グリル厄介(鉄腕DASH)

登録日:2021/10/20 Wed 22:23:40
更新日:2025/04/03 Thu 06:22:57
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「噛まれたらチャンス!」

松岡「いやチャンスじゃないよ!」



「グリル厄介」はバラエティー番組『ザ!鉄腕!DASH!!』で放送されているコーナーの1つ。


◇概要        

2017年開始。テーマ曲は「特攻野郎Aチーム」。
全国にいる日本本来の生き物を脅かす、2000種以上の外来種。
これら厄介だが罪のない命を、人だけが持つ料理という力で美味しく頂き、日本本来の自然の復活に繋げる企画。
毎回異なるシェフに調理を依頼しているが、カミツキガメ以降の一時期は「食事処 味利」に依頼する事が多くなっていった。
しばらくすると(コロナ禍の影響もあってか)また回ごとに変わるスタイルに戻り、「食べて減らす」という目的に沿うよう厄介者の生息地近くのレストランや弁当屋などを起用する事も増えている。


捕獲する際には外来生物に詳しい静岡大学の加藤英明氏に同行してもらい、対象の生態を考慮した罠や捕獲方法等を伝授してもらい、手伝ってもらっているが、
指を噛み切ることもあるカミツキガメの捕獲に際して「噛まれたらチャンス」と発言するなど、同番組に出演する数多くの研究者の方々の中でも中々クレイジーなお方である。
※流石に指が命のアーティストであるため、万が一を考慮してTOKIOは完全防備で捕獲に臨んでいる。
ちなみにこの加藤先生は別番組にも外来生物のプロとして出演されることがあるが、そちらでもタレントが完全防備で挑む中、普通に素手で危険生物を捕獲しまくっている。
流石に触るだけで危険な「アフリカマイマイ」の回は「触ったらアウトです。触ってしまうと死んでしまうかもしれない」として先生も完全防備で挑んだが、
加藤先生は上述の通り普段が普段なので、発言内容自体は真っ当なものなのに違和感を持った視聴者もいたとか。

また、解体のシーンでは松岡から「ちょっとした事件現場」並の壮絶な画になるようで番組には珍しい「自主規制」がかかる。
元々食用とされていないだけにシェフの方が調理に四苦八苦している様子も見られるが、それでもきちんと美味しい料理を作り上げるプロの技が光る。

ちなみに、外来種を捕獲場所からシェフの下へ運ぶ時は必ず絶命させてから行っている。
アフリカマイマイの時は茹でてから東京まで運んだ。

DASH島以上にテロップ芸も強く、黒バックに「城島不要」のテロップが必ず出る。
カミツキガメ編では悪ノリで突如番組が変更し「ぐるぐるナインティナイン・ゴチになります!」に挑むことに。
しかも、ご丁寧にナレーターもいつもの平野義和さんから林田尚親さんに交代。

なお、カミツキガメの回では「『カミツキガメの生ハム スーゴのパスタ』をお店で出すならいくらで出す?」というお題にゴチ歴19年の太一が予想に挑戦し、
見事にシェフが想定した金額を言い当てるミラクルを起こした。さすが19年で一度もクビになってない男。

ちなみに、静岡大学の加藤さんはグリル厄介が放送されたDASH後の20時からテレビ東京で放送された、
「緊急SOS」でも静岡県の果樹園でハリネズミ捕獲に挑むという連チャン出演をしており、番組ファンからもその事をネタにされていた。
他にも同局の「池の水ぜんぶ抜く」に準レギュラーとして出演しており、DASHに何故か加藤さんの(池の水~に関する)ファンレターが届いてしまい、
手紙を読んだリーダーが思わず「池の水ぜんぶぬいたろうかなぁ~」と漏らした事がある。
それ他局です。


