マムクート(FE)

登録日:2012/03/12 Mon 06:32:16
更新日:2025/04/19 Sat 01:22:34
所要時間:約 18 分で読めます




ファイアーエムブレムシリーズに登場する種族であり、クラス(兵種)の一つ。




■概要

人間の姿をしているが本来の姿は竜であり、人間よりもずっと長い時を生きている。

その竜の力は「竜石」なるアイテムに封じており、必要な時にのみ発動する。
何故そんな面倒をかけるのかというと、竜の姿のままではやがて理性を失ってしまうため、もしくは力の消耗を抑えるため。
後の作品では竜石そのものが消耗品且つ希少品でもあるのも理由かもしれない。

原初のアカネイア大陸世界において「マムクート」とは人化した竜への蔑称という背景があった。
そこに連なってない作品ではそもそもストーリーに出てこないワードだったりする。
だが一貫した特徴を有し、単に「竜人」という単語では説明しきれないFEシリーズ特有の種族として確立されているためか、ユーザー間では大体全部マムクートで通っている。

その特異な背景があるためストーリーに深く関わるキャラが多いが、FEシリーズなのでHPが0になれば普通に死ぬ。


■歴史

  • 暗黒竜と光の剣
古の時代、竜族はアカネイア大陸のドルーア地方に住んでいた。
神竜族『ナーガ』、魔竜族『バジリスク』、火竜族『サラマンダー』の3つの部族に分かれ、竜石に竜の姿を封印していた。
バジリスクとサラマンダーは人間を見下していたようで世界征服を企んでいたが、ナーガ族が抑止力となっていた。
ある日、地竜族のメディウスがアカネイアに姿を現し、ナーガ族をチキを除いて滅ぼしたという……。

何故竜族が竜石に竜の姿を封印していたかは語られていない。

  • 紋章の謎
上記の設定に変更・追記があり、第一部(暗黒戦争編)でも上記の話がやや変えられている。

アカネイア大陸で高度な文明を築いていたのは人間ではなく、後世で神々と呼ばれるほどの高い知能と強大な力を持つ竜であった。
しかしある日を境に竜は子供が産めなくなり、徐々に理性を失うという現象に襲われ、いずれ滅んでしまう事態に陥った。
この事態に竜族の長老や神竜王ナーガが、自分たちの竜としての姿を竜石に封印し姿を人間に変えれば理性を失わずに済むと提案する。
ナーガに賛同して竜石に力を封印したものが竜人族である。

しかし、魔竜・地竜・火竜族などほとんどの竜族は誇りを捨てられずに賛同せず、そのまま理性を失いただの獣と化してしまい、一部は後に特定の地域の人間の家畜になり果てた。
また、理性を失った竜族の一部が人間への攻撃を始めてしまった為、ナーガ達はこれらを鎮圧。
ドルーア地方の奥深くに封印し、部下のメディウスに管理を命じた。

しかしある時、人間が勢力を伸ばし始めたころから人間は竜人族を迫害し始め、竜人族をマムクートと呼び始めた。
この迫害に耐えかねたメディウスが決起したのが長い戦いの発端……本編である暗黒竜と光の剣~紋章の謎である。

  • 覚醒
長い長い年月が経ち、登場する竜人族に若い世代が増えた。自らマムクートと名乗っている。
紋章の頃から2000年経過したためか、ノノという新しい世代が生まれ、ンンという人間とのハーフまで生まれるようになっている。
母親がチキ・ノノ・ンンの誰かだと、マイユニットの子供もマムクートになる(後述)。
そのため子供が産めないという現象はある程度解決したようだ。


【竜石】

竜の本性を封じ込めた石でマムクートの唯一の戦闘手段である。
これ自体には攻撃力はないがこのアイテムを使う事で竜に変身してブレス攻撃を行う。
竜に変身する事によって大きなステータスに補正が入るので攻防ともに高い性能を誇る。
マムクートにとってはまさに命綱であるが一般人にとってはただの宝石としか認識されていないらしい。

  • 暗黒竜と光の剣
1戦闘毎に竜石を用いて変身を行う。竜石に耐久力はなく、何度でも使用できる。
竜石を使用することで守備力も上昇する(ステータス画面では数値を確認できない)ので物理攻撃に関してはかなりの耐性を持つ。
ただし、今作では本人の守備力と魔防が伸びないので過信は禁物。
(魔法に関しては固定ダメージ攻撃扱い(全員魔防基本値0)だし、守備力に関してはバグ技で伸ばせるが)

