アットウィキロゴ

マフティー・ナビーユ・エリン

登録日:2023/06/01 Thu 18:37:53
更新日:2026/08/19 Wed 18:55:17
所要時間:約 7 分で読めます






世間は、みんなマフティーが好きみたいですよ



マフティー・ナビーユ・エリンとは、『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』に登場する組織。
作中では同組織のリーダーを担当するハサウェイ・ノアの偽名としても使われているが、当項目では主に組織としてマフティーを取り扱う。


【概要】

宇宙世紀0100年代以降における反地球連邦組織及び秘密結社。
組織名はスーダン語、アラブ語、古いアイルランド語という3つの言語を利用した造語で、「正当なる預言者の王」という意味が込められている。*1

マフティーを率いている人物は組織と同じ名前を名乗る人物であり、その正体はハサウェイ・ノア。
ハサウェイはあくまでも「組織のトップのマフティー」という架空の人物を演じているに過ぎない。

マフティーの創設者はクワック・サルヴァーと呼ばれる初老の男性。その名前は「インチキ医者、インチキ弁護士」を意味するコードネームである。
かつて地球連邦軍の将軍にまで上り詰めた男で、その精悍さはハサウェイが組織に入る契機ともなった。
劇中ではケネス・スレッグ准将が、アデレード会議の日程を入手出来たことやマフティーの襲撃時にダミー攻撃として現場にいたことなどから、彼の正体は閣僚か官僚のどちからまで絞れたものの、具体的な足取りまでは掴むことが出来なかった。

組織の理念としては、人類を地球から追い出して宇宙に追放することによる地球環境の健全化。
宇宙移民法にある通り、地球から人間を全て宇宙に上げて無人状態にするのは、地球連邦政府が本来実施しなければならない行政の部分であるが、劇中では地球連邦政府の閣僚達は地球調査などの名目で例外的に自分達やその面倒を見る一般市民を引き連れて地球へ移住しており、宇宙棄民政策は滞っている状態であった。
それをクワック将軍や退役軍人であるハサウェイ・ノア、ガウマン・ノビルなどは正体を隠して、テロリズムによって進めようとしていたのである。
マフティーはMSを用いた連邦政府の要人の殺害や放送の電波ハイジャックによって活動の解説などを行っていた。

宇宙世紀の味方組織でいえば、『機動戦士Ζガンダム』のエゥーゴやカラバと同様にマフティーは反地球連邦政府組織であるが、ハサウェイの意向もあって攻撃対象はあくまでも地球移住を推進する地球連邦政府の閣僚のみであり、民間人への攻撃は避けていた。
作中では虐殺やインフラの破壊という行為には出ておらず、アデレート会議襲撃の際には民間人への避難勧告も出していた。普段の活動においても、閣僚を狙うのは夜間、彼らが別荘などの郊外にいる際を狙って被害を少なくしていた。
そのため、予定外に地球連邦軍キルケー部隊とのダバオ市内での戦闘が発生、鎮圧された際にケネス・スレッグ大佐からマフティーの活動での合計の民間人の死亡者は300人を超えたと言われた。しかし、これはマフティーの攻撃よりも、ケネス大佐の着任により強烈に反撃に出た正規軍であるキルケー部隊の方が市民に被害を出したことが明らかとなっている。
また、小説中巻におけるキルケー部隊とマン・ハンターとのダバオにおける合同作戦では100人の民間人が死亡し、マン・ハンターが不法居住者を年間数十万人虐殺していることや、同小説中で地球連邦軍キンバレー部隊によりオエンベリ軍が数千人虐殺されるなど、体制側の組織による殺害人数が遙かに多いことが明らかになった。

主にモビルスーツのメッサー、サブフライトシステムのギャルセゾンを用いて作戦を行っていた。また、小説上巻ではカーゴ・ピサに積載されたΞガンダムを受領し戦力の拡大が図られた。これらの兵器を製造しているのはアナハイム・エレクトロニクス社とされるが、フォン・ブラウン工場、グラナダ工場どちらの会社なのかは劇中で開かされることはなかった。
しかし、『機動戦士Zガンダム』、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』において反地球連邦政府組織側に荷担し兵器供給していたのは一貫してグラナダ工場であった為、マフティーもグラナダ工場側とつながりがあったと思われる。また、カードゲーム「ガンダム・ウォー」のフレーバーテキストでは、メッサーの解説に「ギラ・ドーガの再設計機。」と、グラナダ工場の繋がりを匂わせている。連邦軍の要職にいたクワック将軍は補給関係に才能があり、軍の編成や拠点「ロドイセヤの木」の隠蔽などの動きも洗練されていた。

