登録日:2023/08/04 Fri 06:11:30
更新日:2024/12/25 Wed 11:13:18
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天を突き高くそびえたつこの城を、人はたけし城と呼ぶ。
今まさにこの城をめぐって、
壮絶な戦いの火蓋が切って落とされようとしていた!
今日もまたたけし城を攻め落とさんと、
谷隊長率いる100人の攻撃軍が攻め込んできた。
さあ、今回こそ憎きたけしを打ち倒すのだ!!
『痛快なりゆき番組 風雲!たけし城』とは、1986年から1989年までTBSテレビで制作・放送されていたバラエティ番組である。
通称は「たけし城」。
本項では2023年に同じTBSが制作し、Amazon Prime Videoで配信された復活版についても記述する。
●目次
概要
一般応募で集められた約100人の挑戦者が『
たけし城攻撃軍』となって、
横浜市にある緑山スタジオに建設されたたけし城を陥落させることを目指し、様々なアトラクションやゲームに挑戦していくというもの。
当初は「人生ゲーム」の実写版というコンセプトで企画が始まり、その後前年に発売され大ヒットを巻き起こしていた『
スーパーマリオブラザーズ』の要素が多数取り入れられ、番組のフォーマットが完成した。
城という設定は、たけしがたけし軍団から「殿」と呼ばれていたことに由来する。
アトラクション系視聴者参加型ゲーム番組の元祖と呼べる存在で、同じTBSでは『
SASUKE』や『東京フレンドパーク』、他局では『VS嵐』や『
炎のチャレンジャー』など各種類似番組を生み出した。
また、世界159カ国に番組フォーマットが販売され、中には
オマージュ番組を作るテレビ局も存在したほど。
そしてオマージュしすぎてTBSから訴えられた局もある。
現地版が制作されたり、番組初放映から30年以上経過した近年でもTVゲーム『
Fall Guys』のモチーフになったりするなど、日本国内にとどまらない影響力があったことでも有名。
1989年に終了し、その後単発で復活したのち『SASUKE』等に取って代わられる形で姿を消していたが、2023年に前述のアマプラの配信版として復活。復活版はたけし・谷を除いた出演者が一新されている。
なお、キー局制作の番組ながら自社系ではなくアマプラでの配信となったのは、海外への売り込みを狙ったものとされている。
この他、地上波版についてはTBSチャンネルで不定期に再放送が行われている。
また、アマプラにも令和版の宣伝ということで10本ほど配信されているが、こちらは何故か落城した時の物が多い。
登場人物
攻撃軍
【攻撃隊長】
行く手には数々の難関が待ち構えているが、全力を挙げて頑張ってほしい! いいな!?
虎や龍の派手な刺繍が施された派手な
軍服を身に纏う攻撃隊長。
各難関へ入る前に挑戦者を鼓舞したり、難関へ挑戦する際「
行けぇっ!」と突入タイミングを指示したりする
、別名緑山のイケイケおじさん。令和版のはまだお兄さんでいけるくらいの齢だと思うけど……。
そして勝率が低いせいで、谷が他局で地球を守る光戦隊を率いることになった際にたけしから盛大なツッコミが入ったのは別のお話。
各難関の審判役も兼ねており、攻撃軍の参加者が無惨に敗れるとホイッスルを鳴らして失格を知らせるのを始め、ルール的に怪しい行動のジャッジをしたり、イマイチ進み方を解っていないと思しき参加者にはアドバイスをしたりして、全体的な
ゲーム進行を担う。
実は、谷隼人は元々たけしの家臣だが、部下の柳沢慎吾と共に謀反を起こして城を乗っ取った為、たけしが攻撃軍隊長となり視聴者とたけし軍団が協力して奪還を目指す……というのが『風雲!たけし城』当初の内容だった。
だがスケジュールなど諸々の都合により、谷が攻撃側、たけし軍が防衛側という今の構図に収まっている。
その後も実は『谷城』の城主であることや、部下に柳沢が居ることなどは設定として残っており、攻守逆転がテーマのスペシャル回では前述の初期設定通りに城主役を務め、奪還に来たたけし軍団を迎え撃った。
谷は復活版でも登場しており、たけし以外では地上波から唯一続投したレギュラーである。
余談だが谷は2019年から地方ラジオ局で放送される「通販!なりゆき番組 隊長@谷隼人の風雲ラジオショッピングぅ」なる
タイトルを堂々とパクった番組を持っており、
BGMにも本番組のテーマ曲が使用されている。
【攻撃軍】
『TBSテレビ たけちゃんと遊ぼう』係にハガキを出し、わざわざ緑山までやってきた一般参加者の皆さん。
1回につき100人前後が参加し、多い時は120人ほどが参加したことも。
割と気軽に参加できたらしく、自分の店の広告がてらに社名や店名の入った服で出る者や、学校の卒業記念に出てみたり、コスプレをして参加したりするような不埒者も結構多い。中にはたけし軍団なのにこっそり攻撃軍側で出るガチな不埒者までいた。謀反か?
