シリウスシンボリ(ウマ娘 プリティーダービー)

登録日:2023/09/10 Sun 21:12:45
更新日:2025/04/07 Mon 16:51:54
所要時間:約 24 分もありゃ、子犬ちゃんには十分だろ?


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ごちゃごちゃ言うんじゃねえ!
頂点ぐらい、すぐに取ってやる



シリウスシンボリ(Sirius Symboli)とは、『ウマ娘 プリティーダービー』の登場キャラクターである。


モチーフ元である競走馬『シリウスシンボリ』は当該項目を参照。

+ 目次


◆プロフィール

キャッチコピー:世界一輝く星になる!カリスマ野心家ウマ娘
生年月日:3月26日
身長:167cm
体重:興味なし
スリーサイズ:B89・W55・H86
靴のサイズ:左右ともに25.0cm
学年:高等部
所属寮:美浦寮
得意なこと:サバット*1、犬のしつけ
苦手なこと:無意味な話し合い、おべっか、ダジャレ
耳のこと:耳栓がないと眠れない
尻尾のこと:イライラするとクシャクシャにする癖がある
家族のこと:父の意向で家庭教師が日替わりだった
ヒミツ:①小型飛行機の免許を持っている / ②行きつけのビリヤード場が国内外に複数ある
自己紹介:シリウスシンボリだ! レースに御託はいらねぇ。黙って見てな。世界を獲って“最強”を証明してやるよ

キャラクターソング:GALACTIC PLAYER

◆概要

1985年日本ダービー覇者にして、その後海外に渡り勝利こそ叶わなかったものの、多くのレースで入着を果たした競走馬『シリウスシンボリ』がモチーフのウマ娘

ダークブラウンのロングヘアーに史実競走馬のソレをイメージさせる前髪の白い流星模様が特徴的。
また、右耳には金色波型の耳飾りも装着している。
長身でスラリと長い手足、鋭い目つきで他者を圧倒するような威圧的且つどこか危険な香りを漂わせるそんなウマ娘。

シンボリルドルフと同じシンボリ家の出身であり、一族内で英才教育を受けていた紛れもないお嬢様なのだが、
そんな経歴に反して粗野で口が悪くアウトロー気質で、関係の浅い第三者からすれば非常に高圧的でとっつきにくいイメージを持たせるのも間違いない。
だが、根っこの部分ではお人好しで面倒見も良く、自分が目にかけた後輩には厳しくも的確で丁寧なアドバイスを授けること多々。
結果、学園内では所謂落ちこぼれや不良と呼ばれるような生徒たちのリーダー、言うなれば裏番みたいな地位に収まってもいる。

過去の自身の体験も踏まえ「自分のことは自分で決める」ことを何よりの信条としており、
上述した面倒を見ている後輩たちにもまず「自分自身がどうしたいか」を見定めさせることを重要視する。

故に、杓子定規に「セオリー」や「当たり前」を押し付けられることを何よりも嫌い、そういった相手には非常に攻撃的な一面を見せる。
シリウスの下に集っている後輩たちも自己怠慢というよりは家庭環境や生まれ持った体調といった「そうならざるを得なかった仕方のない理由」により落ちこぼれてしまった者も多く、
選ばれたエリートの集いであるトレセン学園が救おうとしない(というより救いきれない)生徒の最後の防波堤となっているなんて見方もできたりする。

実際問題、シリウス自身も普段の言動こそ決して品行方正とは言い難いものの、
常に自信に溢れ前を向き、自らこそが頂点を獲ってやるという勝利への意欲、飢えに満ち満ちたその力強い言動は他者を惹きつける魅力があるのも確かで、
そういったカリスマ性に溢れた、一種の天然人タラシ(ウマ娘タラシ?)な属性も備えていたりするのだ。

ただ、その「自分のことは自分で決める」という信条はトレーナー相手にも当然の如く発揮されるため、
シンボリ家で学んできた英才教育やトレセン学園内で積み上げてきた知識も経験も豊富な彼女のことを納得させるのは並大抵のことではない。
後述する個別ストーリー及び育成シナリオ内においても、自身のトレーナーを子犬(パピー)ちゃんと呼び、振り回している程。

特技の一つがビリヤードでありその腕前はかなりのもの。育成シナリオやイベントストーリーなどで如何なく発揮している。
また、繰り返すように出身は紛れもない名家のお嬢様のため、大抵のことはこなせる幅広い技能も持っている。
育成シナリオ内のイベントでは全くの無練習で上流階級の集うパーティーにおいて見事なヴァイオリン演奏を披露してみせていた。