  • 紋章の謎
竜石を使用する事で一定ターン数の間、竜に変身するシステムを採用。恐らく味方マムクートが相当強かった時代。
変身中は 直接、間接攻撃可能で防御無視のブレス攻撃可能 移動力も上昇する 敵の竜のブレスに耐性が付きHPも2倍になる と言った超性能を誇る。
能力アップアイテムの効果も高くなるととれるので、仲間になった直後で天使の衣(実質HP+14)や竜の盾を惜しまず投入する価値もある。
ただし魔防面に不安がある事と、火竜はブリザー・氷のブレス、氷竜は炎の魔導書全般、飛竜は弓攻撃に弱くなるので過信は禁物。
上記の変更点・強化点は敵に関しても同じでボスはマップ開始直後、雑魚は1ターン目に変身する。
第二部は最初から竜のままのユニットばかりが登場する。

チキは入手できるものなら全ての竜石が使用可能で、様々な竜に変身が可能。
飛竜になって室内で空中戦したり、メティオ持ち司祭を魔竜になって強行突破して倒したり、これらを駆使して神竜石を慎重に温存したり。
魔竜以外で魔防を伸ばす機会を作る、氷竜になって守備力の伸びしろをあえてなくして、終章で敵の魔竜を神竜形態で釣って倒しやすくするなど、育成でもちょっとした幅が広がる。
バヌトゥは火竜石しか使用できないものの、受けられる補正がチキよりも強力になっている。

  • 封印の剣以降
ファミコン版の暗黒竜と光の剣同様に、1戦闘毎に変身するようになった。
ただし、可視化できる代わりにほぼ全てのパラメーターが上昇するのでより隙がなくなった。
戦闘面ではかなり強くなったものの竜石が消耗品になったのが痛い。一品限りで補給が出来ずハマーンによる修理の対象外な作品も多いので運用には気を使う必要がある。

他作品では「攻撃すると減る」竜石の耐久だが新暗黒と新紋章だけは 変身すると回数が減る ため、運用にはさらに注意が必要。しかも間接攻撃には無力。
各竜石を装備していても旧紋章と違ってHPと移動力は上がらなくなったため、使い勝手は悪くなってしまった。

ちなみに覚醒においては竜石が(最終的には神竜石まで)店で買えるようになり、攻撃範囲も1~2マス、弱点らしい弱点は竜特効くらいしかなくなった。
高い成長率を存分に活かすことができ、さらにチェンジプルフで転職まで可能だが、竜化のブーストがなくなる点と竜特効はどの職にもついて回る点に注意が必要。
石が店で買えることについては公式シリーズサイト内の「バックグラウンド」で「店側は特別な石である認識がなく、ただの宝石として売っている」と解説されている。

ifでは武器の回数が撤廃されたため、覚醒同様店でも買えるがそもそも無くさないので買う機会があるか自体微妙。

ちなみにマップ上で変身して、しばらく強化形態で立ち回るという要素はラグズに受け継がれている。


■ユニット性能

戦闘時には専用の武器種である竜石を使用し、竜の姿になって戦う。
竜石には威力だけでなく変身時のステータス補正も設定されており、本人らの貧弱なステータスを補うためにかなり強力な補正値となっている。
育ったマムクートが強力な竜石を使った時はジェネラルと同等かそれ以上の守備力かつ神器級の威力のブレスを吐けるという、攻守両面で強力な存在に。
反面、小細工が出来ず竜石とスペックで勝敗決まるとも言える。また特効武器「ドラゴンキラー」に非常に弱い。シリーズによっては、飛行や各属性による攻撃も弱点対象になる。

ストーリー上で人間を遥かに超える力の持ち主と表現されるだけあり、竜石補正込みで極めて高いステータスや攻撃力を誇ることが多い。
ただ味方側では大半がロリキャラなだけあり、初期値は貧弱で上手く守りながら経験値を与えることでようやく前線で活躍できるというケースが大半。
さらに武器である竜石も上記の通り希少だったり、修理や間接攻撃が不可という弱点が不随することが多いため、普通に人間を鍛えた方が役立つこともしばしば。
重要キャラの割に必ずしも優遇されているとは言い難いクラスだったりする。
また『封印』『聖魔』の通信闘技場(対戦モード)でも何故か使えないあたり、いわゆる禁止級の扱いをされていた。

