ガイア・ギア

登録日:2021/07/31 Sat 18:38:53
更新日:2023/11/05 Sun 01:42:27
所要時間:約 16 分で読めます







甦れシャア!宇宙は君を待っている!




【概要】

富野由悠季による小説作品。1987年から1991年にかけて角川スニーカー文庫より全5巻で刊行された*1
連載予告時は『機動戦士ガイア・ギア 逆襲のシャア』というタイトルだったが、連載開始から第5話までが『機動戦士ガイア・ギア』、第6話から最終話までが『ニュータイプサーガ ガイア・ギア』へとタイトルが変更。単行本では、ガイア・ギアへと名称が変更された。。

現時点では絶版状態で、オークションやショピングサイトなどから数少ない中古を入手するなどの方法でしか作品に触れる手段は存在しない。
上述した作品の入手難易度の高さからか、現在まで他のガンダムシリーズ作品との連動やゲーム出演などのメディア展開などは殆ど行われていないが、カトキハジメによる『GUNDAM FIX』などの画集や一部書籍などにおいて姿を見ることが出来る。

ガンダムシリーズ及び宇宙世紀シリーズの世界観の設定を利用した作品となっている。
時代設定は、「ネオ・ジオンとの戦争から100年後」「宇宙世紀0180年前後(推察)」、「宇宙植民を始めてから2世紀」など、曖昧な表現もあるがほぼ200年代であるということは間違いない。
デザイン関係には北爪宏幸や伊東守が参加しており、執筆者以外の関係者でもガンダムシリーズのスタッフが関与している。

【設定とシリーズにおける扱い】

本作に関しては上述したように絶版状態の長期化や複数メディアで展開されたことに加え、連載当時の事情などが絡んでシリーズでの扱いは非常に分かりづらい状況になっている。

連載終了から間もない90年代までは、各資料やメディアの紹介ではパラレル設定である同名のラジオドラマなどと設定が混同されることが多かった。
そもそもマイナー作品故に本作の設定を把握しているライターが多くなかったという事情に加え、小説版自体も連載時から設定面に関する変更が見られていたのも、設定の認識の混乱を招いた一因だろう。

また、本作の連載においてサンライズや創通と権利関係でトラブルが起こっていたことが著者である富野氏によって公言されている
ガンダムの©は全部僕以外のところにありますから、違う名前でやらなければならない」「作品中にガンダムという単語が出てくるから、この権利寄こせなんてことがあった」「機動戦士なんて付けると横槍が入る」といった当時のトークショーでの発言が雑誌『B-CLUB』において残されており、本作が連載時から時折表現や設定の変更が起こっていたのはこのトラブルの影響ではないかという推測が有力視されている。
このような作品外でのトラブルも「シリーズ作品として扱えるのか?」という疑問をファンや各メディアの間で生じさせていた。

上述のような事情から、作品に触れた事のないシリーズファンにとっては本作がどのような立ち位置に置かれているのかイマイチ把握出来ないという事態になっている。
しかし、2004年に双葉社のグレートメカニック誌において当時サンライズ企画開発室室長・井上幸一から「富野由悠季の書いた小説もオフィシャル作品、つまりサンライズ公式設定である」との定義が出されており、この認識に従えばガイア・ギアも明確な正史作品となる。
ただし、現時点までサンライズ及びバンダイが発表する宇宙世紀年表において本作の時代について言及されたことはない(後述のガンダムエースやサンライズの公認雑誌の年表に掲載された例はある)。

ガンダムエースにおいては、定期的に雑誌内で紹介される年表などでは本作について記載されている。
2014年には月刊ガンダムエース2014年11月号付録の「THAT’S ALL TOMINO」に『機動戦士ガンダム』や『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』と肩を並べ紹介された。

2018年には、『UC NexT 0100』プロジェクトが発足し、サンライズの小形尚弘プロデューサーはシネマトゥデイや一部メディアのインタビューにおいて「それこそ、『ガイア・ギア』までやるのか。それは僕も含め誰にもわかっていません。次の世代に受け継ぎながら、宇宙世紀を終わりまでやれる状況を作っていきたいということなんです」とガイア・ギアについて触れている。
雑誌『機動戦士ガンダムUC コンプリート・アナリシス』では、玄馬宣彦氏が「アニメで宇宙世紀作品を制作する場合は、F91以降の時代設定のガイア・ギアや漫画作品に敬意を持つ必要性がある」と語っており、今後の宇宙世紀新作においてガイア・ギアが配慮される可能性を示唆しているなど、現在では明確にサンライズ公式作品として認識されているようだ。

