パワフルフューチャーズ(パワプロ)

登録日:2024/07/26 Fri 22:35:05
更新日:2025/02/15 Sat 20:57:17
所要時間:約 8 分で読めます




パワフルフューチャーズとは、『パワフルプロ野球2024-2025』*1で追加されたサクセスのひとつである。
と同時にシナリオに出てくるチーム名の事も指すが、ここではチーム事情に関しての説明は必要分を除き割愛する。


【あらすじ】

高校生の主人公は野球が大好きな高校球児。
だがその熱意虚しく、高校2年間は甲子園出場すら出来なかった。
失意の中矢部君とキャッチボールをしていたら、突如時空の裂け目が登場。
中から謎の美女「凍美 理世」に引っ張られ、未来にやってきてしまったのだ。

主人公がやってきた未来は、なんと彼がスーパースターとしてプロ野球界に名を残した50年後の世界。
そこでは仮想空間「メタヤンス」で様々なスポーツが行われていた。
勿論野球も行われており、プロリーグも発足している程。
だが主人公が連れてこられたパワフルフューチャーズは弱小球団であり、球団解散の危機にあった。
そこで主人公の手を借りて優勝しようと言う考えに至ったわけである。

なお主人公たちを連れてきたタイムマシーンだが矢部君が無理矢理ついてきた事が負荷となり*2壊れてしまい、フューチャーズではその修理費すら捻出できない。
つまり、帰るためには否が応でも活躍しなければならないのだ!
果たして主人公はフューチャーズを救えるのか!


【概要】

パワフルプロ野球2024-2025のサクセスシナリオの1つ。
実質リメイクである12球団編、千将高校とは違い新作のシナリオであるが、今回はなんと50年後の未来の話かつVR野球という未来感マシマシのシナリオとなっている。
システム的にもそれが現れており、「メタヤンシー」という要素がある。
メタヤンシーは練習やイベントを繰り返していくと少しずつ溜まっていき。100%に達すると「超メタヤンシー」と呼ばれる特別な状態を使用できる。
この時点でも開放すれば練習の経験点増加と特殊能力のコツ(会得するための経験点が減る)を獲得可能だが、使わずにいると1週間毎に100%ずつ溜まっていき、400%に達すると「ヤンスブレイク」という制御できない状態となる。
この状態では常にケガ率が30%となるが、体力消費もターン消費もなくケガするまで連続で最大5回練習を行うことができ、運次第で大量の経験点を稼ぐことが可能である。
なおメンタル練習に関してはケガ率が0で固定されている為にヤンスブレイク時でもケガはしないが、メンタルを落ち着かせてしまうということでブレイクが終了してしまう。ズルはできない。
とはいえギャンブルを使わなくてもプラスイベントは非常に多く、強い選手を育てやすい。途中からやたら消費ポイントが重くなることから作ることが難しかった速球派投手を作りやすいのは嬉しい仕様。
また前作とは違い登場人物関係のランダムイベントが起こりやすくなっており普通にやってても運が悪くない限りは育成終了まで半分以上の人物たちのイベントが完走が出来る。
…ただし育成バランスの観点だと、他チーム関連のイベントは投手の場合超特殊能力が取得できないことが多いのがネック。野手の場合でも微妙なので需要に応じてイベントを切る(継続しなくなる選択肢を選ぶ)事も十分視野に入るだろう。特に捕手育成以外の団子とデビルスターズ組は判断次第の面が強い。*3
あと今回も優勝できなくてもある方法で帰りのタイムマシン代は捻出される、つまりかならず選手登録可能なので安心。

実にパワプロ2010以来(学生野球以外という括りならば2018以来)となるプロ野球編であるため、お金に関しては親からの仕送りやバイトなどができず稼ぐ方法がない…と思いきや、なんと試合中にスパチャ形式で稼ぐ方式となっており、活躍するとファンからお金が振り込まれる。
ある意味未来のバーチャル空間らしい仕様と言えるだろうか。
このあたりから「オカルトチックとかではないが、『なんでもあり』という意味ではパワポケっぽいシナリオ」という評も出ているようだ*4

シナリオ的には50年後の未来という、かなり先であるが繋がりが絶たれるほどの長さではない時代の為、登場キャラクターの中にはいわゆる第1世代メンバー*5を中心に、今まで出てきたキャラの親族も多い。



【登場人物】


主人公

いわゆる「パワプロくん」。今回はデフォルトネームおよびデフォルトよびかた音声も「パワプロ」である。ただしウグイス嬢のアイからは「スーパースター」とコールされている。
高校時代は今のところ甲子園すら行けず*6、能力値も悲惨なものだが、50年経過した頃には誰もが敬うスーパースターとなっている。猪狩守とは生涯のライバル
だがその事で有頂天になったりせず、仲間たちとは対等の立場で接する。
仲間たちもその事をわかっている為「リーダー」としては慕うものの基本的に約1名を除き対等に接してくれる。
それと時系列的には「まだスーパースターになってない」状態なので初期値は他のサクセスの最初と変わらない。
こうして彼はやがて「スーパースター」という枠組み無しで魅力ある人物だと皆に知られて行くこととなり…。