そして皆一様に泥だらけになったり、派手にすっ転んだりなど、盛大に体を動かしてたけし城に挑戦しては帰っていくのである。
一般人以外ではTBSや系列局、果ては他局のアナウンサーも登場したほか、当時無名だった漫画家の
青山剛昌(『
名探偵コナン』の作者)や臼井儀人(『
クレヨンしんちゃん』の作者)、後に北野映画の常連となる俳優の寺島進も攻撃軍として出場した事がある。
令和版でも海外から本家に参加するために来日した人々や、昭和版の参加者、SASUKE参加者(完全制覇者含む)などバラエティに富んだ精鋭達が挑んだ。
【戦場レポーター】
難関の紹介や挑戦者へのインタビュー、そして現地でのミニコントなどを行うレポーター役。
ミニコントではたけし軍と攻撃軍の戦いの巻き添え……という名のリアクション芸に挑戦する羽目になるのがお約束。
初代戦場リポーター。いつものハイテンションキャラは封印し、正統派な戦場リポーターとしてシリアスに徹する。
その正体は前述の通り谷隊長の家老。スペシャル回では城主となった谷の側近として、第一砦の守備隊長やカート戦に参加した。
柳沢慎吾が降板した後、長きにわたってリポーターを担当。
今では怪談のおじさん(兼工業デザイナー)として有名だが、当時はリアクション芸人の代表格で、ミニコントでは宙吊り、放水攻撃、爆破……と散々な目に逢うのが定番だった。
復活版では三四郎・東京ホテイソン・なすなかにし・AMEMIYA・モグライダー・ドランクドラゴン鈴木が担当。
たけし軍
【城主/殿】
当時の芸能界の大暴君にして、たけし城を構える
凶暴な男。
攻撃軍の挑戦の模様をモニターしてイジりつつ、マシンガンのように繰り出すボケで家臣を困惑させる。
また最終戦では自らカートの運転を操縦し、マシンパワーを引き出して参加者を翻弄するなど、本気になって攻撃軍の相手になってくる。
フライデー襲撃事件の謹慎期間中はたけしくん人形という着ぐるみが代理で登場し(スーツアクターはラッシャー板前)、家老がジェスチャーで通訳を担当していた。
復活版では当初行方不明ということになり、配下の城主が代わりに攻撃軍の相手をすることになる。
また、たけしの思考を忠実に再現したという掛布雅之のモノマネが得意な『AI殿』が代理としてたけしっぽいコメントを行うが、くだらなすぎてすぐ消され出番終了となるのが恒例。
- 上田晋也(くりぃむしちゅー)
- 渡辺直美
- 市川猿之助
復活版に登場した、それぞれ上田城、渡辺城、猿之助城の城主。たけしの代理人として攻撃軍の相手となり、最終決戦では直接生き残った参加者との対決を行う。
子供の頃見ていた『風雲!たけし城』を懐かしみつつも、パワーアップした各関門の内容に驚いたり、番組の成り行き任せな進行にツッコんだりしつつ攻撃軍の様子を家老と共にうかがう。
なお、城主のうち一名は配信開始直後に芸能史に残る大事件を起こして奉行所から死罪の言い渡し‥ではなく警察のお縄となってしまった。配信は続けられているが今後の扱いについては未定。
【家老/三太夫】
- 初代:石倉三郎
- 二代目:東国原英夫之守三太夫Jr.(当時:そのまんま東、現:東国原英夫)
- 三代目(復活版):バナナマン
城主につき従う腹心。モニターを行うたけし軍側の進行役で、城主の繰り出すボケに突っ込んだり呆れたりするのが仕事。
しかし時には無茶振りに付き合わされ体を張る事になる時も。
【たけし軍団】
- ガダルカナル・タカ、つまみ枝豆、松尾伴内、ダンカン、ラッシャー板前、グレート義太夫、井手らっきょ、大森うたえもん、etc...
