負けヒロインが多すぎる!

登録日:2024/08/08 Thu 04:59:00
更新日:2024/09/14 Sat 00:59:06
所要時間:約 6 分で読めます




負けて輝け!少女たち

負けヒロインが多すぎる!』は雨森たきびによるライトノベル作品である。
イラストはいみぎむる。
ガガガ文庫より2021年7月から刊行されている。(既存8巻)
略称は『マケイン』。


【概要】


原作者が本作を執筆したきっかけはアニメに登場する青髪女性キャラクターが「負けヒロイン」のように感じ、そのキャラの負ける未来が見えながらも奮闘する様に感動を感じたからとのこと。
こうした経緯から、「恋に破れるキャラクター」を描きたいという思いから執筆に至った作品とされる。

ラノベやそれを原作に伴うアニメ、ラブコメ、ギャルゲーのアニメ化作品において、「負けヒロイン」というのは必ず出てくる。特に複数のヒロインが出てくる作品の場合、メインヒロインと結ばれる展開を描く以上、避けては通れない道である。
本作ではそんな「負けヒロイン」が主人公に告白してフラれたらどうなるかにスポットを当て、掘り下げられていくのが基本路線となっている。
結ばれた2人を応援していくというスタンスを取るのか、はたまた裏では嫉妬と失恋による傷心の感情を露わにして、本作の主人公に気持ちを吐露する様など、妙にリアリティあるやり取りを展開するのが特徴である。

作中の舞台は愛知県豊橋市。作者の地元である。

メディアミックスとしては、「マンガワン」(小学館)にて、いたちによるコミカライズが2022年4月より連載されている。
また、テレビアニメ版が2024年7月より放送されている。

【あらすじ】

想い人の恋人の座を勝ち取れなかった女の子——「負けヒロイン」。

食いしん坊な幼なじみ系ヒロイン・八奈見杏菜。
元気いっぱいのスポーツ系ヒロイン・焼塩檸檬。
人見知りの小動物系ヒロイン・小鞠知花。

ちょっと残念な負けヒロイン——マケインたちに絡まれる、
新感覚・はちゃめちゃ敗走系青春ストーリーがここに幕を開ける!
負けて輝け、マケインたち!
(アニメ公式HPより引用)

【キャラクター】

【文芸部】

(主人公)
・温水和彦
CV:梅田修一朗
本作の主人公
高校1年生。ライトノベルを愛読しており、新刊のチェックは欠かさない。友達は今まで一人もいなかったがそれを憂うこともない、達観系のぼっち。
ファミレスで好きなラノベを読んでその余韻に浸っている際に、クラスメイトの八奈見杏菜がフラれてしまうところを目撃する。そして運悪くもその光景を彼女にも認識されて非常に気まずい状況になったことから、奇妙な交流が始まることになった。
また、入学式の日に適当に書いていた届がきっかけで文芸部に正式に入部することになり、執筆業も本格的に始めることに。

上述の通りぼっちで交友関係は狭い。妹からは友達がいないことを心配されている。コミュニケーション能力が高いとは言えないが、負けヒロイン達の話に乗ってくれたり、フォローしてくれたりするので優しい性格であることは確かである。
オタク系以外の趣味は学校の水道水の味の違いを楽しむこと。
「蛇口による味の違いを知る人間はいない。俺は知る側の人間だ」

(負けヒロインたち)

・八奈見杏菜
CV:遠野ひかる
本作の負けヒロイン1人目。
和彦のクラスメイト。明るく愛嬌のあるクラスの人気者。
ある日和彦がファミレスでラノベを読んで感慨に浸っていた時、幼なじみの袴田草介のことを好きでありながらも他の子への恋愛を後押ししている場面を見られてしまう。つまり失恋してしまった場面を見られてしまったわけである。
結果、これが縁となり奇妙な交流関係がスタートする。(交流関係がスタートしたきっかけは、和彦に彼への想いや愚痴を聞いてもらっている際に、勝手にポテトを始めとするメニューを注文して、なおかつ本人は手持ち不足でおごってもらったため)
所謂、「幼なじみ系負けヒロイン」で、草介と結ばれることを夢見るくらいに一途だったが叶うことはなかった。
本人は幼少期に結んだ婚約を未だに信じており(さすがにそれはノーカンだと和彦談)、いつまでも想いを伝えなかったことを後悔しており、事実草介の気持ちは彼女に向けられることはなかった。

結構な食いしん坊で、毎回和彦にお金を支払ってもらい、ツケになることが多い。草介関連での愚痴もよく聞かせられる。そうしていくうちに和彦とは自然体なやり取りをしているくらいに仲が良くなっていき、文芸部に成り行きで入部した。
原作者曰く、杏菜は和彦にとっては良き「相棒」の立ち位置であるとのこと。

