デッドプール:SAMURAI

登録日:2021/03/18 Thu 23:15:33
更新日:2024/11/10 Sun 23:24:51
所要時間:約 4 分で読めます






俺ちゃんジャンプで新連載だぜ!



概要


デッドプール:SAMURAI』は電子アプリ「ジャンプ+」にて配信されている漫画作品。
全2巻。

原作:笠間三四郎
作画:植杉光

2019年に読切作品として公開。
その後、2020年より隔週木曜日更新で連載が開始されて、2021年半ばで終了。
そんな新しい作品でありながら、2021年「世界で最も読まれたMARVEL作品」として選ばれる快挙を達成した。

そして2024年、デッドプール&ウルヴァリンの公開に便乗して合わせて第二部の連載が開始された。

ちなみにMARVELマルチバースとしてのナンバリングは元々「Earth-19966」だったが、後述するサクラスパイダーの逆輸入時に「Earth-346*1」として独立、あるいは別名が付けられている。

あらすじ

自由気ままに暴れまわる日々を送っていたデッドプール
そんな彼が、アイアンマンの誘いによって新組織「サムライスクワッド」へと加入することとなった。
今、日本に、ジャンプに、MARVELが誇る破天荒ヒーローが降り立つ!


主な登場人物

サムライスクワッド

得意の二刀流、銃撃、メタネタ、パロディを駆使して大暴れするヒーロー。……ヒーロー?
アイアンマン直々のオファーにより、アベンジャーズ公認組織「サムライスクワッド」の一員として日本を訪れた。
詳しい能力などは該当項目を参照。


  • サクラスパイダー/飛騨(ひだ) (はるか)
一言で言うとこの作品の安直なオリジナルスパイダーマン*2
芽衣(めい)おばさん、(つとむ)おじさん*3と暮らしている。
左目の下に泣き黒子のような黒い点が2つ並んでいるが、これは幼少期に蜘蛛に噛まれた痕。


日本生まれ日本育ちの少女であるが、能力を手に入れた経緯はオリジナルとほぼ同じらしい。
スーツはボディラインの分かるぴっちりスーツでありながら、顔はフードを被るだけで覆面はしていない。
恐らくスパイダーグウェンのオマージュと思われる。

手首のウェブシューター*4から糸を放ち、スパイダーセンス等も完備。
糸で掴んだ成人男性(デッドプール)をジャイアントスイングの要領で高層ビルに投げ飛ばし、分厚いガラスを割って突入させる程のパワーも持ち合わせている。
同時に、大型トラックに轢かれた直後に乗用車に踏まれようとも、骨折による入院で済むくらいには頑丈でもある。
ただし、サクラスパイダーとして活動し始めたのが約2年前からということもあってか、自身の超感覚と運動能力を最大限に発揮するための“経験値”がまだ浅い。実際、作中では「単純な肉体性能で自分を上回る相手」、後に展開されたスピンオフ等の客演先では「対スパイダーマン戦に慣れている相手」に対して防戦一方になりやすく、円熟した頃の本家本元ピーター・パーカー達と比べるとまだまだ未熟さが目立つ。

しかし精神面においては熱血かつ実直なヒーロー向きの性格をしており、自身の活動における責任感も強い。
初対面時の印象が最悪だったデッドプールに対しても、戦闘にツッコミにとサポートを欠かさない苦労人気質。
何よりヒーロー活動においてはどんな強敵であろうと怖気づかず立ち向かい、本家ピーターと違って戦闘中に軽口を叩いたりせず、自分に非があると理解すれば素直に謝罪できる等、『大いなる責任を果たそうとする覚悟』だけはスパイディ歴2年目とは思えないレベルで出来上がっている。
新日ねいろの大ファンであり、彼女が関わるとデビィ・ザ・コルシファみたくフードの目からも滝のように涙を流す程にキャラが崩壊する。