たけし軍の大半を占める、
ビートたけしの弟子芸人たち。
各難関で攻撃軍の相手となり直接対決したり、攻撃軍がゴールまでたどり着いたり、目標を達成したりするのを妨害したりする。
また、たけし軍団の構成員ではないものの、島田洋七や城みちる、
ポップコーン(お笑いコンビ)などの芸能人が関門の主として攻撃軍の前に立ちふさがる。
復活版ではたけし軍団の出演は無く、芸人やグラビアアイドル、スポーツ選手や
オードリー春日など各界から集められた猛者達が防衛側に配置されている。
【悪魔たち】
- ストロング金剛、丹古母鬼馬二、亜仁丸レスリー、etc...
プロレスラーや元野球選手などの体力勝負要員。奇怪なメイクやコスプレをして攻撃軍を追い回すのが主な役割。
反撃を試みる参加者もいるが、大抵返り討ちにされて池の中やその辺に投げ出されるのがお約束。
身長約3mの巨大な鎧武者型の着ぐるみ人形。名前は何と視聴者からの公募である。
元々はその名前の元ネタであるドリフターズ(メンバーの一人が「荒井注」)が出演していた番組、『
8時だョ!全員集合』のコントに登場した『ジャンボマックス人形』の改造品。
その他
【ナレーション】
番組の案内役にして影の進行役を務める
天の声。と言っても直接他の出演者とやりとりしたりはしない。
攻撃軍贔屓で、常に一般参加者の味方という立ち位置でナレーションを行い、
番組の最後にはその回に参加してくれた全ての挑戦者への感謝を忘れない丁寧な男。
一方でたけし軍の繰り出すギャグやミニコント、谷隊長の言動は容赦なくイジる。
宮内氏は当時のTBSアナウンサーで、同局のテレビ・
ラジオのナレーションで活躍。
アナウンサーとしては珍しく顔出し出演がほとんどなかったが、ロン毛に口ヒゲを蓄えたアナウンサーらしからぬビジュアルだった。
復活版では同氏が既に亡くなったこともあり、講談師の神田伯山が担当。
【スタッフ】
たけし城の難関を考案し制作する、構成作家が中心となるスタッフ集団。
実はダンカンがたけし軍とこちらを掛け持ちで担当しており、竜神池などの難関を考案、世に送り出している。
また、たけし軍が不在となる不測の事態(たけし軍が攻撃側にまわる、たけし軍団の殆どがフライデー編集部にカチこむなど)が発生した時は、彼らが代わりにたけし城を防衛する。
番組のなりゆき
毎回100人前後の一般参加者がたけし城を目指して進軍する。
たけし城本丸までには関門・難関と呼ばれるアトラクションが存在し、これに失敗すると脱落となって次には進めない。最終的に全ての関門を攻略した参加者だけが本丸にたどり着き、城主たけしと家老、そしてそれを防衛する側近のたけし軍と戦えるのである。
……ということになっているが、実際は撮影時間や残り人数など様々な都合を鑑み、各関門ごとに一定人数が脱落したら残りの挑戦者は無条件に次の関門へ進めたという。また以前の関門で落ちたはずの人が次の関門にしれっと参加してたりするので、もしかするとスタッフに面白いと判断された人は暗黙の了解で敗者復活していたのかもしれない。その辺はタイトル通り成り行き任せの番組である。
ただし本丸前の最終関門まで残るのは大抵10人前後で、酷い時は2、3人、最悪1人しか残っていない時もある。
お情けの復活やあいまいな判定があっても早々簡単にはたどり着けない厳しい道である。
見事本丸にたどり着き城主たけしを打ち破れば『たけし城陥落』。その褒賞として打ち破ったただ1人に賞金100万円が与えられる。
また、各関門で派手な魅せプや成功者が居ない中目前まで迫るなど健闘したり、関門の防衛役であるたけし軍団や悪魔を巻き添えにして沼に落ちるなど、珍プレーでウケたりすると『敢闘賞』として10万円が贈呈される。
復活版では敢闘賞が賞金ではなく敗者復活権となり、前述の無条件合格や暗黙の敗者復活は無くなったように見える……が結局は敢闘賞もスタッフの匙加減なので、やっぱり成り行き任せの番組な事に変わりはない。
関門
攻撃軍が挑戦する関門の中でも印象的な物を紹介。
最初の関門
番組最初に行う関門で、基本的に攻撃軍参加者が一斉に全員参加する形式。
基本的に難易度は低いが、参加者同士が先を争う形式だと醜い奪い合いが起こる事も。
国境の壁/国境の関所/国境の坂
たけし軍領地の国境越えを行う関門。
