クロニクルデッキ(デュエル・マスターズ)

登録日:2023/10/06 Fri 22:34:57
更新日:2025/05/15 Thu 00:35:11
所要時間:約 6 分で読めます






もう一度デュエマしよう。

─マスターズ・クロニクル・デッキ。




クロニクルデッキとは、TCGデュエル・マスターズ」の構築済みデッキである。


【概要】


2015年から2022年まで、毎年夏に発売されていた構築済みデッキ商品。
過去のカードを主軸にした構成になっており、高年齢層やかつてデュエマを遊んでいた、所謂復帰勢に向けた商品となっている。
初期の頃は「漫画・アニメで活躍したキャラクターのリメイクデッキ」という趣だったが、商品ナンバリングが変更されると「かつて環境で活躍したデッキ・カード」にテーマが切り替わっていった。
が、今度はその路線を「レジェンド・スーパーデッキ」や「開発部セレクションデッキ」が担う事になったため再びキャラクター路線に変更されたが……

約8年間発売され続けた人気シリーズだったが、2023年から廃止されることが発表された。
公式によると「ネタ切れ」が主な要因とのこと。
ジョーくんを筆頭にキャラクター路線ならまだネタありそうな気がしないでもないですけどね

直近に発売されるパックに組み合わせる事を想定した相性の良いカードが収録されていたのも特徴。
同時発売のデッキは片方が環境入りし、もう片方があまり注目されずに終わるジンクスがある。

【一覧】


括弧内は登場したエキスパンション・シリーズを示す。

マスターズ・クロニクル・デッキ(革命)

2015年8月8日発売。
記念すべき最初のクロニクルデッキ。
この時のみ3種類存在しており、CMまで用意されている。
そのCMこそがあのデュエマあれから劇場なのはあまり知られていない。

特徴としては、旧シリーズの人気キャラクターのファンに向けた構成のデッキになっており、カードフレームも勝舞編の物になっている他*1、旧作のキャラクターが使用したカードに相性のいい新規カードを+した構成となっている。
同時期にスタートした過去キャラ商法の一環かも知れない。
価格は特製デッキケース付きで1800円(税抜)。

  • DMD-24 「マスターズ・クロニクル・デッキ ボルメテウス・リターンズ」
勝舞と【ハイランダーボルコン】がモチーフのデッキ。
これまで構築済みに《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》が収録されたことはあったが、中核に据えられたのはこれが初。イラスト違いで3種類収録されている。

構成は自然文明抜き4色のコントロールデッキ。しかも主人公のデッキとしては異例の【除去コントロール】として組まれている
【ボルメテウスコントロール】がハイランダーとして組まれることが多いためほとんどのカードが1枚挿しなのが特徴。複数枚収録されているカードはコンセプトの《ボルホワ》と《希望と勝利の伝説》のみである。

新規カードの《希望と勝利の伝説》によって《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》をドローしながら早出しできるようになったのは一見大きな躍進に感じられる。しかし【ボルメテウスコントロール】は相手をコントロールし切ったところでシールド焼却で安全に勝利するところに強さの肝があるため、そこまで大きな強化とはならず。だが、後に《ボルホワ》のツインパクト版やGS版が登場し、最大12枚体制にできるなど追い風が吹いてはいる。

2015年当時として見ても全体的なカードパワーはあまり高くないが、準ハイランダー構築ゆえに改造しやすいのが利点。自分の好みや相手に合わせて色々と試してみよう。

  • DMD-25 「マスターズ・クロニクル・デッキ ロマノフ煉獄(れんごく)からの復活(ふっかつ)
ザキラと【ロマノフサイン】がモチーフのデッキ。
進化でないコスト7以下の闇か火のクリーチャーをリアニメイトし、ターン中スピードアタッカーを与える《煉獄と魔弾の印(エターナル・サイン)》が登場。タイムラグ無しに即座に《ロマノフⅠ世》を蘇生&攻撃させられるため、他のカードによるSAの付与なしでも《ロマノフⅠ世》で蘇生と攻撃を連鎖的に繰り返すことができる。

