登録日:2024/10/05 Sat 19:00:00
更新日:2024/11/22 Fri 19:30:55
所要時間:約 52 分で読めるから、元気いっぱいいこうぜ!
筑波洋とは、1979年10月5日から翌年10月10日に渡り夜7時に放映されたテレビ番組『
仮面ライダー(新)』の主人公。
そしていま一つの名は、
スカイライダー。
大空を自由に翔け、恐怖集団・ネオショッカーと戦うのだ。
リバイバルブームに乗ったという経緯もあり、正式な作品名は
『仮面ライダー』なのだが、それでは
伝説の初代と区別がつかないため当時の新聞のラテ欄などでは区別のために後ろに(新)が付けられ、公式も何となくそれに倣い現在に至る。
また、基本的に「スカイライダー」という戦士は1人しかいないため、ぶっちゃけ作品名を指してスカイライダーと言っても大半の人に通じるというか、こちらの方が通りが良い。
微妙に混乱を呼んでいるのかyoutubeの公式配信では仮面ライダー(新)(スカイライダー)と表記がとっ散らかっている。
【概要】
(演:村上弘明)
城北大学の3年生(本編開始時点)にして、ハングライダーの名手。
仲間たちとハングライダーの練習にいそしみ、上空を飛んでいた際に車を付け狙うバイクの一団を発見。
暴走族に絡まれていると思った洋は生来の正義感から助けに割って入るが、助けようとした白衣の男性は悪の組織・ネオショッカーからの脱走者・志度敬太郎博士。そしてバイクの集団は尖兵・アリコマンド。
ここから全てが始まった。
博士を救出した際に戦闘員のアリコマンドを倒してしまった事からネオショッカーの怪人・ガメレオジンに目をつけられ、報復としてハングライダー仲間を皆殺しにされる。
再び誘拐された志度博士を救うべくバイクで追跡するが、その最中の交戦で叩き落とされガードレールに衝突、瀕死の重傷を負う。
「まだチャンスはあるぞ!私は…この青年を死なせたくない!」
ネオショッカーに取り囲まれた絶望的な状況下で、志度博士は洋を救う一縷の希望に賭けて改造手術を申し出る。
優秀な素体でもあった洋は皮肉にもその素質を見込まれ組織により手術は許可。
ビルも山も遥かに越えて大空高く飛び回るセイリングジャンプ。
愛用のマシン・スカイターボはライダーブレイクでコンクリートの壁もブチ抜く。
新たな仮面ライダー。またの名をスカイライダーとなった洋は、人類の自由のためにネオショッカーとの戦いに身を投じていく。
【人物】
明朗快活、エネルギッシュな性格。
自分の事情で巻き込んでしまい、延命のためとはいえ改造してしまい悲嘆にくれる志度博士のために「空を飛ぶ力」の素晴らしさを見せて勇気づけ、落ち込んでいる子どもがいれば屈んで目線を合わせて「元気を出して!」と励ます。
偽物を用いて仮面ライダーの信用を貶めようとする悪辣な策略にも決して屈せず、子供達に仮面ライダーは正義の味方だと力強く言い放つ。
爽やかさと熱血に漲り滾る、ライダー界の炎の妖精。
関わった人間全てを前向きな気持ちにさせてしまう、活力に満ち溢れた青年である。
東の方の光太郎さんのような性格。
改造された事を恨みもせず、元気づけるために敢えて「感謝」という言葉に換えて、大空を翔ぶ勇者。
その姿に志度博士は「君こそ仮面ライダーだ!」と叫んだ。
一方で慈しむような優しい心も持ち、いじめと怪人の恐怖に落ち込んだ子どもを勇気づけるだけではなく、「自分も弱虫」だと話してから、それでも大事な場面で勇気を振り絞る大切さを説き、ネオショッカーに父親を誘拐された少女を背に乗せて、一緒に空を飛んだりもする。
自由意志を奪われ改造人間にされた女性に対して敢えて変身してみせ、体は変わっても心までは…と懸命に言葉をかける事もあった。
それまでの歴代主人公は一歩引いた大人として落ち着いた態度で子供に接する事が多かったが、洋はより近い視点で寄り添ってくれる「お兄ちゃん」なのである。
反面、卑劣な悪への怒りは強く、人質作戦などで仲間が傷ついた時には激情を露にする。
ネオショッカーが子供を傷つけようものならもうお察し。
「この俺はいい!しかし、この罪もない者たちに…貴様は何をしたんだ!」
またその優しさは時として危うさにも繋がり、たとえ怪人でも罪のない子供に手をあげる事はできず、愛情を以て育てようとした。
罠として利用されている事を薄々察しつつも、戦うとしても大人になってからと固く心に誓い、その悲劇的な顛末に涙を流した。
「お前のその優しさが!命取りになるかもしれないんだぞ!」
総じて、喜怒哀楽の感情が非常に豊かな青年。
普通のお兄ちゃんが頑張って仮面ライダーをやっているというどこかで聞いたような例えが分かりやすい。
そしてその想いは、最終決戦で大きく揺さぶられる事になる。
一方で頭脳戦もこなす強かな一面があり、新入りで組織の内情をよく把握していないクモンジンを利用して仲間のフリをしてアジトに潜入したり、逆に脱走者として協力するフリをする怪人に気付きながらも敢えて泳がせ動向を探ったりなども。
両親と妹を事故でいっぺんに失った天涯孤独…だったのだが妹はいつの間にか歴史の闇に沈んで無かった事になった。
初期の拠点はかつて飛行少年に憧れていた志度博士が隠れ蓑を兼ねて設立した「志度ハングライダークラブ」
志度博士が海外のネオショッカー対策に旅立って以降は大学の先輩、谷源次郎が始めた「喫茶店ブランカ」に通いつつ、ネオショッカーの情報に絶えず気を配っている。
この年代のヒーローのお約束で私生活はあまり描写されない。
25話で子育てのために私室らしき場所は確認できる。
サバイバル知識に長け、とあるエピソードでは山中から救出した子供たちを連れ無事に脱出。
ツワブキ草の薬効なども知っていた。
幼少期に夏の河原で遊んだ際に吊り橋から落ちて死にかけた事があり、とある男性(演:中屋敷鉄也)に助けられた事がある。
「おい坊主、よく泣かずに頑張ったな。今度からこんな事は二度としてはいかんぞ」
今となっては、顔も思い出せない名も知らぬ誰か。
しかし躊躇なく危険に飛び込み他者を助けるその姿は
「大きくなったらこの人のように困ってる人を助けられる大人になろう」と、現在の筑波洋の人物像を作り上げる切っ掛けとなった。
序盤にコブランジンの人間体で中屋敷さんが出てきましたが多分別人です。
【次回予告での言動】
次回予告が画面の向こうの視聴者に筑波洋が語りかける、いわゆる第四の壁を破る演出でお馴染み。
当初は歴代のように中江真司さんのナレーションが朗々と流れる内容だったが10話の予告で突如として筑波洋が画面内にリングイン。
初期は「やぁ、次は〇〇との戦いだ」と普通に次回の登板怪人と内容を淡々とナレーションする普通の内容で、デビューしたての村上弘明の演技もややぎこちなかった。
が、徐々にハッちゃけてくようになり「やぁ」と控えめだった冒頭の挨拶は
「ようっ!」と非常に元気よくなり、次第に
「今週の怪人は怖かったかい?来週も君たちのために戦うぞ!」
とか
「来週も面白いぜ!」と視聴者にマイクパフォーマンスをするようになり、各回の締めにサブタイトルの内容に合わせて
「揺れるぞ!」
「痺れるぞ!」
「冷えるぞ!」
と怪人の能力をアピールしたかと思えば
「応援頼むぞ!」とか「
絶対見てくれよな!」と視聴を呼びかけたり、果ては
「次週は怪人が…君を襲うぞ!」と画面の向こうを指差すホラー気味の予告になったりそのメタさとフリーダムさは勢いを増していく。
そして番組も後半に差し掛かると
「高いところから降りたり、危ない事するなよ!」とか
「危険なキックはやめて、元気いっぱいいこうぜ!」と