国境の壁と国境の関所は垂直に立つ壁の縁を掴んでよじ登り、向こう側に行けばクリア。国境の坂は水の撒かれた坂を走って駆け上り切ればクリア。
壁登りの関門の場合は身長差がモロに有利・不利に出るが、他の人に持ち上げてもらったり支えてもらったりしてもOK。わりとルールは緩く向こう側に行ければいいので、脱落者はあまり出ない。
国境のパーフェクション
一斉に参加者が駆け出して大きなパズルのピースを拾い、その先に落ちているパネルボードの中からピースが上手くはまる穴が空いたものを探してはめればクリア。
中には対応するパネルボードがないダミーのピースもあったりして、最初の難関にしてはわりと難易度が高い。
銃撃戦の関門
初期は高圧ポンプでインクを打ち出す
水鉄砲『マグナムペンキ銃』、後期はセンサーに反応するレーザー光線銃でたけし軍団と打ち合いをする銃撃戦を行う関門。後述の城主との最終決戦も基本的にこの銃撃戦で決着をつける。
水鉄砲の場合は頭に
金魚すくいのポイのような的を装着し、これが
水鉄砲で破られると失格。光線銃の場合は的がセンサーになっており、これにビームが命中すると失格。
ちなみにたけし軍側もちゃんと的は装着しており、射抜かれたら参加者への攻撃をやめるようになっている。
第一砦
たけし軍が守りを固める砦へ攻撃軍が一斉に突撃。的を射抜かれないように砦をよじ登って向こう側に渡ればクリア。
挑戦前に隊長が「的を隠したりせず正々堂々やるように」と注意するが、まじめにそれを守る参加者はかなり少なかった。
水鉄砲が使用されなくなったと同時に当関門は廃止された。
第二砦
初期の頃にあった関門で、荒野のガンマンよろしくたけし軍と1vs1で打ち合い、勝てばクリア。
だがこの関門のリーダーである城みちるはともかく、「最新兵器」と銘打って動きづらい格好をするたけし軍が滅茶苦茶弱く、ついには影武者と称して城主や家老自らが参加するもあっけなくやられたため、早い段階で終了となった。
竜神池
竜神様が住むという池の上に浮かんだいくつもの飛び石を使って対岸まで渡ればクリア。
ただしこの飛び石のうち、その半分は固定されておらず踏むとそのまま沈んでしまうダミーとなっている。
バランスを崩したりダミーに引っかかったりして完全に池に落ちてしまうと失格だが、足が水に浸かる程度だったり、コケても固定された飛び石にしがみついて耐えればそれはセーフ。
スタート地点が下り坂になっており、隊長の「行けえっ!」という号令で駆け出すのでスピードが出た状態で池に突っ込むことになる。このためうっかりダミーの石を踏むと盛大にすっ転ぶことになりがち。
また、固定されている石でも端の方を踏んでしまうとバランスが崩れやすく、そのせいで池に落ちてしまう人も多い。
自由への壁
壁の穴に埋め込まれた4つの扉型ボードのうち1枚を選んで体当たりし、体当たりで突き破って向こう側に進む。これを繰り返して4枚の壁を越えればクリア。
ただし破れない固いボードや、破ってもその先に採り網が貼ってある罠があり、それに引っかかると失格。
また道中によろい注が現れるポイントがあり、追いかけて捕まえてこようとするほか、挑戦者が罠にかかるとボコボコに殴ってくる。
令和版の方は罠に引っかかっても鬼に捕まらなければセーフとなっていた。
実は初期のころは竜神池をクリアした直後に連続して挑戦する関門として登場していた。
ジブラルタル海峡
山間の谷に張られた4点吊りの細く長い吊り橋を、スタート地点で隊長から投げ渡される
金の玉を持ちながら渡って向こう岸まで辿り着けばクリア。谷底に落ちてしまうと失格。
もし金の玉を落としてもスタート地点まで戻れば2回までなら再び投げ渡してもらえる。
ただし、橋を渡っている最中(正確には金の玉を持っている間)は
バレーボールの投球マシンを改造した迫撃砲による攻撃が参加者に対して執拗に行われる。
金の玉を持っている関係上、橋を掴んで耐えながら進むことはできない。不安定な姿勢の時に迫撃砲が当たるとバランスを崩して谷底に真っ逆さまなので、飛んでくるボールを見て瞬時に避けるか安定する姿勢を取るかの判断力も要求される。
後述の人喰い穴の手前の関門となる事が多い。
復活版では登場した大林素子が、この最初の金の玉を受け取る際、元バレーボール選手故に条件反射でレシーブしてしまうというコントを演じていた。
キノコでポン!