立場的には皆を引っ張るリーダーの為かつ、本作ではまだ2年生なので話が終わってもドラフトにはならない為、このシナリオには監督評価、スカウト評価が存在せず、常にスタメン起用されるほか選手の交代も自由。
この理由から実在球団出身扱いにできないため、再現選手など何らかの事情で「12球団のユニ姿の選手データ」が欲しい場合にはこのシナリオが使いにくいのだけは難点…だった。*7さすがに問題視されたのか、現在はアップデートで球団選択が追加されている。
ただ、発売直前は「なんらかのタイムパラドックスが起きた」として南海・近鉄・阪急*8を主人公の入団球団に選択できるようになるのでは?とする予想もあったため、この意味ではむしろ残念がられた。

ちなみに50年後の本人は時間旅行に出かけてしまっており登場しないが、かなり恥ずかしい名前の著書を出していたりと、色々と彼の人となりは(主にピグタによって)明らかになっている。また、後々に結婚はした模様。
エンディングでは後ろ姿ではあるものの、時間旅行から帰ってきた主人公を猪狩守が迎えに来ている。
ついでに時間旅行に行ってた理由は明かされないが50年前の自分と会わないようにの配慮だったと思われる。


矢部明雄

おなじみの相棒。
さすがの彼も未来世界では主人公とともに驚きっぱなしである。
主人公が過去に帰れなくなったのは彼も一緒に来たからであり「矢部君のせいじゃん」と責められる。矢部君は助けようとしていただけなのにあんまりである
能力は相変わらずなので外野の層が薄いフューチャーズには欠かせない戦力となるだろう。
なお50年後の世界では何かあったらしく、自分がどうなっているかを聞くと大体はぐらされてしまう。
ただしVRやメタバース関係に「メタヤンス」「ヤンスブレイク」など矢部君の口調を思わせる固有名詞が多いこと、12球団編で久々に「本当は漫研に入るつもりだったが、流れで野球部に入れられてしまったらハマってしまいそのまま選手を続けている」という設定…というか身の上話が登場した(つまり野球選手にこだわらない理由が無いわけではない)ことを考えると、ひょっとして…?*9


凍美理世/リゼ

主人公たちを連れてきた科学者。
パワフルフューチャーズを愛するがワーカーホリックめいたところがあり常に寝不足で不健康である。
ある意味では物語の起動役であり、もう一人の相棒といった役割を務める。
クールに見えて最初のシーンではボールをぶつけられたのかたんこぶが出来ているなどポンコツ疑惑がある。
妹の凍美ゆるあもフューチャーズを手伝っている。姉妹の仲は良い。
たまに監督と勘違いされる。


鬼柳青斬/ハルキ(CV:新祐樹)

フューチャーズのリーダー格。チームを支える「絶対的スーパースター」を目指している。
憧れの主人公を見て陰茎が苛立ったりはしない。
非常に責任感が強く、個性豊かな仲間たちをまとめている。
だが何でもかんでも1人で抱え込んでしまう悪い癖がある。
彼なりにフューチャーズを強くしようと努力しているところに、突如過去からやってきた主人公に対しては表面上は友好的に接するが、実は複雑な思いを持っており…。

彼がフューチャーズを支えているというのは能力面に現れており、事情があってチームを抜けた際にはまともな先発投手がいなくなってしまう*10
主人公が投手以外の場合、できれば継承選手でいい感じの投手を補充したいところ。


早川碧/アオ(CV:青木瑠璃子)

早川あおいちゃんそっくりの男性投手。あおいの親戚。
(遠縁らしいが、実際には「ほぼ一貫してあおいおばあちゃん呼び。しかも作中ではすべてあおいのいない場での発言*11」「あおいに食事を作ってもらうことが特別ではないことを伺わせるイベントが存在する」などかなり近しい関係であることがアオ本人から語られる)。茶色いのが多いだけで50年後のあおいは普通に料理できるようになってるとのこと
どこかクールでダウナーな印象を持っているが、それは所属しているフューチャーズに未来がないと感じているためであり、心の奥底ではあおいちゃん譲りの情熱と諦めの悪さを持っている。
それはそれとして甘いものが好きでよく主人公にねだってくる。
「休む」より少ないとはいえ体力を回復させてくれること、本人も好意に甘えてしまっていることはしっかり分かっているのでそこまで畜生感あるイベントではないが。
能力的にはあおいちゃんの生き写しのような感じで、シンカー系オリジナル変化球「アクアマリンボール」を武器にする中継ぎ投手である。勿論短気も持っている。
ちなみにアクアマリンボールを教えてもらった状態で現代に帰ることも可能だが、これ主人公がロッテに入団したらタイムパラドックスが起きないのだろうか?