初代のライダーキック死亡事故に端を発する危険アクションの真似への注意喚起をしつつ、車に気を付けて横断歩道を渡ろう、休みの日でも規則正しく起きて、ご飯をいっぱい食べて体を動かそう、といった少年少女の健康な生活を促すヒーローは教育番組的な何かを挟むのが慣例になる。
映像もそれに合わせて子供達と歩いたり、相撲を取って遊んだり、横断歩道で笑顔を振る微笑ましいものから、大野剣友会の皆様とロケ弁をかっ食らいながら「休みの日でもモリモリ食べて体を鍛えよう!」と制作側も風景まで見せてしまうなどまるでどこまでも広がる青空の如き自由な演出は枚挙に暇がない。
村上氏の演技の上達と共に水を得た魚の如く痛快になっていくこの15秒の不思議な時間は、時として「病気で寝ている諸君も、早く元気になってくれよな」と優しく呼びかけたりもする。
熱く、エネルギーに溢れ、見ている側まで元気をもらえるような、まさに筑波洋と象徴するコーナーといっても過言ではない。
作品の印象的な部分を挙げる際も、頻繁に話題に上がるトピックである。
幼少期の吊り橋での思い出と約束。
それを洋なりに実行しようとしているのが、次回予告の風景なのかもしれない。
【スカイライダー】
「それがお前の本当の姿か!」
中の人(スーツアクター):中屋敷鉄也
筑波洋が改造手術を受けて誕生した仮面ライダー。
変身ベルト・トルネードを起動させる事によって変身する。
変身音が14話あたりから違うものになり、番組の最後まで使用されている。
改造直後は変身ポーズを把握しておらず、アリコマンドとの戦闘で偶発的に同じ動作を取る事で初変身した。
左手が弧を描くようにゆっくり回っていく動作が印象的で、2クール目あたりからこの動きに残像が追加される。
変身ベルトは例によって風力を取り込むので、ポーズを取らずに風力の蓄積でも変身が可能。
変身を阻害するNO(エヌオー)液をベルトに貼り付けられた時には敢えて高所から落下して引っぺがし、落下の風圧だけでポーズを取らずに変身した。
最大の特色は、空を飛ぶ事。
基本的に「仮面ライダー」を名乗っているが、先輩ライダーが登場した際は区別のために「スカイライダー」と呼ばれ、自分が先輩になってからは後者で統一された。
これは差別化が必要なので後から…ではなく、企画当初から設定されていた通称である。
なので放送スタート前の児童誌や新番組予告、果ては主題歌の歌詞にも使用されている。
この辺りの誤認は、説明責任を負わずにそういう印象を持たせるように茶化してしまった近年のネットムービーなどにも一因があると言える。
初代の1号2号を意識した仮面ライダーのベーシックとでもいうべきデザインであり、昆虫らしさを追求しながらも造形技術の発展によってよりスマートになったデザイン。マフラーに入った斑点がオシャレ。
クランクイン直後は原点回帰の0号の通称で呼ばれていた。
マスクは1号2号などの上下分割ではなく、前後分割タイプ。
しかし技術の進歩により分割面や作り物っぽさは目立たず、斜めに走るラインのようにデザインに溶け込んでいる。
ちょっと自転車のヘルメットっぽい。
スーツは二の腕をピッチリ覆った茶色タイツが目を引く。
これをリアルな生物っぽくてカッコいいとするか、オッサンの股引きみたいで微妙とするかはあなた次第。
変身ベルト・トルネードはこの時点では非常に小ぶり。
これは歴代でもままあった金具などが体にぶつかりアクションに支障が出るのを懸念して、動きやすさ重視で軽量化にしている。小さいのはステータスだ。希少価値だ。
1号2号のタイフーンあたりと比較するとその小ささは一目瞭然である。
風車部分を固定している金具は丸型。
胸部装甲のリフティングボディ(コンバーターラングに相当するもの)は歴代ライダーのようにベルト上で止めておらず、ベルト直下まで伸びており縫い付けて固定されている。
…この2つが奇跡的に悪い方向に噛み合った結果、小型ベルトによって先っちょだけシャツinしたような状態になってしまった胸部装甲が激しいアクションシーンですぐ皺が寄ったり段々腹になるという弊害が起こった。
本編を見れば、その魅惑の我儘ボディぶりを堪能できる事と思う。
シンプルに小さすぎた影響でスーツの上半身と下半身の境目の見えちゃいけない部分まで見えそうになる問題もあり、後に大幅な変更が行われる事となる。
【セイリングジャンプ】
「前の私には無かった力が、今はあります。それも素晴らしい力が!」
"大空を舞う仮面ライダー。その心には、ネオショッカーに対する怒りが炎のように燃えていた"
スカイライダーをその名たらしめる最大の個性。空に乗り明日へ飛ぶ仮面ライダー。
重力低減装置によってハングライダーのように風に乗り滑空する、風の使い手仮面ライダーの進化系。
ベルト両脇のレバーを倒す事によって作動させ、重力の影響を軽減することにより最大時速800kmで高速飛行し、高度1万mまで上昇する人間ジェット旅客機。
変身ベルトに初めて仕込まれたレバー系のギミックである。
飛行時には真紅のマフラーが足元まで帆を張るように伸び、滑空を補助する。
飛行シーンは当時最新の東映ecgシステムによって合成されており、それまでは人物の静止画に背景をスライドさせたり飛び人形で表現するしかなかった飛行を、実際に人間が動いているフィルムと合成してより自然に演出できるようになった。
飛行による上空からの偵察の他、戦闘に応用する事も可能で、3話ではコウモルジンとの空中戦の末にスカイキックを炸裂させて撃墜した。
後続のライダー作品にも飛行能力自体は数多く登場するが、動物の翼を生やしての飛行であったり、ジェット噴射やスラスターなどで上昇するギミックをフォームチェンジや武器の換装で付与するものが大半である。
つまり、基本形態に標準的に備わっている機能かつ
まるでピーターパンのような舞空術スーパーマンスタイルで文字通り純然と空を飛ぶのは現在もなおスカイライダーだけの個性なのだ。
この特殊能力が備わった背景には当時大ヒットした77年のスーパーマンの映画の美麗な飛行シーンの影響と、初代からZXまでの10人ライダーの産みの親である平山Pの思いがある。
「私は、空を飛ぶことに憧れている。空を飛ぶヒーローにしたいというのが、私の希望」
「空を飛ぶと、映像が変わると思った」
「空を飛ぶってことは人間にとって最大の夢だから」
イメージボードでは空を飛んで子供が手放してしまった風船を取りにいってあげたり、本編でも父親を探す少女や怪我した少年を運び、何より改造手術の罪悪感に苦しむ志度博士を励ますなど、セイリングジャンプは空を飛ぶという人類の普遍的な憧れの結晶であり、そんな人々の思いを背に乗せて舞い上がる、優しい力としての側面が色濃く描かれた。
厳密には滑空で空を飛んでない、みたいなツッコミはこれらの視点が欠けた野暮天の極みである。
残念ながらこの新要素は「空を飛ぶなんて仮面ライダーじゃない」という批判に遭い、またバイクにも乗っている中で作劇に組み込むのが難しく、1クール(13話)で姿を消す。
映像から姿を消しただけで設定上は健在であり、19話ではオオカミジンの音波攻撃を前にセイリングジャンプでの離脱を試みようとするも失敗するシーンがあり、同シーンで機能について言及されている。
【スカイターボ】
スカイライダーの専用マシン。志度博士によって制作された。どんな過酷な地形でも走破するオフロード
バイク。
関連書籍では普段から筑波洋が乗っているオートバイが変身に呼応して変形する、という事になっており、劇中では3話で普段のバイクに乗った状態で落下中に変身した際、バイクが瞬時にスカイターボに変わっている。
「スカイターボ!」の掛け声と共に片手を高く掲げる事で召喚可能で、どんなに遠く離れていても明らかに陸地で繋がってない離島でも一瞬できてくれる。