池の上に張られたレールを回転しながら滑り落ちる
巨大なキノコにしがみついて耐え、池に浮かぶ浮島にタイミングよく着地できればクリア。池に落ちると失格。
取っ手として手をかけられるのはキノコに1か所だけ空いた穴だけで、必死にホールドしなければ
遠心力で簡単に振り落とされてしまう。
それでなくともぐるぐる回りながらピンポイントで手を離してしかも着地という難易度から、令和版でも成功者は数えるレベルだった。
この関門名も視聴者公募によって決まったものだが、元ネタの『
笑ってポン!』は本番組と同じスタッフが以前制作した伝説の短命番組のこと。
スターボーリング
いわゆる「人間ボウリング」。10人1組で挑戦。
まず最初に、各個人のピンの位置を決めるくじ引きを行う。1~10の数字が書かれており引いた数字がそのまま立つことになるピンの位置になる。1を引けば先頭となる1番ピンになるので、高確率で倒されやすい。
位置が決まったら、いよいよ投球へ。投球を担当するのは、中山律子、岩上太郎といった日本のボウリングブームを牽引したプロボウラーや、城みちるなどが担当。巨大なボールを坂の頂上から転がし、ピンになった攻撃軍はボールがぶつかっても倒れなければクリア。もちろん倒れたら失格となる。
これは玉RUN
登り坂に設けられた溝のような通路の中を登っていき、頂上にある玉RUN砦(旧・第二砦)に入ればクリア。
ただしたけし軍がこの通路に大小2種類の岩を転がしてくる。小さい方はひざ丈くらいの大きさで、大岩の方は通路を丸ごと塞いでしまうような大きさ。
大きい岩にぶつかったり(小さい岩はぶつかってもセーフ)、バランスを崩して一番下まで落とされてしまうと失格なので、通路に用意された退避所を利用してうまく大岩をすり抜けゴールを目指すことになる。
後にこの関門のリニューアル版「すまきで玉RUN」も登場したのだが、セットの火災により焼失して1度きりの登場となってしまった。まさに「不運!たけし城」……
悪魔の館
同じ形状でできた部屋がいくつも集まってできた館に入り、出口から脱出できればクリア。
館の中には前述の悪魔たちが潜んでおり、見つかって追いかけられ、捕まると顔に墨を塗られてしまい失格。
また館の周りに池が掘られており、そこへ通じる扉を開いて進み落ちてしまっても失格。
最初は四角形の12部屋で、悪魔はストロング金剛と丹古母鬼馬二の2人だったが、後に六角形の18部屋になって亜仁丸レスリーが3人目の悪魔として追加された。
池に近い部屋で悪魔に捕まると、顔に墨を塗られた上で池に投げ込まれるのがお約束。また、池に通じる扉に突っ込んで落ちそうになったものの、部屋の柱を掴んで別の部屋に逃げ込むしぶとい挑戦者も居た。そして悪魔に池に落とされる際、悪魔を道連れにした参加者に賞金が贈られたこともあった。
また、館の壁の上に乗って強引にクリアするのはルール違反のはずだが、これを行ってクリア扱いになった参加者が2人もいる。
そして親子大会やカップル大会では片方が館に入り、もう片方が館の上からナビゲートするスタイルを執り、番組終盤でもこのスタイルが定番となった。
まわってビーチボーイズ&ギャルズ
円を描くように周回するサーフボードの上に乗り、突き出たウーパールーパーの模型など障害物をジャンプで避けてゴールまで渡ればクリア。障害物に当たって池に落ちると失格。
