ロン(獣拳戦隊ゲキレンジャー)

登録日:2021/05/05 Wed 14:42:26
更新日:2024/04/23 Tue 03:17:56
所要時間:約 10 分で読めます





面白くなってきましたね……臨獣殿が。


ロンとはスーパー戦隊シリーズ第31作『獣拳戦隊ゲキレンジャー』の登場人物。

演:川野直輝

【プロフィール】


身長:220cm(幻身豪天変時:59.4m)
体重:100kg(幻身豪天変時:27t)


【概要】

幻獣拳の四幻将の1人で、「調整者」の役割を担う「幻獣ドラゴン拳」の使い手。
四幻将のリーダー格であり、幻獣拳を会得せんとする者は、まず彼と「血盟の儀式」を執り行わなければならない。

当初は正体を隠して度々メレの前に現れていたが、マクの死後に理央とメレに正体を明かし鞍替えを促す。

正体を現しても飄々とした態度や掴み所のなさは崩れず、「ドラゴン拳」がどのような拳法なのかは曖昧なままであった……


【能力】

幻気で作り出した弓矢「狂気の弓矢」を用いる他、強烈なを発生させる事ができる。
高い戦闘力を持つ以外に、誰にでも化けられる能力もあり、諜報や攪乱といった策謀も可能な搦め手も操れる万能キャラ。

使用ゲンギ

  • 呪煙吐(じゅえんど)
黄色いエネルギー体のようになって移動する。
ゴウは登場当初、ロンがこの技を使うと決まって不完全な獣獣全身変により狼男の姿になって暴走していたが、後に自らの強い意志で克服した。

  • 幻開放(げんかいほう)
右手の親指で自身の胸の中心を突き、自らの幻気を解放する。
「血盟の儀式」において、自らの幻気をメレに与えるために使用。

  • 転臨幻納(てんりんげんのう)
臨獣拳使いが臨気を解き放ち幻気を受け入れられるよう、臨気に幻気を融合させ、幻気に変容させた上で臨獣拳使いに宿す。
臨獣拳士から幻獣拳士へのクラスチェンジに用いる技のひとつ。

  • 全魂集結(ぜんこんしゅうけつ)
眠る激気魂を呼び起こして塊と成し、幻気によって幻獣拳使いを形作る。
スウグを生み出す際に使用。










以下、終盤のネタバレ









無間龍(むげんりゅう)



皆さん良いリアクションをしてくださいました。……面白かったですよ?

CV:川野直輝
身長:71.2m
体重:48.6t

実は理央の裏で幻獣拳を操っていた影の首領にして、物語の事件の裏で糸を引いていた全ての元凶にして黒幕
その正体は幻獣そのものであり、真の名は不老不死の龍『無間龍』
自ら「古来より人間をある時は導き、ある時は惑わすことで人々を弄び操ってきました」と語っていた事から、大昔から存在していた模様。
ロンこそが世界中に伝わる龍やドラゴンの伝承・伝説の元となった存在である。
「幻獣ドラゴン拳」という流派は存在せず、本編での技や能力は全て自身が元から有していた能力によるもの。
真の姿は幻獣の麒麟を彷彿とさせる四足の竜で、八岐大蛇のようにいくつもの頭を持っている。

永遠の時を生き、あらゆる獣の頂点に立つ「幻獣」そのものであるが故に、自らを絶対者として振る舞う傲慢不遜な性格。
余裕な態度を崩さず他者を露骨に見下し、生命や人の人生を遊び感覚で弄ぶ正真正銘のド外道
自身の策謀に踊らされていたゲキレンジャーや臨獣拳の面々を「良いリアクションでした」と嘯き嘲笑っている。
しかし、自分の策謀に巻き込まれながらも生き残り、自身の策謀を悉く台無しにしたジャンに対しては、
「自分の思い通りに動かない人形」として唯一怒りと憎悪を向けるなど、非常に子供じみた自己中心的な一面がある。


【真実】

本編での一連の暗躍の動機はただの『暇潰し』
世界征服とか世界を憎悪するとか大層な理由など皆無で、文字通り「ヒマでヒマで退屈だったから」に他ならない。

生まれながらに強大な力を持ち、永遠の時を生きるが故の退屈な日常を「無間地獄」「何か面白い刺激が無いと耐えられない」と心底うんざりしていたロンは、その退屈を紛らわせるためふと「世界を滅ぼしてみよう」と思いつく。
しかし自分の手で世界を滅ぼすのはつまらないため、自分の代わりに世界を滅ぼす存在「破壊神」を仕立て上げて、破壊神に世界の破壊を行わせることを目論んだ。

まさに文字通り『暇を持て余したから遊んでやった』だけだったのである。

当初は大地の拳魔マクを「破壊神」に仕立て上げるべく、マクのシャーフーへの対抗心と怒りを煽り対立させ、悪の道に引き摺り込んで彼に臨獣拳を創設させたまではよかった。
が、マクは思惑通りに動かずそれどころか自身も倒そうとしてきた上にシャーフー達にカタ、ラゲク諸共封印されたため断念。
この行為のせいで臨獣拳アクガタが誕生し、本編での激獣拳と臨獣拳の長い闘争が引き起こされた。

