邪竜の章(ファイアーエムブレム エンゲージ)

登録日:2023/04/22 Sat 16:32:35
更新日:2024/04/22 Mon 01:29:54
所要時間:約 11 分で読めます




「この世界に救いはない。」

「この世界に、あなたはいない。」

邪竜の章とは、ニンテンドーSwitch用ソフト「ファイアーエムブレム エンゲージ」におけるDLCの一つである。
本編の発売から約2ヶ月半後となる、2023年4月5日より配信開始。


概要

前作「風花雪月」における灰狼の章と同様、本編から逸れたもう一つの物語。
プレイするには本編とは別に「エキスパンションパス」(3000円)を購入する事と、本編を6章までクリアして、ソラネルの井戸のイベントを済ませておく事が条件。
なお、本作のDLCは4弾まであるが、バラ売りはされていない為、他のDLCは不要だが邪竜の章のみ購入するという事は不可能。
プレイ自体はDLC1弾から3弾の内容をクリアしていなくても遊ぶ事が可能となっている。
クリア後には特典として、複数のアイテムのほかに邪竜の章に登場する一部キャラクターの加入と、DLCで登場した兵種へのクラスチェンジが解放される。

システム

前作の風花雪月の灰狼の章とは違い、アカネイア戦記のような成長要素のないカジュアルモードと言ったところであり、キャラのレベル、クラスは各章ごとに固定。
経験値も入らずキャラや紋章士との支援レベルも上がらない。*1
武器に関しても同様で、各章開始時にキャラごとに所持品が決められている。
本編で入手、錬成した武器は持ち込めないので注意が必要。
出撃画面で荷物の受け渡しは可能なので、出撃しないメンバーのアイテムは片っ端から交換したり輸送隊に預けたりして出撃メンバーの武器を充実させたいところ。
また、武器は持ち込み不可だが紋章士の指輪、腕輪、継承したスキルは持ち込み可能。
そして当然ながら出撃できるキャラは、その時点で本編で加入している仲間のみである為、本編を進めるほど有利に攻略可能となる。
しかしその分、特典で加入する仲間の参入も遅れてしまうのが悩みどころ。
HPが0になったとしてもロストせず撤退するだけなので、クリア後にはまた出撃可能となっている。
ただし、リュール、エル、イルのいずれかがHP0になると敗北となる。
この3人(特にイル)の配置には細心の注意を払いたい。

新しい職業としては最大8マス先まで攻撃ができるシューターのような職業の「マージカノン」、アイテムや武器を強化して使用できるサポート職の「エンチャント」、そしてイルの専用職である「邪竜の子」が存在する。マージカノンとエンチャントはクリアするまで敵専用で、特にマージカノンは非常に厄介。
また大型の敵として「異形狼」と「異形飛竜」も登場。本編の異形竜に負けず劣らずに強い。
マップ難易度はかなり高く、本編よりマップ数は少ないがその分時間が非常に掛かるマップも多い。ロストしても次章に影響がないことを利用して敗北しても問題ないユニットを犠牲にする作戦は有効。
特に最後の6章は戦闘準備開始前に「味方が撃破されてしまっても失われることのなく、クリア後に復帰します。総力戦で挑みましょう!」と開き直ったかのような注意書きが出ており、実際にシリーズでも過去有数の高難易度となっている。
ぶっちゃけルナティックで邪竜の章をクリアできるなら、特典なんてなくても本編は余裕でクリアできる。

舞台、登場人物


エレオス大陸

邪竜の章の最大の特徴は「本編とは異なるエレオス大陸」という点であり、本編とは東西が反転したエレオス大陸が舞台となる。
歴代シリーズでもかなり平和だった本編の世界から一転、こちらのエレオス大陸では4つの国家が一触即発の緊張状態となっている。
また、本編で存在したのは十二の紋章士の指輪だが、こちらのエレオス大陸では七つの紋章士の腕輪であり、4つを4大国家に一つずつ、後はリトスに納められている。
また、そんな過酷な情勢である為か既に残っているのは各国の王子と王女たちのみで、王、及び臣下たちは先のソンブルとの戦争において既に亡くなっているようである。
生き残った人々も戦乱によって心が荒み、本編とは真逆とまで言えるほどの苛烈な性格となっており、その人となりを証明するかのようにクラスや個人スキル名に変化が見られる。


聖地リトス

かつて神竜王ルミエルが治めていた聖地。
今ではルミエルとリュールの死により、荒れ果てた廃墟となっている。

神竜リュール(主人公)

