いきなりつよいデッキ(デュエル・マスターズ)

登録日:2024/10/06(日) 22:17:30
更新日:2025/04/21 Mon 00:30:08
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550円ではじめるデュエマは

いきなりつよい!!


「いきなりつよいデッキ」とは、TCGデュエル・マスターズ』の「スタートデッキ」の一種である。
2025年現在、「攻めの王道」「守りの王道」「技の王道」「力の王道」の4種類が販売されている。



概要

2024年4月から発売が開始されたデュエマの「スタートデッキ」シリーズ。
初出時は「攻めの王道」「守りの王道」の2種のみだったが、2025年4月から「技の王道」「力の王道」が追加された。
コンセプトは読んで字の如く「デュエマをいきなりつよく始められる」こと。
これまでと打って変わり、対人カードゲームという点に力を入れたデッキとのことだが……?



特徴

  • 強い
まずデッキの内容が相当強い。「いきなりつよい」という名前に嘘はない。
過去に販売されていた「新ギミックを体感可能なデッキ」としての「スタートデッキ」とは比べものにならないほど強い。

「クロニクルデッキ」「スーパーレジェンドデッキ」などにもそのままで強いものはあったが、それらと異なりこのデッキに新規カードは一切無い。
つまり再録カードのみで構築されているガチガチの対人戦・競技向けデッキなのである。

その強さは発売当日の大会で無改造での入賞が確認されているなど、「スタートデッキ」とはとても思えない。

  • 再録
再録カードも強力なものが詰め込まれている。

「攻めの王道」では殿堂入りしている《“轟轟轟”ブランド》や中々再録されなかった《烈火大聖 ソンクン》《こたつむり》などを収録。
優秀なメタカードである《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》も入っている。
「守りの王道」ではこちらも中々再録されなかった《白騎士の精霊ホワイト・ウィズダム》《星門の精霊アケルナル/スターゲイズ・ゲート》などを収録。
優秀なシールド・トリガー《閃光の守護者ホーリー》も入っている。
更に、発売前は1枚1000〜2000円程度していた《“罰怒”ブランド》《闘門の精霊ウェルキウス》まさかの収録。
度肝を抜かれたデュエリストも多かっただろう。

ちなみに、収録カードはほぼ全てが光っていないコモン加工となっている。元がマスターカードだろうがスーパーレアだろうが全く光っていない*1
それぞれのデッキで以下のカードのみは切り札扱いとしてかホイル加工になっている。
「攻めの王道」《我我我ガイアール・ブランド》
「守りの王道」《闘門の精霊ウェルキウス》
「技の王道」《アビスベル=ジャシン帝》
「力の王道」《轟く侵略 レッドゾーン》

  • 値段
「でもこんなに豪華な再録内容だったら、お高いんでしょう?」

「なんと!お値段たったの税込み550円!550円で販売します!」

このデッキでおそらく1番のポイント。
こんなに豪華な再録カードが詰め込まれた構築済みデッキがなんとワンコイン+税で購入可能。
ちなみに過去の「スタートデッキ」は基本1000円、似たようなコンセプトの「開発部セレクションデッキ」は約3000円である。

なお過去に500円前後で販売されたデッキはコロコロコミック付属で実質500円なデッキや、食玩として登場した「SPキングデッキ」くらい。
これらはデュエマに触れてもらうことだけが目的で、強さは皆無なデッキしかなかった。
過去の「スタートデッキ」では「ビギニング・ドラゴン・デッキ」3種が例外的に、累計発行枚数50億枚突破記念で同じく500円販売だった。
その中でも「神秘の結晶龍*2」に限って言えば当時基準で「安い上に無改造でも十分戦える」デッキであった。
それでも再録はそこまで豪華ではなかったため、ここまで強さ・豪華さ・安さを兼ね備えたデッキは異例と言えるだろう。