◆月夜の昔話

シリウスシンボリというウマ娘を語る上で避けては通れないのが、同じシンボリ家出身にして生徒会長を務めるシンボリルドルフとの関係。

「無敗のクラシック三冠」に始まる数多くの功績を打ち立てた絶対の"皇帝"として名高いシンボリルドルフ。
その功績に恥じぬ器の大きさと「全てのウマ娘の幸福のため」という大願のために邁進する彼女に憧れるウマ娘は数多いものの、
そんな今のルドルフの在り方にシリウスは事ある毎に噛み付き、"皇帝"サマと皮肉たっぷりに呼んでいるなど一見すると非常に嫌悪な関係性に見える。

だが、その内情は周囲が思っている以上に非常に複雑なモノ。

幼少の頃から周囲とは頭三つ分は抜け出ていた圧倒的な才と実力…
言うなれば「底冷えするような獰猛な眼差しと鋭い牙を持つ猛獣」のような存在だったルドルフだが、
反面、そのあまりの実力差から彼女と対等に競い合いたいと思うウマ娘も皆無の状態であった。

そんな彼女に唯一諦めることなく食らいついていたのがシリウスであり、
シリウス自身の夢である一等の輝きを放つ存在となる、そのためにはルドルフをも越えなければならないとその背を追い続けており、
ルドルフもまたある意味では孤独であった自身と競い合ってくれるシリウスのことを非常に信頼していた。

しかし、シリウスもまたいくら足掻いても努力を重ねても追いつけない圧倒的なルドルフの実力に打ちのめされてしまう。
自暴自棄になった末に遂には自身を指導してくれた周囲の大人たちのせいにしようとするも、すぐにそれを恥じる。
「ルドルフと違って周囲に言われるがまま、何も自分で選んでこなかったのが今の自分の有様」という強烈な自省が刻まれた結果、
繰り返し述べてきた「自分のことは自分で決める」というシリウスの信条が形成されたのだ。

そしてシリウスはその後も自分のやり方で力を付けていき、トレセン学園においてルドルフと再会を果たすものの、
シリウスが見たのは当初の猛獣とは程遠い、全てのウマ娘の幸福のためにと品行方正を心がける生徒会長シンボリルドルフの姿であった。

過去に自分を打ち負かした絶対強者がその頃とは程遠い走りを、在り方をしていることがシリウスにとっては我慢ならないことであり、
そんなある種のコンプレックスを抱いてしまっているがために、ルドルフに対して非常に攻撃的な態度を取っていると見られている。

上述したわけありの生徒たちの面倒を見ているのも、シリウス自身の面倒見の良さがあるのも違いないとはいえ、
「全てのウマ娘の幸福など実現できるはずがない」という、ルドルフへの反発もあってのことなのかもしれない。

ルドルフの方もまたそういったシリウスが向けてくる感情については理解しており、
現在の自分の立場と嘗ての親友への思いで板挟みになり歯痒い思いをしている部分も大きい。

…だがしかし、シリウスの育成実装後、その更に根底にあった思いはもっと単純なものであったことが判明する。
(詳しくは後述の育成シナリオのネタバレ格納を参照)

◆漫画版での活躍

シンデレラグレイ

元ダービーウマ娘で、異名は「唯我独尊の開拓者」
日本ダービー制覇後は海外遠征に出ており、ヨーロッパで海外のウマ娘達と渡り合った実力者。
パドックでダンスを始めるなど目立ちたがりなところがあり、毎日王冠ではロードロイヤル&ダイナムヒロインがシリウスシンボリのダンスに巻き込まれ負傷させたられた。特にロードロイヤルは顔面負傷&鼻血で競走中止。史実再現とはいえ、これで張本人のシリウスが失格扱いになってないんだぜ
しかしこれでも相当マイルドにされており、史実では他の馬に回し蹴りを食らわせている*2
レース本番ではダイナムヒロインたちによるオグリキャップの徹底マークに巻き込まれる形で進路を塞がれ、「クソが!!邪魔だぞお前ら!!」と叫んでいた。

次走の天皇賞(秋)ではレース前の会見で勝負服を初披露。
函館記念では前年のダービーウマ娘であるメリービューティー*3とのダービーウマ娘対決に挑むも覚醒したディクタストライカ*4に完敗した。