水素エンジンを動力源とし、HVG(超振動装置)を装備。2000馬力の規格外出力。
スイッチを捻る事で背部の噴射口からジェット噴射を起こし、全力を出した時の最高時速はマッハ1.2の音より速いライダーマシン。
ボックス型のフロントカウルには小型コンピュータを内蔵。どんな悪路でも最適な走行ルートを弾き出すマシンの頭脳。
「スカイターボジャンプ!」の掛け声と共に崖の上でもひとっ飛び、空中の送電線を切断するなど、スカイライダーの愛機に恥じぬ身軽さ。
このマシンを動かす銀輪は硬質タイヤで作られており、マッハ走行の空気抵抗や熱にも耐え、垂直の壁をもよじ登ることができる。
必殺技は前輪をウィリーで持ち上げる「スタンディング・スタート」の体勢を取りHVGの超振動波を発生させたまま硬質タイヤを突き出して突進する「ライダーブレイク」
どんなに硬いコンクリートの壁でも、内に隠された悪の野望ごとブチ抜く怒りの突撃。
いわゆる轢き逃げ技を揶揄するネットスラングとしてのライダーブレイクの語源でもあるが
主題歌の歌詞や「ブレイク」という名前からも分かる通り、基本的には障害物をブチ破る技で、対人相手に用いられたことはない。
直接ネオショッカー怪人に体当たりした時は「スカイターボアタック」という技を使用している。
フロントカウルや車体側面についたマークが、後の世でスカイライダーの
ライダーズクレストとして扱われるようになった。
企画当初の名前は「アルバトロス」で、新サイクロン号に酷似した鳥のようなデザインだった。
ベース車は370ccのオフロードバイク。バイクアクションはスリーチェイスの谷澤実が担当。
動きやすさを重視したデザインで劇中では数多くのバイク戦が展開された。
危険アクションによる不測の事態も考慮し、同型のスカイターボが合わせて3機作られている。
ライダーブレイクはセイリングジャンプにより薄れる事を危惧したライダーの本質であるバイク乗りの側面を強調するために考案され、番組開始当初の2枚看板であったが、どちらも作劇に活かしにくく2クール目には事実上消滅した。
スカイターボ自体は1年間通して活躍している。
【決めポーズ】
ライダーファイトを取るとか、
スーパー1の拳法の構えだとか、
ストロンガーの天を指差すような分かりやすい決めポーズが、実は存在しない。
なのだが、変身後に着地し、片腕を弧を描くように大きく回しながらターンし、
両手を軽く広げて相手に向き直る独特の立ち姿をスカイライダーの決めポーズと認識しているファンもいる。
これは中の人の中屋敷さんの綺麗な立ち姿があまりにも印象的だからである。厳密には他作品の中屋敷ヒーローでもやっている動きなのだが、他に分かりやすい決めポーズが存在しないスカイライダーはこれがとかく強調されているように見えるのだ。
中屋敷さんの卓越した個人技に依るムーブメントなので他者が再現する事は不可能に等しく、後年の作品ではこの立ち姿はあまり反映されない。
取り敢えずスカイターボを召喚する片手を掲げるポーズか、変身シーンのどこか一部分を仮の決めポーズとする場合が殆ど。
ゲームはCGの都合もあってか特に再現されなかったが、最近ではガンバレジェンズで変身後のこの一連の動作と立ち姿をなかなかの再現度で演出している。
【体の主な器官および機能】
まぁぶっちゃけ殆どカタログ設定なので適当に読み飛ばしても支障はない。
カタログ部分を冒頭に軽く纏め、最後に劇中での活躍を記述する。
劇中での活躍があったものとそれに関連しそうな部分を優先して記載。
ディメンション・アイ。
真っ赤に燃える複眼。
複眼の一つ一つが精密に動き・カメラズームのような縮小・拡大や、赤外線・紫外線・X線などの常人の可視領域外のものも識別できる全てを見通す目。これら多彩な機能を一瞬にして切り替える。
劇中でもかなりの活躍を見せ、倉庫に潜んだカニンガージンをズーム機能で捕捉。
大幹部・ゼネラルモンスターが姿を変えたヤモリジンとの戦いでは分身の術を即座に看破した。
暗視性能にも優れており、墨で周囲を真っ暗にして姿を隠したタコギャングを赤外線スコープで察知している。
透視能力もあり、13話では東京都を一瞬で壊滅させるような爆弾の解体もこなした。
使用時は複眼に仕込んだ電飾ギミックが赤く点滅するお約束が仕込まれた、仮面ライダーの王道。
頭部側面の自転車のヘルメットみたいな黒い筋の窪み。
周波数毎に多数の集音装置が搭載され、同時に20種の音を聞き分け解析できるリアル聖徳太子。
言語の分からない動物の声もその感情を類推する事で意思疎通ができる、超鋭敏聴覚。
劇中では10キロ先までの音を聞き取り、地中を潜る怪人の位置や、事件爆弾のスイッチ音、捉えられた人質の位置を即座に特定する活躍を見せた。
ムササベーダー兄弟との戦いではDアイとの合わせ技で生活騒音が溢れる日中の新宿の雑踏から体内に仕込まれた信管の音を聞き分けて爆弾人間を判別するという超絶リスニング能力で作戦を阻止。ある意味ペガサスフォームの大先輩。
使用時は地面に耳をくっつける可愛いポーズでお馴染み。
このほか、嗅覚で怪人の匂いを探り当てたり(10話)
鏡の世界という未知のフィールドでの怪人カガミトカゲの鏡分身に対し、右手を地面に当てて呼吸音を感じ取る事で本体の位置を察知する(触覚)など、優れた五感能力で状況を打破する
ハイパーセンシティブな場面が多く見られた。
流石に仮面なので味覚だけは活用されなかった
エネミィ・シグナル。昆虫タイプ伝統の額についたランプ。
ネオショッカー怪人のエネルギーを探知し、200m以内に接近すると光る。
本編ではアジトに潜伏したドクバチジンを探知した。
マイクロ波の反射を感知して、対象の距離・形状・方位を把握することができる。
気圧や風向き、上空での自分の位置なども即座に把握できる空のナビゲーションシステム。
有効範囲は半径5キロ。
これらのうち、どれを行使しているかは明言されていないが、劇中では歴代ライダーのように距離を問わないテレパシー通信でV3と交信している。(通信時には複眼のみ発光)
フライ・マフラー(あるいはスカイマフラー)
首に巻かれた真紅のマフラー。
セイリングジャンプ時のマフラー伸長は首筋の延長装置によるもの。
夢の帆を張る、スカイライダーの翼。
カタログ設定ではそれなりの強度があり、取り外してロープ代わりにもできるとされている。(ローピングマフラー)
【必殺技】
代名詞。宙返りから渾身の右足蹴りを叩き込む空飛ぶ
ライダーキック。
初期は合成技術の進歩を生かして怪人に迫る主観視点の右足の3連ズームが描かれたり、被弾したネオショッカー怪人が青い光と共に消滅するシークエンスが挟まれたが、
たぶん合成が手間なので徐々に無くなり、2クール目ごろにはカウントダウンのように徐々に早くなる点滅音を伴ったキック直前のスローモーションから大爆発するお馴染みの演出に切り替わった。
着弾時に
「バキューン!」と弾丸のような非常に気持ちいい効果音が炸裂する。
基本は右足蹴りだが、5話や6話では両足蹴りというレアなバージョンを見せている。
3話ではセイリングジャンプと併用、以降も10話や12話、13話など、能力を行使してると思わしき対空時間の長い空中旋回からキックを決めること複数。
前半はほぼこれ一本で勝負を決めていた。
スカイキックが効かない強敵・サイダンプを倒すべく、ストロンガーとの特訓で会得した新必殺技。
基本的に前方宙返り1回の通常のスカイキックに対して、極限まで回転数を引き上げる。
特訓直後は失敗することもあったが、数度のチャレンジを経て完全にマスターした。
成功すると、宙返りに残像の様なエフェクトが幾重も重なることが特徴。
戦車を用いたネオショッカーの大侵攻に際して再び使用された。