アニメではCVの遠野氏の濁点が混じったような(例:「う"っふァッッッッッ!!!!!」とアイスコーヒーを吹く、「う"わ"ぎだよッッッッッ!!!!!」と絶叫するetc)特徴的なボイス誰が呼んだか汚いマチタンやコロコロと表情が変わるおもしれー女ムーブをかましたり、水着回ではムチムチ巨乳を披露したりと素材は優秀だが、行動で台無しになっている『負けるべくして負けた』感が強いキャラに仕上がっている。

・焼塩檸檬
CV:若山詩音
本作の負けヒロイン2人目。
和彦のクラスメイトで陸上部のエース。いつも元気いっぱいで天真爛漫な性格。
よってクラスの人気者的な立ち位置にいる。
走ることが大好きで、勉強はちょっぴり苦手。時に言動が天然染みたものもある。
明るく大雑把なに見える言動の裏側には繊細さが見え隠れしている。

同級生の綾野光希とは幼なじみで淡い恋心を抱いていた。しかし、そんな彼には一緒に塾に通う朝雲千早と一緒にいることが多く、二人の関係性を気にしていた様子。
和彦と光希がやり取りをしているのを見て、何とか取り持つようフォローしてくれるようにお願いされるが・・・。
一応文芸部にも籍を置いているが、原稿は忙しいので基本書いてない。

「ははっ…、あたしって、今まで何をしていたんだろうね」
作者曰く、元気系少女での負けヒロインを描きたく、今日のキャラに至ったとのこと。

・小鞠知花
CV:寺澤百花
本作の負けヒロイン3人目。
文芸部に所属している1年生女子。
引っ込み思案というかコミュ障気味な性格で、人としゃべるのが苦手である。このため、和彦と同じく友達がいない
和彦同様、教室に居づらくて、学校の水飲み場を飲み歩いているようだ。そして昼食時はトイレでぼっち飯なんてことも・・・
文芸部員としては、執筆スピードが早いこともあり某小説家サイトで連載作品がランキングに載った事もある。
そんな彼女であるが,文芸部の先輩たちには心を開いており、その視線の先にはいつも、文芸部の部長を見ていた。コミュ障の自分のことをよく見てくれていたことが背景にあった。そして夏合宿の際に彼への想いを告白するが・・・。

作者曰く、上記2人の負けヒロインとの差別化として性格を特殊な方向に作った結果としている。

(ツワブキ高校の学生)

・玉木慎太郎
CV:小林裕介
文芸部部長。副部長の古都とは幼なじみ関係にある。
面倒見のよい性格。なろう小説サイトに自身の作品を掲載しており、和彦も慎太郎と知り合う前からの読者。

・月之木古都
CV:種﨑敦美
文芸部副部長。玉木とは幼馴染である。
BL小説が好きで文芸部の部室に忍ばせている。なんなら同級生をモチーフにしたナマモノを書く業の持ち主。
見た目はいかにも知的そうな眼鏡女子だが、成績は222/228位とあまりよろしくない。
姉御肌な性格だが前述の生もの同人を学校へ持ち込む、在学中に運転免許をとって車を運転する(校則違反)など結構な問題児。
「太宰と三島には触るなよ~」
ちなみに同期のアニメには太宰らしき人物が主人公の異世界転移モノもあったりする。
志喜屋とは色々因縁があるらしいが…?

・志喜屋夢子
CV:安西知佳
生徒会書記。クールな歩く屍系ヒロイン。いわゆるギャルな風貌なのだが、成績は学年10位内に入る程優秀。実家も太い。
ボソボソと喋り、突拍子もない行動を行うが根は善良なので生徒会メンバーには慕われている。
とある事をきっかけに和彦と急接近しており……!?

・馬剃天愛星
CV:諸星すみれ

1年生ながら、ツワブキ高校生徒会で副会長を務める少女。
文芸部に何かしらの因縁があるようで和彦にはつんけんした態度をとっている。
名前は“ばそりてぃあら”と読み、コンプレックスを抱えているようで、ほかにも抱えている秘密があるようだ。
彼女もまた、和彦と因縁を持つことになっていく……。

なにげに制服のリボンの多さに言及した人物の一人。


・袴田草介
CV:逢坂良太
和彦とはクラスメイト。イケメンで性格も明るい。杏菜とは幼なじみ
和彦がファミレスでラノベを愛読していた時、同じクラスの華恋への気持ちを自覚して杏菜に背中を押してもらう形で結ばれるというラブコメ漫画あるあるの展開を目撃してしまう。
そして杏菜は草介が去った後に彼のストローで間接キスをした