地球の人口を1億以下に制限したにも関わらず、地球という聖地を解放せず、地球連邦政府の閣僚達だけで地球を独占するという動きに不満、不平を持っていたスペースノイドはマフティーを救世主と崇め、アースノイドも政治家を殺害してくれるということからマフティーを支持していた。
しかし、劇中ではタクシーの運転手やカヌーの少年がハサウェイと触れ合った市井の声の代表として、政治家を殺してくれるマフティー自体は有り難いが、彼らの唱える1000年先の環境を考えるべきだという思想、またマフティーが察知しているアデレード会議に提出された地球調査における差別的な法案については一切知識がないなど、歪な状態となっている。

そもそもハサウェイ達が戦っているのは特定の悪ではなく、地球連邦という組織が生み出した歪みそのものであり例え地球連邦の高官を粛清し続けたところで代わりの人物が閣僚に選ばれるだけであり粛清で政府高官を潰す事自体には効果はない。
ハサウェイ達がテロという本来は正しくない手段を使ったのは、ただでさえ特例法案の可決まで時間が無い上に宇宙世紀という時代は閉鎖されたコロニー環境と地球と宇宙と広大な距離の都合上平和的に民衆の声で政治を変えることが難しい為に「閣僚を粛清することで民衆に世直しのインパクトを与え気付かせる」という過激な手段を取るしかなかったのである。
もっともシャアの反乱が上手くいかず上記のタクシーの運転手の反応のようにそう簡単に変えられるわけも無い等、マフティーの戦いは初めから無理ゲーともいえる状況であった。


【活動の影響】

◆オエンベリ軍

マフティーの活動に触発され、地球上では不法居住者3万人が私設軍隊を結成した。それがオエンベリ軍である。
彼らはフォビオ・リベラが首領を務め、オーストラリア北部のオエンベリを拠点とした。
作中の冒頭でハウンゼンをハイジャックしたかぼちゃマスク率いるハイジャッカーはオエンベリ軍の一派。
ハイジャッカー連邦軍からの身代金を要求していたのは組織の陸軍設立のための活動資金を集める意図があった。

小説中巻では、ハイジャッカー達の妨害で予定が狂ったことに対し議論が為されるが、最終的にハサウェイとファビオのリーダー同士の話し合いで和解し、マフティー側はオエンベリ軍の基地攻撃に対してケッサリアを貸し出すことになった。


【略歴】

◇設立

ハサウェイが主人公である『閃光のハサウェイ』は彼の視点から物語を見ている部分も多いため、途中加入であるマフティーの創設の経緯は判明していない。

◇ハサウェイ加入

小説中巻の回想で、ハサウェイがマフティーに入った経緯が書かれた。シャアの反乱の後、地球連邦軍に軍人として働いていたハサウェイであったが、鬱病なことが発覚し軍を退役。鬱病の治療も兼ね、植物監察官候補生として地球へ降下。地球環境が鬱病に良く働きかけ、ケリア・デースと恋人となり将来の希望を育んでいた。しかし、ケリアが不法居住者である為、ハサウェイは彼女と結婚出来ないことが発覚する。それとは別に、ハサウェイの研修先の教官であるアマダ・マンサン教授はクワック・サルヴァーと知り合いであった。
クワックは、ハサウェイと面会し、彼にマフティーの存在や政府の手先として不法居住者を年に数十万人虐殺しているマン・ハンターの所業、人口を1億以下に制限したにも関わらず地球移住を加速させ地球の環境再生を無駄にしようとしている地球連邦政府の実態を教えられたハサウェイは、クワックがどこかキナ臭いことを望んでいることも勘付きながらも、彼の精悍な出で立ちにパイロットとしての資質を刺激され、マフティーへ加入。
ハサウェイは植物監査官候補生として働きながらも、マフティーの要員として1年程度で中枢の戦闘員へと出世し、やがて表向きの組織のリーダーとして「マフティー・ナビーユ・エリン」を名乗ることになる。そして、そのマフティーへと各地へ赴く間にシャア・アズナブルの経歴を調べ、彼の出した最終的な結論が「ただひたすら、人類を産んだ地球を滅亡させてはならない、保全すべきだ」という一点にあることを知って共感した。

◇マフティー動乱(マフティー戦争)

宇宙世紀0100年代*2にオーストラリアのアデレードで地球連邦政府の中央会議が行われることになり、マフティーはこれを襲撃することになった。
アデレード会議では『地球帰還に関する特例法案』の採択が決まるとされており、この法案が成立すれば政府の要請があれば正規の居住許可証を持っている人間からも土地を接収することが可能となり、政府の下部組織にあたる特殊警察マン・ハンターが不法居住者に対して行う逮捕・拉致行為の「人狩り」が合法的に何人にも行えることになるのであった。
この差別的な法案を廃止させるために、ハサウェイ達は危険を犯して地球へ降下しガンダムを確保して準備を整えていたのである。マフティーは電波ジャックで会議に集まる閣僚を粛正することを宣告し、Ξガンダムに乗り込んだハサウェイは襲撃を仕掛ける。