スターブロッサム

本作冒頭にてヒロインの明石椿が観戦していた凱旋門賞に出走していた。
シリウスシンボリが出走している事からレースのモデルは1986年の凱旋門賞と思われる。
レースには敗北したらしく表情は暗め。史実の通りならダンシングブレーヴの14着に終わっている。

◆アプリ版での活躍

性能

バ場 芝:A ダート:G
距離 短距離:G マイル:B 中距離:A 長距離:C
脚質 逃げ:E 先行:A 差し:C 追込:E
2023年7月21日に☆3「Féroce」として実装。
実装から少し前に唐突に勝負服が発表されたかと思いきや、すぐに育成実装も発表される形になった。
また、1ヶ月後には凱旋門賞=海外レースを主題とした新シナリオが実装され、そのシナリオリンクキャラの1人にもなっているため、それに合わせたと見られている。

距離適性は中距離のみ最高適性のAで次いでマイルがB、長距離がC、短距離がGとなっている。
育成目標には有馬記念が含まれているため、できれば長距離適性はある程度補正をかけてから育成に臨みたいところ。

脚質適性は最高適性の先行以外は低めなものの、どの脚質も因子補正でAまで持って行けるだけの下地はある。

[Féroce(フェローチェ)]

私はこれで、頂点に君臨する

画像出典:ウマ娘 プリティーダービー「[Féroce]シリウスシンボリ」勝負服
© Cygames・JRA

「シンボリ」冠名で知られるシンボリ牧場*5の勝負服、「白襷袖赤一本輪」がモチーフ。
ダークグリーンを基調としたハーネスブレザーとスラックスという、イケメンさの非常に引き立つ衣装となっている。
袖赤一本輪については腰のベルトや左肩、もはやローファーのような極端に丈の短いブーツなどにそれを模した赤色の装飾具で再現している。
また、史実競走馬の蹄鉄色を反映してか、ブーツの色は右が白で左が黒の左右非対称にもなっている。
なお、衣装名の[Féroce]とはフランス語で「荒々しく」「凶暴な」「残酷な」という意味であり、正にシリウスにうってつけの意味である。

成長率補正はパワー+10%、賢さに+20%。

所持スキル
垂れウマ回避を除くと見事に中距離特化型というかなり偏ったラインナップになっており、
中距離レースを走らせる分には全く問題ないどころか非常に心強い反面、
マイルや長距離などを走らせる場合はサポカの編成が他のウマ娘以上に重要になってくるだろう。

通常スキル:
テンポアップ、ありったけ、自信家、(覚醒Lv2)垂れウマ回避、(覚醒Lv4)中距離コーナー○

レアスキル
(覚醒Lv3)決死の覚悟(終盤の最終直線で好位置にいると速度が上がる/中距離)
揺るがぬアスター(終盤の最終直線で好位置にいると速度がすごく上がる/中距離)

(覚醒Lv5)キラーチューン(レース中盤に前の方だと速度が上がる/中距離)
一等星のアラベスク(レース中盤に前の方だと速度がすごく上がる/中距離)
追想のトロイメライ(レース中盤始めの方に前の方だと速度がわずかに上がり持久力を回復する/中距離)



偉大な記録も、記憶も…


私の輝きで塗り潰してやる!


世界は…私のものだ!


画像出典:ウマ娘 プリティーダービー「[Féroce]シリウスシンボリ」固有スキル発動」
© Cygames・JRA

固有スキルは「セイリオス*6」。
効果は「残り800m時点で中団にいると加速力がわずかに上がる、2400mのレースで人気が高いとすごく上がる」というもの。
2400m、つまりは日本ダービーを意識したアイネスフウジンタニノギムレットと同様の特化型スキルであり、それ以外のレースだとかなり控えめ。
レース後半入りかけに中団となると、やはり得意脚質である先行で発動しやすいか。
ただ、他のウマ娘の作戦傾向やステータスの差にもよるが、先行だと既に中団を抜け出てしまっているということも珍しくないため、
場合によっては補正をかけた上で差しなどで運用することも考えられる。