最近本場アメリカにて、『Deadpool: Black, White & Blood (2021) #4』特別出張読切出演、『The Amazing Spider-Man(2022)#3』でヴァリアントカバーになるという風に、アメコミの二つの作品で逆輸入デビューもしている。
2022年、Edge of Spider-Verse #3にて待望の本家スパイダーバース入りを果たした*5
バリアントカバーではなく本来の表紙に登場しているのだが、著作権関係が微妙らしく、一覧だとこの#3だけ表紙が公開されていない。
バリアントカバー(ナイトスパイダー)と、本作が発売されるというニュース記事の方では表紙が見れるようになっている。



  • 共生体(シンビオート)新日(あらたび) ねいろ
作中の日本における16歳のトップアイドル。
名前の由来は「シンビオート」から。*8

何よりも自分を応援してくれるファンを大事に思うアイドルの鑑。
自分を襲おうとした人物でさえ、ファンであれば謝罪を受け入れ許してしまう、ある意味大きな心の持ち主。
森の中で記憶を失っていたシンビオートを発見した際、寄生されている。
シンビオートのことは「クロちゃん」と呼んでおり、ファンを食べないよう言い含めるなど関係性も良好。


ヴィラン



MARVEL御用達の笑いの神。
この作品でもデッドプール顔面騎乗食らったり原作に無い目ビームを放ったりと、その片鱗は健在。
平行世界の人物を呼び寄せ、究極のヴィラン組織の結成というありがちな野望の為に暗躍する。

宇宙最強を誇るゴリラタイタン人。
作中では本人ではなく、秘密結社ヒドラによって再生された模造品である。
しかしその実力は衰えておらず、デッドプールらを追い詰める。
そんな中、なんとあのデビルーク星の存在を知っており、しかも既に滅ぼしたという衝撃のカミングアウト。
これにより「アンタは存在しちゃあいけない生き物だ」とデッドプールの逆鱗に触れた。
そしてサクラスパイダーがバース入りしたことでデビルーク星がマーベルユニバースにも存在するという事故が起こった模様。

  • ヤバい人
本名不明。
肥満体にメガネをかけ、無精髭を生やし、服装も長袖の柄シャツ(をおそらくジーンズにぴったり入れたいでたち)の、
まさしくステレオタイプなオタクスタイルの男性。要するに俺ら
ねいろを好きに出来るとロキに唆され、彼女とシンビオートを操ってデッドプールに襲いかかったのだが、
実際はねいろのファンですらなく、鬱屈した人生の捌け口に利用しようとしただけという度し難いクズ。
それでも最終的にねいろには見逃してもらえそうになるも、以前から彼の事を知っていた遥によって「チケット転売の常習犯」という余罪が暴かれてしまい、問答無用でデッドプールに射殺された。


その他

デッドプールをサムライスクワッドに勧誘した張本人。
しかしあくまで勧誘だけで、デッドプールの歓迎パーティにまで関わりたくはなかったらしい(パーティの内容も酷いが*10

上記の歓迎パーティの為にわざわざ日本まで訪れた聖人。鼻メガネをかけたキャップが見られるのはジャンプ+だけ!
サムライスクワッドの戦力補強の為、アイドルである新日ねいろの勧誘を提案する。

一般人と見分けが付かない没個性なキャラデザの知性あふれる博士であり、最強の超人。
緑色なのでデッドプールには嫌われている*11

本家本元の親愛なる隣人。
あのデッドプール本気かどうかはともかく、彼のようなヒーローになる為にサムライスクワッドへの参加を決意した。
コミックス1巻おまけ漫画でも登場。

  • ソー
無敵の雷神様。
ある意味今回の騒動の元凶。

  • デッドプール・バンド
デッドプールのことが大好きなアーティスト5人によって結成された、この漫画のためのユニット。
電子アプリ配信であるという強みを最大限に活かし、作中にリンクを掲載。
音楽と漫画の融合を果たした。