ちなみに蘇生対象には上で挙げた《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》も含まれており、SAの付与はこちらにとっても非常に都合が良い。少なくとも1回は攻撃を通せるという点で《希望と勝利の伝説》よりも強化になっているといわれることもあり、発売当時は《ボルメテウス》と《ロマノフ》の夢の競演も見られたことだろう。

《邪眼教皇ロマノフII世》はcipで墓地肥やししながら呪文を唱えられる。こちらはデッキを掘り進めながら呪文を唱えるという点から、後年【ロマノフシャコガイル】のようなデッキでチェイン・コンボに使われた印象が強い。同じく新規の《ダーク・ライフ》をはじめ、墓地肥やしからの蘇生を行うためのカードが大量に収録されており、1ショットキルを狙いやすい。

明確なコンセプトと分かりやすい強さから同時期のクロニクルデッキの中では断トツでトップの人気を誇ったデッキであった。

  • DMD-26 「マスターズ・クロニクル・デッキ サバイバー進化論(しんかろん) α(アルファ) to Ω(オメガ)
邪藩牛次郎あんま原作では使ってないサバイバーがモチーフのデッキ。
当時基準でも10年以上前のカードばかりであったサバイバーでは戦力不足と判断されたのか、《シェル・ファクトリーγ》と《シータ・トゥレイト》を除き全て新規のサバイバーである。
それでも新規カードはバルーン・マッシュルームなど、懐かしの種族が割り当てられている為違和感は少ない。

公式はこのデッキの反響に手ごたえを感じたのか、これ以降サバイバーは忘れた頃に新規が登場するようになる。その意味でも大きな意義のあったデッキだったといえる。

他の2つと比べると《ドンドン吸い込むナウ》《終末の時計 ザ・クロック》《反撃のサイレント・スパーク》のようなS・トリガーの再録が喜ばれた。

マスターズ・クロニクル・デッキ2016(革命ファイナル)

2016年8月6日発売。
今度は光と闇のデッキがラインナップ。
デッキ名が「創世」と「終焉」で対になっているのもポイント。

価格は特製デッキケース付きで2800円(税抜)。
内容変わらないのに前回より高くね?と思われるかもしれないが今回のデッキケースは革製のしっかりとした作りになっており、これ以降恒例になっていく。

ここから背景ストーリーの補足などの要素が加わっていく。

  • DMD-32 「マスターズ・クロニクル・デッキ 2016 聖霊王(せいれいおう)創世(そうせい)
白凰をイメージしたエンジェル・コマンドのデッキ。
内容は光水のオーソドックスな【ヘブンズ・ゲート】。
天海の精霊シリウス》等懐かしさを優先したのか時代遅れのカードが入っているものの、新規カードは当時としてはかなり強い物が多く、天門の強化になるだろう。
エンジェル・コマンドを並べてG・ゼロで《聖霊王アルファリオン》を召喚すれば勝負は決まったようなもの。
フレーバーではあの《サファイア・ウィズダム》が久しぶりに光文明に干渉を行っている。

  • DMD-33 「マスターズ・クロニクル・デッキ 2016 終焉(しゅうえん)悪魔神(あくましん)
黒城凶死郎をイメージしたとデーモン・コマンドのデッキ。
こちらは闇と自然の【ターボドルバロム】、
手札補充が少なく、無改造だと出すまでが相当しんどい。
バロムと名の付くクリーチャーが5種類も入っており、その他新規カードも高い汎用性を誇っている。

《悪魔神バロム・クエイク》は闇と自然のマナ進化で新たな切り札となるカード。出た時にデーモン・コマンド以外をすべて破壊し、相手がコストを支払わずにクリーチャーを出す時、着地置換効果でマナゾーンに置いてしまう。10コストと重いものの、相手の盤面を吹き飛ばした上にS・トリガーで出てくるクリーチャーを封殺して殴り込みにいける。

《社の死神 再誕の祈》は自然単色の死神にして、《誕生の祈》のリメイククリーチャー。カード名を見て分かるように《再誕の社》を墓地のカードを2枚までタップしてマナゾーンに置ける。《フェアリー・ライフ》からは2→4で繋がるが、フルスペックを発揮するなら《ダーク・ライフ》と組み合わせたい。

