大神龍

登録日:2017/01/08 Sun 01:45:00
更新日:2018/05/25 Fri 18:52:33
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大神龍とは、五星戦隊ダイレンジャーに登場する超宇宙生命体である。
「だいじんりゅう」と読む。


概要

ダイレンジャーとゴーマの前に度々姿を現す謎の存在。巨大な龍を象った機械生命体であり、自我を持っているが言葉を話すことはない。亀夫いわく「恐怖の大王」。
西洋のドラゴンではなく、龍星王同様の東洋龍を象っている。
移動形態である「昇龍形態」と戦闘形態である「龍神形態」に変形する。

その正体は、宇宙の秩序を守るために宇宙そのものが生み出した、いわば感情なき秩序の番人というべき存在である。
ダイレンジャーとゴーマの戦いが宇宙の秩序を乱す発端になると判断し、この戦いを止めるために地球にやって来た。

大神龍の使命は争いを根絶することであり、それだけ見ると一見平和主義で温和な印象を受けるが、そのやり方は生温さも一片の容赦もない
争いに加担するものは善だろうが悪だろうが、一切構わず全てを滅ぼすために攻撃を行う。

さて、大神龍の特徴と言えば、一言で説明することが出来る。


強いのである。


無茶苦茶強いのである。



あり得ないほど強いのである。



どれくらいとんでもないかというと、まずは防御力。
未知の金属・メガトロニウムで構成された機体は、比喩ではなくどんな攻撃も受け付けず、傷一つつかない。こう書くと使い古された「ぼくのかんがえたむてきのきんぞく」に思えるが、一切の誇張抜きの事実がコレである。
本当にあらゆる攻撃が通用しない、というか戦いにならない。

続いて攻撃力。
口から放つプラズマ衝撃波は、半径10kmを消し炭の廃墟と化す。もうこれだけで冗談抜きの脅威である。
文章にすると簡単だが、実際の被害はシャレにならない。作中では山手線圏内がほぼ消滅した

そしてスピード。宇宙空間では光の速度、大気圏内ですらマッハ30という恐るべきスピードで飛行する。
そこから発せられるソニックブームは、高層ビルを枯れ木のようになぎ倒すのだ。

さらに特筆すべきはそのサイズ。
なんと、地球上からでも月に映るシルエットで存在が確認できるというデカさを誇る。
一応、設定上のサイズは昇龍形態で500mとされているが、描写されている大きさは明らかにそれ以上である。天空気殿ですら全貌を把握できない。他のものとの対比から見ると最低でも1000mは下らないと思われる。
龍神形態での戦闘力は上に示した通りだが、パチンコ大名人をあっさりと踏みつぶして倒してしまったりダイムゲンをガンガン踏みつけられるほどデカくなる。

ダイレンジャーを見たことがないという諸兄は想像していただきたい。500m超えの巨大ドラゴンが、音速の30倍で飛び回り、一撃で東京を廃墟にするレベルで暴れるのである。
太刀打ちとか、そういう問題ではない。
事実、ダイレンジャーもゴーマもコイツに対しては全く歯が立たなかった。ここからは、大神龍の暴れっぷりをかいつまんで解説する。

一度目の襲来

最初の襲来となった第37話「必見!! デケェ奴」と38話「えーっ!? 停戦!!」(37話は実質の顔見せ)では、登場するなり東京で大暴れ。
道士・嘉挧ですらコイツの情報は持っておらず、唯一大神龍を知る亀夫からその存在理由と目的が明かされる。

大神龍には正義も悪もない。ただ争いを止めるために、争う生き物を滅ぼそうとしている。そのために地球にやって来たのだと。
その力はダイレンジャーの、いや生き物の及ぶ次元ではない。戦いを止めて、宇宙に帰らせるしかない。
しかし、戦いを仕掛けているのはゴーマ。ダイレンジャーは迎え撃っているだけであり、彼らの意志では止めようがない。

東京を焦土と化した大神龍は、世界を飛び回っては暴れ回る。
嘉挧はその後、謎のルートを経由してゴーマ十五世と対面。大神龍の脅威を伝えて停戦を試みるが、十五世は信用せず、この混乱に乗じて地上を我が物にしようともくろんでおり一蹴。
巨大化したパチンコ大名人を日本で暴れさせていた。