二戸霧矢/キリヤ(CV.亀山雄慈)

パワフルフューチャーズの大型内野手。
怪我で引退した元プロ野球選手であり、VRの世界で体を動かせることを喜んでいる。
気さくな性格ながら自分に対する妥協は許さず、非常に厳しい練習をする。
その上で「選手である以上ファンに対してはサービスを欠かしちゃダメだよね」という考え方や行動を自然にとれる*12、他メンバーが未経験に近いことや明確に選手としての欠点を抱えていることを責めない・フォローする流れになった際は自分もしっかり助言や手助けを与えようとするなど、チーム全体で強くなること・フューチャーズを球団として維持することにもしっかり参加できる好漢。
能力値も他のフューチャーズの選手より一段階抜けており(能力だけではなく、イベントでも「キリヤはやっぱり経験者だから上手だね」という意味合いのことを言われるシーンもある)、非常に頼りになる存在である。
世界的ロックシンガー・江藤ワイルドの大ファン。


トオル(CV.小松昌平)

パワフルフューチャーズの主力打者。横文字を組み合わせた独特の言葉で喋る。
ネガティブな発言が多いがチャンスに強く、顔に似合わないスラッガータイプの選手である。
メンバー内で唯一の海外在住であり、リアルでは中々会えないことを本人も残念がっている描写もある。
彼のみ主人公に対して人となりはいろいろ伝えてくれるのに、本名だけは出さないが…?


井ノ原拓馬/ピグタ

パワフルフューチャーズの主力捕手
と同時に主人公の大ファンであり、若い彼と共に戦えることを非常に喜んでいる。
その為言動が限界オタクのそれであり、主人公が何を言っても憧れることをやめてくれない困った君(とはいってもシナリオが進むとある程度なら改めている)。ハッキリ言うと先述した「約1名を除き対等に接してくれる」の約1名。しかも悪気は一切なく、純粋に「野球人としての尊敬」からなのがいろいろコメントに困るかわいい後輩。
だが実力は確かであり、バランスを取れた能力を持ちキャッチャーB(かつ選手経験値を稼いで最大レベルまで上げれば金特殊・球界の頭脳*13に格上げ)まで持つ。無論プレイヤーがキャッチャーで進めれば球界の頭脳を習得できる。他のポジションでもサポートスキル「雰囲気◎」を早めに手に入るため、序盤は彼を追いかけることが推奨される
現実世界ではあるコンプレックスを抱えているが、ランダムイベントを進めることができれば主人公の「仲間としての助言」を受け入れたことで克服する。



蘆木央那

デビルアイズのオーナー。
主人公を大金で引っこ抜こうとしたり、VR空間ということを利用した細工をしたりと悪辣な行動が目立つ。
余り良い噂も聞かないが、そこまでしてチームの勝利を目指す理由には悲しい過去があった…。
が、それを踏まえても悪人なのは事実なので作中ですら余り同情されないが。


振井公照/カミテル

轟翼デビルアイズの内野手。その正体は男子小学生。
ゲームとプログラミングが得意ないわゆる「天才少年」であるが、常に他人に勝ち続けている人生だった為に生意気なクソガキとなっている。
ゲームをしている相手を平気で煽ったりする困ったヤツだが、意外にもチームメイトは煽らず、格上と認めた人間に対しては彼なりに敬意を見せる。
また根は悪人ではなく、本気で悪いことをしたら反省する等「一見生意気で礼儀知らずなのは単に子供」というキャラ造形となっておる。
おだてられることに弱いが、そのせいで蘆木に良いように使われてしまう。


月野みかど/ミカド

轟翼デビルアイズのキャッチャー。だが頭脳派とは程遠い直情的な性格で、言動もどこか男っぽい。
と同時に非常に惚れっぽく、特に「妻子や彼女を持ってそうな大人の男性」に惚れがちである。
あくまで「パートナーがいそうでいない男性」のみが対象のため、向こうに意中の人がいると付き合うのを断るなど、不倫やNTRはしない変なところで良識的な一面もある。
一見軽いように見えるがかなりの努力家であり、強豪デビルアイズでレギュラーを貼るだけの実力はある。
惚れっぽいところを除けば感性は一般的でデビルアイズの良心とも言われている。
また相手の事を気遣えるしっかりした子であり、彼女のイベントを最後まで進めた際の行動はその本質を表してると言える。
ただし彼女はライバル扱いなので攻略はできない。個別イベントの流れは完全に彼女枠だし、恋愛関係を思わせるエピローグイベントなのに…*14
ちなみに能力は優秀だが他のネームド捕手と違ってキャッチャーD止まりであり、彼女には申し訳ないがそこがデビルアイズの付け込む隙となっている。


