するようになる。
他には「ソード」だと大剣を振り回す「ギガントソード」に進化し、攻撃範囲の拡大だけでなく隙は大きいが強力なタメ攻撃も放てる。

また、進化によるものとは別に、一部の既存コピーは新技が追加されている。
例としてカッターは投げたブーメランをその場に留め、タメて周囲を切り裂くなど。


◇ほおばりヘンケイ

スーパー能力、ビッグバン、ロボボアーマー、フレンズアクションに続くカービィの新たな特殊アクションにして「コピー能力」の亜種。
新世界へ迷い込む際にいつの間にか身についた力であり、自動車や三角コーンなどの大きなアイテムを吸い込み、それを飲み込まずに丸ごとほおばる形で発現する。中ボスの巨体は吸い込めるのにってツッコミは禁句である
自動車なら「くるまほおばり」で運転して敵や障害物を蹴散らし、三角コーンなら「さんかくほおばり」となってヒビ割れた部分を急降下で破壊する……等、ほおばったアイテムの形状を生かしたアクションが行える。
コピー能力とは別枠でぼうしもそのままのため、ほおばりヘンケイしても持っていたコピー能力が失われることはない。
更に2人プレイの場合は、一部のヘンケイでワドルディも連携することが可能。
カービィの元々の特徴の一つである「変幻自在でヘンテコな存在」を見つめ直す、というコンセプトの元生まれた能力である。


◇ワドルディの町

カービィの新たな拠点。
初めて訪れた時点では既にビースト軍団が襲撃した後であり、さらわれたワドルディ達を助けることが本作の目的でもある。
各ステージでワドルディを助けていくと、下記の施設が増えていき、町も発展を遂げていく。
ボス連戦を含むサブゲームもここに集約されている。

・ワドルディシアター

ゲーム内のこれまで観たムービーを再生できる。本作ではボス登場シーンが再生可能に。

ちなみにこれが真っ先に建つ施設。理由は「ごらくは とってもだいじ」。

・ガチャルポン

ステージ中で集めたコインスターを使い、フィギュアをゲットできるガチャ要素。
星3以上のフィギュアには説明文があり(主要キャラやコピー能力、本作初登場のキャラなどにつくことが多い)、敵の紹介も行われているため実質スペシャルページの代わりと言える。
(本作はポーズ中のスペシャルページがない。)
ステージ中にもフィギュアを拾うことはできるが、一度に手に入る数はそんなに多くないのとダブりも普通に発生するので、やはりガチャを回した方が効率的。
ストーリーの進行に応じてシリーズが増え、一部のフィギュアはガチャルポンから入手できず、特定条件を満たすことで手に入るので集めまくってもラスボスのネタバレを喰らうことがない*5

????「いよいよ私もレア物か…」

・ワドルディのぶき屋

前述したコピー能力の進化を行える店。従来のコピーお試し部屋も兼ねており、店内にはコピーの帽子を着用したカービィのマネキンが並んでいる他、入って右手にはサンドバッグさんが置かれた部屋もある。
コピーする場合は帽子を直接吸い込むことも可能。
進化させるには、ステージのどこかに隠されている設計図を手に入れる必要があり、費用として幾らかのコインスターとレアストーンが必要になる。
進化させた後も能力の前でAボタンを押すことで進化前の能力も選ぶことができる。

・カービィハウス

シリーズでもお馴染みの、カービィの丸い家。見た目もプププランドにあるものそのまんま。ドア以外にも煙突からも入ることができる。
ベッドで眠って全回復することも可能で、残機の概念がない本作では代わりにここで1UPのファンファーレが聞ける。寝相にいくつかバリエーションがあるので、普段はステージやアイテムで回復を済ませてしまうというプレイヤーもたまにはベッドを利用してみよう。
机には過去の冒険を振り返る本がある。でもSwitchの過去作からe-Shopは開けない
ゲームを進めると、どんどん写真が飾られていくようになる。全て集めて目指せ100%クリア!

・おとどけワドル便

『カービィハンターズ』シリーズの「あいことば」システムに相当。
町に隠されたキーワードを見つけ、ここで冒険に役立つアイテムを手に入れることができる。*6
外部展開によるキーワード公開もあり、それを使うためにはインターネット接続が必要。

・ワドルディカフェ/はたらく!ワドルディカフェ

体力を回復できるアイテムをテイクアウトしたり、テラスで食べたりできる。
テイクアウトしたアイテムは、ステージ中でも任意のタイミングで使用可能。3DS版のアシストスターよろしくコロシアムにも持ち込めるのが最大の利点。

