シャギー(冒険王ビィト)

登録日:2023/08/22 Tue 00:55:56
更新日:2025/06/12 Thu 02:18:02NEW!
所要時間:約 7 分で読めます




魔人(ヴァンデル)同士が殺し合いをしてはいけない…
というルールはありません

競争・共闘・すべて自由!

要は人間がより苦しむ強力な魔人(ヴァンデル)
育てばそれで良いんですから

シャギーとは、漫画『冒険王ビィト』に登場するキャラクター。
CV:中尾隆聖

●目次

【概要】

初登場は4話。

人間達を攻め滅ぼそうとする魔人(ヴァンデル)たちを統括する魔賓館の館長を務める魔人。自在に出現させるドア「地脈の扉」で世界中どこへでも駆けつける。
全魔人の評価と監視をしており、“世界一多忙な魔人”と魔人の間で謳われ、魔人達には「館長」と呼ばれている。
魔人が人間に与えた損害に応じて、魔人にお金『()(さつ)*1と武勲『星』を賞与することが彼の主な仕事。

見た目はウサギの顔をした燕尾服を着た男。右腕の手首内側には時計を身につけている。
魔人には必ずツノが生えているが、彼の場合2本のツノがウサギの耳のようになっており、原作27話のベルトーゼやアニメ『エクセリオン』23話の魔牢獄獄長バウスには「兎」と言われたことも。

魔賓館で魔物の注文受付を担当するタロトス管理官や魔人達をもてなす女性型の魔物シャギーガールは彼の部下。

その名と存在自体は人間にも広く知られているが一方で姿を見た者はほとんどおらず、人間には「幻の魔人(ヴァンデル)」と謳われている。
かつてグリニデの部下だったキッスは顔も含めて知っていた。

モチーフはおそらく『ふしぎの国のアリス』の白うさぎ。


【人物】

性格は慇懃無礼。誰に対しても敬語で話しかける。
普段は糸目で笑みと敬語を絶やさないが、時折凶悪な目つきをのぞかせている。

魔賓館館長として、魔人たちに星や魔札を授与するなど魔人たちを管理しており、星を魔人の左腕に授与できるのはシャギーのみ。
高額の魔物や取り扱いが難しい大型の魔物を購入してくれた顧客にはサービスとして自ら納品に向かうことも。
ただし、魔人同士での協力・同盟や殺しあいといった“戦略”には「人間がより苦しむ強力な魔人が育てば良い」という理由でほぼ不干渉。

シャギーが魔人と認めるのは左腕に星があるものであり、星を失った魔人は謂わば“(魔)人権を失い”魔賓館の庇護(魔札による魔物の購入など)を受けられなくなる。

強力な魔人の戦いを見ることを楽しみとしているようで、そのためかグリニデがキレて本来の“血塗られた(けだもの)”としての姿になることを望んでいるような素振りを見せた。
魔人達の戦いに巻き込まないよう遠くから観察するための双眼鏡も常備している。

ほかの魔人たちとは違い、運営側ということもあって人間とは戦闘を行わない。
本人の言によれば、自分が人間に損害を与えても星を貰えないらしく、一ツ星の魔人。さながら道化のように大仰にふるまっている。
劇中、ヒスタリオ敗北後にヒスタリオが所有していた空飛ぶ“骸の幽霊船”に火をつけてビィト達を落下死させようとしたこともあるが、これも“骸の幽霊船”処分の意味合いが大きく、ビィト達が生き延びても大して悔しがりもしなかった。


ゼノンの実弟であり才牙を受け継いで、魔人グリニデを撃破したビィトについて、「潜在的に“あの力”を秘めていたとしても不思議ではないっ…!!」と興奮するなどなにかゼノンについて知っている様子。
ビィト達に七ツ星魔人達が続々撃破されてもまるで動じない不可解さを見せるが、本人は「胸躍る魔人の活躍には強力な敵役が欠かせない。そういう意味で私はビィトのファン」とうそぶいている。
だが、自身は戦わず陰で笑いながら他者の戦いを眺め批評する姿ゆえに、ビィトには初対面から嫌われている。

魔賓館の地下深くにいる魔人達の創成主暗黒なる瞳(ダークネス・アイズ)の命令に忠実なようで、唸り声をあげる暗黒なる瞳(ダークネス・アイズ)の言葉を理解できる様子。
シャギーは暗黒なる瞳(ダークネス・アイズ)に対して「必ずやあなた様のお望み通りに事が運びますでしょう」と述べている。
11巻巻末『BEET THE WORLD 6』によると、魔人に与える星は暗黒なる瞳(ダークネス・アイズ)から授かったものらしい。

【戦闘力】

「地脈の扉」どこでもドアにより世界中どこへでも駆けつけることができるが、たとえ人間相手でもほぼ戦闘は行わず、せいぜい自衛程度。
アニメ『エクセリオン』23話では魔牢獄獄長バウスに命を狙われ「地脈の扉」を一度破壊されたが、彼を殺すことはせず、即座に扉を再生して撤退してみせている。

