トランスフォーマー ザ☆ヘッドマスターズ

登録日:2010/05/30 Sun 07:00:23
更新日:2025/04/26 Sat 07:02:35
所要時間:約 7 分で読めます






さあ、みんなで、ヘッドオン!


トランスフォーマー ザ☆ヘッドマスターズ』は日本国内におけるトランスフォーマーシリーズの第3作目の作品で、日本オリジナルの和製トランスフォーマー第一作目である。


概要


世界観は『トランスフォーマー2010』を引き継いでいるが、アメリカの『ザ・リバース』とはパラレルにあたる作品となり、日本アニメの作風を取り入れたために作品の雰囲気がガラリと変わった。

主な変更点としては
  • 一話完結でジェットコースターのように進むストーリーが連続した、登場キャラが死ぬなど時にシリアスな内容になる。
  • 各トランスフォーマーのカオスな言動がなくなる。
  • 政宗さんのツッコミナレーションが減る。
  • 東映アニメーション制作になりセルの塗り間違え等がなくなり作画力が上がった。
  • 海外アニメ故にテロップがVTR合成だった前作と違い、フィルム焼き付けになる。
  • エンブレムターンがセル画に変更されチープになった。
  • サイクロナスが優秀な参謀キャラからゴマスリばかりのヘタレになる。つーかキャラが違う。
  • 普通に喋り出すカセットロン
  • 他にもキャラが違う方々がちらほら
  • 一部のキャラクターの声は前作までと違う声優が担当。

…などなど。
また、サイバトロン同士でギスギスしているシーンが度々描かれた。*1

ノベライズ作品「夢戦争」を担当したシリーズ構成の脚本家が海外版の欠点を指摘したコメントを雑誌やノベライズの後書きに載せたため、これが一部のファンから嫌われる原因ともなっている。

以上の事から、『2010』の続編でありながら前作までのノリで視聴するのはオススメしづらい作品でもある。

一方で、ダニエルとシックスショットの「少年とロボットの交流、友情」といった王道的ストーリー*2、『2010』で忘れられてたキャラの登場、規模が壮大過ぎてカオスなグランドガルバトロン計画といった良い部分もある。

玩具展開としてはヘッドマスター、ターゲットマスター、ダブルスパイ、ファイヤーボット、ホラートロン、ツーインワン等様々な種類のトランスフォーマーが発売された。

先述通り『リバース』とはパラレルであり、アメリカでは非正史だが、2011年には『Transformers - Japanese Collection: Headmasters -』として北米向けに英語字幕付きDVDが発売されており、本国ファン向けの視聴環境も用意された*3


主題歌

OP:影山ヒロノブ「ザ☆ヘッドマスターズ」
ED:影山ヒロノブ「君はトランスフォーマー」


劇中挿入歌が多数あるが、中でも「デストロン讃歌」は名曲である。


ストーリー

2010最終回でサイバトロンとデストロンの争いは一旦終結し、地球に平和が訪れた。
それから1年が経過し2011年になったが平和は長く続かずガルバトロンは新戦士たちを加えて地球のスクランブルシティ、セイバートロン星を攻撃し始めた。
両軍入り乱れての戦いの中セイバートロン星に謎の巨大戦艦が接近する。そう、彼等は400万年前に争いを嫌いセイバートロン星を離れ不時着した過酷な惑星、マスター星で独自の進化を遂げたトランスフォーマー「ヘッドマスター」であった…。


登場人物


例によって登場人物は多いので、一部キャラをピックアップする。


サイバトロン

サイバトロン総司令から長官になり「コンボイ長官!」と呼ばれる姿に違和感を持った視聴者は多かった。
ベクターシグマの異常に気づき、セイバートロン星に向かいベクターシグマを制御するためにまた死亡する。
やがて4年後の玩具展開「リターン・オブ・コンボイ」にてスターコンボイとなって復活することになる。

マトリクスを返却したために最初はホットロディマスだったが、アルファートリンの力でマトリクスが復活し再びコンボイになる。
コンボイの死後、サイバトロンを率いるがセイバートロン星爆発後に指揮権をフォートレスに譲ってブラー、チャーと一緒に宇宙へ旅立っていく。
その後ターゲットマスターになって帰ってくる予定だったが、『ザ・リバース』とは違ってこの案は採用されなかったので、それっきり登場しなかった。

