ナイダン・ムンフバト

登録日:2021/02/08 Mon 12:43:15
更新日:2024/10/20 Sun 23:47:11
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「オメガ」

「最後の子」よ僕を越えていけ。



ナイダン・ムンフバトとは『ケンガンオメガ』の登場人物。

●目次

【プロフィール】

通称:「オルドスの鷹」
所属:煉獄 /
身長:194cm
体重:118㎏
年齢:26歳
誕生日:12月29日
好物:タルバガンのボードグ
:気ままな旅をしたい。


【概要】

拳願会と並ぶ日本最大規模の裏格闘技団体「煉獄」のA級闘士。
煉獄には1年前に参加したため、メンバーの中では比較的新参にあたる。

…というのは表向きで、正体は古代中国から存在し続ける秘密結社」の「頭領」夏 厭直属の構成員
「蟲」のメンバー共通のムカデのタトゥーは右前腕部に入れているが、夏忌などこれまでに登場した「蟲」のメンバーと異なり白いタトゥーかつ腕に力を入れることで浮かび上がる特殊な仕様が施されている。


【人物】

これまでの「蟲」メンバーのように整形手術を施した成りすましではなく、ナイダン・ムンフバト本人である
普段の物腰は穏やかなのだが、「蟲」としての任務となると私情を挟むことなく任務遂行を第一に考える冷徹さも併せ持つ。
また「成りすまし」ではないため、本性を悟らせないようにする非常に高度な演技力も特徴である。
また作者いわく「最も物語の核心に近い人物」とのこと。


【戦闘スタイル】

流儀は「モンゴル相撲(ブフ)
主に内モンゴル自治区で広まっている流派を用いており、構えはレスリングのグレコローマンスタイルに近い高めの腰の位置が特徴。

組技専門格闘家特有の「粘りつくような筋力」と独特の「響く打撃」を持ち合わせており、更には
  • 機械のように一切の無駄がない正確無比な動き
  • ユリウス若槻雷庵でなければ力では勝てない」と言わしめるケンガンシリーズ屈指の剛力
  • ボディに膝蹴りやラッシュを受けてもビクともしないなど関林ジュンと同等かそれ以上の打たれ強さ
を備える。
後述の「天空の眼」も合わさり攻防ともに一切の無駄も隙もなく、王馬も「死ぬほど強え」と見抜く程の実力者で、数多の蟲を屠ってきた臥王龍鬼からも「力比べじゃ勝てない」「こんなに強い蟲は初めて」と言わしめた強豪である。


【技・技術】

  • (フチ)
敵に組み付いて自分の方から力をかけ、相手の体の力を分散させ無力化する技。
王馬の「操流ノ型」のように力をずらして威力を流すのではなく相手の身体のバランスを無理矢理崩して力を逃がす、言うならば剛の操流
掛けられた相手は「力がバラバラになる」感覚を味わいながら強制的に抵抗を封じてしまう。
組みの極意である「不動」と同義であり、組みついた相手の抵抗を封じたまま投げに移行し、力を奪われ無力化された敵を地に叩き伏せる。


  • 天空の眼
俯瞰の視点を自由自在に操り敵の攻撃を見切る技。
発動中は幽体離脱したかのような状態となり、自分より速い相手の動きすら見切り、背後からの奇襲に対しても完璧に反撃することが可能となる。
所謂「ゾーンに入る」状態を指し、「力」の運用に必須の技術であるが、あくまで経験則から相手の動きを予測しているに過ぎないので予測を上回る動きをされると捉えられないことが唯一の欠点。


【作中での活躍】

孤児として育ったが、15歳の時に自ら希望して「蟲」に加入。
「蟲」の上級戦闘員でモンゴル相撲の達人だったジャダンバ・スミヤバザルの元で6年間に及ぶ修行を積み、「力」と「天空の眼」を会得すると師匠を殺害し、頭領直属兵へと昇進した。
なお当時はナイダンを含め複数の弟子が居たが、基礎訓練を経て今に至るまで無事に育ったのはナイダンのみの模様。