そしてこの固有スキル、シリウス自身の有用性以上に継承スキルとしても非常に高い評価を得ている。
継承の常として通常状態だと効果量が「ほんのわずか」にまでガタ落ちするものの、2400m限定の強化は残っており、そちらは「少し」と継承スキルとしてはかなり強めの加速効果を得ることができるのである。
発動条件も比較的緩めなことから、2400m中距離レースでのチャンミやリグヒが開催されると、先行or差しのウマ娘を出走させる際に取得が優先されるスキルとして名が上がることが多い。
ただし、もう一つの強化条件である「人気が高い」の方が厄介であり、CPU戦とは違って誰もがステータスやスキルをガチガチに仕上げてくる対人戦においては人気が下位になる=条件を満たせずにスキルを十全に使えないという場面に当たることも多いため、対人戦でもトップ層に食い込むだけの強力なウマ娘に取得させないと効果が安定しないというピーキーな側面もある。

発動演出では玉座から立ち上がったシリウスが眼前の扉を蹴破り、彼方に煌めく輝きを掴み取るというもの。
玉座に背を向け歩き出す・蹴りを決めるというのは、シンボリルドルフの固有スキル「汝、皇帝の神威を見よ」で玉座に向かって歩を進める・腕を振るって見栄を決める演出と対照的と言える。

フハハッ! 最強は誰か…理解したな?

固有二つ名は「赫々たる天狼」。
取得条件は「日本ダービーを3バ身差以上で勝利し、シンボリルドルフに2回以上勝利し、ファン数320000人以上になる」。

ファン数については目標レースの大半がG1レースのため、着実に勝ちを重ねていけばそう難しいものではない。
日本ダービーで3バ身差以上についても運は絡むものの、際立って強いライバルなども登場しないため、そこまでに十分なステータスに育て上げていればこちらもまだ現実的。

問題となるのが「シンボリルドルフに2回以上勝利」という部分。
育成目標におけるクラシック、シニア双方の有馬記念にルドルフは確定出走となっており、
内シニアの方は目標が1着なため、自動的に達成するも同然なのだが、問題はクラシックの方。

クラシック有馬記念における目標は3着以内であり、やり直しが効きにくい上、
ライバルとして立ちはだかるシンボリルドルフに超強化が施されている*7事実上の負けイベントになっているため、
日本ダービー以上にステータスを万全に整え、その時点で取得できるありったけのスキルを用意しないとかなり厳しい相手といえる。
上述のようにシリウスの長距離適性はCのため、因子補正による強化も前提となってくる。
シンボリルドルフは目標外のクラシック級ジャパンカップにも確定で出走してくるが、こちらもかなりの強敵。

特殊実況は史実の代表レースである日本ダービーで勝利することで発生。


サポートカード

2021年10月20日に共通のRと共にSR【一等星は揺らがない】が、
2022年03月29日にはSSR【Escorte etoile】がそれぞれ実装されている。

SR【一等星は揺らがない】

得意練習は根性。
友情ボーナスとやる気効果アップ、更には固有効果で微力ながらトレーニング効果アップも持っており、総合的な練習性能はそこそこ。
完凸まで進めるとスピードボーナスと得意率アップも解禁されるが、逆に無凸段階だと得意率ゼロのため、
凸数が進まない内は使いにくいかもしれない。

SSR【Escorte etoile】

得意練習は賢さ。
「このカードと友情トレーニングをする度に最大5回まで友情ボーナスがアップ」という独特の固有効果を持っており、
上げきった後は最大15%のトレーニング効果アップが付く他、SRと同様に友情ボーナスとやる気効果アップも備えている。
ただ、初期絆ゲージアップ率が完凸でも15と低めなため、そもそも友情トレーニングを可能にする状態まで持って行くのに時間がかかり、
そこから更に5回の友情トレーニングを踏んでからようやく本領発揮とかなりスロースターターな性能であるため、全体的には強力とは言い難いかもしれない。
グランドマスターズならバイアリータークの叡智を発動させることで活かしやすくなるかもしれないが…。

連続イベントを進めることで中距離用のレアスキル「起死回生」を確率で取得可能。

個別ストーリー

とある日の夜の繁華街、気弱な性格が災いしてしまい、トレーナーは怪しい店の客引きに捕まってしまい、
断るに断り切れず、ズルズルと流れに呑まれてしまいそうになっていたが…

──……。キツネが一匹、子犬(パピー)が一匹か。

直後、豪快な蹴りと共に姿を現した1人のウマ娘、シリウスシンボリ。
「鎖は壊したから後は自分で選べ」とそれだけ言って去ってしまうものの、
あまりに唐突且つ衝撃的な展開に怯えていた客引きを他所にまんまとその場から逃げ出すことに成功していた。