このまま放置はできないと、ダイレンジャーは亀夫の制止を振り切って転身、大連王を合体させてパチンコ大名人を迎え撃つ。
だが、ゴーマ十五世が「ダイレンジャーが敗北を認めない限り戦いはやめない」と断言した次の瞬間、大神龍はゴーマ宮を急襲。
さらに返す刀で日本に現れ、パチンコ大名人を踏みつぶしたあげく大連王を一撃で撃退、龍星王だけが辛うじて残った。
亀夫が変身、ダイムゲンとなって龍星王を守るが、それをも石ころのように踏みつけ圧倒する大神龍。だが、直後にゴーマとの停戦が成立したのを感知し、宇宙へと帰って行った。

劇中の巨大戦では無敵を誇った大連王が手も足も出ない、どころか戦いにすらならないという描写は、大神龍の恐ろしさを視聴者にまざまざと印象付けることになった。

二度目の襲来

コウの出自に大きく関わった第42話「母ちゃん一直線」にて再度登場。
ゴーマが簡単に諦めるはずもなく、喉元過ぎれば何とやら。

ダイ族とゴーマ族の血を両方引き、10歳の誕生日までに母と対面せねばゴーマになってしまうキバレンジャー・コウ。
彼をゴーマに引き込もうとする阿古丸のしもべ・イカズチと、コウを守ろうとするダイレンジャーとの戦いの中、ゴーマが再び戦いを始めたことを感知して地球へ襲来。
阿古丸の妖力で暴走したコウの操るウォンタイガーが、イカズチと巨大戦を繰り広げていた龍星王に襲い掛かった直後に姿を現し、町をひとしきり破壊した。

その後はなぜか、龍神形態のまま町でじっとしており、人々の興味を引いていた(第43話「激白! 禁断の過去」)。
が、ここに来て大神龍は、単なる力技ではない別の手を使用。町の人々を催眠にかけてビルの屋上に並ばせ、戦いをやめないのならこのようにして人々を皆殺しにする、とダイレンジャーを脅迫したのである。

そして、コウにまつわる因縁が決着した第44話「感動!! 君も泣け」。
コウについては割愛するが、戦いがやむ気配がなかったため集団自殺を実行させる。しかし、嘉挧が人々を気力のバリアーで保護。大神龍はこれに対して何を思ったか、昇龍形態になって今度はゴーマ宮を襲撃。
壊滅寸前まで追いつめられたゴーマのもとに嘉挧が現れ、「今度こそ完全に停戦しろ。これを呑むのであればダイレンジャーを解散する」と持ちかけたことで彼らはこれを受諾。
その後、コウと彼の母を巡る混乱の中、いつの間にか地上から姿を消していた。

ただ暴れるだけではなく脅迫などの心理戦にも長ける、単純なシステムではないという一面も垣間見せた一件であった。


三度目の襲来

自ら皇帝となり、ゴーマ族から侵略を奪おうとした嘉挧の目論見は、彼の敗死によって敗れた。
敵討ちのため、ゴーマ宮に乗り込むダイレンジャー。そしてその外部では、シシレンジャー・大五とホウオウレンジャー・リンがゴーマ三幹部の一人、ガラと対峙していた。

一度はガラに追いつめられるも、必殺技の炸裂で形勢は逆転。その時、
クジャクの力で転身を解かれた二人の前に、本物のガラの魂を伴ってクジャクが出現。本物のガラの力によって泥人形だった偽のガラは砕かれ、ひとまず戦いは終わった。
だが、クジャクは昇天間際に大五に対し、「急いで戦いを終わらせなければ、巨大な力によって地上が破壊される」と警告を発していた。
が、既に遅く、大五がその意味を理解する前に大神龍が出現。

愕然とする大五の横で、リンはクジャクの警告が大神龍を示していたことを悟るのだった。
あらわれた大神龍は三度ゴーマ宮を攻撃。だが、内部から脱出しようとする亮たち三人をシャダムが妨害。
彼らを救出すべく、駆け付けたコウを伴い突入した二人によって、ダイレンジャー6人とゴーマ十六世となったシャダム、双方の戦力が集う。