前期にしか使われていないが代表的な技の一つという特殊な立ち位置なので、ゲームなどでは前期のスカイライダーがほぼ登場しない事もあり後期のスカイライダーの必殺技として搭載されている事が殆ど。
前期の貴重な投げ技。アリジゴクジンの鞭ごと右腕を掴み、ブン回して投げ飛ばした。
回転投げだが、足を掴んでいないのでいわゆるジャイアントスイングとは厳密には違う。
思えばもうこの頃から投げキャラの予兆があった。
ポーズを取ると、そのときベルトから不思議な光が起きる。
螺旋状に飛んだ光はコウモルジンの音波発生装置を破壊した。
書籍ではトルネードが取り込んだ風力エネルギーを逆回転、蓄積された風力エネルギーを超電磁波として高圧発射という何か凄そうな事が書かれている。
超電磁ウェーブ。
22話で初使用。拳を握りしめてから腕を
ドリルのように高速回転させる。
このとき手首や関節がどうなってるかはハッキリとは分かっていないが、体に負担がかかるのか激痛に耐えるような呻き声が出ていた。
腕を丸ごとドリルのように回しているのかもしれないし、コークスクリューブローのような常人の関節の可動域の範疇の回転なのかもしれない。
ライダーブレイクと同じで基本は障壁を掘削する技で対人には使われていない。
あんまりリアルにドリルで敵を削ると絵面が怖いので仕方ない。
一応、手を行使しているので媒体によってはスカイライダーの貴重なパンチ技としてカテゴリーされ、ゲームなどでの採用率も地味に高め。もちろんこの時は敵をバンバン削り取る恐怖の回転ドリルと化す。
ゲーム『バトライド・ウォー創生』ではゲージ消費と引き換えに攻撃中でも被弾中でもあらゆる行動を強制的にキャンセルできる緊急脱出用のライダーグライドの技として搭載。腕を回しながらスライド移動し、接触した相手を吹き飛ばす。
お約束の標準パンチ。
マダラカジンとの戦いでジャンプから右ストレートをぶち込んだ。
「次週の『追記・修正』、お楽しみに」
「徹夜でwikiを読み漁ったり、危ない事するなよ?」
「ここから先は28話以降の内容を含むから、気をつけて読んでくれよな」
この計画を察した7人ライダーは、スカイライダーと協力
ネオショッカーの野望を打ち砕くために、日本へ戻ってきたのである
8人ライダーの前に姿を現した、怪人二世部隊との対決は近づく
ネオショッカーの怪人に、仮面ライダーのスカイキックが効かない
ライダーキックをある時はテレポートじみた超スピードで回避し、ある時は自慢のハサミで正面から受け切る地球最高の改造人間・グランバザーミー。日本大壊滅作戦に備え大首領直々に遠くキリマンジャロから指名を受けたネオショッカーの切り札に、スカイライダーは敗北を喫する。
兵器開発のためにネオショッカーに捕えられた父・吉田博士を想って涙を流す幼い兄妹のためにも、ここで倒れるわけにはいかない。
筑波洋は、自らの命を賭け、自らの力の限界への挑戦を決意する。
すなわち、7人ライダーとの特訓であった。
今ここに、7人ライダーの全ての力が、スカイライダーの体内に流れ
【強化スカイライダー】
スカイライダーが過酷な特訓を乗り越え、7人ライダーと重ね合わせた手から全エネルギーを流し込まれる事で生まれ変わった新たな姿。
今ここに8番目の改造人間は、真の意味で伝説の後継者となった。
名称の由来は特訓を受けた次の回にして強化後初の単独回である「初公開!強化スカイライダーの必殺技」より。
基本的な活動期間は放映日に倣うなら28話〜54話の約半年だが、1年前に既に強化された状態でアブンガーと交戦した回想シーンがある。
変身時の掛け声は当初は前半と同じ「変身!」だったが、風見志郎が日本に帰国した前後編の後編である35話から上記の「スカイ!変身!」へと変化。
これとタイミングを前後して「貴様ら人間の敵だ!許さん!」
とちょっと過激な口上を変身前に挟むのがお約束になっていたが、31話〜36話と短い期間にしか使われなかった。
変身ポーズは基本的に同じだが、演者のアクション技量の向上に伴い、終盤の方ではピッと立って相手を指差してから思いっきり腕を振りかぶってポーズを取るなど徐々に動きがキレッキレになっていく。
オオバクロンとの戦いでは変身ポーズ最後の右腕を斜め上に掲げる動作だけでプロセスが完了する簡易変身も見せた。
新1号や新2号に比べると正式名称としての普及率はそこそこのレベル。
ゲーム作品などでは、元から前期カラーを出す気がないのかこの姿を指して「スカイライダー」とザックリ断定してしまう事が多い。
仮面ライダー図鑑ではスカイライダー(強化)となっている。
前期カラーはそのまま「スカイライダー」で通すのが大半だが、上のパターンで先に強化スカイライダーを「スカイライダー」名義で発売してしまったフィギュアーツでは後に発売された前期カラーをスカイライダー(強化前)という若干苦しい名前で区別化している。
ベースとなる姿は大きく変わらずカラーリングのみ変わるという点でリスペクト元であるダブルライダーと同じような進化を辿っているが、具体的な経緯は不明のままいきなり変わった姿で出てくる新1号や新2号とは異なり、スカイライダーはパワーアップの理由と姿が変わるシーンが劇中でハッキリ描かれている。
強化スカイライダー最大の特徴は7人ライダーとの特訓で会得した「スカイライダー99の技」
基本的にスカイキック一辺倒だった必殺技に大きな進化をもたらし、ほぼ毎回異なる決め技は番組を華やかにした。
そして時にはアリコマンドの装備を奪い剣術・棒術・果ては二刀流の釵を華麗に使いこなすなど、武器を用いた体術にも開花。
最強の風力パワーを備えた変身ベルトも健在で、アブンガーの策略でエネルギーを使い果たした時はアリコマンドの爆死による爆風で得た風力エネルギーで全回復という恐るべき理不尽ベホマを炸裂させた。
ナレーション「そのとき奇跡が起こった」
特訓によるパワーアップ、その後もネオショッカーを追って帰国し、共闘する7人ライダー。
伝説の戦いを近くで目の当たりにしたスカイライダーは、更に強く、逞しく成長していく。
スーツは前述した通り基本的な造形は同じままカラーリングが変化、茶渋がかった両腕と胸部装甲は明るいオレンジ色へ。ただし、当時の冒険王などでは「胸は赤くかがやき」と書かれており、より厳密には赤みがかったオレンジ、赤橙色という事になる。
そして暗緑色だったマスクや全身は、色鮮やかなローングリーンへと変化。
先輩ダブルライダーのように、暗い昆虫から明るいヒーローへ。
両腕の材質はピッチリしたタイツしたからレザーをカバー状に加工した物に変化。
タイツはピッチリ中屋敷さんの腕に合わせすぎてしまったため実質ワンオフのオーダーメイド状態になっており取り回しが効かず、更に伝線などのリスクもあったので危険アクションにも制限がかかっていた。
そこで強化後に合わせてレザー材質の腕に変更する事である程度のフリーサイズ化を果たし、31話〜33話というごく短い期間ではあるが後のMr.レッドこと新堀和男さんが中に入っている。
そして何より頑丈になった両腕によるアクションの幅も広がり、かの有名なプロレス地獄へと繋がっていく。
このレザー製の両腕をプロテクターみたいでカッコいいと思うか、ブカブカで弛んでいて作り物っぽくて微妙と思うかはやっぱりあなた次第。
そしてもう一つの大きな変化は、変身ベルト・トルネードの巨大化。
比較すると分かるが、目に見えて大きくなっている。
また風車の留め具は丸型からダイヤモンド型になっているが、変身バンクは前期からそのまま使っているため変身の一瞬だけ丸型に戻る謎現象が起こっている。
これは中の人への干渉を危惧した事により小型化した前期のベルトが、中屋敷さんの長身スリムボディには全くの杞憂だった事に起因する。凄いぞ僕らの中屋敷さん。