《無敵死神ヘックスペイン》は極神編1弾屈指のハズレアである《無敵悪魔カースペイン》を思わせるジャイアントとデーモン・コマンドの多色。能力は出た時に山札の上から3枚を手札、マナゾーン、墓地に振り分けるという堅実なもの。7コストのクリーチャーの仕事としては地味だが悪くないと評価されていたが、3年後に登場したとあるクリーチャーのせいで悲しみを背負ってしまった。

《月の死神ベル・ヘル・デ・スカル》は出た時に墓地かマナゾーンのカードを1枚手札に加えるS・トリガー獣。こちらも非常に地味であるが、文明やカードタイプを問わずに回収できることから利便性は高い。何より5コストの闇のコマンドという点が重要で、黒緑の【ドルマゲドンX】では盛んに利用された。ノーマル仕様のカードでありながら再録されるまでしばらく高値を誇っていた。

《大地と悪魔の神域》は自分のクリーチャーをすべてマナ送りにした後、マナゾーンから進化でないデーモン・コマンドと、進化デーモン・コマンドを1体ずつ出す呪文。《ドルバロム》を確実に呼び出せるほか、《バーロウ》と《バロム・クエイク》を出せば2体の《バロム》が並び立つ。唱えられれば強力なのだが、10コストとかなり重く使い勝手はよろしくなかった。むしろこれまでのように《母なる星域》を使う方が1ターン早く出せるので手軽だったともいえる。

こちらのフレーバーでもあの《覇王ブラックモナーク》の復活に向けて闇文明が動き出している。

クロニクル・レガシー・デッキ(新章)

2017年8月11日発売。
ここから収録カードの枠がジョー編からのものになる。
付属品もデッキケースから切り札クリーチャーが描かれたプレイマットが付属されている。
ただ、プレイマットはあんまり評判が良くなかったのか今回だけの付属に終わった。
一方で値段も3300円+税に…。

方向性時代はレガシーの名に恥じず、かつて活躍したデッキのリメイクになっている。一応キャラ要素も無い事も無いが。
フレーバーテキストも変化しており、それぞれの語られることのなかった物語が主軸となっている。

CMは芸人のアキラ100%が起用、そのお盆芸が遺憾なく発揮されている。

  • DMBD-01 「クロニクル・レガシー・デッキ アルカディアス鎮魂歌(レクイエム)
5色デッキ、特にY(イエスマン)が使っていそうな【5cコントロール】になっている。
切り札の《天罪堕将 アルカクラウン》による大量展開が持ち味。


背景ストーリーの方は今まで語られていなかった覚醒編末期とエピソード1の間に起きた物語となっており、当のアルカクラウンも今までフレーバーテキストにしか登場していなかった闇道化マルバスの正体だと語られている。

  • DMBD-02 「クロニクル・レガシー・デッキ 風雲(ふううん)!! 怒流牙忍法帖(どるげにんぽうちょう)
こちらは戦国編のトップメタであった【シノビドルゲーザ】のリメイクかつ、ジャイアント使いの天地龍牙の要素も含んでいると思われる(ただし、あちらはどちらかというとサムライを絡めた戦略だが)。
光水自然以外の文明はタッチ気味とはいえ、アルカディアス鎮魂歌同様5色デッキにも仕上がっている。
切り札の《終の怒流牙 ドルゲユキムラ》でマナからシノビを回収しつつG0によって二体目を確保する忍者さながらの神出鬼没な動きも可能。
新規もそこそこ優秀でデッキ単体の完成度もそれなり。
《怒流牙 佐助の超人》や《怒流牙 サイゾウミスト》は当時のコントロールデッキに出張する事が多かった。

背景ストーリーではまさかのシーザーさんの余罪が発覚することに…。

クロニクル・レガシー・デッキ2018(双極篇)

2018年8月10日発売。
ここからCMが制作されなくなった。付属品もデッキケースに戻る。
デッキ名は美味しんぼのパロディ。
どちらも新規カードが発売時点で考えてもロースペック気味であり、今回はどちらのデッキのカードも特に環境では活躍できていない。
因みにここからビクトリーの収録が解禁された。