途中には島田洋七扮する島娘が待つ浮島がある。サーフボードはこの浮島の下をくぐるルートで動くので、一旦ボードから降りて浮島に乗った後、タイミングを見計らってもう一度乗らなければならない。うっかり乗りそびれると洋七にドツかれて池に落とされる。
元々、一直線に進むサーフボードの上に乗って障害物をジャンプで避ける『ビーチボーイズ&ギャルズ』と、回転する平均台の上を渡っていく『まわってコマネチ(まわってコマネチ2)』という関門があったのだが、諸事情で短期終了したため合体してみたら人気が出たという経緯がある。
アドベンチャーゾーン
ローラーゲーム
池の上に並んだ7つの巨大ローラーの上を飛び移りながら真っ直ぐにゴールまで渡ればクリア。池に落ちると失格。
『
怪獣大戦争マーチ』が
BGMとして使用されており、この番組がきっかけでこの曲を知った視聴者もいるだろう。
ルールは関門の中でもかなりシンプルな部類だが、難易度はかなり高い部類とされる。
街かどテレビ
スナックバーのようなセットの中で、ランダムに選ばれたカラオケの歌を歌詞を見ずに歌えればクリア。
失敗するとヤクザのような判定役によってつまみ出されて(後半では顔に墨を塗られて)失格。
当時同局及び一部系列局で放送されていた歌謡コンテスト番組『街かどテレビ11:00』のパロディ企画で、同番組のMCでもあった大木凡人が出演したこともある。
『
ウッチャンナンチャンの炎のチャレンジャー これができたら100万円!!』の「カラオケ歌詞を見ず一曲完璧に歌い切ったら100万円」の先祖と言えるかも知れない。
ストロングアーム
復活版で登場した新関門。回転する3つの巨大アームを避けながら布の橋を渡り切ればクリア。アームに弾き飛ばされて橋の下に広がる池に落ちると失格。
さらに追加ルールとして全体に泡がまき散らされることもあり、こうなるとスリップが多発して普通に進むのも難しい。
ブロックブロック
復活版で登場した新関門。回転する丸、三角、十字、星型のブロックの上を跳び移ってゴールまで行ければクリア、ブロックの下に広がる池に落ちたら失格。
回転するブロックはかなり大きく、特に十字や星型のブロックは突起があるので、回転に逆らって乗り越えるのも一苦労。ちなみにブロックを回転させるモーターはわざわざ海外に発注したという特別製。なお、後にモーター製作費の元を取るためかこの関門の縮小版『ツインダイヤ』がSASUKEのエリアとして登場した。
人喰い穴
必ず最終戦前に行われる最後の関門。たけし城本丸に繋がる秘密の抜け道を通るため、5つの穴の中から1つを選んで入る。
ただし穴のうち2つにはたけし軍が誇る武道家である大念寺誠と渡嘉敷勝男が刺客として潜んでおり、彼らに出くわしてしまうと失格。
……要はセーフ確率3/5の運試しである。
開始前に大年寺と渡嘉敷がそれぞれ技を披露し模擬戦闘を繰り広げるのが恒例だったが、なぜか次第にコスプレをしてミニコントを行うようになり、最後は一発ギャグ『違うでしょっ!』でオチを作る為だけのコーナーと化してしまった。
最終戦
カート戦
これからたけしとの最後の決戦が待ち受けている!気合いを入れて頑張ってほしい、いいな!