という事で分かりやすいパワーアップ感を醸し出すためにトルネードを中屋敷さんのボディライン限界ギリギリまで攻めてサイズアップ。強化スカイライダーのシンボルマークとなる。
これに付随してベルトが小型だった影響で頻繁に肉ズレを起こしていたベルト下まで伸びる胸部装甲の問題も改善。
腹巻きベルトが大きくなった事によりシャツ状態の胸部装甲はピッチリ入るようになり、目に見えて腹の肉が寄ってしまう事故などはほぼ無くなった。これは茶色に比べて明るいオレンジがあまり腹周辺の目立たないカラーリングとなっている造型の妙による影響も大きい。
上半身と下半身の見えちゃいけない境目の部分もバッチリ覆えるようになった。
と、サイズアップにより諸問題をいっぺんにクリアした青天の霹靂なのである。おっきいは正義。
残念ながら10号誕生以降の作品や近年の春映画では当時造形を担当したコスモプロからレインボー造型に変わってしまった事もあり、昨今はベルトが前期の小さいままの強化スカイライダーというチグハグな状態になってしまっている。
これに関しては上記の中屋敷さんの鍛え上げられたスレンダーボディを前提とした設計である事も無関係ではないのかもしれないが。
根本的な部分のミスでお問い合わせが多かったのか、シリーズ50周年を機に行われたスーツの改修でようやくトルネードが大きくなった。大きいことはいいことだ。
【変身音】
これまで述べた事を合わせると分かるのだが、実はカラーリングの変更と変身音の変更が違うタイミングで行われており、ちょっとややこしい。
並べてみると、前期変身音が1〜13話、後期変身音が14話以降。暗緑色の旧スカイライダーが1話〜28話。強化スカイライダーが28話以降。
なので、実はパワーアップする前から変身音は変わっている。
どういう事情かは分かっていないが、本作で効果を担当したスワラプロでは現在、初期1クールの変身音源しか所持していない疑惑がある。
これは変身音がボーナストラックとして収録された「BGM大全集」の特典盤を皮切りに、ガイアメモリなど強化スカイライダーを想定した近年の玩具でも揃えたように初期の変身音しか使われていない事に起因する。
現状、後期変身音を入手するには本編から[検閲により削除]するしかなかったりする。
後期の変身シーンをほぼ完璧に再現したゲーム作品ガンバレジェンズでも変身音だけが初期verという点が非常に惜しく、密かにネックとなっている。
【前期とのザックリ比較表】
該当部位 |
旧スカイ |
強化スカイ |
体の色 |
暗緑色 |
黄緑ぎみ |
腕と胸の色 |
茶色 |
赤みがかったオレンジ |
腕の材質 |
ぴっちりタイツ |
レザー材質の頑丈カバー |
変身ベルト |
小さい |
大きい |
風車の留め具 |
丸型 |
菱形 |
画像左側:講談社シリーズMOOK 仮面ライダー 昭和 vol.7 仮面ライダー(スカイライダー)』監修:東映、石森プロ(2016年4月25日発行)
画像右側:講談社『Wヒーロー夏祭り2024』 広報画像 ttps://x.com/W_HeroSummer/status/1811702047831654464/ (2024年11月22日閲覧)
ほか、複数の書籍・資料で使用された特写(スチル)
【必殺技】
上で述べた通り、7人ライダーとの特訓により大幅にパワーアップし、99の技を体得。
どういう訳かプロレス的な殺人的投げ技が多い。なに教えたんですか先輩たち
セイリングジャンプこそ姿を消したが、スカイライダーの名に相応しく空中高く飛び上がり、遥か上空からネオショッカー怪人をパワフルにブン投げては剥き出しの頭や腹部を大地に叩きつける、スピードタイプで空を飛べる投げキャラという個性豊かすぎる属性を獲得した。見よ、悪人どもが震え出し、砂塵渦巻き宙に舞う。
一方で仮面ライダーの必修科目であるキック技のバリエーションも開拓し、99の技の名に恥じない多彩な必殺技を会得している。
【打撃技】
どれほど技が増えてもその存在感は衰えなかった代表技。
基本的に1度きりの技が多い中で、後期も数多くのネオショッカー怪人を撃滅した。
ドラゴンキングとの戦いでは2号ライダーとのダブルキック。魔人提督との決戦ではここにストロンガーを加えたトリプルキックを見せている。
後に一度使用すると、0.5秒のチャージ時間が必要だと判明する。
強化後に初めて使用したキック技。
周囲の壁を何度も蹴って反転し、残像を幾重にも発生させたスカイキック。
特訓前は太刀打ちできなかったグランバザーミーの頭部に直撃させ、フラつくほどのダメージを与えた。
8人ライダーの特訓を受けた後、初めての単独回であるヒカラビーノ戦で見せた、7人ライダーと鍛えた新たな技。
スクリューのように強烈な横回転を何度も繰り返して強化したスカイキック。
空中で大の字を描き高速回転してから放つ99の技。
1度限りの使用が目立つ99の技の中では貴重な複数回使われた技で、2怪人を撃破。
近年では仮面ライダー大戦でも使用され、CG技術で平成の世に復活。
ゲームのバトライド・ウォー創生では地上モード最強キックの大回転スカイキックに対して空中モードの最強キックに採用されるなど、強化スカイライダーを代表するキック技としてフィーチャーされる機会が多い。
ちなみにフライングソーサー(flying saucer)とは文字通り空飛ぶ円盤の意。つまりUFO。
ヒッソリとSFネタが仕込まれている。
上空を円を描くように旋回し、宙返りしながら落下して蹴り飛ばす99の技。
強化前の10話などで見られたまるでセイリングジャンプを併用しているかのような対空時間の長い空中旋回とほぼ同じ演出。
青空をフィールドとするスカイライダーらしい必殺キック。
丹念にライダー潰しの戦略を練り、スカイキックを完全に模倣した強敵・アブンガーとの戦いで使用。
空中でアブンガー・スカイキックの足裏を狙ってスカイキック同士の撃ち合いを誘い、蹴った勢いで反転し二度目のスカイキックを叩き込む。先輩のV3反転キックの応用といったところ。
ライダー対策は万全だった筈のアブンガーもこの咄嗟の新技には対応できず敗れた。
ジャンプして上空から叩き込むパンチ。
ライダー対策を練っていたアブンガーには通用せず、エネルギーを消費してしまう。
やっぱり障害物の掘削にしか使われない右手ドリル。
強化前のように苦痛に呻き声を上げる事はなくなり、普通に使っている。
ジャンプして上空から脳天に叩き込むチョップ。
徒手空拳ライダーのキック・パンチ・チョップの三種の神器。
クチユウレイには命中したが、カガミトカゲには鏡割れで避けられ、弱点の皿を狙ったオカッパ法師には防がれた。
多彩な必殺技を売りとするスカイライダーにおいて基礎中の基礎である同技が決め手になる事はなかった。
両手を交差させたチョップ。ジャンプと合わせて使っているので、プロレス的にはフライングクロスチョップになる。
ドロニャンゴーの喉輪に叩き込む。
空中高く飛び上がり、回転しながら素早い四連打の水平チョップ。
【投げ技】
なぜか脳天直下で激突させるものが多く、人間杭打機と化している。
この投げ技を始めとした99の技シリーズは脚本段階で技名の大まかな指定はあるが、実際の内容は現場で技斗師・岡田勝の手によってどのように表現するか考案され映像化されている。
その結果があのインパクト抜群の決め技の数々である。
強化後、初めて使われた投げ技。
相手を担ぎ上げて空中高く飛び上がり、引っくり返して地面方向にうつ伏せにした相手の四肢を両手でクラッチ、背中を右足で押し出して海老反りに仰け反らせながら落下。