・姫宮華恋
CV:和氣あず未
和彦のクラスに転入してきた、美少女で巨乳な正ヒロイン感MAXのクラスメイト。髪はピンク。
後に草介と結ばれることになる(その展開もコテコテのラブコメ展開のようなもの)
杏菜とは友達同士とされているが、当の杏菜からすれば想い人を取られたので、内心は腸が煮えくり返っている。(大事な親友という割には舌の根が乾かぬ内に「乳牛女」と呼ぶ始末である)が、そうは言いつつやっぱり友人同士には変わりないのでその後も仲良くしている。
和彦と杏菜が付き合っていると誤解していた。

・綾野光希
CV:小林千晃
和彦の中学生からの同級生。たまに話をしたりする間柄。塾に通っており成績上位のインテリな性格である。檸檬が想いを寄せていた。

・朝雲千早
CV:上田麗奈
和彦の同級生。光希と同じ塾で同じ特進クラスに通っている。
光希の彼女でありとても愛が重く、GPSや盗聴器の扱いに長けている。
それと同時に檸檬が光希の事を好きである事も理解しており、光希が檸檬と付き合って幸せなら自分は身を引く覚悟を決めており、光希の幸せを第一に考えている。
和彦とは成り行きで姉妹プレイを行った事がある。

(教師)

・甘夏古奈美
CV:上坂すみれ
和彦の担任教師。ちんちくりん。忘れっぽい性格で授業時間や教材を忘れてしまうことが多い。婚期に焦っておりよく生徒の前で愚痴をこぼす。
同様に和彦が担当クラスの生徒であることも忘れる。それは教師としてアカンやろ。

・小抜小夜
CV:斎藤千和
和彦の高校の養護教諭。色っぽい容姿をしており、生徒たち(の恋愛模様)を観察している。
古奈美とは同級生。
甘夏先生の知り合いだけあって盗聴・盗撮を仕掛けるなど癖の強い人物。

(その他)

・温水佳樹
CV:田中美海
和彦の妹で中学2年生。全てをそつなくこなすパーフェクトな妹。
多少ブラコン気味なのが玉に瑕。大好きな兄のことを自ら「お兄様」と呼び、兄のこととなると歯止めが利かなくなる。
和彦に友達が出来ないことをとても心配している。だからこそ、兄に友達が出来たという話を聞きつけると自分のことのように喜ぶ。(赤飯にしようと嬉々として語っていた)
そしてそれにいたたまれない気持ちになる兄・・・。
さりげなく兄に話すセリフが毒舌染みていることも多い。
「ですよねー!友達すらいないお兄様に彼女なんて!」
アニメでは声のせいか某透き通る世界のゲーム脳アンドロイドに見えると言う人が続出した。

・権藤アサミ
CV:関根明良
佳樹のクラスメイトで親友ポジション。コテコテの三河弁を話す。兄のこととなると暴走気味な佳樹の良きストッパー役にして、ツッコミ役も兼ねた常識人。
第6話の次回予告では、佳樹と共に出演を果たした。

【舞台】

  • ツワブキ高校
主人公たちの通う高校。モデルは豊橋市に実在する愛知県立時習館高等学校。
進学校らしく、檸檬が受験を決めたときには周囲が心配したらしい。
女子生徒の制服はリボンが複数縦につくという目につく形をしている。

アニメでは豊橋のスポットが多く紹介されている。


【テレビアニメ版】

2024年7月~9月で放送中。製作はA-1Pictures。
リアリティある学校生活の描写やクオリティの高い作画が特徴的。また、聖地巡礼用のマップが公式HPにも記載されている。聖地巡礼を予定している方は参考に。
また、ヒロインの1人である八奈見杏菜の最新話までの摂取カロリーの統計数値もHPで公表するという杏菜からすればブチ切れそうな企画もある模様。

主題歌

OP:「つよがるガール feat.もっさ(ネクライトーキー)」
ぼっちまるまるによるオープニングテーマ
ED:
「LOVE2000」第1話〜第4話
原曲は2000年に発売されたhitomiによるシングル曲(「劇空間プロ野球2000」のイメージソングとして有名)で、本作では八奈見杏菜役の遠野ひかるがカバーしている。
「CRAZY FOR YOU」第5話〜第7話
原曲は2011年に発売されたKyleeによるシングル曲で、本作では焼塩檸檬役の若山詩音がカバーしている。
「feel my soul」第8話〜
原曲は2006年に発売されたYUIによるシングル曲で、本作では小鞠知花役の寺澤百花がカバーしている。

追記・修正は負けヒロインにしっかりとしたフォローが出来た時にお願いします。

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最終更新:2024年09月14日 00:59