そんな衝撃の出会いから数日、模擬レースの場でトレーナーは件のウマ娘であるシリウスシンボリの姿を再度見かける。
その観る者を引き込む獰猛さ──「私はここだ!」と言わんばかりの走りに一気に惹き込まれることになる。
すぐにでも声をかけたいという衝動に駆られるものの、気の弱さと周囲の他のトレーナーが我先にと駆け寄る熱意に押されてそれも叶わない…

悪いが、担当はもう決めた。──オイ、アンタ。
そこの子犬! アンタだよ。
……へっ、俺!?
今日からアンタが、私のトレーナーだ。異論はねぇな?

何とそのシリウスシンボリ自らが自分を担当トレーナーとして逆指名してくるという思ってもみない展開に。
あまりの事態に面食らってしまうもののまたとないチャンスであることも事実、
シリウスのためにトレーナーとして頑張らねばと再奮起する。

──が、そんな甘い考えは翌日、あっという間に雲散霧消。
シリウスは気弱な新人である自分の意見など全く聞く耳持たずで、
自らが考案したトレーニングメニューと今後のプランに沿って動くのみ。
つまるところ自身がデビューするために体良く首を縦に振るだけのトレーナー"さん"を欲していたというだけだったのだ。

シリウスの考案したプランは新人とはいえトレーナー目線でも非の打ち所の無い完璧なもので、
自分は文字通り置物の如く黙ってそれを見ているだけ、逆スカウトの日からまともな会話など一つも交わしていない。

(このままでいいのか……?)

しかし、トレーナーは流されるままの現状を受け入れ難く思っていたのも事実。
ふと脳裏に過った嘗てシリウスに言われた「自分で"選べ"」という言葉に突き動かされるまま、
足を運んでいたのはシリウスとその取り巻き達がたまり場にしているビリヤードクラブだった。

予想通りそこに確かにシリウスはいたものの、トレーナーが話をしたいと申し出ても笑わせると一蹴。
ならまずはその権利を自ら勝ち取れと提案してきたのがナインボールによるビリヤード対決だった。

そしてここでもシリウスはトレーナー側に有利なハンデを与えながらもそれを苦にせず圧勝。
シリウスが上でトレーナーが下という主従関係をより強固にしてしまっただけの結果に、ますます肩身が狭くなるトレーナー。
そんなトレーナーを前にシリウスは気晴らしか気紛れか、トレーナーを連れ添っての夜の散歩へと洒落込むことに。

…が、その矢先、学園の中庭でふと足を止めたシリウスの視線の先にいたのは、1人の生徒と真剣な面持ちで話をしていた生徒会長シンボリルドルフ。
会話の内容を察するに、無茶なトレーニングを行っていた生徒に対し、ルドルフが苦言を呈していた様なのだが…

……ソイツは私の後輩だ。
勝手にくだらねえこと、吹き込んでじゃねえよ。

その言い争いの場にシリウスが敵意剥き出しで割って入る。
どうやら件の生徒はシリウスが面倒を見ていた後輩の1人でもあり、彼女自身が自分の意思で決めた事なのだからケチを付けるなとのことだった。
それに対してルドルフは選手生命に関わるレベルの無茶は見過ごせないし、必要ならサポートもすると申し出るのだが、
これに対してもシリウスはサポートなんてのはただの他人任せ、それで望む結果が得られなかったら責任が取れるのかと噛み付き、話は平行線に。

最も幸せな未来、とやらがなんなのか……
決めるのは他人じゃない。──自分自身だ。
意志だけは……唯一、誰にも支配できねえものだからな。

言い争いの最後に放たれた言葉、それを聞いてトレーナーは、シリウスの持つ自信の大きさ、その根拠が「全てを自分で選んできたから」ということ、
反対に「従う」ことを何より嫌っているからこそ、意志が弱く従う必要の無い自分がトレーナーとして選ばれたのだと改めて悟る。

(でもそれじゃ、"トレーナー"じゃない)

無論、それを甘んじて受け入れるというつもりはない。
単に自分が情けないというだけでなく、シリウス一人に選ばせるということは全ての責任も彼女自身に背負わせるということ、
それは例え新人であろうと、ウマ娘と対等のパートナーとしてトレーナーという職を志した意味が無くなってしまう。