  • DMBD-05 「クロニクル・レガシー・デッキ2018 究極(きゅうきょく)のバルガ龍幻郷(りゅうげんきょう)
光火自然の、MtG風にいえばナヤカラーのデッキ。
驚異のコスト8以上のドラゴンが24枚も収録された超ヘビー級の【連ドラ】デッキ。
切り札《無双龍幻バルガ・ド・ライバー》で巨大ドラゴンを出しまくろう。
シンボルマークに使われている《紅神龍バルガゲイザー》は何故か収録されていない。

フレーバーでは今までドラゴンを愛してきたドラゴン好きの心の中にある「龍幻郷」に触れられる。
尚、後に《龍世界ドラゴ大王》と「龍幻郷」には深い関係がある事が掘り下げられたがこの時点では特になにもなかったので《ドラゴ大王》は収録されていない。

  • DMBD-06 「クロニクル・レガシー・デッキ2018 至高(しこう)のゼニス頂神殿(ちょうしんでん)
一見すると【ターボゼニス】に思えるが、その実態はアニメ「ビクトリーV」で百獣レオが使用していた【ゼニス天門】のリメイクに仕上がっている。
誰もが知っている【連ドラ】に対し、誰も見た事がない踏み倒しデッキというべきか。

切り札である《「終焉」の頂 オーエン・ザ・ロード》《「創世」の頂 セーブ・ザ・デイト》を天門で踏み倒して、彼らのアタック・チャンスで《極頂秘伝ゼニス・シンフォニー》を唱え、手札から各種ゼニスを踏み倒していく形式となっている。

フレーバーテキストではこれまで曖昧にしか語られていなかったDS世界線におけるゼニス、そしてオラクルの内部事情が語られている。

アルティメット・クロニクル・デッキ(超天篇)

2019年8月9日発売。
テーマは引き続き過去に活躍したデッキのリメイクとなる。
値段は更に上がって4000円(税抜)となったが、それを補って有り余る豪華な収録内容。

  • DMBD-09 「アルティメット・クロニクル・デッキ 2019 必勝(ガチンコ)!! 闘将(カイザー)ブレードオーガ」
収録内容はデュエプレ風に言うなら【黒抜き4c刃鬼】ともいうべき構成で、トリガーが多めの刃鬼デッキに仕上がっている。

《リュウセイ・天下五剣カイザー》や《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー/お清めシャラップ》等、優秀な新規カードはあったものの、出してからガチンコジャッジに勝たないと効果を使えない《ザオヴァナイン・カイザー》、第1弾のカードである《ナチュラル・トラップ》が1コスト増えて1ドローが付いただけの《ナチュラトゥルー・トラップ》など、インフレの進んだ超天篇では見劣るスペックの新規カードが多く、デッキとしての完成度はお世辞にも高いと言えず良くも悪くもパーツ取りに最適な収録内容となってしまった。
更に再録も微妙なカードが多かったため歴代クロニクルデッキでも評価が低め。
公式でもデッキの特徴と強化の方向性が間違っていたと思われたのか、このデッキ以降の【カイザー刃鬼】は青赤緑の3色をベースに強化されるという憂き目に合う。

フレーバーではこれまた今まで語られてこなかった刃鬼「終」の極 イギー・スペシャルズの最終決戦が描かれる。

  • DMBD-10 「アルティメット・クロニクル・デッキ 2019 SSS(トリプルエス)!! 侵略(しんりゃく)デッドディザスター」
ブレードオーガとは対照的に、超天篇におけるインフレの象徴のような収録内容と化した。
侵略するだけで状況に応じた種類の単体除去が行える上、それをバトルゾーンにいながらでも行える《SSS級天災 デッドダムド》、マナ召喚と全ての文明を得る能力であらゆる侵略を重ねながら盤面除去が行える《虹速 ザ・ヴェルデ》、ハンデスとマナブーストを使い分けられる《悪魔妖精ベラドンナ》、そして登場から5年程経過した当項目作成時点でも圧倒的な汎用性を誇る《天災 デドダム》までもが収録された大盤振る舞いにも程がある内容。

中でも《デドダム》が登場したことは大きな事件であり、青黒緑を基盤とした構築が新たに成立。これをベースにした【アナカラーデッドダムド】は除去が得意なミッドレンジデッキとして環境で猛威を振るった。その後もこの色構成のデッキは形を変えながら長く使われ続けている。