あくまで一ツ星の自分のことを「私は魔人(ヴァンデル)の皆様をお支えする裏方にすぎませんっ!」と道化のふりをしている。
しかし只者ではなく、ヒスタリオの元で肉体を強化改造されたスレッドの才牙を用いた超高速&超精密な奇襲すらあっさり回避するスピードを見せている。


【活躍】

◆レドウ編

初登場。惨劇の王者ベルトーゼに魔札を賞与し、大型魔物大甲虫を購入したグリニデの元へ魔物を納品しに向かった。

レドウにてグリニデ目当てでベルトーゼが現れた際には、グリニデとベルトーゼの戦いが見られるかもしれないとレドウにやってきたが、ビィトとベルトーゼの戦いを目撃することとなった。
ベルトーゼの分身体(ファントム)がビィトに敗れたことで、シャギーもまたビィトの名前を覚え、彼に興味を持つこととなる。

グリニデに「国や村落を100滅ぼし、黒の地平の人口を1/10にまで減らした」という功績で七つの目の星を授与したが、その際「ベルトーゼが死亡した」という誤情報の真実はグリニデにはわざと伝えなかった。

◆黒の地平編


ビィトに興味を持ったようで、フラウスキーとビィトの初戦後に、怪我した小鳥の治療を優先してビィトを始末しなかったフラウスキーと接触。
小さい生き物は人間動植物を問わず可愛がるが成長した人間は容赦なく殺せる、ある意味ブレない“可愛い物好き”フラウスキーを見て、少し苦笑いしつつ「魔人って本当に素晴らしいですよねえ!まともな方が一人もいないんだもの…!」という感想を内心抱いた。

グリニデ配下であるベンチュラ・フラウスキー・ロズゴートがビィト達によって全滅させられた姿を目撃し、その事実を(グリニデが激高すること目当てに)グリニデに伝える。

あれぞまさしく人間どもを踏みにじるために
この世に生を受けた魔人(ヴァンデル)のあるべき姿!

ゆえに…一番胸が踊るッ…!!

真の姿となってビィト・ポアラキッス達相手に暴れるグリニデの姿を遠くから眺め、ベルトーゼの代わりに偵察に来た彼の腹心魔物ハザンにグリニデの能力について解説をした。
暴れ狂うグリニデは今後魔人界の新たなスターになるであろうとシャギーは予測し、「…ありがとう!君の名は忘れない…ビィト!」と笑いながら言い放つ。
その姿を横で見たハザンはシャギーの残虐な本性に戦慄した。

ベルトーゼの分身体(ファントム)を倒したビィトに興味を持った魔人博士ノアも観戦に現れる中、シャギーの予想に反してビィト戦士団は決死の作戦と奇跡によってグリニデを倒してしまった。

しかしシャギーはがっかりすることはないどころか、その場を足早に去りつつ「才牙を引き継いだゼノンの実弟ビィトは潜在的にあの力を秘めていても不思議ではない」と喜びを表しにし、創成主にその事実を伝えに向かった。

◆ベカトルテ編

一人の少年(ビィト)をいけにえとして…!

暗黒の世紀…
最大のクライマックスの始まりです…!!

ビィト抹殺を星一つ分の報酬として───つまりは魔人の支配者となる初の“八輝星”にする」「いらぬ衝突がないよう七ツ星魔人達でビィト討伐の順番を決める協議の場を設ける」という親書を七ツ星魔人達に送る。
そしてビィトを七ツ星魔人達に狩らせるゲームを行うことを創成主暗黒なる瞳(ダークネス・アイズ)に報告。

ガロニュートが七ツ星同士の話し合いでビィト討伐一番手になったと聞き、ガロニュートにどうやって一番になったのか聞くが、人をなめ腐ったガロニュートは「…ヤダ。みんなに聞けばァ?」と教えることを拒絶。
さすがのシャギーも「(…素敵です!この腐った性格…!)」と苦笑いしながら思いつつ、魔賓館で小悪魔ロディーナ・天空王バロン魔人博士ノアらにクジで順番を決めたことを教えてもらった。
特に殺し合いもなく合議で順番が決まったことにはシャギーも「ホッとしました」とわざとらしく言っている。

そしてベカトルテ近海マニヨン島にてガロニュートが魔物『破滅の恒星』を使ってビィト達を仕留めたと勘違いした際、8つ目の星をもって姿を現す。
しかしキッスの機転でかろうじてビィト達は生き延びており、ビィトは初めてシャギーを目撃することとなった。
シャギーは星の授与を撤回して撤退。