改めてシリウスと話をする、まずはテーブルに着いてもらう権利を得るためにトレーナーは行動を開始。
ビリヤードクラブにいたシリウスの後輩と共にある作戦のために特訓を付けてもらい、後日シリウスに再度の勝負を申し込むことに。
そしてトレーナーはナインボールという勝負のルールと、シリウスが自らに与えたファウル3つまでを許すというハンデを逆手に取った上で、
ブレイクショットの後の1球で、順番をガン無視して⑨のボールを直接狙うという奇策により勝利をもぎ取って見せる。
端から見れば屁理屈もいい所かもしれないが、それでもシリウス自身が許したハンデと照らし合わせるなら、疑いようなくトレーナーの勝ちであった。

首輪をつけた従順なペットな筈だった子犬…トレーナーが野生に立ち返って噛み付いてきた理由は何だと問うシリウスに対し、
トレーナーは真っ直ぐに、「君の様に選びたかった」「俺は……キミのトレーナーを、選ぶ!」と、自ら選んだ意志を真っ直ぐに答える。
その様にシリウスはひとしきり笑った後に負けを認め、その上でトレーナーに望みを問う。

シリウスと対等のトレーナーになるためにはまずシリウス自身のことを知らねばならない…
トレーナーはシリウスに対して彼女の1番大切なこと、「何故選ぶことに拘るのか?」と問いかけた。

…………。至極、簡単な話だ──
自分で選ばず、無様に負けて、悔やんだからだ

その上で語られたのはシリウス自身の過去……
シンボリ家の才女として教育熱心な父親や才能に入れ込んでくれた先生、
周囲の大人たちの言うことに従い、トレーニングを重ねていけばそれだけで自分の実力はメキメキと伸びていった。
しかしそれは同時に自惚れでもあり、気づいたのは幼き頃の1人のライバルに差を付けられたこと。
激情に駆られるままにシリウスは、周囲の大人たちの指導が悪かったせいだと思うようになったものの、すぐにそんな己を恥じるようにもなっていた。
徹頭徹尾、周囲の大人に従うだけでいいと「選ぶことを放棄した」自分自身の自業自得でしかないと。

だから……自分で選ぶことにした
檻があるなら壊す。鎖があるなら引きちぎる。
誰にも守られない代わりに、どこまでも駆けていく自由を得る──
──その先に、私の目指す"世界"はある。それを獲りさえすれば……
誰が最も優れているか、わかるだろ?

過去の自分を反省した上で刻み付けた信条、全てを自分で選び、やがては世界を獲る。
どこまでも己の信念に真っ直ぐでギラギラ燃える闘争心を持つシリウスにトレーナーは更なる興奮を覚える。
嘗ての模擬レースの場で見せた咆哮…それが世界中に響き渡るその瞬間はどのようなものなのか。

その上でトレーナーはシリウスを従わせたいのではなく、お互いの選択をぶつけ合いたいと提案する。
どちらが上かという主従関係などではなく、対等に意見をぶつけ合う、それこそがシリウスシンボリというウマ娘のトレーナーとしての在り方なのだと。

そんなトレーナーの考えをどっかの誰かのように甘いとしながらも、半端に噛み付かれるよりはマシと受け入れ、
シリウスもまたトレーナーの提案した関係性を受け入れ、2人の挑戦がスタートするのであった。

これからもせいぜい頑張って、甘噛みしてこいよ──子犬ちゃん?

育成シナリオ

そうして始まる育成シナリオ。
デビュー戦の後、サウジアラビアロイヤルカップを足掛かりに、クラシック三冠、有馬記念、大阪杯やジャパンカップといった数々のG1レースに挑戦していくことに。
目標レースの大半がG1の上、菊花賞に二度の有馬記念と適性Cの長距離レースも3度走ることになるため、
最低でも長距離適性を補正してからでないと、育成難易度はなかなかに高めと言っていいだろう。

そしてシナリオ内で取り上げられるのがこれまでに幾度となく語られてきた皇帝シンボリルドルフとの関係の決着と、
史実でも特徴的だった海外レースへの挑戦について。

当初はその権利を得ていたルドルフに帯同という形だった筈が、予期せぬタイミングでルドルフは脚部不安によりその権利を辞退。
結果、帯同ではなくシリウス自身が海外レースに挑戦するという形でその権利が回ってくることになるのだが、
その来るべき日へと向けた決定と周囲の反発を抑え込むために、シリウス自身が自らの実力を見せつけるために駆け続けることになる。