環境やデッキビルディングはおろか、デュエマの歴史に大きな影響を与えたデッキであった。余りの豪華さに品薄が相次ぎ、再販要望が絶えなかった(結局再販はされなかった)。

フレーバーでは頓挫してしまったギュウジン丸のある計画が語られる。

クロニクル最終決戦デッキ(十王篇)

2020年8月22日発売。
今度のテーマは背景ストーリーの最終決戦。
値段はまたまた上がって4800円(税抜)となったが、超次元ゾーンのカードが8枚収録されている為、カード1枚当たりの単価は従来とそう変わらない。

それぞれのデッキ名についている譚という字は話や物語という意味であり、その英語であるエピソードやサーガを冠するエピソード1、ドラゴンサーガをモチーフとしたデッキにはぴったりの文字である。

同名カードでイラストとフレーバーテキストが異なるカードが1種類4枚収録されており、それを活かしてストーリーが隅々まで語られるようになった。

  • DMBD-13 「クロニクル最終決戦(ファイナルウォーズ)デッキ 覚醒流星譚(サイキックりゅうせいたん)
水火自然の【超次元コントロール】ともいうべき構築で、覚醒編のようなコスト7以上のサイキックに重点を置いている。
新規カードもデュエプレに輸入されて活躍し続ける《超次元リュウセイ・ホール》に3D龍解カードの構造を流用した《真羅万龍 リュウセイ・ザ・ファイナル》等、意欲的なカードに溢れている。

勝利セット全て収録を筆頭に再録は豪華で、デッキ構成も堅実にまとまっていて動かしやすいのだが、発売時点でそもそもサイキックというギミック自体が、従来のコスト踏み倒しメタに引っかかりやすくなって時代遅れになりつつあり、新規カードの性能とは裏腹に環境ではあまり活躍出来なかったのが数少ない難点といえる。

背景ストーリーは長らく謎だったエピソード1終盤に現れた《偽りの名 シャーロック》との激闘を描いている。

  • DMBD-14 「クロニクル最終決戦(ファイナルウォーズ)デッキ 龍魂紅蓮譚(ドラグハートぐれんたん)
構築済みデッキでは初の光闇火の構築で、全く新しい【連ドラグナー】ともいうべきデッキに仕上がった。

純粋なドラゴンは少ないが、ドラグハートを重ね掛けするといった新たな戦法を開拓している。
目玉の《最終龍覇 グレンモルト》が環境で活躍している他、最速2ターン目に《∞龍 ゲンムエンペラー》を着地させる極悪デッキ【ハムカツドラグナー】の核として《爆龍覇 ヒビキ》が収録されるなど、こちらも環境で活躍している。
新規は優秀な一方で当時既に環境で通用するスペックではなくなっていた《デーモン・ハンド》4積みを筆頭に再録は貧弱で、《爆熱剣 バトライ刃》こそ収録されているが、当時高額かつこのデッキを環境仕様にした【連ドラグナー】でも採用された《銀河大剣 ガイハート》が収録されていなかった事を嘆く声は多かった。

背景ストーリーはグレンモルト達ドラグナーとデッドマンの最終決戦を描いている……のだが、後付けによる矛盾やそもそもこのデッキ発売以前に語られていた背景ストーリーの流れと異なっているためコアなファンからはツッコミが入った。

20th クロニクルデッキ(王来篇)

2021年8月7日発売。
デュエマ20周年の節目と言う事もあって、久しぶりに過去キャラクターのイメージデッキとなった。
今度のおまけは一人プレイモード「強敵バトル」用のカード19枚に二種類のスリーブが各42枚。

+ 強敵バトル解説
1,敵キャラデッキと敵クリーチャーデッキを別々に用意してスタート。

2,敵キャラにはパワー5000以上のクリーチャーでしか攻撃出来ず、攻撃に成功するたびに敵キャラデッキの一番下に送られる。

3,これを繰り返していってボスに当たる9枚目の敵キャラを倒せばクリア、それまでに敵クリーチャーにやられてしまえば自分の敗北となる。

  • DMBD-16 「20th クロニクルデッキ 決闘!! ボルシャック・デュエル」
何気に初めて登場した「ボルシャック」が主軸のデッキ。
何と収録カードが全てボルシャックと名の付くカードであり、強力な連ドラ系デッキでもある。
カード単体で見ても生きた《龍の呼び声》である《ボルシャック・栄光・ルピア》や《ボルシャック・決闘・ドラゴン》等、ファンデッキにも使いやすい大迫力のカードが揃っている。
再録もカードが滅茶苦茶反るので余り評判がよろしくない謎のブラック・ボックス・パックにしか収録されていなかったボルシャックライシス・NEX》や《ボルシャック・NEX/スーパー・スパーク》が通常イラストで収録と中々優秀。

