メガロ(怪獣)

登録日:2011/06/10 Fri 09:28:21
更新日:2025/04/17 Thu 13:40:42
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メガロとは、東宝が製作した特撮映画作品『ゴジラ対メガロ』に登場した怪獣である。



概要

別名:昆虫怪獣、昆虫守護獣
身長:55m
体重:4万t


かつて海中に没したレムリア大陸に住んでいた人々の子孫であるシートピア人の住むシートピア海底王国の守護神。
守護神という割にはシートピア海底王国からはまるで手下のように扱われているが。

パッと見はカブトムシをそのまま怪獣にしたような姿をしているが、両手がドリルを半分にしたような形状になっていて
実際に両手を合わせることでドリルとなり地底を掘り進むことが出来る。
600ノットの水中移動能力の他にも飛行能力を持ち、高空や長距離の飛行には羽根を広げてマッハ3のスピードで飛行し、戦闘中の低空時には羽根を広げずに飛ぶ。
その羽ばたきによる風速は実に1000mに及ぶ。また、ジャンプも得意でバッタのように跳び跳ねて移動することもある。
なお、カブトムシではあるが手足は合わせて四本。更にカブトムシにはない尻尾が生えている。……何だこいつ

主な武器は角からのメーザー殺獣光線と口から吐き出す時限発火式の地熱ナパーム弾。メーザー殺獣光線はキングギドラの引力光線の映像を流用。
両手のドリルと地中からの奇襲攻撃も侮れない強力な武器である。

Mハンター星雲人が援軍に送り込んだガイガンとは挨拶を交わしたりと仲が良いようだ。


ミサイルやロケット弾の通じない硬い表皮に包まれてはいるが、メーサー戦車隊の攻撃やゴジラの放射火炎にはたじたじだったのでそれほど防御力が高いという訳でもない様子。
ところで、逃げ回っていた時に海に住む緑色のフランケンシュタインの怪獣が見えたのは気のせいだ!

そして何より、なかなか格好いい見た目に反してそんなに強くないのである。
劇中、元々は非戦闘ロボットでろくな武器も持たないジェットジャガー相手に格闘で苦戦していたので、当然ゴジラにはボコボコにされる一方だった。
また、奪われたジェットジャガーの誘導がなければ道に迷って暴走する上に、自我に目覚めて巨大化したジェットジャガーに呆然としたり、
尻を叩いて挑発したり、地熱ナパーム弾で自滅したりと正直馬鹿っぽい。

と、ここまで散々に書いたが、飛び道具は強力である。特に地熱ナパーム弾は爆発するタイミングを調整出来るようになっていて避け難く、
辺り一面をの海に変えてゴジラ&ジェットジャガーのコンビを苦戦させた。



【ゴジラ対メガロでの活躍】

地上への報復として北山湖の地割れ(その実態はシートピア海底王国の地熱エレベーター)から地上に送り込まれた。
ジェットジャガーの誘導で行動していたが、ジェットジャガーのコントロールを奪回されて道案内を失い、一時的に暴走して手当たり次第に都市を破壊した。
その間にもシートピア海底王国は友好関係にあるMハンター星雲人にガイガンの応援を要請した。

突如巨大化したジェットジャガーとの戦いでやや不利になった所に到着したガイガンと共にジェットジャガーを叩きのめすが、
ゴジラが到着した所で形勢逆転、逆に叩きのめされる側になり、一対一でもゴジラには全く敵わなかった。
一方ジェットジャガーと戦っていたガイガンは、ジェットジャガーを人質に取るくらいに善戦していた。

一時はナパーム攻撃で優位に立つものの、火の海から脱出されると今度は自分達が放射火炎で反撃を受けたが、
ガイガンが逃げ出した為に自分だけ放射火炎でなぶられる羽目になった。
一度ガイガンも捕まったものの今度こそ宇宙へ逃げ、ジェットジャガーに拘束された上でゴジラのドロップキックを浴びせられ、遂に逃走。
メガロが北山湖の地割れに逃げ込んだ後に地熱エレベーターはシートピア海底王国によって封鎖された。
こうして、シートピア海底王国の復讐劇は幕を降ろしたのだった。



【その他の作品での活躍】

既にソフビ商品が出ていたため『ゴジラアイランド』にX星人配下の怪獣として登場する。
デストロイアとタッグを組んでいることが多いほか、初期の回ではバトラとも組んでいる。
相方が当時の最新作のライバル役ということもあってか出番は敵怪獣の中で最多だが、たいして活躍できていないことが多い。もっとも今作ではデストロイアも出典作品での描かれ方が信じられなくなるような苦戦をしていることがちょくちょくあるためしょうがない面はあるが。


東宝オールスター小説『GODZILLA 怪獣黙示録』(アニメ映画版の前日譚)では2012年にアフリカ西海岸に出現。
そのままアフリカ大陸を横断して侵攻経路の全てを破壊し尽し、2000万人もの死者を出した。
おまけに、当時の独裁国家の多くはバカ君主たちが国民を見捨てて我先に逃走し、治安は最悪に。
泥沼の内戦が勃発して国民の多くは北のアラブアフリカ(『仮面ライダー』に登場するガニコウモルの出身地)に向かい、
エジプトは2015年時点で1000万を超える難民が到達。
案の定食糧不足により2020年に第二次内戦が勃発し、更にグリホンの群れがエジプトを襲う。
内憂外患に苦しめられるアフリカだったが、翌年にはまたメガロが出現。南アフリカ共和国を滅亡に追い込んだ。
こうしてメガロ出現からわずか10年で、アフリカの人口は半減した。