【他シリーズ作品との関わり】

本作は『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(以下、CCA表記)を最後に死亡したシャア・アズナブルの体細胞を利用したクローンが主人公であり、シャアが関与するシリーズ作品の一種の後日談及び実質的な完結編の立場である。
シャアの起こした隕石落としやそれが人の無意識の生み出したオーロラによって防がれた所謂『機動戦士ガンダムUC』で名付けられたアクシズ・ショックの出来事についても触れられた。
ただし、作品の発表時期はCCAよりも本作の方が先となっており、フィン・ファンネルやマン・ハンター、ミノフスキー・フライト、ミノフスキー・クラフトを搭載したモビルスーツなどの設定はガイア・ギアの方が初出となっている。

機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』では、不法居住者を逮捕する警察組織マン・ハンター、機体の中でミノフスキー・クラフトを装備してミノフスキー・フライトを行うモビルスーツが登場するなど、本作との各種の共通点が見受けられる。

機動戦士Vガンダム』では、本作の登場人物や出来事は登場しないが、小説版や設定資料においてマン・ハンター(劇中での呼称はマハだが)についての描写がある。
小説版の後半では連邦軍制式モビルスーツ、ジェイブスの登場など設定面ではこれからの時代の機体の大型化が匂わされており、ガイア・ギアの時代の機体サイズになっていくとも読み取れる動きが見られる*2
『VIEW OF THE MAN MACHINES』においては『V』においてメカニックデザインを担当したカトキハジメが『V』と本作の関連性について積極的に言及している。

機動戦士ガンダムF90 FastestFormula』(以下、F90FF表記)では、本作で登場したマン・ハンターの呼称がカロッゾ・ロナにより言及されたり、ヌーボ・パリでMSショウが開かれていた設定やゾーリン・ソールの機体要素がMSA-0120に使われているという設定を作るなど、他のシリーズ作品に比べれば積極的に本作の要素を取り入れている。

ガンダム Gのレコンギスタ』に登場するMSは、作品発表初期や設定資料では本作で登場した兵器の概念であるマン・マシーンとして扱われていた。
この設定は後に無くなっているが『アニメを作ることを舐めてはいけない -「G-レコ」で考えた事-』によると、ミノフスキー粒子の研究が進んだことでマン・マシーンが高性能化し、死語だったモビルスーツという概念が定着したという企画での案が語られている。

【ラジオドラマ版】

1992年には本小説を原案にした同名のラジオドラマが制作された。文化放送開局40周年記念とAMステレオ放送開始に連動して展開された。
アニメ及び小説『機動戦士ガンダムΖΖ』に参加した遠藤明範が脚本を執筆しており、時系列設定の再構築や一部物語展開の改変などが施されている。
当時の富野氏のイベントにおける発言によると、ラジオドラマ版のラストは小説版とは異なる展開になるように富野氏が書き換えたとのこと。
OP曲は「VOICE OF GAIA」、ED曲は「STAY WITH YOU〜星のように~」。歌唱はOP・ED共に市川陽子。

時系列設定の再構築によって小説版とは異なった世界観をしており、宇宙世紀0203年の物語と明確な年号が定義されている。
ガイアギアのサウンドトラック(1)のライナーノーツで遠藤明範によれば「『ラジオドラマ版ガイア・ギア』は『機動戦士ガンダム』の基本設定を踏襲してはいるが、ガンダムの歴史的流れとは交わらず、いわゆるパラレルに展開する作品」と断りを入れている。
ただし、『UC NexT 0100』に関する小形尚弘氏のインタビューや一部の書籍などで小説版がラジオドラマ版と同様の宇宙世紀0203年が舞台の作品として紹介されていたり、シネマトゥデイのようなサンライズ(現バンダイナムコフィルムワークス)と関係のないメディアでは年号に関してはラジオドラマ版の設定と混同されている様である。
また、ガンダムエースでは小説版とラジオドラマ版の設定を混ぜた年表が作られたことがあった(ただし、そのせいで整合性が不自然となっているために資料としての信頼性は低い)。