強敵バトル用のカードはガルドのキャラクターで占められており、さながら自分が勝舞になった気分になれる。
余談だが、ここで初めてU(ユー)の正体が不亞幽であると明言された。

  • DMBD-17 「20th クロニクルデッキ 熱血!! アウトレイジ・ビクトリー」
こちらはオーソドックスな【アウトレイジ軸墓地ソース】。
流石にドロン・ゴーを実戦レベルで強化するのは難しかったようだ。*2
収録カードの殆どが墓地ソ用のパーツになっており、このデッキを買うだけでパーツの大半が揃うレベル。
しかし《一なる部隊 イワシン》が殿堂入りしてしまったので無改造では使用できない点には留意されたし。
再録はなんといっても《暴走龍 5000GT》の収録が大きい。地味に揃えるのが面倒な《終末の時計 ザ・クロック》が4積みなのも嬉しい。

強敵バトル用のカードは小学生編から中学生編までの勝太の敵キャラクターで占められている。
因みに、デッキ名にアウトレイジ・ビクトリーと付いているが同じくアウトレイジ・ビクトリーを冠する《無法伝説 カツマスター》は再録されていない。
なんなら新規カードの《熱血武闘 カツキング》以外にカツキング関連のカード自体収録されていない。
背景ストーリー的にはエピソード3第3弾「ウルトラVマスター」における《無法伝説 カツマスター》と《神聖牙 UKパンク》の決闘の裏側を描いているので決して無関係ではないのだか……

クロニクル・ダークサイド・デッキ(王来MAX)

2022年8月6日発売。
値段は5280円(税込)。
ジョーに次ぐ新たな主人公である闇文明使いの斬札ウィンが控えていた為か、今回はどちらもラスボスの切り札となった。

値段は限界まで上がったが、外部ゾーン用のカードに加えあのドルマゲドン零龍がそれぞれ初再録。
おまけに外部ゾーン用のスリーブ14枚、メインデッキ用スリーブ42枚、加えて箱自体がストレージとして使える超大盤振る舞い仕様である。

どちらもなかなかの強さを誇るデッキだったが、アドバンスフォーマットがオリジナルに比べ下火だったこと、上がり続ける値段に対して収録内容が見合っていないと判断されたことなどから、発売当初より値下げが相次いだ。

  • DMBD-21 「クロニクル・ダークサイド・デッキ 「終焉(ビッグバン)」」
バサラモチーフの【ドルマゲドンX】デッキ。
特にバサラは使用していないのに関わらずサイキック・クリーチャーを活用する構成になっているものの、新規カードはコマンドを「召喚」する物が殆どの為、更に積極的に封印を外しに行けるようになった。

その他新規カードも《終断γ ドルブロ/ボーンおどり・チャージャー》のような痒い所に手が届く物が多く、お買い得といえるだろう。

  • DMBD-22 「クロニクル・ダークサイド・デッキ 「零誕(ゼロバース)」」
ゼーロモチーフの【闇王ゼーロ】と【零龍】をミックスしたような構築。
息子であるゼーロJr,の使用したチーム零やムゲンクライムを持つカードに加え、プラネッタや闇執事ギニョールといったゼーロ本人にゆかりのある人物たちを思わせるカードが大量に収録されている。

一方で、これまで主にオーラでGR召喚を行っていたゼーロデッキなのに今回登場した新規カードは軒並み直接GR召喚をするものだったりと、ゼーロの戦略というには疑問符が残る構成でもある。

【類似品】

ドリーム英雄譚(サーガ)デッキ(王道篇)