『プロジェクト・メカゴジラ』において、
アフリカ大陸を滅ぼした後インド・パキスタンに上陸し暴れ回り、更にフィリピンを崩壊させついには日米防衛戦を突破して沖縄に襲来した。
だが沖縄を守護するかごとく現れたある怪獣と戦い、相打ちとなった。

【ゴジラVSメガロでの活躍】

2022年に発表された短編CG映画『ゴジラVSガイガンレクス』の続編『ゴジラVSメガロ』でまさかの復活を遂げた。
CGであるためか昭和版に比べて均整の取れたマッシブな体形となり翅や腕のドリルも大型化。昭和版のデザインを踏襲しつつもスタイリッシュで洗練された姿となっている。
基本的な能力は昭和版と同じで角からのメーザー殺獣光線と口から吐き出す時限発火式の地熱ナパーム弾を使用。
角からのメーザーにはゴジラを拘束して動きを封じるという新たな能力が付与されている。
また、地熱ナパーム弾は細長い弾丸のような形状となった。
身長も対決するゴジラの身長に合わせて約120mほどに大型化している。

東京の地底で眠りについていたところ、謎の巫女の持つ結晶体の力により覚醒。
地上へ飛び出してとりあえず目に付いた自衛隊の戦車部隊を壊滅させてからゴジラの元へ飛来し、地熱ナパーム弾で爆撃してから超スピードでのドリルによる突撃攻撃を敢行。
この突撃攻撃は半径数kmほどの巨大なクレーターが形成されるほどの破壊力を見せた。
さらに角からのメーザーでゴジラを拘束してドリルによる突撃攻撃で追撃するという連続技でゴジラを苦しめる。
しかしもう一度ドリルで攻撃しようとしたところ、メーザーによる拘束をゴジラの体内放射によって打ち破られ、ドリル攻撃もゴジラの新技、熱線エネルギーを腕に纏ったパンチで真っ向から押し返されてしまう。
その後は接近戦になりゴジラのパワーに押され気味になるものの至近距離からの地熱ナパーム弾でゴジラを吹っ飛ばしてダウンさせることに成功。
倒れたゴジラにトドメを刺すべく飛翔し、上空からのドリルの突撃で串刺しにしようとするが
突如ロケットのごとくカッとんできたゴジラのドロップキックで地面に叩き落とされてしまう。
なんとゴジラは仰向けの体勢で背びれからエネルギーを放射し、その反動で飛翔したのだった。*1
ドロップキックのダメージでフラフラになってしまったメガロは熱線エネルギーをまとったゴジラの腕で角を圧し折られ、意識を失ってしまう。
決着かと思われたその時、再び謎の巫女が現れて結晶体の力をメガロに照射して復活させる。
復活したメガロは両腕のドリルを合体させて最大パワーのドリル攻撃を敢行。
ゴジラの胸に高速回転するドリルを喰い込ませて圧倒するが、それに対してゴジラも奥の手である白光モードを発動。
超威力の白色熱線によってメガロは下半身を消し飛ばされ、完全に力尽きた。

昭和版の情けなさはどこへやら、最終的には敗北するとはいえスタイリッシュかつ力強い戦法と圧倒的な攻撃力でゴジラをギリギリまで追い込むなど、
歴代のゴジラのライバルたちに劣らない強さを見せつけた。
昭和版ではイマイチだった防御力についても今作では至近距離からの熱線を受けても大したダメージを受けないなどかなり高くなっている。


【ゲームでのメガロ】

映像作品での不遇っぷりから一転、そのスタンダードな見た目と両手がドリルというロマン溢れる特徴の為か出演作品は結構多い。

特に格闘ゲーム系作品で参戦率が高く、PCEからの移植であるSFC『ゴジラ怪獣大決戦』ではリストラされたラドンやスーパーX2メカキングギドラ、プレイヤーキャラから降格したバトラ等を差し置いて続投参戦。
両腕のドリルを前に突き出しながらまっすぐ飛ぶ技を持ち、画面狭しと暴れまわる機動力と攻撃力が売り。
スタンダードな射撃技「殺獣レーザー光線」や、ゲームで貴重な設置技「地熱ナパーム」など、技も豊富。
さらに隠し技の「スーパードロップキック」は相手を画面上までふっ飛ばすことができる。これでKOするとビオランテでさえスポーンと飛ぶ。

ゴジラ怪獣大乱闘シリーズではモスラアンギラス、ガイガンを差し置いてプレイヤーキャラとして皆勤している。
特にGBA版では使用できる7体の怪獣がゴジラ、モスラ、ラドンキングギドラ機龍、メカキングギドラ、メガロという謎のラインナップだった。

TCGバトルスピリッツコラボブースター『怪獣王ノ咆哮』ではマスターレアとして収録。なんと同パックで上から2番目のレアリティ。ちなみに相方のガイガンも。
モスラなどと同じく昆虫の属性である緑のカード。
緑に採用する他、エンペラ星人率いる怪獣連合デッキでアタッカーとして採用するという手もある。



余談

  • 書籍『ゴジラ 東宝チャンピオンまつり パーフェクション』によると、担当デザイナーは不明。一方、造形は安丸信行と小林知己の両名が担当した事が明かされている。


  • 実は前作『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』の検討用台本に新怪獣の名前として「メガロ」が使われていたりする。
    ただし、その描かれ方は「敏捷性に優れ、身体からスモッグの状のガスを放つ」「目が触覚の先端に備わっている」という後の世に出るものとは大分違っているが。
    ちなみに『ゴジラ対ガイガン』の検討用台本の一つである『キングギドラの大逆襲!』には、「モグ」という宇宙怪獣の名前が確認されている。



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最終更新:2025年04月17日 13:40

*1 ゴジラ対メガロでも同じ体勢でドロップキックを行っており、これのオマージュであると思われる