機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ

登録日:2012/02/04(土) 10:19:25
更新日:2021/04/17 Sat 23:32:49NEW!
所要時間:約 15 分で読めます





……例外規定があるかぎり、人は、不正をするんだ……


ガンダムシリーズの一つ。富野由悠季による小説で、1989年から1990年にかけて角川スニーカー文庫より全3巻で刊行された。

時系列的には『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の12年後の話だが、同作の小説版『ベルトーチカ・チルドレン』における、ハサウェイ・ノアがクェス・パラヤを直接殺めてしまった設定を引き継いだものとなっている。

2000年発売のゲーム『SDガンダムGジェネレーションF』に登場した事で知名度が上昇。ハサウェイのイメージに合うBGMは高い評価を受けた。

劇場版逆シャアの続きとなっている『機動戦士ガンダムUC』では、ハサウェイは植物監査官になる為の勉強をしており、こちらでもいずれこの事件が起こることを予感させている。

そして、2018年に3部作のアニメ映画化される事が発表。ガンダムシリーズ40周年記念作品として、当初の公開日は2020年夏以降としていたが、(おそらく新型コロナウイルスの影響等で)2021年5月に公開されることになった。
映像には『逆襲のシャア』の劇場版の映像がダイジェスト映像が公開されており、劇場版逆シャアの続きである可能性もある模様。小説版とは違う展開になるか要注目である。

【あらすじ】


人類が宇宙へ進出して1世紀、地球と宇宙の争いが激化していた時代―シャアの反乱が鎮圧されてから10年余りが経過した世界で、マフティー・ナビーユ・エリンと呼ばれる反地球連邦政府運動が地球で過激になっていた。
マフティーは、「地球をクリーンにする為、地球に残る人々は全て宇宙に出ていく事」「特権階級と世襲に塗れた政治の打破」を実施するよう政府に要求を突き付け、モビルスーツを使い連邦政府首脳を暗殺していたのである。
そうした中、高級宇宙輸送船ハウンゼンが多くの連邦閣僚を乗せ、来る連邦議会の為へホンコンへと向かっていた。
だが地球へと降下した直後にマフティーを名乗るハイジャッカーによりハウンゼンは占拠される。緊迫が支配する船内にはマフティー退治のため地球に降下するケネス大佐、男を惹き付ける魅力を持った謎の少女ギギ、そしてシャアの反乱を経て青年に成長し植物監査官候補生となったハサウェイの姿もあった。

時は宇宙世紀105年。紺碧の地球環境が未だ残る南太平洋を舞台に、後に『マフティー動乱』と呼ばれる戦乱とハサウェイ・ギギ・ケネスの数奇な運命が始まろうとしていた。



【登場人物】

CVはゲーム「Gジェネレーションシリーズ」、及びアニメ映画版より。

ハサウェイ・ノア
CV:佐々木望(Gジェネレーションシリーズ、)/小野賢章(アニメ映画版)
本作の主人公。ごく普通の青年だがクェスを投げ縄で助けていた少年時から身体能力は衰えていない。
シャアの反乱では敵機体を撃破して軍の新聞に載った事もある為ちょっとした有名人。
過去の経験から鬱病になっていた時期もあったが、現在は立ち直り、南太平洋で植物観察官候補生として実習を積んでいる。
ハウンゼンでのケネス・ギギとの邂逅を経て、奇妙な友情関係を育んでいく事になる。


マフティー・ナビーユ・エリン
地球連邦政府の秩序を乱す正体不明の危険人物。同名の秘密結社を率いていた。
彼の活躍は地球だけでなく、やスペース・コロニーのマスコミでも持ち上げられており、「マフティーは救世主、ニュータイプの再来、地球連邦政府を浄化する!」とまで出版物に書かれていた。
リーダーでありながら、同時に優秀なMSパイロットとして前線に立つ。
その操縦技術は作中殆ど敵無しであり、Ξガンダムの性能も相まってパイロットとしてのライバル・レーン・エイムをも最後まで圧倒していた。(反骨心旺盛なレーンも最後は敗北を認めていた)
その思想や行動はシャア・アズナブルの影響が見てとれる。正体もクワトロ・バジーナくらいには読者にバレバレ