【あらすじ】

アムロ・レイやシャア・アズナブルが活躍した時期からおよそ100年以上が経過した200年代の宇宙世紀。
この時代では地球は一部の者を除いて居住が禁じられていたが、今なお多い不法居住者を地球連邦の秘密警察組織マハ狩り続けていた

その世界で南洋の島で長老のガバ・スーに育てられたアフランシ・シャアという青年は、幼馴染のエヴァリー・キーという少女と平和に暮らしていた。
しかし、嵐の夜にガバから宇宙に出るようにとの遺言を受け取ったアフランシは、宇宙に上る決意を固めてホンコンへと旅立つことになる。
孤児として育てられたアフランシの正体は、かつてスペースノイドの独立戦争で英雄となった伝説の人物であるシャア・アズナブルの記憶を持つクローン人間だった。

反地球連邦組織「ズィー・ジオン・オーガニゼーション/メタトロン」に合流したアフランシは、マハとの戦いに身を投じていくことになる…。


【主な登場人物】

※ここでは、小説版・ラジオドラマ版の両方に登場した人物を中心に記載する。

南太平洋の環境保護区

  • アフランシ・シャア
CV:横堀悦夫
本作の主人公。南太平洋の島で孤児として平和に暮らしていたが、その正体は「シャア復活計画」によってシャア・アズナブルの細胞そのものを分割して再活性化させる実験で誕生したクローン。
表層の意思はアフランシのものであるが、深奥の意思にはシャア・アズナブルが存在している。
深奥にいるシャアの意思は、アフランシとは別の思考をしており、時折、アフランシに話かけるが、その声はアフランシに聞こえないため、過去のガンダムシリーズでいうカミーユ・ビダン、クェス・パラヤのように他者の意思に振り回されることはなかったのである。
育ての親ガバ・スーの遺言もあるが、星々の光に刺激されアフランシの記憶巣にある膨大なセル・チップが目覚め、過去の記憶の集ったものが視覚現象として現れる体験を得たことで宇宙に旅立つこととなった。そして、反地球連邦組織ズィー・ジオンの総帥として迎え入れられ、彼は組織名をメタトロンへと改名するのだった。
容姿や操縦技術やカリスマ性、完璧主義な性格などシャアから受け継いでいるが、自分自身の存在に固執しカリスマ性をもったシャアという人物を楽しんでやってみせるという部分が皆無な事をメタトロン上層部に察知され、暗殺者を送り込まれることとなった。
許嫁のエヴァリーに対する愛情は本物であり、宇宙に上がり第二のシャアとして祭り上げられる不安定な立場に置かれてしまった状況もあるが、地球に置いてきてしまったエヴァリーに会えない寂しさからコクピットで自慰をしてしまうほどであった。しかし、それで一切の悩みを振り切ってズィー・ジオンのリーダーとしての演説をこなすなど強靱な精神力を持っているのも事実である。
アムロやハサウェイといった小説の主人公の例に漏れず、彼も劇中で最強でありマシーン戦では無敗である。
アフランシ(Affranchi)とは、かつてのフランスの法律用語で、自由人や解放された奴隷を意味するが、劇中においても、トルース・シュトロンガーよりアフランシ・シャアとは自由になったシャアという意味だと教えられるのだった。
ラジオドラマ版では、メモリークローンという設定になっており、性格などの人物像も小説版とは微妙に異なるキャラとして描かれている。

  • エヴァリー・キー 
CV:岡村明美
アフランシの幼馴染兼恋人の少女。外見は褐色肌の美少女。
性格は基本的には純真でアフランシを強く愛しているが気性が荒い一面もあり、ぶっ飛んだ発想でアフランシの殺害を計画するシーンは必見。
アフランシが島から出ていくまでの流れで彼と別れることになるが、後に色々な経験を積んでエヴァリーも成長していくことになる。