人瀬是唐/ヒトセ

轟翼デビルアイズの主砲。かつてプロ野球で名を馳せた強打者でもあるが、その正体は90歳近いおじいちゃん。
VR世界では全盛期の姿を取っており、生涯現役を目指して邁進している。
…が、その性格はかなり利己的な物。具体的にはこの人の系譜とも言える。
とある子供同士の喧嘩では自分を知らなかったという理由だけでいじめっ子側についたりとその性格は非常に酷い
しかし彼がこうなった理由は、チームに尽力し優勝に導いたというのに自分達の名前が残っていなかったという切実なもの。何があった。*15
彼は自分の生きた証を残すために、現役を貫き通しているのである。
だがやっぱりその性格のせいでチームに馴染めないことが多いのか今まで40球団渡り歩いてきたらしい。
が、主人公に(それって39球団からクビにされたって事なんじゃ…)と心の中で呟かれていた通りそれだけ追い出されたという意味である。逆に言えば必要かも思わせるほどの実力はあるという事でもあるが。

ちなみに長嶋茂雄さんが『2024』発売時点で88歳、王貞治さんが84歳。50年後なので一概に比較はできないが、人瀬選手としてのヒトセはだいたい王さんよりやや上、ミスターと同年代の年齢ということになる。
この時代だとガチで時代の波の前に消滅したと言える球団も存在する*16が、今回の歴史設定だと既存12球団にそうなるチームが出てしまっているのか、それともなんらかのNPB以外のチームのことを指しているのかは不明。縁起でもないなオイ。
仮に50年後に90前とすると、パワプロ・矢部の時代では40歳か30代後半のはず。そうなると現役でプレーしていてもおかしくない*17が…?

…というか打撃フォームが同じ*18、年齢がほぼ同一、長打力タイプでエースに強い、年齢の割に精神的には(ベクトルは大きく違うが)若々しい、名称が消滅した球団への在籍経験がある*19とあまりにも某ロッテ・中日・巨人ほかOBと能力が似通っている。
OPにロッテ代表で呼んどいてそれはダメだろ

猪狩薫/カオル(CV.高橋 英則)

カイザースVに所属する投手。名字から分かる通りあの猪狩守の孫である。
…が、見た目はゴツい男であり、喋りもどこか辿々しく、ついでに概ね野球以外もなんでもこなす上に近年の作品でもそれを鼻にかけることのある守と違って「泳げないためプールや海が苦手」という欠点を自ら語ってくるなど、あの猪狩の孫とは思えない。
野球が絡むと珍妙なことを堂々と始めてしまう*20のだけは守似とは言えるか?
また猪狩に似ていないと言われると喜ぶなど不可解な部分が多かったが…。

余談だがVRのリーグは皆がメタネーム…要するにハンドルネームで選手名登録をしている*21が、カイザースVだけはいわゆるザコプロ枠でも本名登録と思わしき選手が多い。

+ ネタバレ
その正体は猪狩守の孫娘。つまり女の子であった。
現実世界の彼女の見た目は髪を伸ばした猪狩守そのもの(現実世界、メタヤンス内でもこちらの外見時はCV.高木美佑)。
しかし偉大すぎる祖父の存在は彼女に多大な影響を及ぼしており、対等の存在…友達が出来ない自体にまで陥っていた。
祖父の幻影を取り除くために、そして何より「誰かと友情を結ぶために」、彼女は敢えて猪狩度の無いアバターを選んでいたのであった。
イベントを進めると彼女なりに答えを見つけ、正体が判明している場合は最終戦で女の子の姿となって主人公に挑んでくる。
ぶっちゃけ元の姿じゃないと一応守とWラスボス務めてるのに最盛期の守の下位交換である。

なお上記のミカドは主人公の前でカオルに惚れた振りをするイベントがあるのだが、彼女が女の子だとバレてても主人公は普通に誤解する。百合に理解のある男
と同時にそんなミカドの演技に付き合いながらも、主人公がいなくなった後に「いいのか?」と問い掛ける等、心優しい一面も持っている。

実はエンディングスタッフロール時に出てくるストーリー補完イラストの中に「現実世界の薫基準のアバター」のカオルのものが存在する(イベント回収状況に関係なく出てくるイラストは変わらないため必ず出てくる)。守の高校時代に見えなくもない構図にはしてあるが。