だが、嘉挧の幻影が「気力と妖力の戦いは永久に終わらない、戦うことをやめてここから逃げろ」と警告したのに続き、天宝来々の玉と大地動転の玉、そして亀夫の持っていた玉が天へ吸い込まれ消失。
力を失ったことでダイレンジャーは崩壊するゴーマ宮から撤退するが、亮だけはただ一人、狂気のまま奥へ逃げたシャダムを追撃。

そのシャダムも死に、ゴーマ宮が完全に崩壊したことで、ようやく戦いが終わったと判断したのか、大神龍は地上から去って行った。


とまあ、この通り無茶苦茶な暴れぶりを見せた大神龍であるが、実はコイツ、スーパー戦隊シリーズでは珍しい「最初から最後まで第三勢力だった存在」「最初から最後まで負けなかった第三勢力」「完全な中庸の敵キャラクター」である。
大抵の場合、スーパー戦隊シリーズの第三勢力はあっさりと退場する、ヒーローの味方になる、敵に加担するなどだが、大神龍は一貫してダイレンジャーとゴーマ、双方の「脅威」であり続けた本物のジョーカー、あるいはデウス・エクス・マキナである。
下手をすると、他のスーパー戦隊全部&彼らの敵勢力全部を同時に相手にしても、単純な戦力比較の時点で上回るだろうトンデモドラゴンである。それくらい強いのだ。

一方、放送当時のてれびくんとテレビランドで連載されていた漫画版では、展開を分かりやすくするためかダイレンジャーに協力。てれびくん版では、嘉挧の頼みを受けて、嘉挧とシャダムを宇宙の果てに連れて行くことで戦いを終結させた。テレビランド版では、ゴーマの猛攻で絶体絶命のダイレンジャーに自身のエネルギーを分け与え、それによりゴーマを上回る力を得たダイレンジャーはゴーマに勝利した。

2017年現在でも「最強の怪人とは何か?」というテーマに対してそのナンバーワンとして名前が挙げられているほど(候補は他にもマジレンジャーの絶対神ン・マ、ゲキレンジャーのロンが挙げられたが、「結局負けた」として外されている)。



そして、最終回で描かれた、50年後の新世代ダイレンジャーと新生ゴーマとの戦いの始まり。
大神龍が再び地上に現れるのは、もはや間違いないだろう……。


余談

こんな存在だが、放送当時ロボット(?)玩具が発売された。作中イメージを再現した全長740mmというビッグサイズが売り。
元々は龍星王の強化型としてデザインされており、気伝武人に変形する案もあった。
また、全てのスーパー戦隊シリーズと繋がるゴーカイジャーの時代では、明らかに現れるべき事態にも関わらず音沙汰がなかったが、竹本監督曰く「レジェンド大戦の時にザンギャックに倒されたんじゃないでしょうか」とのこと(同時に後に違う理由で出てこなかったことが明かされたニンジャマンについて「艦隊相手の巨大戦で倒されたので第1話冒頭にはいなかったのかも」とも言っており、あくまで竹本監督個人の見解で公式設定ではないことに注意)。

別の見解では、あくまでも大神龍の役目は「善悪を問わず争いを止め、宇宙の秩序を守ること」で一貫していることを踏まえ、「争いの続く地球よりも、『力による支配』という秩序を保っていたザンギャックの方が、スーパー戦隊やその敵たちよりも、宇宙の秩序に貢献していると捉えたのではないか」と予想する向きもある。

個々の善悪や主義主張を問わず、ただ秩序という絶対の基準を以て判断し行動するその姿は、確かに神というにふさわしいのかもしれない。

パワーレンジャーでは?

マイティ・モーフィン・パワーレンジャーにおいて、メインの敵であるロード・ゼッドの操るゾード「セルペンテラ」として登場。
外見や変形機構、無茶苦茶な戦闘力などは大神龍を踏まえているが、原典になかった弱点として著しく燃費が悪い。
そのため、歴代レンジャーが束になっても敵わない恐るべき力で追い詰める→エネルギー切れで撤退を余儀なくされる、というパターンが成立していた。

ゼッドとリタが結婚してからはリタが操縦を担当。
その後、パワーレンジャー・ワイルドフォースでは第34話で月に墜落しているのをマシン帝国の残党が発見。
だが、残党軍が10人のレッドレンジャーによって壊滅させられたのと前後し、レッドライオレンジャーの特攻を受けて破壊された。



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