ギギ・アンダルシア
CV:林原めぐみ(GジェネレーションF)/川上とも子(Gジェネレーション魂以降)/上田麗奈(アニメ映画版)
本作のヒロインであり今作の戦争の勝敗の行方を左右するハイティーンの少女。閣僚や大富豪といった富裕層・特権階級でほぼ占められている特別便ハウンゼンでは似つかわしくない存在。本人曰く「コネがあったから」
初対面のケネスやハサウェイの目的や正体を見抜く優れた洞察力の他、預言めいた発言を的中させる鋭い勘も持つ。
ただし作中ではニュータイプや特殊な能力者であるという描写は特になく、かえってミステリアスな魅力となっている。


ケネス・スレッグ
CV:立木文彦(Gジェネレーションシリーズ)/諏訪部順一(アニメ映画版)
本作のもう一人の主人公的存在。連邦軍大佐。
シャアの反乱では第一線でパイロットとして戦い、以後も実戦がなくなった地球連邦宇宙軍で、ウダウダとモビルスーツの開発を続けていた生粋のMS好き。既婚者ではありジェシーという妻がいたが離婚している。
『自制心があって狂暴な男』とはハサウェイの評。優れた指揮能力以外にも、時に横暴とさえ見れる強硬手段も採る等、良くも悪くも連邦高級士官には似つかわしくない行動力に溢れた軍人。
ヤニ臭い閣僚達を心底嫌悪しており、内心ではマフティーを支持していた部分もあったものの、対マフティーの最精鋭『キルケーユニット』の長として辣腕を振るう。


レーン・エイム
CV:橋本晃一(GジェネレーションF)/水島大宙(Gジェネレーション魂以降)/斉藤壮馬(アニメ映画版)
連邦軍中尉。ケネスが地球に降下する10日前に新型のモビルスーツ「ペーネロペー」と共に先に送り込まれていた。
テストパイロットとしては有能ではあったが実戦経験はなく、それ故緒戦ではΞガンダムに煮え湯を飲まされる事になり、以降Ξガンダム=マフティーに対抗心を燃やしていく。
ファンネル搭載MSを使いこなす事からニュータイプの素質を持っている。過去の月刊ニュータイプの特集記事では強化人間となっていた。
とはいえ作中では感情起伏の描写は若さゆえと取れる程度の物で、少なくとも能力ゆえの情緒不安定さ等は一切ない。(GジェネレーションF以降のメディアでは常にNT扱い)
極度の現実主義者であり、ケネスが取るゲン担ぎや、理想主義に塗れたマフティーに対して反発心を持っている。


イラム・マサム
CV:山崎たくみ(Gジェネレーション魂)
マフティー実戦部隊の主メカニック兼作戦担当メンバー。ハサウェイの副官的存在。


ブリンクス・ウェッジ
マフティーの太平洋上における移動拠点となる鉱物運搬船ヴァリアントの艦長。


エメラルダ・ズービン
CV:鵜飼るみ子(GジェネレーションF以降)
メッサー1号機のパイロット。レイモンドとは公認の仲。ギギとハサウェイの仲を取り持つが上手くいかなかった。終盤でペーネロペーのファンネル・ミサイルで機体ごと霧散する。

ガウマン・ノビル
CV:竹村拓(GジェネレーションF以降)
メッサー2号機のパイロット。中枢が非常に若い層で占められているマフティー内では比較的年長者。ハサウェイとは別部隊のリーダーを任される事も。
ハサウェイを逃がすためホテルを襲撃するがペーネロペーの性能差に敗北しマフティー初の捕虜になってしまう。人質にされるも解放される。その後は最後まで戦い、生存して撤退した。


レイモンド・ケイン
CV:藤本隆行(GジェネレーションF以降)
ギャルセゾン1号機のパイロット。


シベット・アンハーン
CV:田坂秀樹(GジェネレーションF以降)
ギャルセゾン2号機のパイロット。


ジュリア・スガ
ヴァリアント所属のメカニック。男だけがトップレスをしていいという歴史感覚を古いとし、仕事中上半身裸でいる中々エキセントリックな人物。
本人曰く『悪いおっぱいではないだろう』悪いおっぱいではないという事はいいおっぱいということだ!