  • ガバ・スー
CV:山内雅人
孤児とされていたアフランシを育てた老人。遺言としてアフランシに宇宙に上がるように伝える。
ラジオドラマ版ではアフランシとエヴァリーの結婚に反対しており、物語ラストでも登場する。
アフランシの育ての親だが実子が大量におり、機械好きな子供が多い。

メタトロン

  • アザリア・パリッシュ
CV:麦人
メタトロンの少将の老人だが、組織を巨大な反地球連邦組織に成長させた経歴を持つ実質的な指導者。
教条的な思考を持つ人物でシャアに対しての心酔からアフランシに強い期待を抱くが、それを拒否した彼に対して失望を深めていくことになる。
ラジオドラマ版ではメタトロンに参加する以前は地球連邦軍の軍人だったと設定されている。

  • ミランダ・ハウ
CV:平野文
メタトロンのメンバーの女性で、ホンコンではバアム・ゼーゲンの秘書としてアフランシに接触した。
キャリアウーマン的な人物で、父親が連邦政府の特権階級と言う家柄ながらもシャアへの憧れからメタトロンに参加した経歴を持つ。
アフランシのサポートをするが、結果的にミランダの存在はアフランシの心理に大きな影響を与えた。
ラジオドラマ版ではシャア・コンティニュー・オペレーションの責任者とされており、アフランシの代理母の可能性が示唆されているなどかなり小説とは異なった設定となっている。

  • マドラス・カリア
CV:新井一典
メタトロンのメンバーの中年男性。運搬船スパシアス号の船長として勤務している。
フランクな態度の人物でアフランシにも好意的に接しているが、後に批判的な態度も見せている。
ラジオドラマ版ではメタトロンの中でも柔軟な思考ができる人物として描かれ、アフランシの理解者となっていた。

  • グレン・コールディル
CV:西村知道
メタトロンの作戦参謀の長身の士官を務める大佐でパリッシュの部下。
シャアのクローンとしてアフランシを見てはいるが彼には好意的な姿勢を見せており、アフランシとメタトロン上層部の調整役的な役割を担う。

  • ミッシェル・エーケン
CV:堀本等
メタトロンの航海士でスパシアス号を操縦している男性。機体の整備なども担当している。
基本的には好漢と呼べる人物で、地球に対しても環境汚染問題に対しての知識から意見を述べている。

  • クリシュナ・パンデント
CV:弥生みつき
メタトロンのメンバーの女性。サイド2のスラム街の出身だが、本人的にはコンプレックスに感じている。
複数の人種(インド系)の混血らしく、白人の王として作られた意図のあるアフランシとは対照的とも言える。
対立するウルに興味や関心を抱いて関係を持ち、成り行きからマハに荷担してしまうなど、迷走とも呼べる状況に入っていく。
ラジオドラマ版ではシャアへの憧憬の設定の追加やアフランシへの恋愛的感情が描かれ、ウルのヒロイン的なポジションに置かれている。

  • メッサー・メット
CV:山寺宏一
サイド2で不良グループとして活動しているチンピラの男性。知り合ったアフランシと心を通じ合わせて仲良くなる。
後にメタトロンに引き渡されたパイロットとして組織に参加し、一旦は組織からの脱走を試みて連邦に接触するが、マハの実態を知ったことで復帰する。
ラジオドラマ版ではクリシュナの幼馴染という設定。最初は適当な姿勢で組織の活動をしていたが、後に成長していくことになる。

  • レエ・セイアス
CV:高山みなみ
メッサ―と共に不良グループに参加していた女性。気付いた時から孤児だった。
メタトロンに引き渡されたことでマン・マシーンのパイロットとなり、その経験の中でアフランシに親近感を抱くようになる。

  • ケラン・ミード
CV:難波圭一
根っからのマン・マシーン好きなパイロットの青年。向こうっ気が強い性格だが、パイロットとしての腕は一流クラス。
マン・マシーンの操縦が可能ならばどこの組織に所属していても構わないという気質で、メタトロンに参加したのは官僚が嫌いだからという理由。
ラジオドラマ版では元は連邦にいたとされており、面倒見の良い気さくな一面が強調されている。