マクの破壊神化を断念したロンは、そこで新たに何千年に1人という稀代の素質を秘めた幼い理央に目をつけ、様々な謀略を企て実行に移した。
  • 理央の家族を殺害し、力を求める感情と「強くなければ殺られる」という強迫観念を植え付ける
  • ジャンの父で理央の兄弟子・ダンに奇襲を仕掛け、重傷を負わせて理央にダンを確実に殺害させる
  • ダンに関わる全てを抹消すべく、ジャンの村を滅ぼしジャンの母も殺害
これらの謀略を起こしたことで、理央は彼の思惑通り臨獣拳の門を叩き、ただ強さを求める修羅になってしまった。
ちなみにこの間、策謀は実行した後はすぐに物陰に隠れ、コメディを見る観客気分で、理央の嘆き苦しむ姿を近くの物陰に隠れて眺めて嗤っていた。
そして、自身も臨獣殿に潜り込んで本編で様々な暗躍を起こし、理央に家族を失った時の悪夢を定期的に見せることで強くなるための強迫観念を煽り、人への未練を失い破壊神に向かうよう密かに操作していた。

自分の強さを求めた動機も、自分が肉体と技を鍛え高みに昇っていったのも、全てロンが引いた壮大なレールの上だったという最悪の真実を知った理央は一時は心折れてしまった。
幻獣拳の実態も、全てはロンが理央を「幻獣王(破壊神)」に仕立て上げるために用意した壮大な茶番。
ヒソが忠誠を誓っていたのは実際はロンに対してであり、野心家のコウが幻獣拳の頂点であるはずの「幻獣王」の座を狙っていなかったのもその実態を暗に示していたものと言えよう。
この気の遠くなるような長い時間をかけて一人の人生を弄ぶ策略を知ったゲキレンジャー達は、皆戦慄すると同時に怒りを滾らせている。

終盤で本性を現し、人間としての未練を捨てた事で破壊神に成りかけた理央を見て歓喜の表情を見せるも、人間としての心を棄てきれなかったことで理央は元の大きさに戻ってしまい、思惑の外れたロンは自らの企みを暴露。
理央の真の執着の根源であったメレを誘拐し、再び理央を破壊神にしようとするが、ゲキレンジャーの妨害に計画が阻まれ、更に理央とメレが幻気を捨てたために計画は完全に頓挫。
理央とスーパーゲキレッドを葬るべく戦い圧倒するが、2人の反撃で怯み、スーパー激激砲と剛勇吼波を受け巨大化。
しかし激獣拳と臨獣拳が力を合わせ誕生したリンビーストと獣拳合体を果たしたサイダイゲキリントージャの前に圧倒され、必殺技「砕大激臨斬」を受け敗北。

これが獣拳か……クッ、面白い……!面白いぞぉおおおおおおお!!

最後まで余裕の態度を崩さぬまま、憎々しい高笑いを残しながら爆散した。
こうして邪龍は滅び、激獣拳と臨獣拳の長き戦いも漸く終わったかに見えた。







だが……






……ところが終わってないんだヨ~。さーてと、これからが(・・・・・)サンヨの務め~ヨ

…ゴホッ、ウェッ…ウェボェエエエエエ!












以下、最後のネタバレ












サンヨは不死身ヨ。決して死なない(・・・・)。何故なら~…

私の一部だからです。

私は永遠の命を持つ者…… 何者も!何をもってしても!私を破壊することはできないっ!!


ロンの相方だった幻獣拳士サンヨは、実は無間龍の「不死」を司るロンの半身であった。
彼が「不死身」と称していたのは嘘でもハッタリでも何でもなく本当の事。つまりサンヨは最初っから盛大なネタバレをやらかしてたことになる。口が軽いってレベルじゃねーぞ!
サンヨは不死であるが故に、どんなに攻撃を受けても何事も無かったように平然と行動できる。
そしてロンの側は、例え何らかの要因で滅んだとしても、サンヨを介して何度でも無限に再生・復活が可能とチートもいいところ。
余談ながらサンヨを介して復活するシーンは、サンヨが金色のゲロを吐いているような光景でビジュアル的に色々と酷い。

サンヨの肉体から復活したロンはサンヨを吸収・融合することで本来の姿「無間龍」となり、自らの手で世界を滅ぼす事を決定。
凄まじい力でもってゲキレンジャー達を薙ぎ払い、更にメレを顎で噛み砕いて致命傷を負わせて殺害する。
しかしメレの死を看取り、ゲキレンジャー達に臨獣拳の全てを託した理央の命を賭けたリンギ・大魁砲の直撃を受けて爆散した……かに見えたが、
全くダメージを受けていない平然とした様子でゲキレンジャーたちの前に姿を見せた。
姿こそ等身大に戻ったが、「フハハハ!愚か者は繰り返す。何度も同じ過ちを!」と理央の特攻を無駄とばかりに嘲笑。

街へ向かい大暴れして破壊の限りを尽くし、ゲキバイオレットゲキチョッパー、駆け付けた七拳聖をも一蹴。


だが、理央や三拳魔の思念との修行を終え、全てのリンギを受け継いだゲキレンジャー3人には手も足も出ず圧倒された末に3人が放ったゲキが直撃。


効きませんねぇ……!私を破壊することはできないと、何度言わせるんです!?