中の人と性格が変わったシティーコマンダー。
1話の初対決以来、シックスショットとライバル関係となり24話で彼との戦いに敗れて死亡。地球に埋葬された。

  • 通信員ブロードキャスト  CV:難波圭一
サウンドウェーブと相討ちになり一旦は死亡したが、マスター星の科学力で生まれ変わりツインキャストになる。

  • 攻撃指揮官クロームドーム  CV:堀秀行
この作品の実質的主人公。パワーカーから変形し、ヘッドマスター、クロームがトランステクター(首から下のボディ)にヘッドオンする。正義感の強く直情的な性格でちょくちょく暴走する。
コンボイが憧れの人。

  • 地上攻略員ハードヘッド  CV:平野正人
ヘッドマ(ryはロス。高速戦車から変形。クロームドームと一緒に勝手に行動してはやられる。
パワー担当。音痴だがカラオケ大好き。

  • 電子戦闘員ハイブロウ  CV:小林通孝
並列ローター型ヘリコプターから変形。ヘッド(ryはゴーター。勝手に戦うクロームドーム、ハードヘッドの救助担当の苦労人。
頭脳担当で発明好き。

  • 光子破壊員ブレインストーム  CV:田中亮一
ジェット機から変形する。へッ(ryはカーナ。クールな性格で熱い性格のクロームドームとはケンカしがち。リバースだと主役だったが…。
スピード担当。

ロディマスの後任として総司令官になった。戦艦マキシマス艦長でへ(ryはセレブロス。総司令官だが、性格上あまり前に出て戦わないためちょっと地味な感じ。子供が大好き。
フォートレスはマスターソードの力で戦艦マキシマスをビッグトランスフォームさせてヘッドオンが可能。
全高3㎞の巨大司令官、フォートレスマキシマスになる。武装は巨大化したマスターソード。
マスターソードの使用には膨大なエネルギーが必要なため、多用できない。

  • ライデン  CV:野田圭一
日本オリジナルの電車型トランスフォーマー、トレインボットが合体して完成する重連合体戦士。
戦士の名前もショウキユキカゼゲツエイスイケンセイザンカエンと実に日本チック(ショウキの由来は中国の神鐘馗でなく将器?)。
モチーフの電車も0系、200系新幹線、EF65、153系急行電車、485系特急電車、DE10ディーゼル機関車とやたら渋い。まあ元が初代コンボイ達と同じダイアクロンの流用品ですから…
続編の『超神マスターフォース』ではOPにのみ登場している。

  • 陸上攻撃員ブランカー  CV:幹本雄之
サイバトロン歴戦の勇士で、ターゲットマスターのリーダー。
若いクロームドームらに対しては些か嫌味にも聞こえる忠告を度々しているが、本当は情に厚い人物。
戦闘時には銃に変形したパートナーのピースマンを左腕にターゲットオンする。

デストロン

ご存知破壊大帝。
前作に比べて多少落ち着いた……かと思いきや、明らかに頭脳面は悪化。再度の地球侵略に当たって、地球まるごとを自分の身体にする「グランドガルバトロン計画」を立案し、部下から信頼を失うハメに。
最後は南極で行方不明となり、セイバートロンの爆発の中を生き延びた身でありながらなぜか死亡扱いされた。

ちなみにグランドガルバトロンは「機械化した地球にガルバトロン様の頭、腕、足がついた」姿をしており大変シュール。何考えてるんだおい…。

やがて4年後の玩具展開「リターン・オブ・コンボイ」の時、テレビマガジン誌上にてスーパーメガトロンとなって復活することになるが、肝心の玩具は当時発売されなかった

  • 航空参謀サイクロナス  CV:西村知道
前作の優秀な中間管理職からいきなりゴマスリ、フヌケのヘタレキャラとなり、スカージ(CV:佐藤正治)と共に漫才コンビとなった作風変更の被害者。
トーキュロンの精神病院で「治療」されたのだろうか。
スカージと共にターゲットマスターになる予定だったが、彼らも『ザ・リバース』とは違ってこの案は採用されなかった。