そんな中でトレーナーの目にも映るのがルドルフとの関係と彼女へ抱えるシリウスの思いについて。
過去、幼き日の自分を獰猛な獣の如く蹂躙した頃と違い、全てのウマ娘の幸せためなどという品行方正さで嘗てとはまるで違う有様になってしまったルドルフ。
自身のレースと周りのため、そんな二足の草鞋が成り立つものかと心中複雑な思いと葛藤を抱えながら、
今の戦う価値すらないルドルフの功績を全て自身が塗潰して蹂躙してやればいいとシリウスは吠えるのだが。
日本ダービーの前後を境にその想いはシリウス自身の夢のための原動力ではなく、それ自体が目的にすり替わっているかのような焦りへと変わっていってしまう。

そんな不安を抱きつつもトレーナーはシリウスのためにとできることを最大限に積み重ね、
シリウスもまたトレーナーに余計な気を遣わせた自分を情けなく思いつつも、葛藤を抱えたままルドルフとの直接対決──
クラシック期の有馬記念へと臨むことになる。

+ 決別 ※シナリオ中盤ネタバレ
(ああ、なんだ。みて、欲しかったのか)
(昔のように、“私を”)

有馬記念での激闘の最中、ふとシリウスの視界に映ったのは自分に向けられたルドルフの笑み。
それは、嘗て幼少の頃に対等のライバルとして切磋琢磨していたルドルフが自分に向けていてくれたもの。

トレセン学園においてルドルフは「全てのウマ娘の幸せのため」と、分け隔てなく接しており、
自分は嘗てのような唯一無二の存在ではなく、幸せにすべきウマ娘の1人でしかなくなってしまっていたということ。


──それがただ、寂しかった。
──元の関係に戻りたかったというだけだったのだ。


わかっていたはずなのに目を背け続けていた酷く純粋な思い…
それにようやく気づくことのできたシリウスは憑き物が取れたかのように大笑い。

それでも今走った一瞬は、嘗ての頃と同じように自分と対等の関係で走ってくれたということ、
その関係を続けることはできない、過去の関係に戻ることはもうできないのだということを自覚した上で、
シリウスは己の中にあったルドルフへの葛藤に自ら決着をつけたのである。

(なぁ、ルドルフ。アンタは決して荷を下ろさねえんだろう。)
(そう決めちまったから、遠くへ行けたんだろう。)
(遥か先にある理想のために──"シンボリルドルフ"として立つために)
(そうだ、ずっとわかってた。もう戻れはしねぇんだ。アンタも、私も。だから──)

せいぜいのたうち回りながら……“すべてのウマ娘”のために輝き続けろ。
シンボリルドルフ。


◆関連キャラクター

ご存知、トレセン学園生徒会長にして最強クラスの実力者たる絶対の"皇帝"。史実では同馬主の一年先輩にして叔父(母の異母弟)にあたり、シリウスと同じ大種牡馬パーソロンの血を引く馬である*8

現在の2人の関係は項目内でも散々述べてきたとおりであり、表向きの敵対からシリウスの奥底にある本心までひっくるめて、
一言で言い表せるような簡単なものではないのは明々白々である。

シリウスの育成シナリオ内では本来ルドルフ自身が挑戦する筈だった海外遠征と、突然の脚部不安による辞退がピックアップされており、
そんなルドルフの姿を他所にシリウスはレースにおいて華々しい活躍を続けていったことから、
嘗てシリウスに指摘された言葉を飲み込んだ上で、二足の草鞋の片方…自身のレースを諦めることを選択することになる。

周囲の誰もがその選択に落胆の色を見せる中でも、シリウスは尚も己の輝きを示し続けていき、
その熱がルドルフの中で眠っていた一つの気持ち…嘗ての猛獣の如きレースへの熱情に火を付けることになったのである。

私は今の君と、勝負がしたい……!
これを逃すことがどうしても、どうしても──
我慢ならない!

表舞台から消えたとはいえ、アンタの名声はいまだ健在。
光が足りねえと思っていたところだった。
足場になれよ、シンボリルドルフ……!