別に破壊することはないって、気づいたのよ!

そうさ。これからは不死の身の上を呪うことになる!

ロン!この技はお前を封じるために生まれたんだ!!

そうじゃ。これは、この技は……

獣拳奥義・慟哭丸!!


ゲキレンジャーが放ったのは三拳魔の思念から学び、獣拳奥義へと昇華した「慟哭丸」だった。


バカな……!?

獣拳は、正義の拳!

正しき者は、必ず勝つ!!

ロン!これが……獣拳の力だ!!


当初は余裕ぶっこいていたが、無間龍を「倒す」のではなく「永遠に封印する」という結論に至ったゲキレンジャー達の思惑を悟ると激しく動揺。

ふざけるなぁ!永遠の闇の中に封印するつもりか……!? 幻獣の長である、この私をォオオオオオオオオオオ!!

という断末魔の叫びを残して慟哭丸に封印された。
慟哭丸は封印されたら生命力をじわじわと搾り取られながら死を迎えるが、ロンは不死なので死ぬことは出来ず、身動き一つ取れないまま、光も音も届かない暗闇の中で、このまま命を搾り取られる苦しみを未来永劫味わう羽目となった。
自身が「世界を滅ぼす暇潰し」の過程で生み出した臨獣拳の技によって封印され、かつて自身が適当に言ったであろう幻獣拳の業を皮肉にも自分自身が体現し、正真正銘の無間地獄に堕ちるという、まさに因果応報の末路を迎えたのである。

戦いが終わり、無力な黄金色の球と化したロンを拾い上げ、シャーフーは呟く。

永遠の暗闇に1人、面白いことなど1つも無いじゃろうな…

その後、慟哭丸と化したロンはというと……

  • エレハンにビリヤードの道具にされキューで突っ突かれてしまう
  • ゴリーに胡麻団子と間違えて食べられてしまう
  • ゴリーが吐き出してしまった際、アツアツのお茶の中にドボンと落ちてしまう

……という風に、これまでの外道っぷりが忘却の彼方になるほど腹筋崩壊するまでの散々な扱いをされてしまう。
結局、ペンダントの如くぶら下げてジャンに所有されることになり、ゲキレンジャーが弟子を育て代々伝えていくという形で監視されることになった。


【その後の活躍】


お久しぶりですね、ゲキレンジャー……!

後に映画『劇場版 炎神戦隊ゴーオンジャーVSゲキレンジャー』にて再登場。
慟哭丸から製造された「慟哭丸ソウル」を使用した蛮機獣ヌンチャクバンキの体を依代に「ロンバンキ」として復活。
本編の頃の余裕ぶった態度とはうって変わり、自身の完全復活を目論みゲキレンジャーへの憎悪をむき出しにして襲いかかった。
慟哭丸の封印が解けたわけでは無いので本来の力は出せていないが、それでもかなりの強さを持っている。

それもそのはず、ここに至ったのには臨獣トータス拳のメカ&スーパー戦隊屈指の三バカトリオことガイアークの手に渡ったがため。
慟哭丸ソウルをヌンチャクバンキに投入する際、三大臣が共同で設計したスロットが炎神ソウル規格のため入らなかったのが運の尽き。
メカのアイデアで強引にハンマーでぶっ叩かれ、無理矢理炎神ソウル風に押し込まれる羽目になる。
これがよほど苦痛で屈辱的だったのか、映画本編に至るまでの封印の日々と積み重なって復活した際はかなり瞳が血走るほど怒りで身を震わせていたまあそうなるわな。

しかしその執念も虚しく、僅かな時間ではあったが蘇った理央とメレの力を借りて誕生したゲキレンジャーの最強戦力サイダイゲキリントージャと、ご存知歩く勝利フラグなエンジンオーG12が放った合体技「スーパー戦隊炎神ビーストグランプリ」の前に敗北。

私は……不死身だぁあああああああ!!

再度永遠に封印されることへの絶望の叫びを上げて再び肉体を失い、慟哭丸に封じられた。

海賊戦隊ゴーカイジャー』にジャンがゲスト出演した際にも相変わらず慟哭丸のペンダントのままだった。


【余談】

  • モチーフは青龍と十二支の「辰」。名前の由来は、中国における「龍」の読み方をそのまま名前としたもの。

  • 東映の特撮現場ではカメラマンが最高司令官だそうだが、基本的には新参のフレッシュな若者に対して怒号を飛ばしまくる撮影の日常にあって、ロンが悪意に満ち満ちた表情で己の存在・正体と目的を明かした時にはカメラマンが「こ い つ 悪 い ヤ ツ だ な ~ ! ! !」とのたまったらしい。




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最終更新:2024年04月23日 03:17