◇TOKIOが食した厄介者 
  • マダラロリカリア (プレコ)
ブラジル出身の淡水魚。観賞魚として持ち込まれた物が野生化。番組でのキャッチコピーは「鎧を纏った外来魚」。
成体の体表面があまりにも硬く、銛も刺さらない上に天敵がワニのみという日本では最強の魚。沖縄で大増殖し、琉球鮎の復活の障壁となっている。
担当したシェフはその堅さに「タイヤかよ」とツッコんでいた。
食べた人によれば鶏肉に近い締まった身で旨味も強い、とのこと。

  • カミツキガメ
番組に登場したのはアメリカとカナダに生息するホクベイカミツキガメ。
番組でのキャッチコピーは「獰猛な見えざる怪獣」。ペットとして持ち込まれた物が野生化。
その名の通り人間の指すら食いちぎる暴れん坊。しかし鶏もも肉とスペアリブの中間のような食感で、食材としては極めて優秀であるという。

中国出身の淡水魚。番組でのキャッチコピーは「中国からの侵入者」。
観賞魚として持ち込まれた物が野生化したと推測されている。ウナギと名前にあるが、姿が似ているだけで分類状は別物。
外敵から身を守るために地面に穴を空けて移動する習性を持ち、田んぼの(あぜ)に空けた穴から水が流れ出てしまう被害が起きている。
中国大陸や台湾では美味とされ、炒め物、煮物、から揚げなど広く食用にされる。東京都内など中国人の多い地域では、販売されていることもある。

  • タイワンスジオ
台湾出身のヘビ。番組でのキャッチコピーは「沖縄 食物連鎖の頂点」。
観光施設での展示用などで多数が輸入され、それが野生化したといわれる。哺乳類・鳥類を捕食するため、ヤンバルクイナにとっては天敵。中国では食用とされるらしい。

  • アフリカツメガエル
アフリカ大陸の中部〜南部に生息する水棲のカエル。番組でのキャッチコピーは「アフリカを生き抜く大食漢」。
1960年代以降、国内で実験用動物として流通し、それが野生化。
旺盛な食欲で日本の固有種の生態系を脅かしている。

  • クラリアス (クララ、ウォーキング・キャットフィッシュ)
東南アジア~インド原産の淡水ナマズ。番組でのキャッチコピーは「陸を歩く外来魚」。観賞魚として日本国内で流通したものが野生化した。
雑食で攻撃性が高く、空気呼吸を活かして陸地を移動して生息範囲を拡げるため、固有種の駆逐が心配されている。
世界の侵略的外来種ワースト100指定種。香港では店で売られているほどメジャーな魚らしい。

ラテンアメリカ、西インド諸島出身。番組でのキャッチコピーは「離島に潜む恐竜」。
コイツが繁殖している石垣島には貴重な固有種が多く、絶滅危惧種のセミ「イシガキニイニイ」やマングローブ林を形成する在来のヒルギダマシなどの減少が危惧されている。
また、草食性で野菜などを好むため、人里に降りてきて畑などを食い荒らす被害も。
食べた人の話によると歯ごたえと旨味が強く、むしろスッポンなどカメ類に近い、とか。

  • ティラピア(イズミダイ)
アフリカ原産の淡水魚。番組でのキャッチコピーは「沖縄を牛耳る外来魚」。食用に輸入されたが泥臭さから嫌われ、捨てられて野生化。
餌や産卵場所をめぐって、メダカやタメトモハゼ、ヨシノボリ類などの在来の淡水魚と競合することなどが指摘されている。
またコイツは雌が口の中で卵を保護する為卵のうちに外的に捕食されないので、その性質もコイツを厄介たらしめている。

東アフリカのモザンビーク、タンザニア付近のサバンナ出身。番組でのキャッチコピーは「死のカタツムリ」。
広東住血線虫の中間宿主で、這った後に残る粘膜にも含まれていることがあるため、
番組でいつも「噛まれたらチャンス!」と言っている加藤先生も今回ばかりは「触ったらアウト」と言っていた。
捕獲には発酵バナナが有効。寄生虫駆除のため、東京料理人の所へ輸送する前に80度のお湯で煮沸消毒していた。