ビィトにガロニュートは敗れ、ロディーナは死ぬ寸前のガロニュートを回収。
ロディーナがビィト討伐の順番決めの真実をガロニュートに真実を告げたところを陰から眺めていた(ロディーナがシャギーの存在を気づいて放置していたのかは不明)。

◆グランシスタ編

どうにも外せない別件」という事情があったようでサンクミールでのバロンとビィト達との戦いを彼にしては珍しく観戦しておらず、結果だけ後から確認した様子。

星を自ら捨てたバロンのことを皮肉交じりに「(サー)などと呼ぶ必要はない。ただのバロンだ…」と述べた。
次の順番が回ってきたヒスタリオのことは「『対人間』においてもっとも恐ろしく厄介」と高く評価している。

ヒスタリオの戦いを今度は観戦。
空飛ぶ“骸の幽霊船デストリューン号”を舞台としたヒスタリオの敗北を船の中から見届けると、ビィト達の前に姿を現す。
が、ヒスタリオとビィトの戦いをニヤつきながら総評する姿を見てポアラに「そんなに仲間がやられたことが嬉しいの?」と言われ、ビィトには「ヒスタリオは最後まで自分自身の全力で戦った!おれたちも必死だった!それを物陰で見物してニヤニヤしてるような奴にとやかく言われる筋合いはねぇ!」と唾棄された。

ヒスタリオという持ち主を失ったデストリューン号のエンジンに火を放ち、ビィトに次の対戦相手はベルトーゼだと告げ、パラシュートで脱出した。

ビィト達も墜落する幽霊船からなんとか生き延びたが一切悔しがることはなく、次のビィト戦士団とベルトーゼの戦いに心を躍らせるが、ヒスタリオ最期の戦い・ビィト戦士団とシャギーの対峙を見届けていた魔人博士ノアは「仲間が倒されることが嬉しいか?」と静かに怒る。
はぐらかそうとしたシャギーを見て愛想をつかしたノアは、シャギーに対し決別を宣言し、さしものシャギーもいつもの笑みは消えて目を見開きながらすさまじい形相を浮かべていた。

【アニメ版】

◆1期『冒険王ビィト』

5話で二ツ星魔人ムガインとビィトの戦いを観戦するなど、出番が増量。
ムガインの死を見届けた後、バスターを彫像に変えて才牙をコレクションしている四ツ星魔人“銀色の魔手”メルモンド(CV:千葉繁)に「才牙を二つ持つ少年」の情報を教え、メルモンドをビィトにけしかけた。

21話では、ビィト達へのリベンジのために魔物トリュプスを購入しようとするが魔札が足りずシャギー館長に土下座までしたベンチュラに対し、割引を認めて購入を許した。


◆2期『冒険王ビィト エクセリオン』

黒の地平編後のアニメオリジナルエピソード

22話では魔賓館の中を巡回。
魔人同士のトラブルに対し、「血気盛んなのは結構ですが他のお客様の迷惑になりますのでそのへんでお止めにならないと、おもてなし方を変えることになりますが…」と威圧しつつ事を納めたり、タロトスに対してアイアンライノス3頭を無理に値切ろうとする暗黒の世紀の催促人ガネールを相手に「アイアンライノス5頭を値引きする」という譲歩案を提示して円満に納得させたりと立派な館長らしい手腕を見せた。

魔牢獄に罪を犯し投獄されたという囚人魔人達の真実を知っている。
23話では魔賓館に対して反乱を起こした魔牢獄獄長バウスに対しても残酷な真実を告げた。


【余談】

  • 月間少年ジャンプ 読者投稿コーナー「魔賓館通信」
いくつか質問に答えている。
Vol.8では多くの魔人達はマントこそしていても多くは裸なことや一方で館長は服を着ていることについて「魔人の皆様は申してみればプロレスラーのような。己の肉体こそ盛装というわけなんです」と回答。
きちんと着こんでいるのは他には残念ながら小悪魔ロディーナくらいである。

Vol.14では「ベルトーゼと名前が書かれたシャギーのイラスト」に対して「シャギー。シャギーです。」とツッコミを入れたり、Vol.17では「右目ウィンクのアゴ右手添えの擬人化シャギー」の偶然そっくりなイラストが2枚送られてきたり、Vol.22では「ぜったいにゆるさんぞバスターども!じわじわとなぶり殺しにしてくれる!」とブチ切れたシャギーを描いた中の人ネタなイラストが来たりした。

  • アニメ版
手の指の数が原作では三本だが、アニメ版では人間同様の五本指になった。

  • ガイドブック『グランドアドベンチャー』「魔賓冥典」
ベンチュラの独り言」として、ベンチュラが「シャギーが“世界一忙しい”なんてとんでもない嘘。奴が仕事をサボっては双眼鏡で魔人達の戦いこっそり観戦しているのを見た」と語っている。




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最終更新:2025年06月12日 02:18

*1 特殊な呪法で印刷されているため偽造不可。