両手・両足・背中の3点をガッチリ固めた恐怖の右足バックブリーカー(背骨折り)
手足を掴まれた相手は受け身を取ることもできず剥き出しの腹と顔面を地面に叩きつけられる。
大反転スカイキックとその辺にあった角材シールドとの連携で特訓前は敗北を喫した強敵グランバザーミーにリベンジを果たした。
強化後初の怪人撃破技と、とにかく恐ろしく殺意の高い技の絵面から後期スカイライダーのプロレス殺法を代表する技として認知され、ガンバライドでの実装と同時に近年のゲーム作品でも採用される場合が多く、本編を未視聴のファンにも比較的知名度が高い。
上空高く放り上げた相手をキャッチして体を引っくり返し、地面に投げ”落とす”
強いて言えばダブルライダーのライダー返しに近いが、投げっぱなしの背負い投げであるライダー返しに対して、こちらは相手を掴んだまま脳天直下に杭打ちするのでよりえげつない。ほぼパイルドライバー。
まともに食らったオオバクロンは叩きつけられた頭が地面に突き刺さり抜けなくなった。
ゲームではバトライド・ウォー創生で実装されたが上記の有様を完全再現するのはさすがに無理なので、それこそライダー返し的な技となっている。
上空の相手を背後から掴み、体操競技のような後方宙返りや捻りを加えた回転を何度も繰り返してから上へ放り投げる。強いて言えば空中というフィールドで物凄くスタイリッシュになった真空地獄車。
劇中ではライダーマンの見た目がスイングアームなロープアームのアシストを受けた連携技。
相手を仰向けに担ぎ上げてエアプレーン・スピンをしながらプロペラのように上昇して投げ飛ばし、落下してきた相手をパンチで追撃して打ち上げる99の技の1つ。
どの辺が三段かはハッキリしていないが、徐々に強烈になる三段階のスピンを加えてから投げ飛ばしてるからだよ説と、回転投げ→パンチ→とどめのスカイキックまでを含んだ三段攻撃だよ説がある。
三回転だよとする時もあるが、その場合は三段という単語とやや噛み合わない。
相手を掴んで上空高く飛び上がり、端的にいうとキン肉ドライバーの体制で脳天を叩きつける。
後年の本編聞き取りで名前を付けている系の書籍ではアームズドロップやアームドロップとされているが、別に腕折りに特化した技ではないので意味としてそぐわず、アトモスドロップではないかとする説がある。
アトモス(atoms)なら空気や気圧、大気圏の重力などの意味になるので、それらをドロップする方がスカイライダーっぽいからである。耳に自信のある方は本編を聞いて判断して頂きたい。
本編では油によるヌルヌル戦法で滑ってキックが通じず投げ技にも移行できないガマギラスに対して使用。ストロンガーの電熱による油の蒸発作戦のアシストを受け、更に相手のベルトを掴んで持ち上げる事で対応した。
上記の99の技の撮影背景から、当時の脚本でも入手できればそこで名前の問題に白黒つける事ができるかもしれない。
相手を背後から掴んで飛び上がり、両足を腕で掴んでやっぱり脳天直下で叩きつける。
相手の腰を掴むセットアップこそプロレスのバックドロップなのだが、最終的な形はコウモリ吊り(ジャベムルシエラゴ)を逆向きにしたような感じ。
99の技の1つ。相手を担ぎ上げたまま空中で文字通り竹とんぼの様に回転してから投げ飛ばす。
99の技の1つ。
相手の足を掴んで回転しながら飛び上がり、砂塵を巻き上げる勢いのスピンで空高く上昇してから落下、例によって相手の脳天を叩きつける。
早い話がスクリューパイルドライバー。空飛ぶザンギエフ。
当時の児童誌や一部書籍では"風塵地獄落とし"であり、映像でもご丁寧に塵を巻き上げているのだが、後発の本編聞き取り系の書籍で"風神地獄落とし”という神を地獄に落とすなんだかとんでもない字面の名前が登場した。まぁどちらでも何の技を指すかは分かる。
相手の両腕を背中合わせに担ぎ上げて(プロレスでいう所のハイジャックバックブリーカー)
そのままの姿勢で走って勢いをつけジャンプ。空中で引っくり返して頭部を(以下略
上空でハイジャックバックブリーカーの姿勢で両手を掴んだまま脳天杭打ちに移行するパワフルな技。
劇中ではドロニャンゴーに対してこれを二度繰り返し、二度目に叩きつけた岩が真っ二つになった。
まぁ、なんていうか、
そのまま卍固めです。
一応99の技らしい。
シリーズでは後に
指輪の魔法使いも卍固めを使っている。
劇中ではヘビンガーのコブラツイストヘビンガーツイストに対抗して使用し、骨がひしゃげるような効果音を伴って行動不能に追い込んだ。
相手の首を両足で挟み、そのまま足の力だけで投げ飛ばし地面に叩きつける。
ヘッドシザース。
劇場版で使用。
相手を背後から掴みジャンプ。空中で引っくり返して大スクリーンでも脳天杭打ち。
これと関連しているかは不明だが、当時の児童誌や10号誕生のスカイライダー紹介パートではパイルドライブという技が存在している。
児童誌によれば空中で相手を逆向きにして頭から地面に叩きつけるいつもの強化スカイライダーような技らしい。
【その他の技や特殊能力】
地上で両手を交差させてから回転をスタート。
強烈な体の回転で風を起こし、物体を逆流させる。
劇中ではオオバクロンの念力殺法に対して使用し、超能力による浮遊物体を物理で跳ね返した。
技の最中に変身ベルトが回転し光り輝く描写が入るので(変身バンク流用)
強力な突風にはトルネードの風車機能が一枚噛んでいるものと思われる。
故事に曰く、回ればなんとかなる。
ゲーム作品バトライド・ウォー創生でまさかの採用。
飛び道具を無効化するばかりか回転したまま移動し巻き込んだ相手を吹き飛ばす人間台風となった。
「押すことも引くこともできぬぞ!どうする!?」
99の技の1つ。
自分の体重をゼロとして、陽炎のように身軽になる忍者の秘術。
スカイライダーは特訓によって会得した。
劇中では黄金ジャガーの槍の上に飛び乗り、槍の動きを封じた。
その性質から重力低減装置(セイリングジャンプ)との関連を見出す考察もある。
厳密には「陽炎の術」を用いて槍の上に乗っている状態だろうか。
その後、トドメには至っていないが、相手の頭を足でヘッドシザースのように挟んで空中で高速回転から足の力だけで投げ飛ばす1号のライダーシザースやライダーヘッドクラッシャーのような投げ技を見せた。
棒術(?)技。
二列縦隊となったアリコマンドの肩を飛び石を踏み越えるように駆け抜け、着地後に地面を棒で叩くと一斉にアリコマンドが倒れる時代劇とか香港映画っぽい技。
この前後でスカイライダーはアリコマンドから奪った武器で華麗な棒術を見せているが、Xライダーの薫陶を受けたものなのだろうか?
最終的に2つに折れた棒をまるで
太鼓のバチのように二刀流の武器として使い、ミミンガーを追い詰める。
厳密にはドロリンゴが化けた偽スカイライダーの技。何それ知らん…
上っ面だけ模倣した攻撃は、本物の強さには通用しなかった。
ドロリンゴ達は2人で肩を組んで使用したため、本物が使った場合どうなるかは不明。1人でできるのか、先輩ライダーと協力するのだろうか?
岩石を持ち上げて思い切り投げ飛ばす…一応技。
スカイキックにも耐えるザンヨウジューが変身した岩をリフトアップして空高くジャンプ、投げ飛ばしてダメージを与えた。
土属性の全体攻撃技でもないし、空を飛べるパワータイプで同じだけどイエローオウルでもない。
番組初期の代名詞。
14話以降は姿を消していたが、52話でちょっとだけ復活。
スカイライダーの象徴。
やっぱり14話以降は使われていなかったが、大空を自由に舞う必殺技の数々で怪人たちを倒してきた。
直接描写はされていないが、これで飛行中のロケットから脱出した事もある。俺がスカイライダーだという事を忘れたか!