明らかに強さが値段に逆の意味で見合っていなかったため、発売後すぐに売り切れる店舗が相次いだとか。



内容

攻めの王道

+ 収録カード
4枚 《我我我ガイアール・ブランド》
1枚 《“轟轟轟”ブランド》
2枚 《“罰怒”ブランド》
4枚 《烈火大聖 ソンクン》
4枚 《こたつむり》
2枚 《ダチッコ・チュリス》
4枚 《クミタテ・チュリス》
4枚 《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》
4枚 《一番隊 チュチュリス》
3枚 《斬斬人形コダマンマ GS》
4枚 《ブンブン・チュリス》
4枚 《凶戦士ブレイズ・クロー》

デッキタイプはバリバリの速攻デッキである【赤単我我我】
低コストのクリーチャーを展開して殴っていく典型的なビートダウンの戦法を取る。
シールド・トリガーであるクリーチャーや呪文が1枚も収録されていない*3ため、「殺られる前に殺る」というのが基本。

1ターン目から1マナの《凶戦士ブレイズ・クロー》《ブンブン・チュリス》《クミタテ・チュリス》を積極的に召喚。
2~3ターン目に切り札の「ブランド」系統をコスト軽減して着地させ、スピードアタッカーで一気にフィニッシュさせよう。

基本的な動きが決まりきっているため改造無しでも強いが、そのままだと手札を使い切って「ブランド」系統の着地ができないという事が起きがち。
《カンゴク入道》《パイセン・チュリス》といった手札補充手段を増やすと安定する。

なお地味に「ブランド」系統のマスターカード4種のうち3種が一挙に収録されている*4

守りの王道

+ 収録カード
4枚 《闘門の精霊ウェルキウス》
2枚 《白騎士の精霊ホワイト・ウィズダム》
4枚 《星門の精霊アケルナル/スターゲイズ・ゲート》
2枚 《聖闘の精霊龍 セイント・カイザー/ライブラ・シールド》
4枚 《閃光の守護者ホーリー》
4枚 《ヘブンズ・ゲート》
4枚 《真連結バウ・M・ロマイオン》
4枚 《閃光の神官 ヴェルベット/フェアリー・パワー》
4枚 《竹馬の超人/テイクバック・チャージャー》
4枚 《配球の超人/記録的剛球》
4枚 《巨大設計図》

デッキタイプはガチガチの守備デッキである【白緑(タッチ赤)巨大天門】。
大型のクリーチャーで相手を制圧するクリーチャーコントロールの戦法を取る。
呪文以外はどれもコストが大きいため、相手の序盤の攻勢をシールドで受けながら増えた手札やシーリド・トリガーで反撃に転じるというのが基本。

5マナ貯まるまでは、自然文明のツインパクト呪文によるマナ加速や《巨大設計図》などで手札補充を進める。
5~6マナまで貯まったら《スターゲイズ・ゲート》《ヘブンズ・ゲート》《闘門の精霊ウェルキウス》を出し、連鎖的に大型ブロッカーを並べる。
大型ブロッカーを並べることが出来れば相手の攻撃を一切受け付けなくなる。そのうちにじわじわと攻めていこう。
手札やシールドに《ヘブンズ・ゲート》があればこっちのものだが、メタカードが相手の場にあると展開の邪魔になる。
その場合は《テイクバック・チャージャー》などで対策すること。

大型のブロッカーであれば大体のものが出せるため、色々と改造もしやすい。
有名なのは《∞龍 ゲンムエンペラー》《支配の精霊ペルフェクト/ギャラクシー・チャージャー》《神聖龍 エモーショナル・ハードコア》など。
発売時期の近いパックにも《光開の精霊 サイフォゲート》など相性の良いカードが収録されている。
入れればさらなる守りと制圧力を得ることが可能。ぜひ入れてみよう。
なおどれも再録が少ないか特殊な方法だったり、封入率が低い高レアリティカードだったりするので高額。
しかも複数枚必要なので「攻めの王道」と比べると改造のハードルはすごく高い。