余談

とにかくデッドプールのメタネタとパロディが激しい。
1話冒頭からタクシー料金は講談社にツケといてね
編集者に言われなかった? 「第三次世界大戦」と「世界征服を目論む悪の組織」はテンプレすぎて面白みないって
デップー行きまーすその反応…やっぱり俺ちゃんの読切読んでないな?とやりたい放題である。
一方で、毎回のようにパロネタが多く差し込まれる事で賛否意見も見られている。

本作でのデッドプールのダメージ描写や、(ヴィラン)への容赦のなさ、それに伴うグロ描写はアメコミ版並みに過激である。
1話の時点で爆風で左腕を消し飛ばされ、その後も緑色にはミンチにされサノスには水玉コラみたく穴だらけにされたりと容赦がない。もっとも本人があまり動揺してないのと戦闘では超回復能力を最大限に利用するタイプ*12なので悲壮感はあまりないが。
ちなみにこの流れの中で左が全身やられちまったというどこかで聞いた事のある台詞を言っている。そういえば、そっちの作者さんもジャンプラで連載してた。

前述の通りサノスによってデビルーク星が滅ぼされている。あくまでも「この世界」のデビルーク星と思われるが。
その衝撃展開によりTwitterに「デビルーク星」がトレンド入り。
結果ToLOVEるダークネス公式アカウントも「デビルーク星は滅んでも、To Loveる-とらぶる-は永久に不滅です!」とコメントを発した。
なお、サノスの発言の後に登場した上述のサプライズゲストが属する作品の舞台が、現代から軽く一世紀以上は未来の地球であることから
「現代の地球に生きるリトララ達、その子供が居たとしてもとっくに寿命だし……まぁ、ええか」
等と言う感想も読者達から出て着たり。物語の外でも情勢はめぐるましく変化していたのであった。


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最終更新:2024年11月10日 23:24

*1 おそらく原作者「笠間“三四郎”」からの語呂合わせ

*2 作者も当初は「安直なオリキャラはMARVEL好きから好かれないだろう」とラストで死亡させる予定だったらしいが、予想外の人気で延命が決まった旨をツイッターで明かしている。

*3 それぞれピーター・パーカー、メイおばさん、ベンおじさんが由来と思われる。

*4 生体ウェブかどうかは不明だが、丸っこく可愛らしいデザインの腕輪型のシューターを装備している。連載当時は私生活が描写されていないので自作する能力があるのかは不明だったが、自作でなくともアイアンマンと面識があるので装備としてはおかしくなかった。後に「オクトパスガール」客演時に自作描写があり、確定。

*5 なおスカウトに来たマダム・ウェブからは「装備はまあ良いとして、フード?正気?(意訳)」と素顔ほぼ丸出しのコスチュームにツッコミを入れられている。

*6 つまり自身もスパイダーマンとしての活動を経験済み

*7 これは機材に付着したウェブを探すためのスキャナーを混乱させないため。なお多機能かつ高性能なスキャナーを見た彼女はドクター・オクトパスを「本当に天才なのね」と無意識かつ素直に称賛し、彼の機嫌を直すことに成功した

*8 新日ねいろ→新日音色→新日音→しんびおと→シンビオート というもじり方をしていると思われる。

*9 その内容すらも『これからは普通に応援よろしく』のみであり、デッドプールからも半ば呆れられていた上に、当の犯人に至ってはまるで反省しておらず内心で小馬鹿にされていた。

*10 立案したのはデップー本人で、アベンジャーズ全員を日本に呼び寄せてパーティに強制参加させる予定だった。しかも会費が$60000で後日強制徴収。当然、後述のキャップ以外は不参加を表明。

*11 デッドプール2(映画)の中の人(ライアン・レイノルズ)ネタ。ライアン・レイノルズは映画でのグリーンランタンも演じているのだが、それがあまりにもコケたせいで無かったことになっている程であり、それに対する様々な思いからか、デッドプール2のオマケ映像で「グリーンランタンの台本を見つめるライアン・レイノルズをデップーが撃つ」というモノがあり、ココから来ているネタだと思われる。

*12 拘束を解くために自分で腕を切り落とす