「みんな!8人の力を合わせるんだ!」
初期要素を最終回で出すのは王道
8人ライダーで円になるように手をつなぎ、ベルトが発光。
セイリングジャンプが虹色の光の輪をまとってパワーアップ。
8人ライダー全員でセイリングジャンプし、接触した対象を巻き込んで飛行する。
最終回で酸素破壊爆弾を抱えたネオショッカー大首領を倒すために使用。大気圏外まで運んだ。
大空の勇者は最後の最後で仲間達と宇宙に至り、8つの星が煌めいた。
「泣くんじゃないみんな…仮面ライダーは死んだんじゃない。必ず生きている」
「君たちが呼べば、必ず…必ず、何処からともなく飛んでくるんだ」
【関連作品】
放送開始から1ヶ月前の1979年9月8日に放送。
1期のおやっさん立花藤兵衛が7人ライダーとの思い出を振り返り、最後に新しいライダーとしてスカイライダーを紹介する橋渡し的プロローグ。
番組の最後に新しいヒーローを紹介という構成なので、筑波洋とスカイライダーの出番はラスト2分の特報映像のみ。
ここで流れる主題歌「燃えろ!仮面ライダー」は後にLP化された音源と水木のアニキの歌い方が違うNGテイクっぽいバージョンになっている。
劇場作品。1980年3月15日公開。対象年齢的にちょっと難しめの漢字を使ってるので媒体によっては「ギンガオー」と競走馬とか合体ロボみたいな表記になる。
テレビ放送(4月11日)より1ヶ月早く強化スカイライダーが先行登場する。
要するに新しい武器や最強フォームをTVより先に見れるぞ、というロボットアニメとか平成ライダーなんかの映画でも定番のイベント。
具体的な時系列は不明。
同時期のレギュラーキャラである谷さんや喫茶店ブランカの面々が一切登場せず、ゲストの羅門一家と筑波洋が顔馴染みの親友でまるでレギュラーのように説明もなく出てくるので、パラレル世界とする説もある。
【対人関係】
【おやっさん】
「君こそ、君こそ仮面ライダーだ!」
志度博士。最初のおやっさん。改造人間の体へと変えた博士。
その償いと洋の直向きな姿に感銘を受け、ネオショッカー打倒に協力する。
初期1クールの拠点、志度ハングライダークラブの店主。
博士でありながら中々行動的な性格で、自ら変装して囮を務めたり現場でのライダーのサポートもこなす。
昔は空を飛ぶ事に憧れた飛行少年(非行ではない)で、それがハングライダークラブの切っ掛けでもある。
13話を最後に海外のネオショッカー対策会議への出向という形で番組から退場する。
これは演者の病気療養による事情が絡んでおり、演ずる田畑孝はその後番組放映中に死去。
「志度くんから話はすっかり聞いた。"仮面ライダー"の事もな」
博士と入れ替わりで登場した新たなおやっさん。
家族をネオショッカーに皆殺しにされ、その打倒のため世界を巡っていた。
洋の大学の先輩なのだが、谷源次郎という名はネオショッカーと戦うための偽名であるらしい。
新たな拠点、喫茶店ブランカのマスター。
改造執刀医も兼ねて変則的な立ち位置だった志度博士に対して、ある意味では立花藤兵衛からの正統後継者なおやっさん。
年長者として若者たちを見守り、時にアリコマンド程度なら蹴散らせる武闘派でもある。強いぞ僕らのおやっさん。
スーパー1でも続投し、1期シリーズを見守った立花藤兵衛から数えて2代目おやっさんと例えられる事が多いのだが、その場合間に1クールだけ挟まった志度博士をどのようにカウントするか悩ましいところ。
【先輩ライダー】
「洋、俺が行くまで無茶をするな!」
一番お世話になった先輩。素顔の一文字隼人として6話登場した。
時に洋とコンビを組んでの二面作戦の打破、更には新2号単体で怪人を撃破するなど貴重なシーンも多数。
最終回では8人ライダーを代表して大首領と問答し、ある事情から戦いに迷いを見せる洋を何も言わず優しく見守り、自分で答えを見出すまで待った。
誰とでもコンビが組める、いついかなる時も頼りになる男。
「洋、お父さんとお母さんを信じるんだ」
一文字さんと同じくらいお世話になった先輩。
クラゲロンとサイダンプに苦戦するスカイライダーの前に現れた最初の先輩ライダー。
この時は池水さんの声だが、特訓によりスカイライダーに新必殺技を授けた。
当初は年長者として礼儀正しく厳かに振る舞っていたが、52話ではかつての荒っぽい一面も見せた。
後にガマギラス打倒のために素顔の城茂としても登場し、最終回三部作ではその全てに登場し、洋の両親にまつわる重大な秘密を知る役割を担う。
城茂としての登場は4話。池水ボイスの特訓回も含めれば6話。
「スカイライダー、俺はV3だ。横浜は俺に任せろ!」
そこそこお世話になった先輩。ムササベーダー兄弟を追って日本に帰国。
この時は声のみの出演だったが、何と宮内洋の本人キャストだった。
その後、タコギャングを追ってきた時には素顔の風見志郎としても登場。
日本一のヒーローぶりで濃厚な活躍シーンを次々見せ、一部で番組ジャックと囃し立てられた。
風見志郎としての出演は2回、声だけの出演も含めれば3回。
出会い頭に怪鳥音を上げて投げ飛ばして腕試しをしたり、別れ際に笑顔で腹パンしたり、歳の離れた後輩との接し方に若干迷っている感が漂う。
「大丈夫だ…スカイライダーはもう昔のライダーじゃないんだ」
割とお世話になった先輩。素顔の戦士として一番最初に洋の前に姿を現した。
登場エピソードの舞台となった魔神峠ふもとの村に滞在した事があり、現地住民の中には顔馴染みがいる。
ライドルを引き抜いてトリカブトロンと大立ち回りを演じ、赤く発光する新解釈のXキックで撃破した。
神敬介の演者は174センチで決して低くはないのだが、筑波洋がそれより10センチもある長身なので高低差ができてしまい、ツーショットの撮影ではカメラマンが気を遣いまくって大変だったらしい。
このほか、本人出演ではないがドクガンバの作戦に際してライダーマンと共に帰国した。
神敬介としての出演は2回。上記のドクガンバも含めれば3回。
「奴らのアジトは突き止めた、行くぞ!」
お世話になった先輩。ニューヨークからドブネズコンを追って帰国。
逞しく成長しており、タイマンでもドブネズコンをいい所まで追い詰めた。
台詞ではパワーアームやロープアームと言っているのだが、装備してるのは小道具の都合で全部スイングアーム。
相変わらず援護で光る男であり、スカイライダーと抜群のコンビネーションを見せた。
ラストではブランカでレギュラー陣と談笑し、洋に日本を託して去っていく。
屈託のない笑顔とピースサインが印象的である。
結城丈二としての登場は1回。本人出演ではないがドクガンバも合わせれば2回。
【謎の人?実は…】
変な鎧とスクーターでやってくる、自称日本一の正義の味方。
空気の読めないコメディリリーフで邪魔をしてしまう事ばかりだが、悪に立ち向かう志だけは一貫しており、時に意外な形でライダーを助ける不思議な相棒(?)
…実は、人間として筑波洋が最後に言葉をかけ、別れの挨拶をした相手でもある。
【あんまり面識がない先輩と後輩】
初代ライダー。8人ライダー全員が帰ってくるようなイベント編では出てくるが、本郷猛としては一度も姿を現さなかった。
アマゾンライダー。出演状況は1号と同じ。
30話ではアマゾンからやってきた怪人が作戦を展開し、その資料をアマゾンライダーが郵送するという、まるでアマゾンが出演するかのようなお膳立てがされていた。当時の児童誌ではこの件でスカイライダーを褒め称える手紙を送っている。
驚くほど文明の利器を使いこなしているので、現役時代の後半やストロンガーにゲスト出演した時のような知恵のある野生児状態だと思われる。
洋は基本的に先輩に対しては苗字+さん付けなのだが、「アマゾンさん」になるのか「山本さん」になるのか興味深いところである。
本人出演はないが大切断という際立った個性は活躍させやすく、スカイライダーがパワーアップした前後編では戦車の砲塔にダメージを与え、キノコジンの首を吹っ飛ばして大爆発させた。
次作品の後輩だが、共演歴はなし。
それまでの歴代最年少の筑波洋に対し、向こうは歴代最年長という凸凹コンビ。
他職種での経験が豊富な人生の先輩で仮面ライダーとしては後輩。
年下の先輩と年上の後輩という難しい関係だが、2人とも基本的に礼儀正しい性格なので、あるいは互いに敬語になり、変身すると戦士として対等な関係というあたりだろうか。
2作品次の後輩だが(以下略)
演者同士は双方共に役者として大成し共演歴が多く仲良しなのだが、色々あってライダーの共演だけはない。
【その後の筑波洋】
実は、本編後に筑波洋として村上弘明がゲスト出演した事は一度もない。
これは大野剣友会時代の、平山Pが手がけた10人ライダーの中では唯一である。
この辺りは事務所の都合と、それら縛りが無くなった近年では村上氏の役者としてのグレードが上がり過ぎてしまったあたりの事情が関連していると思われる。
40年以上を経てもなお、筑波洋復活を願うファンの声は後を絶たない。
村上氏本人はスカイライダーに愛着があり、また最終回の展開が展開だったので、その後どうなっているのか興味を持っている旨のコメントを残している。
実は生きていた母との再会も束の間、ネオショッカーの手により母を失い、無念を晴らし人類の平和を守るべく筑波洋は7人ライダーと共に大首領との決戦に挑む。
一瞬にして地球上の酸素を奪う恐るべき兵器、酸素破壊爆弾を抱えた大首領を阻止すべく8人ライダーのセイリングジャンプで宇宙まで飛び、大首領と共に爆発し、地球は守られた。
この衝撃的なラストは当時メインライターの江連卓が次回作のスーパー1に歴代ライダー要素を入れたくないからやってしまった説などがあるが、真相は分かっていない。
同年代の特撮やアニメ作品を見てもいわゆる特攻ENDは非常に多いので、その流れに乗っていると言えなくもない。
スカイライダーとしての最後の台詞は「大気圏外に運ぼう」
変身する前、筑波洋としての最後の言葉は、7人ライダーを追いかけて転んだがんがんじいを助け起こしての「がんがんじい…元気でな」である。ブランカには何も告げずに去って行った洋が、人間として別れの挨拶をした、だだ一人の相手だった。
いわゆる春映画オールスター時空などではスカイライダーは出てくるが、筑波洋は登場しないので、視聴者にとっては筑波洋は宇宙から未だ帰ってこないままなのだ。
この2点の悲しい噛み合わせは村上氏も気にしており、「大首領と一緒に宇宙で爆発したスカイライダーがその後どうなったのか?説明がしっかりしてれば面白いんですけどね…」と「納得のいく内容の脚本」を前提に意欲を見せている。
そして後述の春映画の昭和ライダーの扱いがアレなのとかコレなのばかりなので事実上かぐや姫の無理難題であるというのがリアリストの見解である
最近はコロナ渦もありオフの時間も増えた事で、「自分でシナリオを書いてみようかなと思っています」と少し道が開けたコメントを残した。
「まだ改造人間のままなのか、それとも人間に戻ったのだろうか」
「還暦を過ぎた筑波洋、果たして変身はできるのか?」
「そういったシナリオを、ドラマ化できたらいいなと思っています」
大空の勇者は、再び我々の前に姿を現してくれるのだろうか?