猪狩守

そんなカオルの祖父。
どうやら50年後の今でも健在らしいが…。

+ ネタバレ
設定上は猪狩カイザーズVの監督で存在自体は触れられていたが、中盤、なんと60代の姿で登場する。髪型が白髪混じりのオールバックになっていること以外は特に変化はなく、ダンディなナイスミドルと言った雰囲気。
既に初老に差し掛かりながらも猪狩コンツェルンの総帥も兼任し、忙しいながらも充実した生活を送っているようだ。
そして主人公に対し「君がスーパースターになる為のきっかけは高校時代に僕と一打席勝負をした事」と告げるのだが、未来にやってきた彼はまだその日を迎えていない…と残酷な宣言をする。
だが同時に「スーパースター」である彼のことを最も知る男として、憧れている人間を説得する一面も見せる。後方彼氏面
それと過去世界でターニングポイントとなったイベントのことを「あの日」と生理みたいな表現するのでネタになった。
物語後半では上述したデビルアイズの不正疑惑でフューチャーズ側(=主人公)に協力したこともあってか、自らもカイザーズVへの参加を決断。VR世界に飛び込み、若い姿で主人公たちとの戦いに挑む。
とはいえ流石に加齢+VRに慣れていない為に全盛期には届かない能力であるが、明確に劣化しているのがコントロールくらいな辺りは流石に最初期からのライバルの面目躍如と言ったところ*22
ただし今回は先発はカオルに任せ、リリーフ投手を務めることから、試合展開によっては「猪狩が登板しないままフューチャーズが勝って終わり」「出番が回ってきたら猪狩が降板した直後」になる可能性もあるのには注意。
ちなみに実質ラスボスを務めるのはパワポタ4以来の2回目であり、
意外とラスボスを務めた回数が少なかったりする。*23

また物語の最後は「現代に戻った主人公、たまたま通りかかった『現代の』守が勝負をしようとする」シーンで締められており、50年後の守がどこまで気づいていたかはともかく、実際には「フューチャーズでの経験で得たものが守との一打席勝負で二度目の開花。この勝負はスター選手への一歩目ではなく二歩目」だったとも解釈できるエンディングになっている。

エンディングの一枚絵でも時間旅行から帰ってきた未来の主人公を空港で迎える姿が描かれている。50年経過しても変わらないツンデレの極み。

なお、あおいや友沢は結婚したかどうかは伏せられている(「孫」ではなく、本人が結婚していなくても成立する間柄の子孫が登場)が、守だけは結婚したことがほぼ確定している。
現在でこそ主人公一筋と言われるくらいストイックな男であるが、かつては主人公の彼女を寝取っていたプレイボーイだった事を思い出したプレイヤーも多い。


友沢丞/ジョー(CV:斉藤壮馬)

総統エンペラーズに所属する選手。
友沢亮の色違いのような存在だが、実際に彼とは大叔父、大甥の関係(つまり亮のきょうだいの孫が丞)らしい。
『12』~『14』に顔グラフィックありで亮の弟・妹が登場していること、近年の作品でも下の兄弟姉妹に言及されているからゆえか。「亮じい」を除いても野球一家らしいことから翔太*24の孫ではないかと考察されている。
彼よりお金にがめつく、変な儲け話に飛び込んだりする*25危うい一面を持つ。
+ ネタバレ
実は「家庭環境から極めて貧乏で、がめついというより単に稼がないとやっていけないから」というのも亮と同じ。あちらとの違いは父親が健在なうえで彼の事業失敗で貧乏になったと語られること。
ランダムイベントを進めることができると、最後は主人公の助言や協力、そして事態を知ったエンペラーズメンバーの協力で無事に軌道に乗りそうな事業を父が始める・丞もそれにできることで協力するハッピーエンドに終わるほか、ここまでイベントを見ることができれば、主人公が現代に戻る際にある贈り物を渡してくれる。

ちなみにこのイベントに関わる面々は「亮じいはキツいこと言うだけで何も助力してくれなかった」も周囲に頼ることを丞に促していた可能性が高いと結論しており、おそらく今作における歴史設定でも何らかの形で周囲に支えられて大成したのが友沢亮であろうと思われる。

ちなみにジョーの発言を聞く限り、亮は亮で「クールなことも多いけど、根はとんでもない野球バカ一代」な性格はあんまり変わってないようだ。
守同様にこっちの野球に来ればよかったのに。
またドルオタ度も亮以上であり、フューチャーズのつゆはを前に熱くなる一面も。

アオとは家族ぐるみの付き合いがあるらしく、亮に「アオには負けるな」と口酸っぱく言われている。
そんなあおいの事を「早川のおばあちゃん」と呼んでしょっちゅう怒られているらしい。


黒豆団子/団子(CV.榊原優希)