ビーム・バリアーを用意していたケネス・スレッグ准将をミノフスキー粒子を四方から散布することで侵入地点を隠蔽し、アデレート空港への奇襲。マフティーは、エメラルダの戦死など自軍も大きな被害を出しながらも半数の閣僚を殺害することには成功する。これはギギ・アンダルシアがマフティー側にいたことによる恩恵もあった。
しかし、ハサウェイはギギを最後の作戦直前にキンバレー・ヘイマン達捕虜と共に解放。鬼神の如き強さでΞガンダムはペーネロペーを追い詰めたものの、土壇場でケネス准将の元にメインサー中佐からビーム・バリアーの回線が確保されたことが伝達され、ビーム・バリアーによりΞガンダムは包まれ撃墜されてしまった。

◇アデレート会議襲撃後

アデレード会議襲撃が失敗に終わり、マフティーを演じるハサウェイは正体を明かすこともなく、意識が回復してから即刻死刑となった。
これは軍事裁判も行わず、地球連邦政府の閣僚が仲間達を殺されたことへの幼稚な復讐心から地球連邦軍に強行させたもので、この破廉恥な行為には処刑を指揮することになったケネス准将も呆れるほかなかった。
その上この動乱で生き残った地球連邦の閣僚達は後任を選び、中央会議でマフティー以降の不穏分子の掃討作戦について軍と協議をするなど(元々無理ゲーとはいえ)文字通りまるで反省していない状態だった。

マフティーの極秘の処刑後、新聞社にマフティーの処刑をブライト・ノア大佐が行ったと捏造された記事が掲載される。この記事により、マフティーの正体がハサウェイである世間に公表されてしまった。
この新聞社へのリークを行ったのは、メジナウム・グッゲンハイム大将であった。彼は、ケネスが心神が弱り果てていた時に、マフティーの正体がブライト・ノアの息子であるハサウェイ・ノアであるという事実を聞いていたのだった。
この新聞記事の狙いをケネスは、地球連邦政府はブライト・ノアの動向を捏造してマスコミにリークすることで、今後の反乱分子への遠回しな恐喝と処刑の正当化による世間からの組織の好感度稼ぎを狙った。
しかし、ケネスは政府の目論み通りに事は運ばず、子殺しをさせたという連邦への非難などもあって、むしろ世間から好感度を稼ぐには逆効果であることが予見された。

上述の新聞記事に反論の声明文を出したのが残存していた組織のマフティーであった。
創始者のクワックは正体を把握されず逃げ果し、ガウマンなどのマフティーの残存戦力は地下に潜りながら再度反抗の機会をうかがう形になり、地球連邦政府とマフティーの戦いはまだ続くという形で物語は幕を閉じた。

一方で現時点で地下に潜りこんで以降のマフティーの残存勢力のその後を描いた作品は存在せず、残存勢力がどうなったのかは不明。
少なくともその後の地球連邦軍はレガシィや火星独立ジオン軍を初めとするオールズモビル軍やクロスボーン・バンガードなどの反連邦勢力と戦ったことが語られているが、マフティーとの新たな戦いは描かれていない。
機動戦士ガンダムF90 FastestFormula』では、映画版の翌年の宇宙世紀0106年に『ルー・ラヴァータ』を名乗る不法居住者によるテロ組織が出現しており、マフティーの使用していたメッサ―のような改造MSを運用しながら地球連邦の閣僚の暗殺を行っているなど、何かしらの関係性が疑えるような描写が出ているが、現時点で実際に関係があるのかは不明。

【別作品での扱い】

0105年を舞台とした漫画『機動戦士ガンダム デイアフタートゥモロー ―カイ・シデンのメモリーより―』では、サイド3で行われた「一年戦争展」で再会したジャーナリストのカイ・シデンとサナリィ社員のジョブ・ジョンが、地球で活動するマフティーについて言及している。


【メカニック】

□モビルスーツ


□艦船・サブフライトシステム



【メンバー】

  • ハサウェイ・ノア
  • クワック・サルヴァー
  • イラム・マサム
  • ブリンクス・ウェッジ
  • レイモンド・ケイン
  • エメラルダ・ズービン
  • ガウマン・ノビル
  • カウッサリア・ゲース
  • ケリア・デース
  • ゴルフ
  • シベット・アンハーン
  • ジュリア・スガ
  • チャチャイ・コールマン
  • ミツダ・ケンジ
  • ミヘッシャ・ヘンス


自分が、マフティー・ナビーユ・エリンであります。
今日まで、自分を中心とした追記・修正が、アニヲタWiki(仮)においでになった荒らしの誤字・脱字を粛正してまいりました。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2026年08月19日 18:55

*1 同小説は1989年に刊行されたもので、2026年現在のスーダンでは公用語のアラビア語や英語を筆頭に無数の言語が使われており、またアラビア語にもスーダンにおける方言や訛りに類するものはあるが、独立した「スーダン語」として扱われたり分類されたりする言語は無い。

*2 『月刊ニュータイプ』での特集、映画版では0105年