また、自身が店員となってワドルディ達の注文に応えるサブゲーム「はたらく!ワドルディカフェ」にも挑戦可能。
お客様満足度のゲージが0にならないよう、ワドルディが注文している商品を素早く取って渡す。
後半はランチタイムに突入し、ゲージの減りが早くなる代わりに次のワドルディが注文したい商品も見えるようになる。
難易度は三段階に分かれており、難しくなるにつれて商品の種類が増えたりゲージの減少量が上昇する。
ゲージがなくなると、ワドルディ達は怒って帰ってしまい失敗となる。
その光景を見た一部のプレイヤーは、同じく彼らが食べ物絡みで不満を爆発させたアニメ版のエピソードを思い出したとか……
一番忙しいランチタイムに、バイトにワンオペさせる挙句失敗したら給料なしという黒さに戦慄するプレイヤー多数。

????「仕事きついよ給料安いよ休みないよ」

ちなみに、カービィカフェではない。
とはいえ、現実世界に存在する「カービィカフェ」では、本物のカービィバーガーが販売されており、現実でも食べることが出来る*7
また、本作発売を記念してくるまほおばりケーキもカービィカフェのメニューに追加された。
また、ワドルディカフェの店の中にはカービィカフェで販売されているグッズ「パンケーキパン もぐもぐカービィ」のようなフライパンもある。

・ものしりワドルディ

施設というより住民の一人。
設計図がどこのステージに隠されているか、といった冒険のお役立ち情報を教えてくれるほか、インターネットに接続すれば世界中のプレイヤー達のデータを集計した天文学的な数字や、目が眩むようなボス戦最短クリア時間なども知ることができる。

・コロシアム

これまで戦ってきたボス達と再びバトルできる施設。
従来の格闘王への道、勝ち抜きボスバトルなどのボスラッシュモードの系譜に位置する。
今回はストーリー途中で解放される代わりに入ってすぐの全能力が配置された部屋はないので、使いたい能力があればちゃんとぶき屋から持ってくること。
クリアするたびにコインスターとレアストーンが毎回もらえるため、トレジャーロード埋めが苦手なプレイヤーでも安心。
メタナイトカップが最低難度かつ最高効率なため、メタナイトは今日もレアストーンを求めるピコハンカービィにしばかれ続けている。ワドル便のとある合言葉の意味が違って聞こえる人もいるとかいないとか……

・ワドルディのどうぐ屋

ステージ中に効果を発揮するアイテムを買える。
体力ゲージを2倍にする「ライフアップ」、200秒の間攻撃力、スピードがアップする「アタックアップ」「スピードアップ」の3種類がある。
特に初心者はライフアップを使っておくと安定しやすく、さらに体力が2倍になるはるかぜモードでは大抵のステージ・ボス・コロシアムは4倍の耐久力で全部ゴリ押し突破できる。まさにこれ以上ない救済措置だろう。
しかもライフアップには体力完全回復の効果もあるため、ゲージを増やした後もストックしておくとマキシムトマトを凌ぐ活躍をしてくれる。伊達に価格差3倍を誇っていない。
アタックアップとスピードアップは最大5回分(999秒)の効果時間が蓄積でき、町にいる間*8は時間経過で効果が切れることはない。
ストックアイテムの仕様上、まとめての購入や使用は不可能となっている。


・ドキドキ!せつなのつりぼり

カービィハウスの横にある釣り堀。
星のカービィでは珍しい釣りゲーと、お馴染みの刹那シリーズを掛け合わせた「ドキドキ!せつなのつりぼり」に挑戦できる。
画面に表示されたコマンドを素早く押して釣り上げるというもので、連続で釣りを成功させるほど獲物がサイズアップし、要求される入力数も増える。
ボタンを押し間違えるとゴミを釣り上げ、遅れると池に引きずりこまれてしまう。前者だとサイズダウンするが後者だとサイズダウンはしない模様。
なお釣れるのはいずれもブリッパー。何気にシリーズでは貴重なゴーグルの下のつぶらな瞳がよく見える。
釣り上げる度にコインスターが手に入り、カービィより小さい程度のサイズの個体が1コイン、やや大きめなのが5コイン、かなり大きめのが10コイン、ボテっとした巨大なものが30コイン。
連続で釣って行くと10コインサイズと30コインサイズが釣れるテーブルに落ち着くようになる。
また10コインサイズが釣れるようになると池のヌシである黄金の超巨大ブリッパーが出現するように。獲得コインは破格の500コイン
4つ目のコマンドを成功してもコマンド出現枠が残っていればヌシ出現の合図。落ち着いてコマンドを入力しよう。
なお、対象を問わず最後に指定されるボタンはX固定。