  • ジョー・スレン
CV:古本新乃輔
マン・マシーンのパイロットを務める青年。ラジオドラマ版では組織に参加する前は平凡な大学生だったとされる。
生真面目だが教条主義的な一面も見せる性格で、クリシュナに恋心を抱いている。

マハ

  • ウル・ウリアン
CV:森川智之
マハの少尉でマン・マシーンのパイロット。素質を見出されてマハに入隊しており、ダーゴル大佐には心酔している。
外見や表向きの言動は物腰の柔らかい好青年だが、本性は暴力的で冷酷な人間という二面性を抱える。
生まれながらに優れた血筋とパイロットとしての実力を持つアフランシのことをライバル視するようになる。
ラジオドラマ版ではスラム出身とされている。

  • ビジャン・ダーゴル
CV:中田譲治
マハに所属する大佐。サイド2のヘラス政庁のマハを束ねる司令官として働いているが、内心では出世と連邦政府の改革を企んでいた。
白人至上主義に基づく地球逆移民計画を立案しており、エリートによる地球の管理と人口の調整を行う独立国家の建国を夢見た。
裏工作などの政治的手腕に優れている一方で、ワーグナーの美学への異常な心酔やかなり性格の悪いサディストな側面を持っている。
ラジオドラマ版では人間性が優れたカリスマ的人物へと改変されており、小説版で見せた地球への感想や人種に対する歪んだ思想とは真逆の様子を見せている。

  • マリーサ・ナジス
CV:山田栄子
ダーゴルの副官を務める士官の女性。マン・マシーン部隊の編成などを担当している。
ダーゴルとは肉体関係を持っている愛人的立場でもあり、ラジオドラマ版では捕虜となったエヴァリーへのダーゴルの対応に渋い表情を見せる場面もあった。

  • ハリー・スェームズ
CV:谷口節
マハ・ゲイジスの艦長。部下に対して寛容な態度から慕われており、ウルのことも可愛がっていた。
ダーゴルの能力についてふと疑問を抱いた描写がある。
ラジオドラマ版では出世への野心を見せるウルよりもジャン・ウェン・フーを信頼している設定になった。

  • ジャン・ウェン・フー
CV:中原茂
ホンコン・マハからギッズ・ギースを移動させに合流した指揮官の男性。
パイロットとしての腕は一流で任務に政治的意図を持ち込まないタイプの人物でもあり、ダーゴルにも臆することがない豪胆な性格。
ダーゴルからは実力は評価されている一方で、白人至上主義の価値観を持つ彼からは東洋人であることを理由に信用されていない。
ラジオドラマ版では地球への絶望心やスペースノイドに対するコンプレックスを抱えているが、出世欲がないことからダーゴルなどからは信用されているという設定。

民間人

  • エントー・シスメシア
CV:藤夏子
ヘラスでアフランシが出会った中年らしき女性。占い師で近辺では名前が通っているが、白内障になってしまっている。
アフランシを占いで捨て子と断定して彼のこれからを諭したが、マハの爆撃からアフランシと避難する最中で行方不明となってしまった。
ラジオドラマ版ではクリシュナの育ての親という設定になっており、アフランシを占っていない。

その他

CV:池田秀一
ジオン・ズム・ダイクンの遺児である男性で、およそ100年以上前に、人徳とニュータイプとしての才能を使って、地球を汚染するかもしれなかった隕石の激突を回避させ死亡したスペースノイド独立の英雄。
アフランシは彼の細胞そのものを分割して、再活性化させる実験により誕生した。
100年以上も経っている為、当然ガイア・ギア本編では既に死亡しており故人なのだが、アフランシの中で深奥の意思として存在しており、表層意思を担当するアフランシへ時折呼びかけるが、その声が彼に届くことはない。
また、ガイア・ギアαの命名者であるなど、死後もその影響力は留まる事を知らない。


【登場機体】

メタトロン

ガイア・ギアα

メタトロンが極秘に開発したマン・マシーンでガイア・ギアシリーズの初号機。ガイア・ギアにおける主役機でアフランシの専用機体。
その命名には「地球と宇宙・地球に生息する命全てを繋ぐ」という命名者の理想が込められており、作中ではシャアの意思の可能性が示唆されている。
多くの火力兵器と変形機構による飛行形態を所持している。
ホビージャパンの設定では、サイコフレーム方式のサイコミュを搭載することによって機体の追従性を極限に高めているということになっている。

