スクラップ・リサイクラー(遊戯王OCG)

登録日:2022/05/15 Sun 05:12:10
更新日:2024/12/15 Sun 11:14:26
所要時間:約 5 分で読めます




スクラップ・リサイクラー
効果モンスター
星3/地属性/機械族/攻 900/守1200
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した時に発動できる。
デッキから機械族モンスター1体を墓地へ送る。
(2):1ターンに1度、自分の墓地の機械族・地属性・レベル4モンスター2体をデッキに戻して発動できる。
自分はデッキから1枚ドローする。


《スクラップ・リサイクラー》とは、遊戯王OCGのストラクチャーデッキ「マシンナーズ・コマンド-」に収録されたカードである。

概要

周囲のガラクタを回収しているロボット
カード名と(2)の効果から、動かなくなったスクラップを元に新しいモンスターを生み出すということだろうか。

(1)の効果は機械族専用の《終末の騎士》。
遊戯王でも有数のカードプールを誇る機械族を対象にしているため、言わずもがな活躍の幅は広い。

(2)の効果は小型の《貪欲な壺》。
こちらも有用な効果だが、デッキに戻せるカードが限定されているので、使えるデッキは多くない。
(1)の効果だけを目当てに採用されることも多いので忘れられてることも。
回収対象となるモンスターの多い【ガジェット】【ギアギア】ではリソース回復手段として使いやすい。

評価

言うまでもなく、【機械族】において需要の高いモンスターになる。
それが【オルフェゴール】などの墓地アドバンテージを重視するデッキなら尚更。


【機械族】でなくても、墓地効果でトークンを作る《幻獣機オライオン》や《水晶機巧-ローズニクス》、
墓地から自己蘇生する効果を持つ《ボルト・ヘッジホッグ》や《ジェット・シンクロン》と合わせて、汎用的な展開札と見なすこともできる。
それ以前にも、機械族は攻守ステータスに恵まれたカードが多いので、蘇生カードと合わせたアタッカー確保としても有用。

単に効果が有用というだけでなく、初動として安定させやすいのも大きな特徴。
このカードが【スクラップ】に属しているため《スクラップ・ラプター》でサーチが可能。
その《スクラップ・ラプター》も《スクラップ・エリア》、更には恐竜族なので《化石調査》、チューナーでもあるので《グラウンド・ゼノ》に対応している。
そのため実質的に《スクラップ・リサイクラー》はそれら4種類のサーチ手段を有していることになる。
流石にここまで対応していれば、安定して初動に持ち込むことができる。


その一方で、《スクラップ・リサイクラー》が属する【スクラップ】内での評価は芳しくない時期が続いていた。
【スクラップ】は様々な種族のモンスターが集うテーマなので、効果を活かす場面が無かったことが理由。

転機になったのは《スクラップ・ワイバーン》の登場。

リンク・効果モンスター
◤ ▲ ◥
  ▶
リンク2/地属性/ドラゴン族/攻1700
【リンクマーカー:左/下】
「スクラップ」モンスターを含むモンスター2体
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分の墓地の「スクラップ」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
その後、自分フィールドのカード1枚を選んで破壊する。
(2):このカードが既にモンスターゾーンに存在する状態で、
フィールドの表側表示の「スクラップ」モンスターが効果で破壊された場合に発動できる。
デッキから「スクラップ」モンスター1体を特殊召喚する。
その後、フィールドのカード1枚を選んで破壊する。


このカードは要約すると「【スクラップ】にとって喉から手が出るほど求められていた要素を大方搭載したモンスター」になる。
当然高い評価をもって歓待を受けたが、
これはつまり「《スクラップ・ワイバーン》を手軽に召喚できるカード」の評価も高くしている。
そして《スクラップ・リサイクラー》も、そうした理由で評価を上げることとなった。

前述した《幻獣機オライオン》または《水晶機巧-ローズニクス》の効果でトークンを生成。
リンク素材が「スクラップモンスターを含むモンスター2体」なので、これだけで《スクラップ・ワイバーン》をリンク召喚可能にしている。
その後も早々に(1)の的として蘇生&破壊し、それをトリガーに(2)を発動して《スクラップ・ゴーレム》を呼び出したり…。
【スクラップ】における重要な展開を、《スクラップ・リサイクラー》1枚から始動できてしまう。