コインスターの金策を考える場合、手軽さの面ではトップに躍り出る。

・コロコロ!タマコロカービィ

カービィ型のタマを転がし、ステージを傾けてゴールを目指すサブゲーム。1プレイは1コインと格安だが……?
実質コロコロカービィの続編
全部でレベル3まであり、全クリアするとゴルドーが配置され、レベル3では一部の壁も取っ払われて難易度が劇的にアップした「ゲキムズ」が遊べる。
ゲキムズの異常な程の難易度の高さに数多のプレイヤーがストレスで発狂したとかしないとか。一部では「ジャンプ使わせろ*9」「許すな」「(ファイアの着火で)燃やせ」「球殺(タマコロ)「金啜る極道」などと、愛憎入り混じった(大体が憎だが)評価が下されている。
1プレイが5コインに上がっている影響で、大抵はゲキムズクリアを目指すだけでも千単位でコインスターが吸われていくが、もしも達人なら釣りよりも金策効率が高い。
なお、100%クリアにはゲキムズのクリアは必要ない。初回クリアでレアストーンを3つくれるが、100%RTAでもない限りメタナイトをボコした方が早いので自己満足の部類なのが救い。


…最後に、本作は普通のステージをクリアしても体力が引き継がれたままであり、強化アイテムの残り時間もステージを持ち越すという作りになっている。
これらは普通の面クリア型であった過去作のどれにも無かった特徴である。
ただしステージ中に回復アイテムが無いということではないし、トレジャーロードやコロシアムあたりに出入りすれば普通に全回復する


◆トレジャーロード


Wiiの異空間のようなチャレンジステージ。
ワールドマップのどこかに隠されており、各エリアでワドルディを多く助けるなり自力で見つけるなりすると、異空間の穴が開いて行けるようになる。
基本的に特定のコピー能力(進化先も含む)・ほおばりヘンケイ・すっぴんといった、ステージごとに1つの能力またはギミックをフル活用するものが多い。
制限時間内にゴールに辿り着けば初回限定でレアストーンをゲットできる。
また、従来のブロンズ~プラチナといったランク付けが無い代わりに「目標タイム」が定められており、達成率には影響しない*10がこれを目指そうとするとマジに無駄のないプラチナ級の走りを求められる。
ただし、目標タイムをコンプリートしても特に特典はないので、どうしても無理なら諦めるのも手だろう。
ドーピングは有効なので、どうしてもクリアできない場合や目標タイムを目指す場合の救済として利用するのもアリ。

前述の通りレアストーンの入手経路は他にも存在するため、苦手な人はそっちで集めるのもあり。


◆冒険の舞台


本作ではステージごとに内容を表したステージ名がつけられている。
それぞれ頭文字を繋げると…?

ネイチェル草原 / Natural plains

最初に攻略するエリア。
本作のテーマ通りに自然と融合した都市が舞台となり、大きなトンネルや大型ショッピングモールなどが存在する。

ボス・剛腕獣 ゴルルムンバ

白いモヒカンのような毛を生やした巨大ゴリラ。
ショッピングモールで戦闘開始前にいきなり窓を突き破ってカービィを捕らえ、フニフニした後にコンクリートの地面へ叩きつけるという暴挙に出る。スティックガチャガチャで抜け出せばノーダメージ。
最初のボスだけあって攻撃はそんなに激しくなく、遠ければ飛び道具、近ければ肉弾戦、至近距離なら踏みつけ……と、シンプルながら3Dへの慣れが試される攻撃をしてくる。
また、体力が減ると回転ラリアットを繰り出してくる。
こういう技を使うゴリラが他にもいたような……?


エバーブルグ海岸 / Everyday coast

二番目のエリア。
星のカービィらしい海が舞台と思いきや、海洋上のコンクリート造りの施設や地下水道など本作のコンセプトはきっちり忘れていない。

ボス・南国樹 トロピカルウッズ

トロピカルなウィスピーウッズアローラのすがたではない。
生意気にも2面ボスに昇格しているが、それもそのはずウィスピーウッズと比べてかなりふとましい幹の持ち主で、頭から投下するお馴染みのココナッツ爆弾も巨大化している。
近年のウィスピーウッズ一族では珍しく飛んだり跳ねたりはしないが、その分、当たると大きく吹き飛ばされる空気弾や顔面前に展開する金網など防御面が充実している。
ちなみにこいつはビースト軍団のメンバーではなく、縄張りを通った者を襲うというこいつの特性をビースト軍団が利用してカービィと意図的に対戦させたのだと思われる。


ワンダリア跡地 / Wondaria remains

三番目のエリア。
大きな遊園地そのもので、人の気配がなくなった今もあちこちの施設が稼働して賑やかな雰囲気。
ジェットコースターやサーキット場、お化け屋敷と楽()いアトラクションが目白押しである。

ボス・女爪豹 キャロライン

魅惑的な女豹の姿で、星のカービィシリーズではわりかし珍しいデザイン故に発売前からケモナー達の熱視線を浴びている
軽い身のこなしを活かして飛び回り、両爪を伸ばして切り裂く攻撃を得意としている。
サーカスのテントのようなバトルフィールドだからか、特定の技でスポットライトが当たり、それが攻撃の目安になることも。
表ストーリー上では語られなかったビースト軍団のボスと彼女の関係が、クリア後のシナリオにおいて重要な役割を担うことに。