奇跡が近づく瞬間を信じて、スカイライダーを愛する者たちは今日もジッと待ち続けている。
【オールライダー映画などでのスカイライダー】
一貫して強化スカイライダーの姿。
ご存知の通り、春映画時空というのはとてもフンワリした世界観なので、この一連の作品に登場するスカイライダーは誰が変身してるのかは不明である。(他の本人出演がないライダーにも言える事だが)
…まぁ、マゼンタピンクの破壊者によるアレが非常に有名なのだが、他に説明してる項目が沢山あると思うのでここでは割愛する。
他方、全体を見渡すと、アクションシーンなどでの活躍はそこそこある方。
CG技術の恩恵を得て強化後のカラーで空を飛ぶスカイライダーはそれだけで新境地であるし、セイリングジャンプをしたまま敵に体当たりをしたり、スカイフライングソーサーが新たに描かれるなど意外と多い。
総じて、オリジナルキャストという最大の補正を得られないライダーとしては可もなく不可もなくといったくらいの出番と活躍である。
ただし残念ながら、プロレス殺法の投げ技は撮影などが大変なのか一度も再現された事はない。そろそろフルCGの強烈なエフェクトで落下する3点ドロップなど見てみたいものである。
近年のスーツは強化スカイでは本来大型の筈の変身ベルト・トルネードが小型というチグハグ仕様だった。
シリーズ50周年を機に改修されようやく大きくなったのだが、今度は屋外で長い間お勤めを果たしたスーツの明るい緑色の部分がまるでカビのような色に退色してしまい、体の方が違う状態になってしまった。
【ゲーム作品や他媒体での活躍】
スーツや撮影の制約がないので、製作側の熱量によっては一番大化けする分野。
上記の春映画などのイメージを受けて、ベルトの小さい強化スカイライダーが一般化している。
【ガンバライド】
オーズ弾の004から参戦。ベルトがものすごく小さい。
必殺技はスカイキックを叩き込んでから3点ドロップをぶちかましセイリングジャンプで緊急離脱という超欲張りセット。
一弾前のハイパーEXで先行登場し、数多のガンバライダー(の使うプレイヤーキャラ)の背骨をへし折って大爆発させた。
【ガンバライジング】
諸々難しくなってきたのか投げ技は採用されずやたらキック技ばかり拡張された。
初期装備がシンプルな反転キックに簡略化されたスカイダブルキックなのだが、何故かボイスは「スカイキック!」
その後ムービー技でスカイスクリューキック、稼働末期の50thレアで大反転スカイキックが実装された。
【ガンバレジェンズ】
4弾から登場、変身シーンも後期の物をバッチリ再現しているのだが、音が初期1クールのままなのが惜しい。
必殺技のスカイダブルキックは相手がアブンガー側の動きをしてキック合戦をする所から再現されパワーアップした。
技名の音声も「スカイダブルキック!」に直っており、前作は単なるケアレスミスだった事が判明している。
ガンバライドからずっと小さいままだった変身ベルトにようやくリニューアルが入り、とても大きくなった。
【ライダージェネレーション】
SD等身ゲーム。
ガンバライドの影響を受けたのか超必殺技は3点ドロップだが、ドッド絵の都合で両手を上にバンザイしたまま相手の背中だけ蹴って落下する技になっている。1点ドロップ。
特定ボスと発生する会話パートでは、とにかくその前向きさと優しさが強調されている。
【コトダマン】
2024年の仮面ライダーコラボで登場。
旧スカイライダーから始まり、進化で強化スカイライダーにパワーアップする。
【バトライド・ウォー創生】
おそらく現状でもっともスカイライダーのアクションを堪能できるゲーム。
地上モードとセイリングジャンプを利用した空中モードを利用した2つのスタイルがあり、ボタン操作でそれらを切り替えつつコンボを繋ぐキャラとなっている。空中投げの3点ドロップは恐るべき吸引力であらゆる攻撃も繋いでしまうコンボの起点にしてフィニッシャー。
熟練プレイヤーが使うと通常攻撃を間に挟みつつ大回転スカイキック→竹とんぼシュート→スカイキック→(空中モード移行)→3点ドロップ→スカイフライングソーサー…みたいなキックと投げ技のフルコースを延々と相手に叩き込める恐るべき性能を誇っている。7人ライダーと鍛えた新たな技、充分味わってみろ!
まさしく超スピードで空を飛ぶ投げキャラのスカイライダーを楽しめる一作となっている。
【余談】
- 番組序盤で愛用していた赤と黄色のハングライダーは筑波洋専用モデルとしてわざわざデザインし作られた特注品なのだが、路線変更に伴い2クール目以降は全く使わなくなった。
- 企画段階初期の名前は「風村敬太郎」と風の乗り手である事を意識したような名前となっている。ファーストネームは最終的に志度博士に移植された(志度敬太郎)
- 演者の村上弘明は今でこそ日本を代表する俳優であるが、スカイライダー当時は新人で実質デビュー作品。
- みっちりしごかれて落ち込む事もあったが、1年を通して役者として成長させてくれた同作には深く感謝しており別れは寂しかったという。2000年代頃までライダー時代の話ができなかったのは、当時の事務所の意向による所が大きい。
- ゲスト出演こそ果たされていない筑波洋だが、2017年の岩手県PR動画や2021年のライダー50周年イベントでは変身ポーズを見せ、当時と変わらぬ作品愛と体のキレを見せた。
- 2024年10月。作品の45年と前後してTOKYO MXでの再放送がスタート。一説には関東圏でのテレビ放送は当時以来とも言われている。令和の現代に、再びお茶の間に筑波洋が帰ってきた。
追記・修正は大空を自由に翔ける夢に思いを馳せながらお願いします。
- いわゆる昭和2期の人です。まだ無かったので折角なら合わせてみようかなと思いました。おめでとうスカイライダー。 -- 名無しさん (2024-10-05 19:03:06)
- ガンバレジェンズでの変身再現がとてもキレッキレで原典も見てみたが本当にカッコイイな…! -- 名無しさん (2024-10-05 19:14:19)
- この辺りから主演俳優のキャスティングがダンディ系から爽やか系に転換してきたイメージがある -- 名無しさん (2024-10-05 19:17:58)
- 飛行能力持ってるやつが投げ技豊富なのガチすぎる -- 名無しさん (2024-10-05 19:49:56)
- 等身大で親しみやすい近所の兄ちゃんなキャラ付けはある意味で平成ライダーの主人公の雛型だったと思う -- 名無しさん (2024-10-05 23:09:30)
- 東京MXで来週から放送だっけ?久しぶりに見てみるか -- 名無しさん (2024-10-06 01:07:58)
- 昭和平成大戦の昭和側の主張(の描写つか言い方さァ)に納得がいかない主要因の一人。優しさと戦る時ゃ戦る決断力の両立は洋も平成組も同等に備えている。スカイ本編を少しでも観てりゃわからんはずがないのだが -- 名無しさん (2024-10-06 13:52:19)
- オールライダー映画の所、変身者不明ってしたりマゼンタで合ってる?のにピンクと称したりそこはかとなく筆者の不満というか怒りを感じるのは俺の気のせいだと思いたい…まあこれだけの熱量持ってる御仁からしたら宜なるかな、と思う扱いだけども -- 名無しさん (2024-10-14 19:19:49)
最終更新:2024年11月22日 19:30