一方、敵側では設定に違わず鍛えた主力と同等以上のステータス、かつ終盤では大挙して押し寄せることが多く、自軍を苦しめる存在として印象に残る。

■運用方法

【長所】

単騎特攻

その高い能力を生かし、前線に突っ込ませる。
しっかり育ったマムクートなら、どんな攻撃でもダメージを受けない強力なキャラになっているはずである。
臨時の壁役としての使い方も十分考えられる。特にブレスのダメージが人間ユニットで軽減不可という作品では竜相手への重要な壁役になる。

ラスボスキラー

主人公がヘタレた時の切り札として代用可能。
大体ラスボスに特効を持っていたりするので、ロードばかりに頼らないで、たまには使ってみよう。
ラスボスに限らずドラゴンキラーとしてもお世話になり、むしろそれが本業なことも多い。

【短所】

竜石が無くなると闘えない

これに尽きる。竜石が無くなれば竜の力を失い、ただの人になる。
ステータス補正まで消えるため、一気にお荷物になるか荷物持ちとしてしか働けない。だがそれもまたファイアーエムブレムらしくて良い
問題は竜石が大体再入手不可な貴重品であることにあり、さらに使用回数の回復もできない。
ぎりぎりまで使用してからハマーンの杖を使用しようとして、涙をのんだエムブレマーは決して少なくは無い。
FC版暗黒竜だけは竜石に使用回数が設定されておらず、無限使用が可能だったため無双できた。

素早さが低め

キャラにもよるが、攻撃力や耐久力がトップクラスなのに対して速さは低めな場合が多い。
この点でもジェネラルに似ている。敵側であっても同様に低いので、その点は助かることが多い。

間接攻撃ができない

一部の作品を除く話だが、これも重大な欠点。
ただ、攻撃できない=竜石の使用回数は減らないため、良い囮にはなるという利点もある。*1

特効が割と多い

後半によく手に入りやすいドラゴンキラーなど、竜に大ダメージを与える武器がある。
さらに暗黒竜や紋章では火竜がブリザーに弱いなどの弱点もあり、飛竜では飛行特攻が弱点になる。蒼炎と暁では雷魔法に竜特効がある。
相手にする時には有利になるが、こちらがマムクートを使う時には注意が必要。


■シリーズでの扱い

暗黒竜と光の剣/紋章の謎】

前述の説明通りであり、ユニットとして強さはかなりの物だが、運用には注意。


聖戦の系譜トラキア776

設定には関わっているが、人物としては不在。
ストーリーの鍵を握る聖遺物の力の源は竜の力を宿した竜石を嵌め込まれたことによるもの。
ユリウス暗黒竜ロプトウスの力を宿したロプトウスの魔道書の力で洗脳されており、戦闘時には竜の姿が見える。
対を成すユリアのナーガの魔道書使用時にも神竜ナーガの姿が見られる。
また聖戦第二部のレヴィンは竜族の若者が(☆50フォルセティの音)

封印の剣烈火の剣

竜と人が戦った『人竜戦役』の際に世界の秩序が崩壊し、竜族は人に姿を変えなければいけない事態になった。
人が竜に対抗するための伝説の武器として、かつて八神将が人竜戦役で用いた神将器が存在する。

『封印』ではやはりロリキャラのファのみが自軍ユニットとして登場。
火竜石はバグ技以外では入手できないうえ、神竜石も1つしかなくハマーンの杖で修理もできないので通常プレイだと戦闘できるのは僅か30回。
一応、本作は秘密の店で無限にドーピングアイテムを買えるので温存していても能力を強化すること自体はできる。
敵のマムクートは中盤で敵将アインが登場する程度だが今作のブレスは射程1なので魔法を使えば楽に倒せる。
最終盤ではラスボス以外の敵が全てマムクートかつカンストユニットでも苦戦する能力なので強力な魔法やドラゴンキラー、神将器、封印の剣でなければ処理が追い付かない。
トライアルマップ用に神将器を節約したければ支援効果を重ねた魔法職やソードマスターのドラゴンキラーに頼るのも手。

『烈火』ではユニットとしてのマムクートは存在しないが、竜族の立ち位置としては前作と同等かそれ以上の重要キャラである。

そんなこんなで、両作合わせると関連する人物はかなり多い。


聖魔の光石

実質的にミルラ専用クラス。
敵としての登場は魔物枠のドラゴンゾンビのみだが、耐久力もさることながら 守備無視&高命中&射程1~2 を誇る腐敗のブレスがヤバ過ぎる。
しかし本作の竜のブレスは魔物系に強いので、ピンポイントでおいしい敵を狙って成長させたい。
魔物特効自体はミルラ以外に司祭の光魔法や双聖器でも発生させられるので上手く活用したい。


