ゴッドワルド・ハイン

登録日:2024/12/03 Tue 19:33:22
更新日:2025/02/16 Sun 10:10:52
所要時間:約 4 分で読めます





ゴッドワルド・ハインとは、『機動戦士Vガンダム』の登場人物の1人である。
CV:中田譲治

【概要】

ザンスカール帝国のベスパ機関に所属する軍人で、階級は少尉。
「人喰い虎」の異名を持つ腕利きのエースパイロットであり、敵対者に全く容赦しない。
金髪の短髪で、鼻が特徴的な彫りの深い顔が特徴的であり、一度見たら印象に残りやすいだろう。
だが単に凶暴な人物ではなく、仲間や部下思いである他、敵であろうと敬意に値する人間は素直に称賛する一面もある。
主な搭乗機は可変型MS「アビゴル」。

しかし彼が最初に登場した際は部隊ともども遭難して酸欠状態という有り様であった。
だが偶然それを見つけたウッソに助けられる事となる。
その別れ際、子どもである彼から別れの挨拶である「カサレリア」を教えてもらい、ウッソと別れる際にもその言葉で見送った。

その後、カイラスギリー攻防戦にて逃げ遅れた兵士を救うために出撃し、そこでウッソとの再会する。
彼が敵だったことに驚愕するも戦うが、「一度命を救われた」ということで、明らかにとどめを刺せるチャンスを敢えて見逃した。
「目の前の生き残るチャンスを逃さない事」とウッソに教えるが、だがこれで互いに容赦をする必要がなくなり、二度目の遭遇では容赦なく攻め立てる。
彼としては借りを返した以降は単なる敵味方というつもりだったのだろう。
実際、ウッソは「敵が知っている顔」ということで彼を倒すのに躊躇してしまい、援護に来たゾロアットは容赦なく撃破したものの、ゴッドワルドはそんな風に「知らない敵だったら撃てる」ウッソを見て、「お前に戦士の資格は無い!」と責め立てる。
こうして宇宙に出たばかりのウッソに「戦士の誇り」を実戦をもって教え込むも、彼が改めて覚悟を決めたこともあり、ゴッドワルドは激戦の末に敗退。
だが機体が破壊されても生身でウッソのガンダムに乗り移り、コクピットハッチを開けようとする執念を見せる。
しかしワイヤーガンで反撃され引き剥がされた後、アビゴルの爆発に巻き込まれ豪炎に消えた。

その今際のセリフ「やったな、小僧!」は、ウッソは「ゴッドワルドさんが最期に自分を褒めてくれた」と受け取ったようだが、実際のところはこの言葉を述べたときの表情や、確実にウッソを殺そうとしている執念から、単なる啖呵でしかない説が強い。
だが考えようによってはゴッドワルドが相手を「敵」と認めた風にも取れ、ウッソは形はともあれ一人前として見てもらった事を「褒めてくれた」と解釈したかもしれない。
どちらにせよウッソはゴッドワルドから多くの事を学んだのだった。

異名持ちで主人公を気にいるが、最終的に敵味方に別れて戦い様々な事を学ぶというのは、初代のランバ・ラルに近い立場である。
だがラルとアムロ・レイのように互いに理解できてたとは言い切れない、奇妙な関係と言える。


【漫画版の概要】

さて、Vガンダムといえば破天荒な展開のボンボン版が有名であるが、このゴッドワルドも登場している。
何故か黒い長髪として。見た目はアニメ版とは全然違い、どちらかというとウルベ・イシカワに似ている。なんで2ヶ月連続で1年先の展開を模範してるんだ…。
中世の騎士のような鎧を纏いザンスカール帝国のMSを屠っていくVガンダムを見て慌てたタシロ・ヴァゴ*1が救援を要請した際、フンドシ姿で日本刀を構えて、瞑想の姿勢で浮いているという衝撃の姿を見せる。
その時のセリフ「了解いたした」とズオオオオという謎の効果音もあってもうこの時点で別人度が半端ない。なおタシロさんは慣れているのかほぼ無反応であった。
一応ボンボンコミックスまでは「ゴッドワルド中尉」としか記載されておらず、階級も違うのでワンチャン「ハインさん」じゃない可能性もあったが、新装版で彼が正真正銘「ゴッドワルド・ハイン」と確定してしまった。なお階級は新装版でも中尉のまま。

乗機はアニメと同じくアビゴル…であるが肩に「竜剣豪」という謎の文字が書かれており、「ザンテツブレード」なるビームサーベルを使いこなす。
その剣さばきは一般兵には宇宙に風が発生したと誤認させ、気付いたときには斬られているというレベルに早い。
更に彼は一度の攻撃で二回剣を振るう「疾風二連斬り」の使い手。
一太刀目をビームシールドで防いでももう一太刀でシールド基部を破壊されてしまう。
だからといって遠距離攻撃に切り替えようとしても、武道の奥技「見切り」で全ての射撃が命中せず、更にビームサーベルの刃を遠距離に飛ばす「烈光飛翔斬」まで持っており隙がない
またVガンダムの舞台である宇宙世紀0152年では形骸化している「ニュータイプ」という言葉も知っており、学に明るい可能性もある。

ウッソすら「こんな敵どうやって倒せばいいんだよー!」と激しく狼狽するその圧倒的な強さでVガンダムのメインカメラを破壊し追い詰めるも、突如彼はニュータイプとして覚醒。
見えずともゴッドワルドの殺意を見切り、咄嗟にV字斬を…「疾風二連斬り」をラーニングして二連撃として放った。

負けを悟ったゴッドワルドは最後にこう述べた。

「見事だVガンダム…貴様と戦えたこと…わたしは誇りに思う」

と。
TV版と違い、解釈が別れるまでもなくまさしくウッソを褒め称えたと言えるだろう。
だがウッソはTV版のようにゴッドワルドさんと交流があったわけではないため、褒められた…等と思うことはなく、悪意の塊…カイラスギリーを破壊するために飛び立つのだった…。

という風に、「ズオオオオ」がネタにされがちであるが、彼との戦いでウッソはニュータイプや新しい技に目覚め、ゴッドワルド自体も敵を称えて果てるというキャラ造形はTV版のゴッドワルドにかなり近い。

ちなみに同じく漫画版の名物キャラギンザエフとは親交があるらしく、新装版のおまけマンガではコミックスに出ることができた彼を祝福している。お陰で災難な目にあったが。



【余談】

CVを演じた中田氏にとってはVガンダムは声優としての出世作であり、他にもナレーターやレオニード・アルモドバル、マンデラ・スーンを演じる。
奇しくもウッソを気遣ったキャラクターが多い。
またガンダムシリーズでは後にエドモンド・デュクロボッシュ・ウェラーフェデリコ・チャリアーノを演じる。
全員、性格は大きく違うが部下思いなところは共通している。

スパロボでは『Vガンダム』が参戦した際の登場率は比較的高いが、
中でも『D』ではまさかのキャラとライバル関係になっている。
またそのDの攻略本『パーフェクトバイブル』ではボンボン版の彼がネタにされてたりする。ボンボン版のほうならライバル関係もまだ想像できるが。









追記したな小僧!
修正いたした(ズオオオオ)


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最終更新:2025年02月16日 10:10

*1 彼も白髪の老将軍という出で立ちとなっておりTV版とかなり印象が違う