CV:下野紘(男)/遠藤綾(女)
ソラネルの井戸からもう一つのエレオス大陸に招かれた神竜。
こちらの世界におけるリュールは本編とは逆の性別であり、神竜王に即位した後に命を落としたことになっている。
そして、その死によって4大国家の結束が失われてしまう事となった。

エル

CV:朴ロ美
邪竜の御子である双子の姉。
現れた神竜に対しても冷淡な態度のクールビューティー。
ショートの黒髪に青と黒の衣装を纏っている。
この世界では邪竜の御子は双子で生を受けるのだが、成長するにつれて片割れを失ってしまう。
しかし彼女とイルは今でも生き残っている為に強い絆で結ばれている。
当然ソンブルの娘ではあるのだが、ソンブルに離反し神竜王ルミエルの下で戦っていた。
クラスとしては本編のヴェイルと同様の「邪竜ノ娘」なのだが、彼女は竜石と槍を使って戦う。

イル

CV:江口拓也
邪竜の御子である双子の弟。
姉とは対照的に、彼は白い髪に赤と白の衣装となっている。
竜化も紋章士の顕現する力も持ち合わせていない、いわゆる姉の出涸らしであり、本人もそれを自嘲している。
だが、そんな境遇を感じさせない明るい性格を持って姉を慕っている。
作中のステータスにもその貧弱さは現れており、クラスこそ「邪竜ノ子」なのだがエルと違って竜石は使えず、斧をもってしてもロクにダメージを出せず、攻撃を受ければまず追撃により即死してしまう。
邪竜の章ではリュール、エル、イルのいずれか一人の死亡でゲームオーバーとなる為、彼を守ることを最優先に考えなくてはいけない。
カムイによる竜脈発生役か、ミカヤによる杖役に回すのがいいだろう。


四翼

エルとイルに仕える4人の騎士で、エレオス大陸の各国に散って情報収集などをしている。
本編に登場する「四狗」とよく似ているようだが……?

セレスティア

CV:深見梨加
「四翼」のリーダーを務める女性。
明るく人懐っこく愛情深い性格で、エルとイルの忠実な部下。
勿論ソンブルには敵対している。
スキル名もまさしく「ムードメーカー」で、彼女が敵を撃破する事で味方の命中率を上げる切り込み隊長的存在。
セピアと同様彼女も魔竜族で長い時を生きているようだが、年齢については本人もグレゴリーも冗談混じりに扱っている。

グレゴリー

CV:津田健次郎
「四翼」の一人であるセイジ。
過去は邪竜信徒であったが、邪竜の為に自身の血をささげるなどの教えが苦手で、動物の血で誤魔化していたものの同僚に発覚。
償いとして命を捧げろと言われた事でついていけなくなってしまい、離反した過去を持つ。
「生存戦略」という回避を大きく上げるスキルにもその性格は表れている。
グリとそっくりな姿だが、痛みが苦手で刺青などのない綺麗な体をしている。
ぬいぐるみなどのフワフワした可愛いものが好きという一面も。

マデリーン

CV:青木瑠璃子
「四翼」の一人であるジェネラル。
マロンと同様斧を扱うが、彼女は水色系の鎧となっている。
幼い少女でありながら、騎士としてエルとイルに強い忠誠を誓い、人からの評価より自身の誉を重んじる気高い精神の持ち主。
モーヴには密かに想いを寄せている。

モーヴ

CV:前野智昭
「四翼」の一人。
名前の通り、彼だけ本編と同名である。
元々はソンブルの御子の騎士だったが、その主人を失ってエルとイルの元についた。
四翼結成の立役者でもあるのだが、リーダーの座はセレスティアに譲り、彼はその副官をしている。
彼のみ他の四翼と違ってゲスト参戦すらせず、クリア後の加入もしない。同じ顔と名前が二人並ぶことになっても困るが。


フィレネ王国

こちらのエレオス大陸の南東に位置する国家。
熱き猛将の腕輪を所有している。
好戦的で猜疑心が強く、リュールが訪れた際には自国の産業崩壊を建前に隣国ブロディアに攻め込まんとする直前まで戦の熱が激化していた。やってる事が完全に蛮族なのでやはり武力の国では

