円(HUNTER×HUNTER)

登録日:2023/01/09 Mon 00:54:21
更新日:2025/03/09 Sun 11:06:08
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とは、漫画『HUNTER×HUNTER』に登場する念能力の応用技の一つである。



【概要】

「纏」と「練」の高等応用技であり、通常自分の体を数ミリから数センチ単位で覆っているオーラを広げることで、その範囲内の物体をあたかも触れているように感知することができる。
いわばオーラを用いたレーダーのようなもので、達人ともなれば半径50メートル以内に舞い散る木の葉の数を数える事さえ可能だという。

なお、厳密には自身を中心としてオーラを半径2メートル以上広げ、それを1分以上維持することが「円」の定義とされており、それに満たない場合は「円」とは呼べない。
ただし厳密に区別すると長ったらしくなるため、読者はひっくるめて「円」と呼ぶことが多い。


【範囲】

当然ながら性能には個人差がある。
特に範囲が明確に数値化されている上に作中でも度々言及されるため、「円」の練度としては最も測りやすい。
そのため「円」の範囲の差をそのまま実力差と捉える読者も多いが、実際はあくまでも指標の一つでしかない。
具体的には「『円』に熟達しているなら強者」と見てほぼ間違いなく、事実クラピカも他の手札を知らないこの時点で相当な使い手と判断している。
一方で範囲や精度に個人の資質の差がかなり強く出るため、反対に「『円』が不得手だから弱者」というのは判断できない。

幅がかなり大きく、数メートルから数十、数百、ネフェルピトーに至ってはキロ単位にも及んでいる。
また、体調や精神状態によって多少の増減もあるようで、わずかな差とその読み違いは生死に直結しうる。

その他にも「円」を
  • 維持できる時間
  • 感度*1
  • 広げる速度
等の性能差があると思われるが、作中で詳しく語られたことはない。


【デメリット】

目に見えない範囲を感知できる非常に便利な技術だが、デメリットも多い。

使用できる者が限られている

同じく基本の応用技である「凝」「堅」「流」が念における戦闘の基本=使えて一人前レベルなのに対し、「円」はかなりの実力者でも使っていない描写が多い。
上述の通り得意不得意がハッキリと分かれやすいようで、かなりの手練れであるキメラアント編で修行を積んだ後のキルアは使用法としては正に「円」のそれであったが、「広げた上で維持をする」という技術が決定的に苦手だったのでニュートラルな「纏」の範囲で狙撃の感知を行った。

同レベルの念能力者でも使用可否や性能差が大きく、例えば同じ幻影旅団の戦闘員であるノブナガとフィンクスを比べると

  • ノブナガ
「円」を張ったまま、仲間と会話しながら歩いて移動が可能。
(向こうが戦わずに即退却したため)描写こそなかったが、奇襲される前提で対峙したゴンとキルアに対して円状態のままで対応しようとしたことから、瞬時に切り替え、もしくは円状態のまま戦闘まで出来る可能性すらある。

  • フィンクス
人の声がするだけで途切れる、「円」の中で何かが動くとダメ、動きながら使用不可。
範囲自体はノブナガよりずっと広いが、一切邪魔されずに全力で集中して初めて「円」状態を維持できるというかなり限定的なレベル。

さらに他の旅団員は使った描写すらないが、使用出来るか否かは不明(コルトピは能力に付随する特殊な形で使用可能)。

なお、カストロがやってみせたように、それなり以上の使い手ならある程度離れていても「絶」を使っていない能力者の位置を探り取る程度なら普通に可能な模様*2
「円」の優位性としては、気配がない非生物や「絶」状態の相手も練度次第で察知可能なことだろう*3

バレやすい

オーラを広げているので、念能力者が相手だと「円」を使っていることがすぐにバレてしまう。
「円」の外からなら見ただけで分かるし、「円」の中に入れるとすぐに感じ取られてしまう。

フィンクスによれば、「円」の中に不特定多数の人間を入れることは、裸で「撃ってください」と看板を掲げてスラムの中にいるようなものらしい。

「隠」で見えにくく(感じにくく)するということも、作中使用している描写がないことからできないようだ。
そのため尾行に使うようなものではなく、作中ではリスクを考慮した上での個人の特定や追い込み、拠点の警戒・防衛目的で使用されている。

消耗が激しい

ゼノほどの達人でも「神経を削るからしんどい」とボヤくほど。
上記のフィンクスの例からも、「円」を維持するにはかなりの精神集中が必要なようで、「円」を張ったまま戦うことはかなり難しいと考えられる*4
拠点防衛が目的の場合は、長時間の維持を求められるので「円」担当はかなり疲れる仕事のようだ。
そもそも他の技術と違い直接戦闘の手段としては基本使わない上にオーラの消費増大を招いて攻防力が減る(「円」に回しているオーラとは別途にオーラを出さなければならない)はずなので、例外を除いて直接戦闘時に使うものではないことも影響している。

「円」を平然と使っているピトーもいまだ「円」が必要な状況であるにも拘らず、本気で戦う時は解除した(それだけネテロが脅威だったことも大きいが)ことからも上記性質がうかがえる。


【主な使用者】

ノブナガ=ハザマ(強化系)

最大半径は太刀の間合いである半径4メートル。
作中最初に「円」を使用した人物だが、
  • すぐ後に本気を出せば300メートルの「円」を展開できるゼノが登場
  • その後登場した「円」の使い手がみんなノブナガより範囲が広い
  • にもかかわらずソシャゲで肩書が「円」の達人だったり、イラストにでっかく「円」と書かれていたりと、やたらと「円」をプッシュされててなんだか「円」の専門家みたいに見える*5*6
ということで「俺の太刀の間合い(半径4m)までで十分…!!(つーかこれが限界)」というセリフと共によく読者からネタにされている。
実際は範囲内の個人を識別できたり、会話や移動しながら「円」を張れたり、目を見えなくされた刹那でも動じずに円を張って警戒するなどと、範囲が狭い分他のところで器用に使いこなしている。
このように本人の攻撃範囲との相性もあいまってか戦闘中「円」を維持している描写があるのは今の所ノブナガくらいである。
ネフェルピトーさえも本気の戦闘時は解除しているあたり、ノブナガの熟練度がうかがえる。