しかしですな殿、こちらも戦いの準備は万端ですから。まあ負けることはないでしょう
たけし城本丸前で行われる、攻撃軍vsたけし軍の最終決戦。
カートに乗った状態で銃撃戦を行い、たけしの乗る戦車の的が射抜かれればたけし城陥落。射抜いた挑戦者に賞金100万円が贈呈される。
逆にたけしが無事なまま攻撃軍が全滅するとたけし軍勝利。谷隊長が反省の弁を述べながら敗走する。
攻撃軍側のカートは基本的に1人乗りで、操縦と銃撃を1人が両方行わなければならない。谷隊長は
水鉄砲式の時は判定役を行う為参加しないが、光線銃式の時は機械的に判定されるため専用カートに乗り込んで自ら銃撃戦に参加する。
カートは当初は最大6台であったが、後に10台に増えた。カート戦参加者がカート数よりも多かった場合は1台に複数人が乗る事になる。
たけし軍側のカートは通常のカートが5台、城主専用戦車が1台。基本的に操縦役と銃撃役が1人ずつ乗り込む2人乗り式で、この時点でまず攻撃側の方が不利である。
加えて城主専用戦車はスピード及びコントロール力が桁違いに高く、おまけにたけしの操縦が異様に上手くめったな事では攻撃軍の弾が的に当たることが無い。
さらにダメ押しとばかりか、水鉄砲時代は戦車の的のみ紙が二重かつ防水スプレーまでかけていたというインチキを行っており、基本的に攻撃軍が勝つ可能性は無きに等しいものだった。
しかしある回では猛攻に晒された結果、戦車の的に針で突いたようなわずかな穴が空けられたため、遂にたけしが敗北を認めることに。
また、
水鉄砲から光線銃に切り替わった後は攻撃軍の勝率が上昇している。これは光線銃の方がリーチが長く安定して攻撃が届くほか、流石にセンサー式の的にはインチキができないからであると思われる。
しかしそれでも戦車の性能差や、攻撃軍と軍団との経験の差はそのままなので、
賞金に目が眩んで連携が二の次な攻撃軍の勝率は『奇跡が起きれば勝てる』から『稀に勝てる』に変わったくらいだった。
光線銃式では、たけしがクレーンで吊った飛行機に乗って空から援護射撃するという形式が取られた事があったが、強すぎたためか、後に通常形式に戻った。
令和版の方は流鏑馬と名付けられ、レールに沿って動く乗り物に乗りながら弾をお互い打ち合い、ボードを破ったら勝ち。
例によって挑戦者の方は被弾箇所が広いのに殿側は激狭、しかも両方とも破ったら引き分けという名前の負けと理不尽なのは変わらない。
映像では着弾箇所に火花が飛ぶエフェクトが付くなど、TBSのCG班が大張り切りしていた。
ゲーム化
番組人気もあってFCのファミリートレーナー対応として2回も
ゲーム化している。
初のゲーム化で番組でも人気の関門を中心に採用している。
採用されたのは「国境の関所」「龍神池」「ジブラルタル海峡」「ビーチボーイズ&ギャルズ」「戦場にかける橋」「悪魔の館」「自由への壁」の7つ。
これに加えラストのカート戦練習用(?)の「栄光への脱出」が
ゲームオリジナルとして存在し、これらを終えるとたけしとのカート戦になる。
ゲーム化するにあたってそれぞれアレンジも加えられており、原作を考えると違和感のあるものもあるが、多少は仕方ない範囲だろう。
約1年後に発売された2作目。
関門の被りを避けた結果、人気の物がほぼ使われていた為、全体的にマイナーな物ばかりになってしまった。
「腹が減っては戦はできぬ」「すもうでポン」「アニマルドカン(アニマルBANG)」「ローラーゲーム」「ザ・ロンゲストヤード」「引っぱり地獄」「ビーチボーイズ&ギャルズNEW(まわってビーチボーイズ&ギャルズ)」「人喰い穴」の8つ。
関門の再現度はよく頑張っている方なのだが…。
いやぁね、ホントよく執筆してくれたと思うんですけれども
次回こそ追記・修正してくれる方お待ちしてますんで、待ってますからね!