ホワイティホルンズ / Winter horns

四番目のエリア。
北欧の街のようなレンガ造りの建物が並ぶ雪国の街となっており、かつて走っていた地下鉄跡や巨大な橋が見もの。
このエリアに限り、水が泳げないほど冷たくなっており、落水した瞬間ダメージを受けて足場に戻されてしまう。

巨大な橋は中ボスと連戦になるステージになっている。
この種のステージで恒例となる隠しルートもしっかり存在する。
このステージの曲だが、まさかの形でアレンジされている。性質上ネタバレ注意。

ボス・宿敵の暴君 デデデ大王

なぜかビースト軍団入りをしたライバル。くちびるペンギンと呼ばれたからだろうか
戦闘開始後にガルルフィの強化版、ゲンシガルルフィ二匹をけしかけてくる。
行動パターンは吸い込みをしてこないことを除けば過去作に忠実だが、デデデジャンプで衝撃波が発生する点には注意*11
更に追い詰められるとハンマーの代わりに巨大な石柱を武器とし、力任せに振り回すだけでなく、叩きつけて広範囲に氷を炸裂させる大技も見せつけてくる。








◆余談


本編で初めて3Dアクションを制作するに当たり、後ろ姿だとどっち向いているかわかりづらいなど苦労が続いた模様。
特に3D空間での攻撃は相当難儀していたようで、どのようにすれば攻撃が当たりやすくなるか模索していたが、
「当たったように見えたら、当たったことにすればいいじゃない」(要約)と発案。
カメラとカービィの位置から攻撃が当たったように見える範囲を自動で特定し、カービィの攻撃判定をカメラから見えない奥側に伸ばすなどして攻撃が当たりやすくするよう調整している。
それによって、3Dアクションに不慣れなプレイヤーでもスムーズに攻撃を当てられるようにしている。
その他開発秘話については任天堂公式サイトの『開発者に訊きました』を参照。

また、本作のストーリーラインは「ナビゲーターとなる新キャラ」「ポップスターではない新しい舞台」「収集アイテムと、それを集めると発展する本拠地」など、『Wii』と似通った部分が多い。

背景の作りこみがヤバいことになっており、本来侵入できない場所にも地形判定および通常進行するルートとの繋がりが設定され、バグ技で侵入するとちゃんと探索できる。
凄まじいのは本作のラスボスがいたムービー専用の場所にも地形判定が用意され、侵入すれば歩き回れること。

本作の舞台である「新世界」については文明のレベルから「地球のような星では?」と考えられることが多いが、身長の低いカービィ*12が歩き回って違和感のないサイズであること(地球人サイズの文明であればカービィと対比して非常に大きいはず)、ほおばりヘンケイで使える車や時計もカービィサイズであることから、少なくとも地球ではない(我々のような大きさの人類がいたわけではない)ことはわかる。


追記・修正は謎の渦に吸い込まれてヘンケイできるようになってからお願いします。



画像出典:『星のカービィ ディスカバリー』 2022年3月25日発売
制作・著作 株式会社ハル研究所/任天堂株式会社
©2022 HAL Laboratoly,inc./Nintendo

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最終更新:2024年04月05日 22:20
添付ファイル

*1 没になった星のカービィGC等も含めて

*2 ゲーム内でCVが付いているだけなら『バトルデラックス!』や『カービィファイターズ2』もある。サウンドスタッフの声を加工したものらしい

*3 中ボスの死体を吐き出すとかなりの大ダメージを敵に与える。すっぴんではコロシアムで次の中ボスに吐き出してやれば一瞬でパターン移行させられるほど。

*4 ニンドリの開発者インタビューより

*5 シリーズごとに必要コインスターが変わる。

*6 ただし、アイテムはカービィハウスの前に送られ、それを開放してからでないと次のキーワードを使うことはできない。

*7 加えて2022年4月1日から、星のカービィ30周年記念企画として、「カービィバーガー&ミートパスタ 温野菜のせ(30周年おめでとうバージョン)」が販売されている。

*8 ステージ内でも演出で時間が止まることもある。

*9 元ネタとなった「コロコロカービィ」では、ゲームボーイカラーをハネアゲすることでジャンプが使えた。

*10 達成報酬は初回のみコインスター50枚

*11 過去作だとストーリーモードのデデデが平常時に衝撃波を用いることはまず無く、形態変化によるパワーアップかクリア後の強化版に付随していることが殆どだった。ただ、『すいこみ大作戦』では初戦から衝撃波付与だったため3Dで逃げ場が増えたことに対するバランス調整だろう。

*12 約20cm