名門メジロ家においても別格の実力を持つ、史上初のトリプルティアラ制覇を成し得た魔性の青鹿毛。
史実では異母妹にあたり、ラモーヌの方が一年後輩に当たる他、共に種牡馬としてのモガミの代表産駒でもある。

余計な柵を嫌い、ただ自分の気持ちの赴くままにターフを、レースを愛するその姿勢は、
自らで全てを選ぶことを信条としているシリウスと波長が合うらしく、お互いに関係は良好のようである。

育成シナリオ内でシリウスが燻らせていたルドルフの奥底にある本心に更なる熱を注ぎ込んだ存在でもあり、
同時に彼女もまたその熱に導かれるままに、シリウスとルドルフの走る有馬記念にライバルの1人として参戦してくる。

気をつけなさい。極上の愛ほど、すぐに消えるものよ。

ギリギリの勝負でのみ生を感じることのできる生粋のギャンブラー。
寮におけるシリウスのルームメイト。

彼女もまたアウトローな一匹狼であり、決して他人の指図に従うような気質じゃない、
自らの「選択」でギリギリの賭けに挑戦するその姿勢から、シリウスもその在り方を非常に好意的に見ているようだ。
但し天気予報は賭けに乗らない

ナカヤマの育成シナリオにおいては凱旋門賞含めた海外レースに挑戦した先駆者として、度々顔を見せている。

カイチョーことシンボリルドルフを誰よりも尊敬している、負けず劣らずの才能を持つ"帝王"。

テイオーからすればルドルフにしょっちゅう喧嘩腰で突っかかるシリウスのことを快く思ってない部分があり、
クライマックスシナリオのイベントの一つではそのことに対して文句を言いに行くものの、シリウスはテイオーをお子様扱いして軽くいなすなんて一幕がある。

が、別のイベントではガキ扱いは変わらずとも、道に迷って途方に暮れていたテイオーに手持ちのお菓子をプレゼントした上で行動を共にしたり、
ホーム画面会話ではルドルフのことを匂わせながら自分を褒め称えるように誘導したりと、割かし仲睦まじいやり取りもあったりする。

これらのシリウスのやり取りが完全に「親戚の子供の面倒を見るおじさん」ムーブに見えたことから、
シリウスおいたんなるあだ名が定着することにもなった*9

皇帝シンボリルドルフの片腕として敏腕を振るう生徒会副会長の"女帝"。

アウトローなシリウスと職務に忠実で厳格な性格のグルーヴと一見相性が悪く、
時にシリウスとその取り巻き達のレース場の無断使用問題などで言い争いになったりすることも。

が、グルーヴの方は内に秘めた自身の闘争本能を煽ってくるシリウスに一歩も引くことなく煽り返したり、
そんなグルーヴの内に秘めた牙を見出したシリウスの方も、単なるルドルフの腰巾着ではない女帝らしい振る舞いに満足するなど、
同じレースを走るウマ娘として相手するに相応しいライバルとして互いを認識してもいる。





追記・修正もしっかりやっとけよ、子犬ちゃん?

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最終更新:2025年04月07日 16:51

*1 フランスで生まれた護身術の一つで、ブルボン朝時代に体系化されて紳士の護身術として広まった後、フランス革命で革命家たちにも広まったもの。足技が主体だが、広義では他にもステッキを用いる「ラ・カン(フランス語で『杖』)」、フランス式ボクシングこと「ボックス・フランセーズ」、投げ技や関節技も含む「リュット・パリジェンヌ(パリジャン・レスリング)」も含む総合格闘技として扱われる。ちなみにサバット自体はフランス語で「靴」の意。

*2 ちなみにその時競走除外させられたのがレジェンドテイオー(負傷退場させられたロードロイヤルの元ネタ)である。

*3 モチーフは87年クラシック世代の日本ダービー馬「メリーナイス」

*4 モチーフは88年クラシック世代の競争馬「サッカーボーイ」

*5 「スイート」冠名も使用している。

*6 ギリシャ語で「焼き焦がすもの」「光り輝くもの」を意味する言葉。おおいぬ座の最も明るい恒星…「シリウス」の名の由来となった言葉である。

*7 ほぼ全てのステータスがB以上、更には怪物と弧線のプロフェッサーのレアスキルも取得しているなど正に皇帝と呼ぶに相応しい圧倒的な実力。

*8 ただしルドルフがパーソロンの直系なのに対し、シリウスは母方の祖父としてパーソロンの血を引いている。

*9 史実においてテイオー及びツルマルツヨシから見て、人間で言えばシリウスシンボリはルドルフの甥の為、いとこ同士の関係になる。