現在では同じく1枚で《スクラップ・ワイバーン》をリンク召喚できる《スクラップ・ラプター》も登場。
《スクラップ・ラプター》と比較すると、【スクラップ】内で些か《スクラップ・リサイクラー》の分が悪くなったことは否めない。
何せ《スクラップ・ラプター》は能動的なスクラップ破壊、召喚権の追加、サーチ、チューナーと気配りの達人のような能力を有している。
一方で《スクラップ・リサイクラー》の【スクラップ】内の役割は前述したトークンカードとの組み合わせ、
それによるリンク召喚特化「しかない」ので、活用の幅はどうしても狭い。
その代わりに、《スクラップ・ラプター》の登場で《スクラップ・リサイクラー》のサーチ手段が豊富になり、
益々【機械族】内の需要が上がったのは塞翁が馬と言うべきか。

後にこんなカードが登場した。

機械仕掛けの騎士(クロック・ワーク・ナイト)
リンク・効果モンスター
◤ ▲ ◥
  ▶
◣ ▼ ◢
リンク1/地属性/機械族/攻 500
【リンクマーカー:左】
Lモンスター以外の元々の攻撃力が1000以下の機械族モンスター1体
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがL召喚した場合、自分フィールドの表側表示の永続魔法カード1枚を墓地へ送って発動できる。
デッキから「機械仕掛けの夜-クロック・ワーク・ナイト-」1枚を手札に加える。
(2):自分の墓地の攻撃力1000以下の機械族モンスター1体を対象として発動できる。
自分フィールドの他の機械族モンスター1体をリリースし、対象のモンスターを守備表示で特殊召喚する。

タクティカルトライデッキ連動カードとして登場した、場の永続魔法をコストに《機械仕掛けの夜-クロック・ワーク・ナイト-》を持ってくるリンク1モンスター。
しかし、《スクラップ・リサイクラー》的に注目したいのは召喚条件ともう一つの効果。
…そう、どちらも《スクラップ・リサイクラー》が対象となっている。
そのため《幻獣機オライオン》または《水晶機巧-ローズニクス》を落としてトークンを生成した後、《スクラップ・リサイクラー》を素材に《機械仕掛けの騎士》をL召喚。トークンをリリースして《スクラップ・リサイクラー》を蘇生して再び墓地にカードを落とす、と言う流れでリンク値を確保しながら追加で墓地を肥やせるため更に展開を伸ばす事が可能になったのである。オマケに《機械仕掛けの騎士》は《スクラップ・リサイクラー》と同じ地属性・機械族なので2体で《古代の機械弩士》のL召喚にも繋げられる。
また、この流れでトークンを生成したり自己蘇生するモンスターを落とした後に《スクラップ・ワイバーン》をL召喚した場合、(1)の効果で破壊する的を用意できるため《スクラップ・ワイバーン》を素材にリンク3以上のL召喚が可能となって更なる展開が見込める。
また、《スクラップ・リサイクラー》の効果を無効にされた場合でもリリース用の機械族を用意すれば《機械仕掛けの騎士》で蘇生して改めて墓地肥やしを狙う、といわゆる「誘発貫通」ができる様になり、
《臨時ダイヤ》の様に効果を無効にしてリクルートするカードも事実上の初動にできる様になったため安定性が向上したのである。

これにより【スクラップ】だけでなく【機械族】における需要が更に伸びる事となった。

余談

【スクラップ】とは種族や効果が一致せず、イラストも大幅に異なっている《スクラップ・リサイクラー》。
それもそのはず、《スクラップ・リサイクラー》は【スクラップ】カテゴリが発足する前に産まれたカードだからである。
エレキッズ》や《カラクリ蜘蛛》と同様の経緯でカテゴリに加わっている。

ただし《スクラップ・リサイクラー》はその類似例とは異なり、誕生からカテゴリ発足までは半年足らずという短い期間になっている。

機械族カテゴリの充実や《スクラップ・ワイバーン》の登場で需要が右肩上がりになっていたものの、
2009年12月に収録されて以降長いこと絶版となっていた。
それに合わせて価格も高騰していたものの、現在では二度の再録を経て価格も落ち着いている。


マスターデュエルにも当然のことながら実装済。
【機械族】の要でありながらレアリティRなので入手しやすいのも嬉しいポイント。
同じ種族専用《終末の騎士》効果持ちでありながらレアリティURになった《ユニゾンビ》や《太陽電池メン》とはどこで違いが生まれたのやら


追記修正はガラクタを回収しながらお願いします。


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最終更新:2024年12月15日 11:14