ゾーリン・ソール

ホンコンの廃ビルに保管されていたモビルスーツ。アフランシが初めて乗り込むマシーンである。
連載初期はモビルスーツという設定だったものの、小説の登場機体群が途中から全てマン・マシーンに変更になったこともあり、この機体も例外ではなくマン・マシーンという設定になった。また文庫版では最初からマン・マシーンということになっている。
遺産としてアフランシに譲渡された後、ズィー・ジオンに合流後はアフランシがガイア・ギアαに乗る事になった事情もあり、メッサー・メットの愛機となった。
ホビージャパン誌の独自設定では、マフティー動乱後に製造された第五世代モビルスーツということになっている。
ラジオドラマ版ではメタトロンが製造していた旧式のマン・マシーンの設定になっている。

◆ドハディ

メタトロンが運用する量産型マン・マシーン。
メンテナンス性の高い機体構造とオプション装備による低コストでの多機能性を実現している。

◆ガイヤス(ガイアス)

ドハディに続くメタトロンの量産型マン・マシーン。
高級試作機であるガイア・ギアαの機能を整理し、戦闘兵器に徹した性能に変更した。
ガイア・ギアαにおけるサイコミュや変形機構は排除されているが、装甲やジェネレーターの性能が強くなっている。

マハ

ガウッサ

連邦軍やマハが運用している量産型マン・マシーン。
運用上はかつてのジムやジェガンの立場ではあるが、GM系列のモビルスーツとは異なる系統の新世代の汎用量産機として設計された。
連邦軍の「どんな局面でも高性能で使えて製造コストが安い全領域型の汎用兵器作れよ」という無茶な注文に対し、開発スタッフは「用途で使い分ける多数のオプションを同時に開発して、機体はそれらオプションのコアにする」という発想で対応した。
開発費は高騰する事態となったが、結果として要求に応じたコストパフォーマンスの良い機体として完成度が高い。

◆ブロン・テクスター

マハが地球逆移民計画に備えて開発したマン・マシーン。後に量産型へと移行し、改良型も開発された。
装甲の防御力や旋回性能に優れており、ファンネル兵器も搭載できる。
改良型ではψ-サイクル核融合炉の採用やメガ粒子砲の増設などが行われている。

◆ギッズ・ギース

ホンコン・マハが独自に開発した新型マン・マシーン。
強固な装甲による外観に反して空中戦の性能が高く、ファンネルやメガビームランチャーを装備している。
特にこの機体の最大の特徴はψ-サイクル核融合であり、従来のジェネレーターよりも35%も出力が向上した革新的な新型ジェネレーターとなっている。
この機体の存在は、環境保全活動などによって後進した地球上の工業生産力や技術力が低いという見解を破壊することになった。

その他

ギャプラン

アフランシの住んでいた島に流れ着いていたモビルスーツ。連載時の月刊ニュータイプ誌によれば「ロザミアの乗機とは考えすぎ?」という記述がある。
少なくとも製造から100年以上は経過しているので使えそうな状態ではなく、挿絵で確認できる機体色も深い緑色になっている。


【立体化物】

G-SAVIOURとは異なり、権利関係などの問題からか、プラモデルなどの玩具展開はされていない。1991年にビルドアップからガレージキットが発売されたことがある。
ガレージキットの発売時はホビージャパンで特集が組まれており、ゾーリン・ソールなどの機体の独自設定が作られた。

月刊ニュータイプ誌では、連載初期には読者投稿によるメカデザインデザインコンテストが開催され、1000通の応募があったとされる。
富野氏は応募者に「斬新なメカデザインを」と訴えていたが、優秀作は全部チェックして評していたとのこと。





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最終更新:2023年11月05日 01:42

*1 厳密には第1巻初版は角川スニーカー文庫創設前のため「角川文庫」からの出版。

*2 そもそもアニメ版でもザンスカール帝国のMSでは一年戦争基準の機体サイズに回帰している兵器が見られるなど、小型化の時代の終わりが近づいていると解釈できる