王道篇にてドリーム・クリーチャーに指定されたカード達を主軸としたデッキ。
内容自体はドリームレアとしてリメイクされたそれらを投入して改造することが前提となっているものの、おまけが付いて来たり構築の完成度にバラつきがあるといった点、何より過去のカードやデッキをモチーフにしている所からクロニクルデッキの再来と見なす声も多い。

クリーチャー達の伝説を記すというコンセプトから、パッケージは文庫本のようになっており、実際に表紙を捲る事が可能。
ジョニーの書にはドギラゴンの名が誤植されてしまっているが

  • DM24-BD1 「ドリーム英雄譚デッキ ドギラゴンの書」
  • DM24-BD2 「ドリーム英雄譚デッキ ジョニーの書」
いずれも2024年8月10日発売。価格は4,950円(税込)。おまけはランダムなスリーブ42枚が1種類(全4種)。
全カードフォイル仕様で切札は箔押し仕様。

ドギラゴンの書は【5色ドギラゴン剣】といった構築だが、これまでドギラゴンが採用されてきたデッキのコンセプトと、共に採用されていたカードを織り交ぜつつハムカツ団の新規カードが中心となった構成。
全体的に新規カードの性能は優秀だが、デッキとしての完成度はあまり高くないといった印象。

多色カードの枚数が29枚*3*4と尋常でなく多く、その中での文明の配分もイマイチ*5
コンセプトとしては「とにかくコスト5以上のドラゴンを出してドギラゴン剣に革命チェンジ」なようだが、ぶっちゃけ複数のドギラゴン剣系デッキの一部だけ切り取ってごった煮にしたような構成で完成度は低く、「何をさせたいのかがよくわからない」と評されがち。何せ4積みされているカードが2種類しかないので安定した動きを取る事が不可能に近い。

新規で《王道の革命 ドギラゴン》が登場。性能は白赤緑版《切札勝太&カツキング〜熱血の物語〜》といった風情でフィニッシャーというより中継ぎ、《カツキング》と違ってピンチにはフィニッシャーとして変化するのではなく無限ブロッカー化する。これまで派生カードが基本的に《ドギラゴン剣》関連ばかりであった中、非常に珍しく《ドギラゴン剣》ではなく《燃える革命 ドギラゴン》の派生カードとなっている。しかし、強力なのは確かだがどうにも《燃える革命 ドギラゴン》のイメージと異なる性能が与えられているため、疑問を持つプレイヤーも少なからずいた。

他の新規カードも強力なのは確かだが背景ストーリー上まだ関わりがないはずのハムカツ団ばかりと、フレーバー的にも評価がよろしくない。

DM24-RP1に収録された《蒼き王道 ドギラゴン超》は投入が前提とされているものの革命チェンジとハイパーモードの噛み合いが悪く、相性はぶっちゃけ微妙。
背景ストーリーにおけるドギラゴンの活躍と実際の環境におけるドギラゴンの活躍を混同してしまったことでコンセプト自体が破綻したと言うべきか。

明確なデッキの方向性を決め、パーツ取りとして手にするのが向いた商品といえる。

ジョニーの書は昔ながらの【無色ジョーカーズ】。
昔ながらのリソース確保からの大量展開、そしてワンショットキルが持ち味と言った点を新規カードによって強化されている。
パーツ取り的な側面の多いドギラゴンの書に比べると構築のバランスが良い上に新規カードの《王道の弾丸ジョリー・ザ・ジョニー》がちゃんとフィニッシャーとして強力という事もあって単品での完成度にはこちらに軍配が上がり、発売後早々にCSで結果を残している。
改造するなら発売と同時に殿堂解除された《ゼロの裏技ニヤリー・ゲット》は是非とも4枚入れておきたい。
勿論DM24-RP3に収録された《ハイパー・ザ・ジョニー》を投入してもいいが、無くても十分強い。

  • DM24-BD3 「ドリーム英雄譚デッキ モモキングの書」
  • DM24-BD4 「ナイトメア黙示録デッキ バロムの章」
2024年11月23日発売。
バロムのみ商品名が違うのはドリームクリーチャーとはまた違うナイトメア・クリーチャーに指定された為。
フレーバーテキストでも一体だけあまり語られていなかったバロムの誕生秘話を追憶する物となっている。
それでもドリームレアのクリーチャーを入れて改造するという点は同じ。