戦国サムライズの主力選手。
見ての通りのサムライボーイであり、ある事情から未来は愚か現代においてもかなり古風な喋り方をする。これも本人のイベントで背景が明かされる。今回ライバルキャラでそういうの多いな
戦国工業高校の「黒豆あずき」の孫娘であり、さらに先祖になるおしるこ姫/ゼンザイに関しても歴史書などで知っている*26
+ ネタバレ
実は素の団子は普通に現代語(※50年後と現在とではギャル語彙以外ほとんど変わっていない)で喋っており、サムライ口調は完全に作ってるキャラ
現役時代の古田敦也が「自分とこが勝てば誰よりも大喜びする、野球選手にしていかにもな関西人の野球ファン」ではなく「いつも冷静沈着な切れ者」だと思われてたみたいなもんか。

人と話すのが苦手だったことからチーム参加第一声で噛んでしまい、偶然サムライ口調っぽくなってしまったのを元々歴史好きばかりだったチームメイトが実に都合のいいようにとってしまい、言い出せなくなったことからキャプテンの責務としてサムライキャラを続けている。

…が、イベントを進めると、チームメンバーたちはガチでサムライキャラだと思ってただけで、団子の素のリーダーシップがあるからこそついて行ってたことが判明。
最終的にはベストな形で素の自分を明かすことができた。

実はエピローグにて今作の主人公の孫だと本人から示唆している。つまり主人公は後に黒豆あずきと結ばれることになる。
どうやらこの世界線では戦国工業高校ではなくパワプロ高校に(主人公の後輩として)あずきが入学する模様*27


グレイ

突如主人公の前に現れる1つ目の存在。
最初主人公は「かなり特殊なアバター」と見ていたが、実は正真正銘の宇宙人らしく…。
とはいえ中身は礼儀正しく、誰に対しても腰は低い。
と同時に好奇心旺盛でもあり、野球というものに興味を持っていく。イベントの特定段階を見た時点である条件を満たしていると…?
コナミのグレイであるがボンバーガールとは無関係である。
礼儀正しい…とは言ったが、やはり地球とは違う惑星の人間であるためやることは凄く派手だったりする。
彼に野球を教えた時のイベントはインパクト抜群、是非とも体感していただきたい。


江藤ワイルド

世界的ロックシンガー。キリヤは彼の大ファンで、本編中でも度々話が上がっているほか、コマンド選択画面の背景には彼の宣伝看板も描かれている。
エンディングでは特定のイベントを見ていれば日本公演に来た本人が登場。そして…?
+ 重大ネタバレ
実はトオルの正体…というかアカウントの中の人は江藤ワイルド
イベントを進めていると「現実世界で会うのは居住地の都合から困難」「たいていは英語交じり口調」だけではなく「音楽の心得がある」「好きなことにおいて、一緒に取り組む仲間がいないことを気にする(江藤としてはソロシンガーのため?)」など、江藤/トオルのエンディングを見れば伏線であることがわかるイベントは結構多い。
このエンディングではフューチャーズにおける仲間として他の面々とついにオフでの対面を決行。その場でオフ会を開いただけではなくみんなを自身のコンサートに招待し、改めて友人関係を結んだ。
(この際にキリヤが声をかけられるギリギリまで「江藤ワイルドの来日も同じ便みたいだけど、さすがに彼がトオルってのは違うんじゃないだろうか」と考えており、主人公以外も気づいていなかったようだ)

凍美ゆるあ/ルーア(CV.白砂沙帆)、宇井露羽/つゆは(CV.古賀葵)、速利優心/リューコ(CV.伊藤彩沙)、アイ(CV.会沢紗弥)

今回のシナリオの彼女候補達。
ルーアはリゼの妹。つゆははフューチャーズの公式応援ライバー。
リョーコはコーチの娘のギャルキャラ*28でアイはウグイス嬢と、全員がフューチャーズの関係者である。
しかし主人公はいうなれば50年前の人物なので、恋人状態になっても悲しい別れをすることとなる…。*29
いかにもメインヒロインぽいルーアとアイはガチ育成のときはほぼ確実にスルーされる。*30
+ ネタバレ
アイのみ「球場のウグイス嬢を雇えないことからリゼが制作した人工知能」であることが本人から明かされ、そのうえで主人公が受け入れるところまでイベントを進めていると(つまりデートイベントをすべて回収し、金特殊のコツをもらうところまで進んでいると)データをロボットに丸ごと移し、いなくなったウグイス嬢はアイⅡを新規に作ってなんとかすることで肉体を得る。完全に機械の身体なので本作におけるタイムマシンの「乗れる生命反応の数には上限がある。定員が存在する」もクリアできることから、50年前の本来のパワプロ・矢部くんの時代についてくるエピローグとなっている。
要するに前作のタマモに引き続き人外枠彼女候補が存在する。



A.I DOMAE(CV:堂前英男)