この記事を追記・修正してくれた全ての人々に、ありがとう…
- 若かりし日の青山剛昌先生が攻撃軍に参加されてたこともある -- 名無しさん (2023-08-04 07:30:25)
- エンタメとしてはほぼ完成したような番組だった。ハラハラドキドキに時折腹抱えて笑うような珍プレーが挟まってきて見てて飽きない -- 名無しさん (2023-08-04 07:42:41)
- 基本的には理不尽を楽しむ番組、令和版は理不尽度がめちゃくちゃ上がってた -- 名無しさん (2023-08-04 08:09:42)
- 令和版にはブリーフ団が出てたね -- 名無しさん (2023-08-04 09:26:51)
- ↑ロケットニュースの連中、ってあいつ等はふんどしか -- 名無しさん (2023-08-04 09:45:03)
- 世代の人にはよく印象に残っているのか「風雲ドラえもん城」だの「風雲イリヤ城」だの「風雲!アイドルキャッスル」だのよくパロられる -- 名無しさん (2023-08-04 09:54:35)
- 一度最終戦のカート戦で一般参加者ではなく谷隊長がたけしのカートを撃墜した回があったが、あれはいいんだろうか -- 名無しさん (2023-08-04 09:56:05)
- 令和版はもう勝たせる気ないだろと思いつつ見てたら参戦者がすごい粘ってて気がついたら応援してたわ -- 名無しさん (2023-08-04 12:07:10)
- 令和のも地上波でやってない辺りは結構危険なことやってる自覚はあるのよね…。もちろん見てる分には面白いんだけど。 -- 名無しさん (2023-08-04 13:37:08)
- キョンシーのコスプレをした異様に上手い挑戦者が印象に残っている。だが彼は毎回カート戦の直前のランダムで脱落する穴で消えて行ったような覚えがある。その「実力では強豪なのに、運で最後まで残れなかった。彼がたけしと直接勝負できていれば」という残念さも記憶に残るところだったのかも。 -- 名無しさん (2023-08-04 14:21:50)
- 竜神池はダミー踏んでも根性で渡りきってる人がたまにいた -- 名無しさん (2023-08-04 14:58:27)
- 総工費1億円という当時でもとんでもない巨額の予算 -- 名無しさん (2023-08-04 16:38:34)
- ↑5令和版はバックがほぼSASUKEのスタッフだったからな。「勝たせる気ゼロ」の仕掛けを作らせたら彼らの右に出るものはいない。 -- 名無しさん (2023-08-05 00:09:26)
- カート戦2、3人どころか1人だけの回もなかったっけ。 -- 名無しさん (2023-08-05 01:01:13)
- ボードゲームやプラモもあった。 光線銃は初手で谷隊長が誤射された珍事があったような -- 名無しさん (2023-08-05 03:11:25)
- ナレーションの最後の決まり文句もあったよね 参加者への謝辞的なやつ -- 名無しさん (2023-08-05 09:40:26)
- たまーに100万ゲットするから良いのであって、絶対勝てないのはアカンので匙加減難しいよね。 -- 名無しさん (2023-08-05 11:20:40)
- 竜神池の石を全て一瞬だけキックすることで固定関係なく超えたり、飛んでくるバレーボールを金玉でパリィしたり、予想外の事をやる素敵な挑戦者が毎回のようにいたな。 -- 名無しさん (2023-08-05 11:26:12)
- アマプラであるのか…今度視聴するか -- 名無しさん (2023-08-05 11:37:12)
- 一度、人食い穴時点で挑戦者1人になっていて、失格になったらカート戦なしで攻撃軍敗北ということもあったなぁ(無事突破するもカート戦は多勢に無勢で敗北 -- 名無しさん (2023-08-05 18:53:33)
- ファンタジーゾーンのドリミッカの曲が使われてたのを覚えている -- 名無しさん (2023-08-06 00:25:00)
- たけしの戦国風雲児で竜神池と自由への壁がミニゲームになってたな -- 名無しさん (2023-08-06 15:49:33)
- pikmin4 -- 名無しさん (2023-08-06 17:01:02)
- 「超人機メタルダー」で悪の組織が運動会をやる回がある、というネタは一部で有名だけど、ひょっとして直接の元ネタはコレ?普通にやっても大変そうなのに、怪人の着ぐるみを着たうえでやってるのかと思うと無茶振りが激しすぎて二重の意味で笑えてくる。 -- 名無しさん (2023-08-08 02:45:45)
- ↑あるいは同じくテレ朝でやってたビートたけしのスポーツ大将なんかもインスピレーション受けてるかも。前作のスピルバンとのコラボもあったし -- 名無しさん (2023-08-08 08:22:05)
- Robloxの -- 名無しさん (2023-09-11 23:22:29)
- 途中送信しちった。Robloxの公式ゲーム、めちゃくちゃ接続切れまくってまともにプレイできてない。人気がありすぎるんだろうか。他のゲームでは切断されないから、このゲームだけだと思う。ロビーでは昔のほうのダイジェスト映像が流れているよ。 -- 名無しさん (2023-09-11 23:24:27)
- 放送当時何かのスペシャル番組で流れたCMが「地方放送で流れるラブホテルのCM」のパロだったのは絶対たけし主導だろ。 -- 名無しさん (2024-12-25 09:03:45)
最終更新:2024年12月25日 11:13