ケリア・デース
ハサウェイが地球で実習を受けていた時、彼の鬱病の治療役を担っていた女性。ハサウェイとはギリギリ恋人未満という仲。
彼女も組織に参加するが、ハサウェイが一年と数ヶ月でマフティーのリーダーに上り詰めるにつれ次第に疎遠になっていった。
ギギの出現によるハサウェイの精神面の変化が二人の仲を決定付ける事に。


クワック・サルヴァー
「インチキ医者」を名乗るマフティーの組織的な黒幕。長年地球連邦軍の要職を務めた将軍であるという。
優れた手腕で反地球連邦組織マフティーの人員から物資全てを、ほぼ独力で揃えたと思しき傑物。
メンバーも彼の顔は知っていたが、その正体は敵味方含め遂に誰も掴むことが出来なかった。


ファビオ・リベラ
CV:望月健一
オエンベリ軍のリーダー。マフティーを騙ったハウンゼンのハイジャッカー(CV:柴本浩之)もここのメンバーだった。
中の人がアーガマの通信士コンビなのは気にしてはいけない。


キンバレー・ヘイマン
連邦軍大佐で、ケネスの前任キンバレー部隊の司令官。
文官上がりな上に、ケネス着任の焦りから生身のオエンベリ軍の掃討をモビルスーツ部隊に指揮した。
「力を使ったことがない人間は加減が解らない」ことを教えてくれる人物。


メジナウム・グッケンハイム
宇宙軍幕僚長官。階級は大将。ケネスからある秘密を聞いたことが悲劇に繋がってしまう。


アマダ・マンサン
ハサウェイの植物監察官の実習を担当した教官。
クワック・サルヴァーがアマダの元を訪ねていたので明言はされていないがマフティーの一味であるようだ。


メイス・フラゥワー
ハウンゼンの客室乗務員。地球降下後ケネスといい感じになったが、彼女もまたギギ達の複雑な関係に巻き込まれてしまい…
エピローグでのケネスは日本についたらヨリを戻してみると言っていた。


ブライト・ノア
CV:成田剣(Gジェネレーションジェネシス)
連邦軍大佐。シャアの反乱以後軍も第十三独立艦隊のラー・カイラム艦長として勤務しているが、作中時点で退役願いを出している。
退役後はミライと共にレストランを営む計画を立てており、市井で休んだ後よしんば政界に出て散っていった物達への責任を、という想い秘める。
最後の軍務として、ケネスらキルケーユニットの後詰でアデレートに向かう事になるが…

十字架に磔にされたような格好で鎮座したΞガンダムを見ての台詞は歴代のNTとガンダムを見てきた生き証人である彼ならでは。

「ガンダムにはいつも、反骨精神を持った者が乗っていたな。そして、ガンダムの最後はいつもこうだ。首が無くなったり、胴体が焼かれたり、バラバラになったり。しかし、反骨精神そのものはガンダムが無くなった後でも、健在だったものだ。」


ミライ・ノア
CV:白石冬美(Gジェネレーション魂)
ブライトの妻であり、一年戦争時の戦友。ブライトが軍の任務を優先し、ニューハンプシャーシーに店を行く予定をキャンセルした事に冗談じゃないと言っていた。ブライト本人よりレストランをやるのに意欲があるかもしれない。
レストランをやった後にブライトが出馬する気があるのを知っていたかどうかは不明。

クェス・パラヤ
CV:川村万梨阿
故人。前作の小説版でアムロを追い詰めた所をハサウェイに狙撃されてしまい、彼にとっての払拭し難きトラウマとなっている。作中1度だけ登場するが、某NT処女のような精神の存在というよりはハサウェイの罪の意識そのもののようだ。
前作の劇場版ではハサウェイを助けようとしたチェーンに討たれたが(その直後にチェーンも逆上したハサウェイに討たれる)、本作の劇場版ではどんな展開になるのか期待したい所である。



[登場機体]