モモキングの書はドラゴンサポートとモモキングの派生クリーチャーで固められた【モモキングJO】。
組み合わせる予定のドリームレアに展開役は任せて新規は防御寄りのカードが目立つラインナップとなっている。
王来篇の背景ストーリーさながらの、モモキングが次々と英雄の力を切り替える動きが特徴的。
他の英雄譚デッキと異なり、新規カードこそ3積みのものが多いが軸となる《モモキングJO》とそのサーチカードである《鬼退治の心絵》はガン積み、フィニッシャーとなる《アルカディアス・モモキング》もガン積みと非常に完成度が高い。
勿論DM24-EX2収録の《夢双英雄 モモキングDM》との相性も非常に良いので改造の際には是非とも投入しよう。

バロムの章は前代未聞の五色バロムである《悪魔世界ワルドバロム》が控えていたからか、クリーチャーがデーモンコマンドで固まっている事を除けば【5C獅子王】そのものな構築となっている。
「バロム」といえば闇以外のカードを墓地に送る全体除去が特徴であり持ち味だったため、発売前は不安視されていたが、デッキの動き自体はマナを伸ばして各種バロムを出していく至極真っ当な物であった。
ただし、投入されているバロムには《悪魔神バロム・クエイク》等強力なバロムがいるものの、今や《悪魔神バロムスポーン》の下位互換となった*6《悪魔神バロム・エンペラー》が何故か投入されている。強化するのであればそれこそ《バロムスポーン》を投入するか、《悪魔神ドルバロム》等のより強力なバロムに入れ替えよう。

一応5cデッキではあるが、ドギラゴンの書同様文明の配分が悪く、黒緑に偏り気味。
ドギラゴンの書とは異なり基本的には黒緑でブーストしてバロムを出すという動きのデッキなので実際にはそこまで困る事はないが、ぶっちゃけデッキのコンセプトがとっちらかってしまっている原因でもあるので潔く【黒緑ターボバロム】にしてしまった方が安定しやすい。

新規カードの《魔令嬢バロメアレディ》はフィニッシャーというか中継ぎ的な性能だが、すぐさまバロムに繋がる上にバロムも出せたらゲームエンド級のパワーがある。長年9コストのバーロウ頼りであった【バロム】系統のデッキには革命的な一枚となった。

新規カードは強力ではあるが、汎用性が低く出張性能は低めなものが多い。例外的に《修羅の死神フミシュナ/「この先は修羅の道ぞ」》は高い汎用性と強力な効果から発売後すぐに【青黒COMPLEX】や【青黒緑マルル】の強化パーツとして定着した。
DM24-EX2収録の《悪夢神バロム・ナイトメア》との相性は良好。そちらにはマナブースト兼手札補充かつ、山札下の仕込みにもなる《混沌の獅子デスライガー / カオス・チャージャー》も収録されているため、ぜひ4枚積みしたい。

因みに《悪魔神ドルバロム》が収録されていないのはDM24-EX4に先んじて再録されていたためだと思われる。




追記・修正は誰も見た事がない踏み倒しデッキを開発した方にお願いします。

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最終更新:2025年05月15日 00:35

*1 ただし、フォイル加工は当時と異なるものになっている上に印刷技術の向上によって当時品と比べると発色が良いため比較すればすぐに区別が付く。

*2 一応新規カードの《熱血武闘カツキング》はドロン・ゴーデッキでも使えるように調整されてはいる。

*3 多色カードはマナゾーンにタップして置かれるため、入れすぎると動きが1ターン遅れてしまう。多くてもデッキの半分である20枚程度にとどめるのが無難とされる

*4 これでもだいぶ減らされており、開発段階だと36枚だった。ただし、《王道の革命 ドギラゴン》と《漢気の2号 ボスカツ》の新規カードがそれぞれ1枚ずつ多かった上に、減らされた枠に入れられたのが特にシナジーが無い上に高額でもなかった《光鎧龍ホーリーグレイス》や《光牙忍ハヤブサマル》等だったので批判の声の方が多かった。

*5 闇文明を含むカードが4枚しか収録されていないため素出しはほぼ不可能と言ってもいい構成になっている。

*6 G・ストライクが付いているので上位互換に当たるが、カード指定除去となっているので完全上位互換ではない。