幻獣機アウローラドン

登録日:2022/08/13 Sat 17:48:19
更新日:2022/09/11 Sun 12:18:38
所要時間:約 6 分で読めます




「幻獣機アウローラドン」とは、遊戯王OCGに登場するモンスターのひとつ。

概要

かの悪名高い汎用リンクパック「LINK VRAINS PACK 3」にて登場した、幻獣機の名を持つリンクモンスター。
同期には《アーティファクト・ダグザ》《神聖魔皇后セレーネ》《ユニオン・キャリアー》《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》と、錚々たるメンツが並ぶ。
そんな化け物たちとともに登場したアウローラドンもまた、強力なカードパワーを秘めていたのであった。
その効果がこちら。



リンク・効果モンスター
◤ ▲ ◥
  ▶
▼ ◢
リンク3/風属性/機械族/攻2100
【リンクマーカー:左/下/右下】
機械族モンスター2体以上
(1):このカードがリンク召喚に成功した場合に発動できる。
自分フィールドに「幻獣機トークン」(機械族・風・星3・攻/守0)3体を特殊召喚する。
このターン、自分はリンク召喚できない。
(2):1ターンに1度、自分フィールドのモンスターを3体までリリースして発動できる。
リリースしたモンスターの数によって以下の効果を適用する。
●1体:フィールドのカード1枚を選んで破壊する。
●2体:デッキから「幻獣機」モンスター1体を特殊召喚する。
●3体:自分の墓地から罠カード1枚を選んで手札に加える。

効果は2つ。
1つ目は、リンク召喚成功時に幻獣機トークンを3体ばら撒くという豪快な効果。
但し、代償として発動ターンはリンク召喚が出来なくなる。有り余るトークンで連続リンク召喚…なんて真似は出来ないので注意しよう。まあ出来たら強すぎるのでしょうがない。
また、必ず3体出さなければならないため、フィールドが埋まっているとそもそも効果が使えない。

2つ目は、自分のモンスターを任意の数だけリリースすることで異なる効果を適用するというもの。
1体だと場のカードを1枚破壊。除去するカードの種類を問わないシンプルに優秀な効果。何気に対象を取らないので対象耐性持ちにも刺さる。
2体だと幻獣機をリクルート。先攻で展開する場合は主にこの効果を用いることになる。チューナーである《幻獣機オライオン》を呼び出してシンクロ召喚するのが主な用途。他にも《幻獣機コルトウィング》なら、実質トークンの損失を帳消しにすることが出来る。
3体だと墓地から罠をサルベージする。《永遠の淑女 ベアトリーチェ》辺りと組めば実質罠の万能サーチになる。《虚無空間》なんかを吊り上げてやれば強固な制圧布陣になるだろう。

…と、このようにLINK VRAINS PACKの名に恥じない(?)強力な効果を持っているが、ひとつネックなのは「召喚条件」である。
リンク素材は機械族限定であり、しかもリンク3なので出せるデッキはそれなりに限られることになる。
強力な効果に見合った、バランスの取れた召喚条件と言えるだろう。


追記・修正お願いします。










































???「『リンク素材に縛りを付ければまさか環境を相手取ることはない』…と、そう思っての調整だった」
「だが奴は…弾 け た
























さて、勘のいい決闘者ならば、この「機械族モンスター2体以上」と言う召喚条件を見て『ヤツ』の名を思い浮かべた方も多いだろう。
そして、この召喚条件があまりに緩いことにも同時に気づくはずである。










最高の相棒

水晶機巧-ハリファイバー
リンク・効果モンスター
◤ ▲ ◥
 
リンク2/水属性/機械族/攻1500
チューナーを含むモンスター2体
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがリンク召喚に成功した場合に発動できる。
手札・デッキからレベル3以下のチューナー1体を守備表示で特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターは、このターン効果を発動できない。
(2):相手のメインフェイズ及びバトルフェイズにフィールドのこのカードを除外して発動できる。
EXデッキからSモンスターのチューナー1体をS召喚扱いで特殊召喚する。

そう、リンクソリティアの申し子、ハリファイバーである。
アウローラドンの登場以前から様々なデッキで活躍していたこのカード、あろうことが自分自身が機械族であったばっかりに、アウローラドンとガッチリ噛み合ってしまったのだ。
こいつの効果でデッキから機械族チューナーを呼び出せば、そのチューナーとハリファイバーであっという間にアウローラドンがリンク召喚できてしまう。
決定的な短所の1つであった「素材縛り」がいとも容易く解決してしまったのだ。


ジェット・シンクロン
チューナー・効果モンスター
星1/炎属性/機械族/攻 500/守 0
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):このカードがS素材として墓地へ送られた場合に発動できる。
デッキから「ジャンク」モンスター1体を手札に加える。
(2):このカードが墓地に存在する場合、手札を1枚墓地へ送って発動できる。
このカードを特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。

ブンボーグ001
チューナー・効果モンスター
星1/地属性/機械族/攻 500/守 500
(1):このカードの攻撃力・守備力は、
自分フィールドの機械族モンスターの数×500アップする。
(2):このカードが墓地に存在し
フィールドに機械族モンスターが2体以上同時に特殊召喚された場合に発動できる。
このカードを特殊召喚する。

更に悪いことに、機械族のチューナーには墓地から簡単に自己再生する奴らがいたのだ。
《ジェット・シンクロン》は手札1枚切るだけで好きなタイミングで特殊召喚できるし、《ブンボーグ001》の方は、アウローラドンでトークンを3枚生成したのに反応して墓地から蘇る。