技の王道

+ 収録カード
2枚 《漆黒の深淵 ジャシン帝》
4枚 《アビスベル=ジャシン帝》
4枚 《邪龍 ジャブラッド》
2枚 《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》
3枚 《終末の時計 ザ・クロック》
2枚 《ドアノッカ=ノアドッカ/「…開けるか?」》
3枚 《忍蛇の聖沌 c0br4》
4枚 《ブルーム=プルーフ》
4枚 《サーイ=サイクル》
3枚 《邪侵入》
4枚 《ハンマ=ダンマ》
2枚 《フォーク=フォック》
2枚 《ルピア炎鬼》

デッキタイプはオーソドックスな技巧派デッキである【黒単アビス】。
ハンデスなどを織り交ぜて臨機応変に攻めるコントロールとビートダウンを併せたような戦法を取る。
強力だが腐ることもあるカードが多く、状況に応じてどの手段を取るのか慎重にプランニングして戦うのが基本。

序盤から墓地肥やしや手札補充を繰り返し、《邪侵入》などで切り札である《アビスベル=ジャシン帝》を早出し。
その後は《アビスベル=ジャシン帝》の能力でコスト軽減したアビスを墓地から多数召喚して一気に攻めていく。

メディアで主人公である斬札ウィンが使用している種族のデッキタイプと言う事もあり、改造もかなりしやすい。
公式では発売時期の近いパック収録の《深淵の怒貫 ファウン=テイン》がオススメされている。
《ルピア炎鬼》《終末の時計 ザ・クロック》が入っていることから《至高の魂 アビスベル=ジャシン帝》との組み合わせも想定されている模様。
色々と試してしてみよう。
またアドバンスフォーマットで使うなら《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》用に超次元や超GRといった外部ゾーンのカードも用意しておくと良い*5

力の王道

+ 収録カード
4枚 《覇帝なき侵略 レッドゾーンF》
4枚 《轟く侵略 レッドゾーン》
1枚 《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》
4枚 《進化設計図》
4枚 《こたつむり》
4枚 《SMAPON》
3枚 《未来設計図》
4枚 《カチコミ入道 <バトライ.鬼>》
4枚 《オンソク童子 <ターボ.鬼>》
4枚 《ストリエ雷鬼の巻》
4枚 《冒険妖精ポレコ》
4枚 《ヘルコプ太の心絵》

デッキタイプはワンショットキルの極致とも言える力押しデッキである【赤緑アポロ】。
……なのだが、そちらの核となる《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》殿堂入りしてしまっているためか【レッドゾーン】の要素も足されている。
サーチを駆使してカード揃え、それらを一度に放出してワンショットキルを狙うある種コンボのような戦法を取る。
「攻めの王道」よりはマシだがシールド・トリガーはほぼ無いため、とにかく短期決戦を狙うのが基本。

動きとしてはとにかく以下の流れを目指すことになる。
1:1マナのシンカライズ持ちタマシードである《ヘルコプ太の心絵》《ストリエ雷鬼の巻》を出す。
2:それらで手札に2マナのコマンドかドラゴンの進化クリーチャーである《カチコミ入道 <バトライ.鬼>》《オンソク童子 <ターボ.鬼>》を引き込む。
3:シンカライズ持ちタマシードを進化クリーチャーに進化させて攻撃。
4:攻撃時に《覇帝なき侵略 レッドゾーンF》などを経由しながら《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》にまで侵略。
5:《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》のメテオバーンで攻撃しながら相手のシールドを全てブレイクし、そのまま相手にダイレクトアタック。
前述の通り殿堂入りによりこの動きはしにくくなっているため、その場合はサブプランとして「レッドゾーン」系統の侵略によるビートダウンで戦う。

改造するなら2マナの進化クリーチャーサーチである《エボリューション・エッグ》を入れるだけで安定感が段違いに増す。
サブプランの補強として侵略持ちを増やすのならば、《禁断の轟速 ブラックゾーン》などがオススメ。
なおこれまた再録が少ないか特殊な方法だったり、封入率が低い高レアリティカードだったりするので高額。
特に《エボリューション・エッグ》は需要の増加で高騰しているにも関わらず相性抜群のこのデッキで再録されなかったことが槍玉にあげられたり*6