対抗戦では第5試合に出場しようとする劉東成に、自身が代わりに出場すると宣言。
劉からは後だしと言われたものの、小声で何かを耳打ちし、困惑する劉を尻目にリングに向かった。
拳願会側からはナイダンが組技主体のモンゴル相撲の使い手ということから、同じく組技を得意とする徳尾徳道、大久保直也速水正樹が名乗りを上げたが、ナイダンは龍鬼だけを見つめ、右腕を上げて力を込め始め、白タトゥーを浮かび上がらせて自身が「蟲」の構成員であることを明かし、龍鬼をリングに引き摺り下ろす。
エドワード・呉と仕合を観戦していた夏忌はナイダンの存在を知らなかったが、これは情報漏洩防止のために潜入する仲間にすら互いの素性を知らせない蟲の方針が仇となっている。

試合前に「蟲」について話して貰うと語る龍鬼に向け、期待しない方がいいと口にした他、龍鬼に対して「よかった、君が出て来てくれて」とも口にしており、試合開始直後、龍鬼の奇襲を難なく前蹴りで対応すると倒されながらも起き上がり、再び突進しかけた龍鬼に組みを仕掛け、動きを止めて足払いで龍鬼を軽々と宙回転させるなど、僅か数手でありながら実力の高さを思い知らせた。
結果、龍鬼に警戒心を刷り込み、距離を取らせることとなった。
僅かながら身を退いた龍鬼に向け、自分がこれまで彼が対峙してきた「なりすまし」ではないことを告げる。
そして龍鬼に何故「蟲」を殺してきたのかと問い掛け、龍鬼は「爺ちゃん=臥王鵡角*1の教え」が正しいのかと疑問を抱き始めるなど、精神的に追い詰められ始める。

その後も一方的な試合を展開し、龍鬼に対して本気を出さなければ殺すと言葉を掛け続けるが、なお一線を越えようとしない龍鬼に対し、それが環境によるものと予測。
彼を変えた根幹ともいえる成島光我や山下一夫を排除しようと目を向けたことで遂に龍鬼の怒りに火を付け、「天空の眼」を上回る速度の攻撃を受ける。
殺す覚悟を決めた龍鬼に賞賛の言葉をかけ、突撃してくる龍鬼を捕らえようとするが失敗し、猛撃を受けダウンを取られる。
レフェリーが止めるのも厭わず攻撃を続ける龍鬼に対し、そのまま攻撃し続けるよう告げながら彼の首を絞め上げ、彼が「オメガ」と呼ばれる存在であると口にし、困惑する龍鬼を放り投げ、ダウンから復帰。
拳願会・煉獄両陣営が異様な雰囲気に気付き始める中、危機を察した劉が棄権するよう叫ばれたものの、悲し気な視線を彼に一瞬向けた後、無言で仕合を続行。
そして龍鬼に対し煽るような言葉を掛け続けた結果、彼により頸動脈を指で打ち抜かれたものの、その行動を称賛。

任務、完了。

と告げると頸動脈に打ちこまれた彼の指を引き抜かずに自ら食い込ませ、己の命と引き換えに龍鬼に殺しをさせることに成功する。

そして駆けつけた劉に「気をつけろ。ニコラを信じるな。」と意味深な言葉を遺して死亡した。
友情とは程遠い世界に生きていたナイダンだったが、劉のことは「良い人間だよ」と、本当に友として思っていた。

いつの日か、蒼穹で逢おう

友よ。


【その後】

ナイダンの死にマジギレした劉が龍鬼に攻撃を仕掛けるなど一触即発の事態となるが、拳願会・煉獄両陣営の制止で一旦は収まった。
しかしナイダンの行動は他の煉獄メンバーも疑問を抱いており、次戦に出場した「三鬼拳 百足」呂 天(ルゥー ティエン)が普段と明らかに様子や戦い方が異なっていたことや、彼にもナイダンと同じムカデのタトゥーが見られたことで、第6試合終了後に煉獄側が拳願会チームを問いただしたことで、煉獄メンバーは初めて「蟲」の暗躍を知ることとなった(メンバーは蟲に関しては噂程度でしか知らなかった)。
一夫は一時休戦を申し出るも、ロロン・ドネアの一蹴で拒否されてしまった。


【余談】

劉が彼の死に対して深い悲しみを抱いていたことで、その姿を見た読者の間で劉の人気が大きくなっており、試合がまだにもかかわらず、光我と並んでケンガンオメガの2大ヒロインと呼ばれるほどになった



追記・修正は友を見つけてからお願いします。


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最終更新:2024年10月20日 23:47

*1 王馬の師匠・十鬼蛇二虎の師匠にあたる人物で「十鬼蛇二虎」は鵡角の弟子たちの総称。、