  • ウシガエル
北米出身。番組でのキャッチコピーは「世界最大級のカエル」。食用として持ち込まれた物が逃げ出して野生化。
人の呼吸する音も聞き取る事ができるほど敏感な鼓膜と高い警戒心、ミドリガメすら丸呑みするほどの食欲の持ち主。
番組では水中に潜ったウシガエルを疑似餌を使って捕獲した。

  • ウチダザリガニ
カナダ出身。番組でのキャッチコピーは「北の侵略者」。食用として持ち込まれた物が逃げ出して野生化。因みにウチダとついているのは内田亨という教授の持っていた標本が種特定に繋がったから。
天然記念物のマリモを始めとする在来種を食い荒らす厄介者。だが料理の幅は広い模様。いっそ刺身以外の海老料理はザリガニで代理してもいいんじゃないかな…

中国、東南アジア出身の淡水魚。番組でのキャッチコピーは「大陸からの侵略者」。
空気呼吸するため、酸素濃度が低い汚れた水でも生きていける、強い生命力があり、泥の中に姿を隠し、カエル、ネズミ、魚やエビなどを食べる。
時には、20センチのウシガエルや鳥にも襲い掛かる凶暴な性格をしており、日本の貴重な在来種を食い荒らしてしまう。

  • ブラックバス(オオクチバス)
北米出身。ご存知バス釣りの対象。
食性は肉食性で、水生昆虫・魚類・甲殻類・節足動物などを捕食する。自分の体長の半分程度の大きさの魚まで捕食し、
カエルやネズミ、小型の鳥類まで丸飲みにする。食べて減らしたほうが良い日本国外来魚の一つ。
番組では前述の雷魚を捕まえるついでに捕獲した。

  • タイワンハブ
中国、台湾、ベトナム出身のヘビ。番組でのキャッチコピーは「致死率MAX 猛毒ヘビ」。
新たな毒ヘビの生息により、咬傷被害が増加すること、在来の希少な生物の種の存続が脅かされること、沖縄の在来種であるハブやヒメハブとの交雑が懸念される。
毒蛇で相手を締め上げる事がないため筋肉は殆どなく、ハブ酒に使われる程度だが、カミツキガメも扱うシェフはこれを見事な料理にした。凄い。

  • ムラサキウニ
日本出身。番組でのキャッチコピーは「海のブルドーザー」。
ご存知ちびまる子も好きな寿司ネタである高級品の一つ。だがコイツ、食べなくても生きていけるという生命力の持ち主だったのだ。
一旦増え過ぎてしまうと海藻を食べ尽くし磯焼けを起こしてしまうのだが、ムラサキウニ自体は生殖さえ行わなければ数ヶ月は持ち堪えられる。
結果、海藻が採れなくなった上に栄養不足で食べられる部分がほとんど無いウニだけが残ることになるのだからかーなーり厄介者。
そこで、番組ではウニが増えすぎた場所からウニを回収し、廃棄されるキャベツを餌にして美味しく食べられるようにしようという養殖プロジェクトを行った。なおこうした取り組みはムラサキウニのみならず、ガンガゼでも行われている。


  • ジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)
アルゼンチン出身。番組でのキャッチコピーは「南米の悪魔」。
食用に輸入された物が野生化。稲を食い荒らすほか、卵に毒を持つため迂闊に駆除できない厄介者。
番組当初はおびき寄せるのに有効な餌となる食べ物が明確には定まっておらず、タケノコが挙げられていた程度であった。
だが、この番組によって稲が好きなので米糠を用いた罠が有効であることが判明し、放送後は「真似してみたら一網打尽にできた」という声も相次いだ。
ちなみに海外では鵜を放ってジャンボタニシを喰ってもらう手段も存在している。