ご存知情報参謀。ボイスエフェクトが前作から変更。
何かと因縁の深いブロードキャストとの戦いで死亡。マスター星の技術でサウンドブラスターとして蘇生した。
メガトロン時代からの忠臣だった彼だが、グランドガルバトロン計画には流石に愛想を尽かしたのか、スコルポノック台頭後には鞍替えしていた。

  • 戦闘指揮官ウィアードウルフ  CV:森功至
ヘッドマスターはモンゾ。デストロンヘッドマスターのリーダーで頼れる兄貴分。通称ウルフ。そのままじゃんとか言うな。
超人拳法の伝承者となった。

  • 湿原兵スカル  CV:戸谷公次
ヘッドマ(ryはグラックス。頭が悪いのでワイプによくツッコミをもらう。プリテンダーは北斗神拳伝承者候補。

ヘッド(ryはボラス。
コウモリアマモリオリタタンデワイプコウモリアマモリオリタタンデワイプ…」という催眠術で相手を眠らせる変わった戦い方をする。自白に使う時は「コウモリアマモリシャベルキモリモリコウモリアマモリナンデモペラペラ…」。
コウモリに変形するが本人はコウモリが苦手。

  • シックスショット  CV:池水通洋
忍者参謀。
その名前の通り6つ(+1)の姿に変形するトランスフォーマー。特技は分身の術。
クロームドームの旧友アベル、ウルトラマグナス、アベルとクロームドームとなかよしトリオを組んでいたジャックを殺したため、ダニエル、クロームドームの憎き敵となった。
しかし、惑星ダロスの一件でダニエルと恩讐を超えた友情で結ばれることに…。
物語終盤、癪に触ることを言うために疎むメガザラックに殺されそうになり、デストロンを脱退する。
「ござる」調、声、シルエットと『トランスフォーマーV』のグレートショットと似ているが関係は不明。
ブレイブポリスの忍者刑事は従兄弟。

  • スコルポノック/メガザラック  CV:銀河万丈
元はマスター戦士の一員だったが、研究成果を悪用しようとしたために追放された。デストロンヘッドマスターズを影から操り、ガルバトロン失脚後のデストロンを掌握後、「恐怖大帝メガザラック」を名乗り行動を始める。
フォートレスマキシマスとは異なり、エネルギーを溜めなくても自由にメガザラックになれる。
『超神マスターフォース』のブラックザラックはスコルポノックがデビルZに捕まり洗脳された姿。後にデビルZと融合する。
メガザラックのトランステクターは多くのロボットを部品に建造したという設定があり、因果応報。

●人間

  • ダニエル  CV:鈴木富子
ご存じスパイクとカーリーの息子で、今作における人間側の主人公。
臆病ながらも好奇心旺盛な性格で、今作でもウィーリーと行動を共にし、数々の出来事を通じて成長していく。中盤からはハイブロウが作ってくれた専用の銃「チャレンジブラスター」で戦うようになる。
一方で、ウィーリー共々トラブルメーカーとしての側面も強く、それに加えて今作では空気の読めない発言や自分勝手な行動も多かったため、彼を快く思わない視聴者も多い。

ご存じサイバトロンの旧友にしてダニエルの父。
作風の変化も相まって、より貫禄のある父親キャラとなっている。

余談

  • シックスショットの説明書は「君はどこまで説明書を見ずに変形出来るかな?」と日米共に説明書に封印がなされていた。


  • トランスフォーマーユナイテッドの海外版「ジェネレーションズ」のワーパスの説明書にこっそりとハードヘッド型頭部のイラストが混じっている。リメイクする予定があったのだろうか…


追記、修正にへっぽん!

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  • 新旧ウォーズマン
最終更新:2025年04月26日 07:02

*1 第4話、第8話、第20話、第26話、第28話、第29話、第31話など

*2 ただしこれに関しては「クロームドームとの因縁が有耶無耶になった」という弊害も生み出してしまったのだが…。

*3 ただし発売から10年以上が経過した現在では希少価値が上がっており、かなりのプレミア価格で取引されている