まさかのAIになった堂前アナウンサー。現役さながらの実況で試合を盛り上げてくれる。
とはいえシナリオに出てくるわけではなく、試合画面の対戦チーム紹介の右下の表記がこうなっている。
まぁ実況内容自体は変わらないが、こういう細かい気遣いもシナリオの雰囲気をもり立ててくれるのは間違いない。
ちなみにウグイス嬢のアイは結果により一言コメントをくれる。
熱盛AIは… やっぱり熱すぎて失敗したのだろうか。


余談

シナリオの都合上、主人公やハルキ、リゼがチームを引っ張っているように見えるが、ちゃんと監督も存在する。
一瞬だけいつもの顔した監督が登場するのだが、ほとんど出てこない。
またコーチの存在も触れられているが登場せず、選手と女性達だけで進行するという、ある意味では特異なシナリオとなっている。

なおスパチャでお金が入る仕様だが、流石に凡退した場合はお金が入らない。
だがコメントは「相手が一枚上手だった」「次に期待」といった励ましの言葉が多く、マナー自体は非常に良いのも地味なポイントといえる。
ついでにセイバーメトリクス重視のやりかたも残っている模様*31

また、どうやら設定上NPBによる試合ではないらしく、ヒトセの設定以外でも「金属バットを使用できる、基本的にこれが主流*32」「延長12回で引き分けになった際の処理が異なる*33」「トレードやテスト入団の制限が緩い・そもそもドラフト会議制度が無いっぽい」など、細かい規定面ではいつものプロ野球とは割と差異が見られる。
過去作の「リーグは8球団」や「3つ目のリーグが存在する」ではなく、実際で言う独立リーグのようなものなのだろう*34

育成面に関してはセーブ保存とかで上振れ狙いしない限りは天才肌や博士の改造手術受けなくってもオールA+特能15個位は余裕で作れる+難易度も歴代サクセスでは比較的低いためサクセス周回はパワプロフューチャーズとまたはローリスクハイリターンで安定して継承選手が作れるあと前作でかならず出てくるやつと『アプリ』から入った人には超お馴染みのやつがいるのでキャラをよく知らなくてもいける度が高い*35広島カープ編の2択となっている。他の12球団編サクセスがハイリスクローリターンだったりマイナスイベントが多いのが原因である。
ついでにお金さえあれば赤特も自由につけられるため再現選手が容易に作れる。
「対決!レジェンドバトル」は少々野球としてのバランスが甘いこと、育成モードとしての自由度はかなり低いことからこの点では一歩劣るか。
…それでもOB選手と対決するモードってだけで十分に高評価なんだけどね。

何かと厳しい評価が多いパワプロ2024-2025だがシナリオ面と育成面に関しては今作の中で評価が高く、まさにサクセスシナリオとしても集大成という出来になっている。



追記修正は50年後の未来からお願いします。


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最終更新:2025年02月15日 20:57

*1 本作では「実況」や「eBaseball」は正式なタイトルからは外されている。

*2 今作におけるタイムマシンには「乗れる生命反応の数が決まっており、これが定員となる」システムが存在するため。本来なら乗ってきたリゼ+連れてこられた主人公の2名で定員ちょうどだったのが、矢部くんが飛びついたせいでオーバーしてしまった…という展開になる。ただし矢部君視点からすれば「親友が謎の美女に攫われかけていたから何とか阻止しようと飛び付いた」だけである

*3 逆に自チームとカオルイベントでは投手・野手共に強力な超特殊能力が貰える。ついでに団子も捕手の場合はささやき戦術が貰えるため優秀。

*4 それまでの「ポケ寄りのサクセスシナリオ」扱いされたのはほとんどがオカルト要素や異能力、人外であるキャラクターそのものがキーワードになる内容だった。『アプリ』ヴァンプ高校や恵比留高校など。

*5 前作『2022-2023』でいう「永遠のライバル世代」の面々。

*6 プロローグで高校2年生と自己紹介している。夏に「甲子園行けなかった」と言っていることを考えるといわゆる最後の夏ではないはず。…身体的にも経験としても+1年半されてこの時系列に戻るのだが深く考えないように

*7 なお任意で赤特殊を付けられる・実在球団出身にできるの双方を満たしているのは『2024』発売時の仕様では千将高校のみ。千将は初期能力が高いがランダム性が強いというシステムが大前提のため、事実上所属チーム込みでの再現選手作成がかなり困難になってしまった

*8 2024の目玉要素の一つが南海ホークス、大阪近鉄バファローズ、阪急ブレーブスの収録だったため。

*9 ただしVR野球の基礎を作った人物は別にいることは明言されている。同作『対決!レジェンド選手』でVRヘッドセットとOB選手たちのデータを貸してくれる先見博士がそのまま普通に9人vs9人で勝負できるものも作ったとのこと。風体がいかがわしい・怪しいだけで悪人ではなかったようだ