かくして、ハリファイバー→ジェットor001→アウローラドン、というコンボ、通称「ハリラドン」が爆誕することとなった。
このムーブの凶悪な点は、ハリファイバー1体からチューナー2体と大量のシンクロ素材を用意できるという点にある。
これらの潤沢なリソースで連続シンクロ召喚を行い、あっという間に制圧盤面の出来上がり。こちらが満足するのに反比例して相手のやる気はバターの如く溶けていく。


更に更に、よく見たらアウローラドンの効果が同名ターン1の制約が付いていなかったばっかりに、こんな展開まで。


特に11期になってEXデッキからのモンスターの展開にリンクモンスターが不要になったことで、その秘められたパワーは天井知らずに上がっていくこととなった。
様々な環境で「ハリラドン」はシンクロギミックの定番として活躍していくこととなり、もはや【ハリラドン】というデッキコンセプトすら成立しそうな勢いで数多の展開が生み出されていった*1*2


その後…

最高の相棒と共に環境において幾度となく活躍し、ソリティアを推し進めていたアウローラドンだが、現代遊戯王を揺るがしたあの大事件で決定的な被害を被ることとなる


2022年7月1日改訂


水晶機巧-ハリファイバー、禁止


そう、肝心の《ハリファイバー》がついに投獄されてしまったのである。
《ハリファイバー》に頼っていた多くの決闘者が阿鼻叫喚となったこの事件、もちろん《アウローラドン》も例外ではなかった。

そもそも《ハリファイバー》抜きで考えた場合、リンクマーカー3つ分の機械族を用意するのは決して簡単なことではない。
《ハリファイバー》がいたからこそ、そして《ハリファイバー》が機械族だったからこそ《アウローラドン》が簡単に召喚でき、そして展開を推し進めることが出来たのである。

それだけではない。ハリラドンの強みはチューナーを供給できることにもあったのである。《アウローラドン》を出すだけなら《トマホーク》だけでも一応可能である。しかし、《トマホーク》では墓地にチューナーを供給することが出来ないのだ。

しかし、こんなことで諦めるわけにはいかないと、全国のハリラドン愛好家たちはなんとか《ハリファイバー》抜きで似たような展開ができないかと模索し始めた。
せめて、素材指定の緩い機械族のリンク2モンスターがいれば何とか……








警衛バリケイドベルグ
リンク・効果モンスター
◤ ▲ ◥
  ▶
リンク2/闇属性/機械族/攻1000
【リンクマーカー:左/下】
カード名が異なるモンスター2体
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがリンク召喚に成功した場合、手札を1枚捨てて発動できる。
このターンのエンドフェイズに、
自分の墓地から永続魔法カードまたはフィールド魔法カード1枚を選んで手札に加える。
(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
自分フィールドの表側表示の魔法カードは相手の効果では破壊されない。


い ま し た


そんな中で突如注目されたのが、この《バリケイドベルグ》である。
永続orフィールド魔法をサルベージしたり表側表示の魔法を守ってくれたりするが、アウローラドンにとって重要なのは簡単に出せる機械族リンク2であるということに集約される。
つまり、適当なモンスター2体を機械族に変換し、それと機械族1体で《アウローラドン》を出すことが出来るという訳である。

かくして「ハリラドン」ならぬリラドン」がにわかに注目を浴びることとなり、《バリケイドベルグ》が突如高騰するという珍事が起きたりもした。
そしてスクラップギミックを利用した展開が生み出される。


そんな訳で「ハリファ死すともラドンは死なず!」と言わんばかりに環境で大活躍…とはならなかった。
やはり《ハリファイバー》抜きで展開するには枠の圧迫や手札誘発への耐性などと言った問題が浮上し、そんな状態では時の環境たる炭酸人魚にはとても立ち向かえず、結局フェードアウトしていくこととなった。

とはいえ、環境が一昔前のものになっている遊戯王マスターデュエルにおいてはまだまだ元気いっぱい。こいつの覇道はもうしばらく続くことになりそうである。

余談

海外(TCG)の環境では2022年5月17日にこのカード自体が禁止カードに指定された
あちらではハリラドンを警戒してか、同コンボでのチューナー採用候補筆頭だった《ジェット・シンクロン》と《幻獣機オライオン》が1年半以上前から禁止カードに指定されていたのだが、カードプールの増加や代替案の登場により結局凶悪さでは日本環境とそう変わりなかった様だ。
《増殖するG》が禁止カードになっている分、一度コンボを通してしまった場合のダメージは海外の方が甚大かもしれない。
ちなみに同改訂ではそれまで無制限だった《水晶機巧-ハリファイバー》も制限カードに指定されている。
日本と海外、どっちがいいかは決闘者のみなさんにお任せします。


追記・修正はハリファイバーの緩和を祈りながらお願いします。

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最終更新:2022年09月11日 12:18

*1 そもそもハリラドンはデッキの枠をかなり圧迫する為、一般的なデッキの添え物としての出張要因としてはやや使いづらく、自然と特化した構築になりがちであった。

*2 ハリラドンをコンセプトとしたデッキの主流となったのはハリラドンパーツの他にレベル3モンスターが居れば特殊召喚出来るチューナーのサイコ・ウィールダーやリンクモンスターのリンク先に特殊召喚できるチューナーの神樹のパラディオンと言ったレベル3チューナーを軸に、特殊召喚しやすいレベル3モンスターで脇を固めた【3軸シンクロ】【3軸グッドスタッフ】とも呼ばれるグッドスタッフ。彼岸の黒天使ケルビーニも採用出来るので【勇者】ギミックも取り込めたため大会での優勝報告も見られた。