のだが、範囲と違ってそうしたテクニックは具体的な数値が出ないし言及されることも少ないため、なかなかネタを払拭できずにいる。
頑張れノブナガさん。

ゼノ=ゾルディック(放出系)

本気出せば300mクラスの「円」を使えるとのこと。
ただし実際に300mの円を展開した描写はない、また300mが半径を指しているのか直径なのかも不明。
作中で実際に使用したのは高さ100mのビル全体に対してなので、最低でも半径100m(直径200m)は可能であり、後述のキメラアントを除けば作中最大級の円使いであることに違いはない。

カイト(具現化系)

45m程度と達人クラスの「円」を使用可能。
その時のコンディションによって範囲が2~3m増減するらしい。

ネフェルピトー(特質系*7

アメーバ状に自由自在に形を変え、動かすことができるという特性を持つ。
他に同じようなことができる能力者がいるかは不明だが、可能性は低いだろう。
特定範囲だけ空白を設ける、一ヶ所だけ集中して距離を伸ばすなど、かなり器用な芸当も可能。
部分的であれば最大2キロという長距離を感知できる上に、同時並行で念能力を使用しながら数週間に渡って苦も無く「円」を展開し続ける*8など、キメラ=アント護衛軍の規格外っぷりを見せつけた。
ただしピトー自身が本気の戦闘に入る際は、「円」を解除している。
シャウアプフも同じく強い上に「円」も使えるがおおよそ数十m程度であり、「円」を得意とするのは護衛軍ではピトーのみの様子。
ちなみに触れた者にとって精神的に負担になる描写があり、メルエムをもってしても不快らしい。

メルエム(放出系)

貧者の薔薇で重傷を負い、プフとユピーを食べて復活した後に使用。
ただの「円」ではなくオーラを光子状にして放出する特殊な「円」で、光子の1つ1つがオーラを放っている。
光子にはプフのスピリチュアルメッセージの特性が付与されており、触れた物体の形だけでなく、相手の感情まで読み取れるようになっている。
さらに追加で光子状のオーラを飛ばすことで、一度「円」を浴びて光子が付着した相手を識別して探索することも可能。
範囲は不明だが、宮殿やその周囲に集まった人民の群れを容易に感知していたことから、ピトー以上の規模だと思われる。

コルトピ(具現化系)

番外編。
正確には「円」ではなく、自身の能力でコピーした物体に「円」の効果を付与している。
例えば建物をコピーすれば、その中に誰かが入ってくれば感知できるし、コピーした物体の場所を知ることもできる*9
念能力者がコピーに触れていても誰も違和感を感じていないため、「円」効果があるとはそうそうバレない模様。

その他、作中の「円」の使用者(言及込み)

  • シャウアプフ(操作系)…王のいる間を警護できる程度の範囲。
  • バビマイナ…部屋一帯を監視できるほどの範囲。
  • キーニ…精度が低く、「円」内にいるのが誰かまでは判別できない。
  • ヒンリギ=ビガンダフノ(具現化系)…エイ=イ組構成員の見立て、およそ5m程度。
  • フィンクス(強化系)…動いたら使えないなど、戦闘中にはほぼ使えないレベル。
  • ネテロ…ゼノに伝えて貰っただけの可能性もあるが、メルエムの位置を特定するのに使った可能性が高い。そうだとしたら広範囲で高精度の「円」が可能と思われる。
  • 大槻柳内…大槻は半径15m、柳内は半径150m。ただし行きつけの理容室で顔剃りをした直後限定。


【系統との関係】

オーラを放出しているように見えるので、放出系能力者が得意な技術だと思われがちだが実際はそうでもない。
そもそも放出系は「オーラを飛ばす(自分から切り離す)」ことが得意な系統で、自分からオーラが離れない「円」は関係がない。
放出系と対極に位置する具現化系能力者でも「円」の使い手がいるので、系統とはまた別の素質が必要と見るべきだろう。

相性なのかタイミングがなかったかは不明だが、キルアやビスケット=クルーガーやモントゥトゥユピー、ヒソカらが属する変化系での「円」の広範囲使用者は劇中未登場。


追記・修正は円を使えるようになってからお願いします。

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最終更新:2025年03月09日 11:06

*1 ノブナガは「誰がどこにいるか分かる」キーニは「誰かまでは分からない」とのセリフから、人によって個人の識別が可能かなど、どの程度の精度で感知できるかが変わってくると思われる

*2 カストロが「円」を使っていないという描写もないので、円で察知していた可能性もあるが、円の存在に言及される以前のシーンということもありどちらなのかは不明。

*3 カストロに近づく際のキルアは「絶」状態だったが、カストロにある程度近づいてから絶をしているため、むしろ警戒されてしまった。

*4 作中でそれを行った登場人物はいない

*5 得意ではあるようだが、別に固有技でもなんでもないあくまで手札の1つ

*6 この件に関しては初登場から20年以上経っても一向に能力が明かされないノブナガさんサイドにも問題がある。ソシャゲ運営も苦肉の策だったから仕方ないのだ

*7 能力は操作系より

*8 『玩具修理者』のような燃費が悪い能力は「円」を解除しないと使えないが

*9 ただし、オリジナルに触る必要がある