*10 投手としては下のアオが優秀だが、彼はスタミナがEなので先発向きではなくシステム上の先発適性もない。サクセスキャラの投手でリリーフ専業は異例

*11 今作では「50年後のあおい」本人は登場せず、アオとの会話で人となりが明かされるのみ。これは友沢も同様。

*12 しかも他メンバーによるキリヤの話を聞く限り、現実世界でやっていた時期に既にこの人格が完成されていた

*13 参考までに、2024収録OBで頭脳持ちは野村克也と古田敦也のID野球師弟くらい。「V9軍団の要」森昌彦や「東尾から豊田・松坂までバッテリーを組み続けた男」伊東勤ですらキャッチャーAと言えばピグタの伸びしろのデカさが際立つか

*14 一応パワポケ作品を中心に、隠し彼女枠のキャラがこういうシステムになっていた前例自体はあるが。本作だと12球団編の姫野カレンもシステム上のみ非彼女キャラ。

*15 一応チーム自体が無くなって散りぢりになってしまったパワポケ2や同11という前例はあるが…

*16 初代東京セネタース、松竹ロビンス、トンボユニオンズなど

*17 今作収録選手だと例えば中村剛也・栗山巧の西武ベテランコンビが40歳。

*18 一応『アプリ』八尺などほかにも神主打法のサクセスキャラはいる

*19 ヒトセのと違い経営母体は変わっていないと見なされているが、当時のロッテは「オリオンズ」名。そのため厳密には名称が消滅している。ちなみに今作では逆に里崎さんとかのマリーンズ世代のOBにオリオンズのユニで試合してもらうことも可能

*20 スパイクの新人歓迎会、練習でだけ使うボールとグラブに名前を付けるなど。『アプリ』天空中央の東雲という前例はあるが

*21 デビルアイズはネットゲームにおける不正行為やノーマナー行為、あるいはネトゲそのものの評価を表す言葉の捩り・サムライズは実在する戦国武将を連想させるもの・エンペラーズはチームペットマークから恐竜の種名・惑星スターズは天体名や各種人工衛星、探査機から引用と、チーム固有選手やマーク・名称に合わせたものになっている

*22 初登場時でのリアルでの練習では「高校生の頃の速度しか出ない」と言っていたが、それでも150キロ近くは出ており年齢を考えると充分に驚異的

*23 あかつき大・大附は同地区のライバルとして出てくる機会が多く、あまり甲子園や全国大会では戦わないため

*24 『12』では小学生、『14』では高1ながら甲子園優勝メンバー入り。『パワスタ』の時の公式絵から清本など同様に西強高校に在籍していたのではとされる

*25 ダイジョーブ博士よりさらにヤバい治療技術、具体的に言えば「生きてたら支払う」と書いてあるレベルの治験にホイホイ参加してしまうなど。これはさすがに主人公が疑って同行したことから止めた。ちなみにもう一択は権利面がぜんぶ会社に行くような動画撮影。…TDN的な意味のじゃないよねこれ

*26 どこまで『2011決』戦国編の出来事が起きているのかは不明。

*27 あずきが初めて彼女候補となった『2013』の仕様としてはおかしくない展開ではある

*28 ギャル語は時代によって大きく変わるので、彼女の話すギャル語はオリジナル

*29 そのため、今作の彼女たちはマイライフへの引き継ぎができない

*30 ルーア、アイ共に貰える金特とアイテムが他2人に比すれば微妙のため。一方つゆはは精神的支柱や勝利の星がもらえる・低確率だがアイテムが割引になるゴールドカードが貰える、リューコも全体的に貰える金特が強力かつ貰えるアイテムが非常に便利なのが多い。ついでにサポートスキルがどれも強力

*31 バント成功でのスパチャコメントなどにそれ前提のネタを挟んでくるファンが確認できる。ただし至上主義レベルの人も普通にいる現実・現代とは異なり、明確に「重視・軽視どちらも万能ではない」派であろうニュアンス

*32 あくまで現実ではの話だが、金属バットの方がいわゆる芯・真芯部分が大きく打撃側有利となる。というか普通は木製バットだと真芯で捉えないとほとんどマトモに飛ばないことすら珍しくないレベルで、自チームの守備時に使われることを加味しても認められているなら金属バットにするのが普通。ちなみに『対決!レジェンドバトル』では木製バット指定

*33 肉体的疲労が現実世界の野球より軽いこともあり、こちらではその場でダブルヘッダー的に再試合

*34 当のヒトセがEDイラストで「最高齢の現役野球選手」として表彰を受けており、とりあえず非NPBリーグでのものとしてなら公認記録扱いはされる模様。ちなみにNPBで史上最高齢の現役はもちろん山本昌(50歳で引退)。…今作だとメチャクチャ若返ってるけどね昌さん

*35 猛田と木場兄。リメイク前にいろんな意味でいなかったバニキは静火が「パワプロ女子」のときにカープを担当していたからと思われる