Ξガンダム
サイコ・コミュニケーターブロックとミノフスキーエンジンを搭載した秘密結社マフティーの切り札。
メッサー一機の重量ぐらいは支えること出来る大出力と正確に敵を射抜くサイコミュのもあり、作中では多大な戦果を上げる。
れっきとした"ガンダム"だが、いかつい見た目と反連邦組織所属という事もあり、ケネスやレーンからはガンダムもどき扱いされた事もあった。
アナハイム・エレクトロニクスに秘密裏に発注し証拠隠滅は完璧であり、メカニックマンの調査でも劇中で、製造元はバレることはなかった。だがアナイム、引いてはガンダムと縁深いブライトには確信を持って見抜かれていた。
マフティーの台所事情により作業に用いられることもあった。

搭乗者はマフティー・ナビーユ・エリン(ハサウェイ・ノア)。


メッサー
マフティーの量産型モビルスーツ。ギラ・ドーガの流れを汲む。


ペーネロペー
大出力のミノフスキー・クラフトを装備しガンダム系の名残を残したモビルスーツ。
外装であるフライング・フォームを維持する時のミノフスキー粒子を散布するパーツを外しても飛行することが出来、最後の白兵戦ではその能力を十分発揮しΞガンダムに喰らいついた。

搭乗者はレーン・エイム。


グスタフ・カール
連邦軍の量産型モビルスーツ。こちらはジェガンの系譜で主に地上用にチューンされた派生機。
他機より一足先にOVA版『UC』等でアニメ登場。仮にも最新鋭機なのにヤラレ役でな!


ギャルセゾン
ケッサリア
ミノフスキー・フライトができないMSの地上支援用輸送機。ギャルセゾンはマフティー機、ケッサリアは連邦機。
富野ガンダム作品に多く見られるいわゆる『ドダイ』だが、本来の輸送機としての役目の他、地上爆撃や対MS戦も行う等それまでの作品以上に活躍の機会が多い。


【ガンダムゲームシリーズ以外のクロスオーバーゲームでの扱い】

  • スーパーロボット大戦D』におけるシャアの反乱はアムロとブライトをシャアが拘束・軟禁し、サイコ・フレームの横流しを行わなかったことなどにより成功寸前だったが、(宇宙から見れば)地球消滅という異常事態が発生してアクシズも落着前に消滅して失敗。
    • 同時期に起こったOZのクーデターからミライと共にネオ・ジオンに保護されていた事が語られており、ザンスカールの襲撃を受けてブライトの承諾を得たミリアルドの助力によってグラナダ市へ避難するなど、クェスが無条件で生存することを含めて本作へのフラグがこれでもかとへし折られている。
  • スーパーロボット大戦Z』のジ・エーデル・ベルナルがこの作品を「一つの可能性」として示唆しているブライトとの会話があった。
    • が、続々編『第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇』において、クェスの生存によって本作へ繋がるフラグは折れており、原作再現はされなかった。
  • 2017年発売の『スーパーロボット大戦V』にて遂に参戦。機体のみ参戦(ハサウェイはグラフィックのみ閃ハサ版というオリジナル仕様)との触れ込みではあったが、ペーネロペーに搭乗したレーンが登場。作中では二人の対決を軸に、ユニコーンも絡めた独自のシナリオ展開で話題を呼んだ。
  • というか、スパロボではほとんどの作品でクェスはハサウェイに関わることなく死んでるか、仲間になっているかなので閃ハサフラグはいつもひっそりと折れている
  • スパロボシリーズに参戦する以前、2003年発売の『SUNRISE WORLD WAR Fromサンライズ英雄譚』に本作が参戦した。なお、ストーリーは事情で未完結に終わったが、終盤でΞガンダムが登場した(しかもハサウェイがマフティーのノーマルスーツを着ている)。なお、ハサウェイは逆シャア時の姿のままであり、本作からのキャラクターはケネス(ストーリーには未登場)のみ。また、機体はΞガンダムのみだが、没データとしてペーネロペーも登場している。


Wikiがあるから、欲がある。wikiを編集する事も欲の一部にしちまうのが人間だろ

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最終更新:2021年04月17日 23:32