  • ハブクラゲ
沖縄県出身。番組でのキャッチコピーは「忍び寄る毒殺者」。
体は無色透明で気づきにくく、餌を求めて自ら泳ぎ、その速さは最大時速7kmとも言われる(人間は速く泳げたとして6~8kmとされる)。
そのため、海で遊ぶ子供達に知らぬ間に忍び寄り死に至らしめるケースも有る。
猛毒を持つ触手は千切れやすい上に、切れても毒は丸1日以上持続。
更にコイツ、食用クラゲに比べてブニブニしており、加熱すると体内にある長鎖脂肪酸で臭くなるという問題が。しかし味利は見事な料理にしてみせた。流石安ウマ料理請負人。

  • クサウオ
日本、東シナ海出身。番組でのキャッチコピーは「海底のエイリアン」。
玄界灘に現れては海老を大量に食べてしまうため、名産品の海老や鯛に影響が出かねないとされている。

  • ハクレン
中国出身の大型淡水魚。
1878年、食用として日本に移入されたが、日本人の口に合う調理法が見つけられず、放流され野生化。
糞で水質を悪化させるほか、ジャンプ力が強く、人に体当たりして脳震盪を起こしたこともあるという。

  • リバークーター
北米出身の淡水亀。
ペットとして移入されたものが飼いきれずに捨てられ、野生化。
アメリカナマズ同様、魚だけでなく、水鳥、甲殻類、昆虫などを食べてしまう。

北米出身。
食用として日本に持ち込まれ、バス釣りのエサとして各地で放流された結果大繁殖。
体は小さいが在来種を食い荒らす厄介者。

  • ツマアカスズメバチ
インドネシア出身。在来のニホンミツバチなどを食い荒らし、生態系を乱す厄介者。
獰猛で人間への被害も多い。

  • ソウギョ
中国大陸出身の淡水魚。
増えすぎた水草の除去を目的に各地で放流されたが、増えすぎた水草どころか川や池の水草を全て食い尽くす大食漢。捕獲しようにも振動を敏感に検知するためすぐに逃げてしまう。

  • ミシシッピアカミミガメ
名前通り北米原産。かつて「ミドリガメ」としてペット用に持ち込まれ縁日などで広まった。
が、デカい、長生き、噛付く、とペットにするには厄介すぎる性質ゆえ野に放たれ繁殖。植生などに被害を与えている。
警戒心から人力での捕獲は苦戦し、主に日光浴の習性を利用した罠で捕獲。

  • カワリヌマエビ
中国大陸出身の海老。
水槽に生えたコケを食べてくれることから観賞用と水槽の掃除屋さんとして重宝されていたが、それが捨てられて野生化した。

ご存じ米国出身の通称「マッカチン」。
小動物はもちろん、水草や落ち葉まで食べてしまうため生態系を破壊してしまう。

ヨーロッパ原産のサケ科の魚。和名はチャマス。
1900年代初頭に釣り用にヨーロッパから輸入したニジマスの中に卵が混ざっており、そのまま日本へ定着。体長の1/3程度の魚であれば丸呑みしてしまうほど食欲旺盛。
ヨーロッパではムニエルとして食べられることが多い。

  • アメリカナマズ
北米〜メキシコ出身。チャネルキャットフィッシュとも呼ばれる。
パンパンにお腹が膨れた固体から100匹以上の鮎が見つかることもあったほどの大食漢。被害は日本のみならず、ヨーロッパやオセアニアでも確認されている。

  • チャイロスズメバチ
北海道出身。他のスズメバチの女王を倒して巣ごと乗っ取るという恐ろしい蜂。攻撃性も強い類に入る。

  • ウツボ
強靭なアゴでタコや甲殻類を食い荒らす海のギャング。伊勢の海で水中ドローン一本釣りや仕掛けを駆使して捕獲。
確かに一部漁業では害獣だが、在来種な上に普通に市場に出る魚でもあるため、「企画の趣旨に合っていないのでは?」等の声も。


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最終更新:2025年04月03日 06:22