蒼炎の軌跡暁の女神

ラグズの竜鱗族という竜に変身する部族は存在するが、マムクート自体は存在しない。
竜鱗族についてはラグズの項目を参照。
作劇的には、ラグズ全体がマムクートの役割を担っている。


覚醒

マムクートは数人登場するが、 全て仲間になる 。敵モブには存在しない。
一方ストーリー上はチキ以外あまり重要性は高くなく、どちらかというと敵方のほうがメインか。
クラスチェンジの仕様上、マムクートもそれ以外の特定兵種にすることができるが、その場合も竜特効を受けることは変わらない。

平坦なマップで複数の敵を迎え撃つことが多いのでステータスが高く直間両用の攻撃ができるのは便利なのだが、ソーサラーの強さのせいで霞んでいる。
またマムクートはスキルの数が少ない上にラインナップが貧弱なのも痛い。


if

物語の中心となる白夜王国・暗夜王国の王族は「神祖竜」の血を引く一族であり、
現代でも「竜脈」を操る特別な力を有しているが、基本的にはそれだけである。


もうひとりの英雄王


風花雪月

「マムクート」という語は登場せず、戦闘時に竜石によって変身するユニットも登場しないが、相当する存在として「女神の眷属」または「ナバテアの民」と呼ばれる竜人種族が登場する。

該当者については作品内で素性を隠しており、物語終盤に真実が明かされるネタバレ要素と密接に関わっているためここでの記載は省略。

エンゲージ

「マムクート」という語は存在していないが、主人公のリュールを始め神竜族、邪竜族、魔竜族ら竜族のキャラクターが物語の主要人物として登場。
竜の姿になるには竜石が必要であるという旧来の設定も採用されているが、そのことについてはメインシナリオ内では説明はない。
一部のキャラの支援会話や紋章士との絆会話、DLCシナリオで触れられている関係上、プレイスタイルによってはその設定を知ることができずやや不親切。
ユニットとして竜石で変身するキャラクターは存在していなかったが、DLC「邪竜の章」配信に伴い実装。
「邪竜の章」クリアにより本編でも使用可能となる。


ヒーローズ

各作品のマムクートは当然登場し、オリジナルキャラの竜もちょっと登場。変身後の姿がちゃんと個別に違う。
歩行タイプでも合計ステータスが重装並みに高く、重装と違い2マス移動できる。
後に重装タイプのものも登場しており、当然普通の重装をぶっちぎる合計ステータスを持つ。
攻撃方法はもちろんブレス。配信時は魔法ダメージ扱いだったが、途中からそれまでの実装分を除き、射程2の相手には守備と魔防の低い方を参照となった。基本射程は1マス。
属性も魔法に近い形で分かれ、炎と闇は赤、雷と光は青、風などは緑に分かれる。無属性のものもあり、ラスボスで登場したものが中心。
ミルラのような形で飛行するタイプのものもおり、敵の場合はそれらをマムクートではなく「ファブニル」と呼称する。
通常は武器は同じ武器種・属性の相手にしか継承できない。
だがマムクートのみ特殊な扱いで、違う属性のマムクートにもブレスを継承することができる。*5
雷のブレスを継承すれば遠距離反撃が可能になるうえ、Aスキルに空きが出来るという良い事ずくめ。
代償として、主役格がおまけのように引っさげがちな竜特効(ファルシオンーガ)などで積極的にメタられている。

ちなみに、全員に共通する下位の攻撃は「火のブレス」「火炎のブレス」「灼熱のブレス*6」。それがニフルのような明らかに氷の竜であったとしてもである。



追記・修正は竜石にハマーンの杖を使おうとして絶望した経験のある人だけがお願いします。


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最終更新:2025年04月19日 01:22

*1 新・暗黒竜と新・紋章では回数は減少する。間接持ちが多数いる場所に配置するのはやめておいた方が良い。

*2 FC版と違い石に使用回数制限があるので、むしろ常時新竜は運用に無理がある

*3 神竜の野生化個体は本編に出てこないが、そうなる可能性はあるという説明はされている。

*4 周囲2マス以内の味方が敵を撃破した時、1ターンの間必殺+10

*5 なお、後のアップデートで弓、暗器にも属性を無視しての継承が可能となった。

*6 個人専用武器所持の竜ユニットのみ持つ