アルフレッド

CV:木村良平
フィレネ王国を率いる現国王。
妹のセリーヌからは弱虫と言われているが、かつての仲間に剣を向ける事に慎重になっているだけで自身の「保身」のために戦う意志自体は非常に強く、かつては「散花の王子」とまで称されたほど。
リュールを異形兵として蘇らせたという思い込みからエルとイルに戦いを挑む。

セリーヌ

CV:鬼頭明里
PVでプレイヤーの度肝を抜いた人その1。
自国の幸せを求めるあまり、他国の犠牲を厭わず踏み付けにしようとする冷徹非情で感情的な性格へと変貌している。
神竜とは一度本気で殺し合ってみたかったとすら言ってのける様相はまさに「戦場の花」。
実際に戦った後、母や臣下を失った事で冷静さを欠いていたと反省するが……


ブロディア王国

こちらのエレオス大陸の北東に位置する国家。
幼き皇女の腕輪を所有している。
こちらでは争いを好まない引きこもり国となっており、王子ディアマンドも戦には消極的となっている。

ディアマンド

CV:諏訪部順一
ブロディア王国の現国王。
王や家臣を失ったショックのせいか戦いを恐れており、覇気が消え失せた弱気な面が非常に多く見られる。
その姿勢は戦い方にも表れており、ヴェロニカのエンゲージ技によって代わりに戦う英雄を呼び出すなど、とことんまで戦いから遠ざかろうとしている。
なお、本編では武人タイプのキャラであり、魔法を扱うヴェロニカは一見ミスマッチだが、邪竜の章においては魔道に長けており、彼自身がいくら消極的と言っても実力はそれなりに高いので注意が必要。

スタルーク

CV:岡本信彦
PVでプレイヤーの度肝を抜いた人その2。
偉大な兄と比較し自己嫌悪していた本編の彼とは真逆に、自身の「能力を誇示」し、弱腰な兄を見下し隙を見て暗殺して王の座を簒奪することさえ目論んでいる傲慢な人間と化している。


イルシオン王国

こちらのエレオス大陸の北西に位置する国家。
蒼の参謀の腕輪を所有している。
本編と同様の邪竜信仰により、邪竜復活の儀式を進めていた。

アイビー

CV:日笠陽子
イルシオン王国の現国王。
自らを「美しい」「完璧」と自賛し、高慢な態度を隠そうともしない典型的な悪女となっている。冷静沈着だった本編世界の彼女よりも明らかにテンション高い
また、臣下のゼルコバからは愛を囁かれて寵愛する一方、カゲツには振り向いてもらえないままだった事を最後まで理解できないでいた。
こちらでは邪竜ソンブルの復活を自ら推し進めており、それを阻んだハイアシンスをその手で贄として捧げている。

オルテンシア

CV:木野日菜
イルシオン王国の第二王女……のはずだが、フィレネやブロディアとは異なり、アイビーの側にはいない。
と、いうのも戦闘会話で「妾の子達の様に断頭台に送られる」という色々とんでもねぇ蛮行を直ぐそばで見てきたからであり、それ故姉に会うだけで怯えている。


ソルム王国

こちらのエレオス大陸の南西に位置する国家。
暗き妖艶の腕輪を所有している。
深くは語られなかったが、後述するとても真面目なミスティラを見る限りまだこのエレオス大陸の為に邪竜と戦う意志を持っていると思われる。

ミスティラ

CV:小清水亜美
現在のソルム国王。
邪竜復活を目論むイルシオンを阻止する為、腕輪の力を持って侵攻を始めた。
自由で明るい雰囲気は鳴りを潜め、真面目で気高い精神と「王の威厳」を持ってはいるが、アルフレッドと同様やはり話を聞いてはくれずにエル達と戦うこととなる。

フォガート

CV:KENN
ミスティラの弟であるソルムの王族。
オルテンシアと同様、彼もミスティラと共にはいないようで……?


グラドロン


邪竜ソンブル

CV:小西克幸
神竜王ルミエルが命をかけて封印した邪竜。
こちらの世界でもやはり全ての元凶である困った毒親小西パパ。




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最終更新:2024年04月22日 01:29

*1 マップ上にある黄色の「戦士者の魂」で僅かながら経験値を入手できるが、メリットはない。

*2 人間の敵のステータスをよく見ると異形特効が付いており、この事実を知ってしまうより先に確認できてしまう伏線が張られている。

*3 なお、ラファール自身の双子のきょうだいは彼が物心がつくより前に亡くなっている。

*4 セレスティアによると竜石にソンブルの術がかけられていて、エルと憎み合うよう仕向けられていたと推察されている。