余談

  • パッケージ自体も大幅に簡素化されて1つの分厚いパックのような形状になっている。
    「いきなりつよいデッキ」という簡素な名称も人件費カットが原因らしい。

  • これまでの「スタートデッキ」と異なりメインセットである基本拡張パックとの連携要素が無い商品である*7
    このため収録カードにはブロックマークが記載されておらず、2ブロック構築に使用できない。

  • 初出の2種である「攻めの王道」「守りの王道」同士が無改造で戦った場合、基本的に「守りの王道」有利となる。
    「攻めの王道」にはメタカードがあるものの、シールドからの《ヘブンズ・ゲート》には対応できない*8
    また《閃光の守護者ホーリー》が出てきた場合でも全員タップされるため、メタカードが殴られてしまう。
    しかも「攻めの王道」側は小型クリーチャーが多いため、ほとんどのクリーチャーのパワーが負けている
    *9
    シールド・トリガーが無いことを祈って殴るしかないのだが、「守りの王道」側には元々10枚も入っているのでほぼあり得ないだろう。
    • これらと同日発売の構築済みデッキとして「ドラゴン娘になりたくないっ! イェーイめっちゃドラゴン!!」も存在する。
      こちらは「攻めの王道」には速度的に分が悪く不利で、「守りの王道」にはパワーラインで勝っており有利。
      この3種の構築済みデッキのいずれかを基盤にして戦う発売記念イベント「王道の春デッキ限定戦」では、上手いこと3すくみの構造になっている。
  • 2025年度に追加された2種の場合は
    「シールド・トリガーが多く、万が一《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》でシールドを全部ブレイクされても逆転出来る「技の王道」
    《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》以外にも「レッドゾーン」系統の打点や除去で渡り合える「力の王道」
    と、2種だけで拮抗している。

  • 初出の2種を用いた初心者向けのルール解説や対戦動画が公式のYouTubeチャンネル「デュエチューブ」に存在する。
    興味がある人は是非チェックしてみよう。
    再生数が一番多い*10のはドラゴン娘達による「イェーイめっちゃドラゴン!!」と「攻めの王道」を用いたティーチング動画なのは内緒。



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最終更新:2025年04月21日 00:30

*1 《“轟轟轟”ブランド》《ヘブンズ・ゲート》《漆黒の深淵 ジャシン帝》《覇帝なき侵略 レッドゾーンF》はごく稀にスペシャルイラスト版になっていることがあり、その際はまた別の加工となっている。

*2 内容はリキッド・ピープル軸の【バニラビート】。

*3 元になっているデッキからして投入しないのが普通なのでおかしいわけではない。攻撃を止められるガード・ストライクは3枚入っているが、シールドに入っていない確率の方が高いため出たらラッキー程度に考えておこう。

*4 収録されていない1種はオリジナルフォーマットで使用できないGRクリーチャーの《“魔神轟怒”ブランド》。

*5 そちらの能力で相手クリーチャーの出た時の能力をコピーでき、結果としてそれら外部ゾーンのカードを呼び出せることがあるため

*6 あくまで初心者向けのデッキなので、デッキを直接見るカードは複雑でコンセプトに合わないのでは?という見方がある。また進化元が手札に無い状況でも《未来設計図》で《冒険妖精ポレコ》をサーチすれば手札にダブ付いた進化先でビート出来るため、【レッドゾーン】としての最適化も考えた結果では?という声もある。

*7 前述の通り発売時期の近いパックに相性の良いカードが収録されたりデッキ側が組み合わせることを想定していたりはするため、全く連携要素が無いわけでもない。

*8 《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》のメタ効果は自分のターン中には機能しないため。

*9 「攻めの王道」のクリーチャーはパワー1000~4000が多く、最大でも「ブランド」系統3種のパワー9000。一方の「守りの王道」は《閃光の守護者ホーリー》と《聖闘の精霊龍 セイント・カイザー》以外のクリーチャーは全てパワー10000を越えている。

*10 本項目が作成された2024年10月時点。