GAによるハイダ工廠粛清。この事件の波紋はGAグループだけに留まらなかった。
「提携先であるGAEへの攻撃は、わが社への直接攻撃と同等のものである」
アクアビットは公式にGAへと宣戦布告した。かろうじて保たれていた偽りの幻影は終焉を迎える。
同盟という糸から糸へと戦いの火は伝い、世界が戦争の炎に包まれた。
そして戦火が広がるほど、その渦中にある「アナトリアの傭兵」の名と価値は高まった。
多くの企業が彼の力を利用しようとした。そのたびにアナトリアは豊かになった。
フィオナは彼の身を案じる。
エミールにはそれが理解できない。
ゼクステクス世界空港に、イクバールの空挺部隊が現れた。
同社最高のノーマル戦力・バーラット部隊と、魔術師の異名をもつリンクス・サーダナ。
イクバールの最精鋭がこの空港に現れた理由とは、やはりGA社の重要人物が搭乗するステルス機か。
だが、おなじオーメル陣営の彼等がなぜ戦うのか…?
開発都市グリフォンでの、つごう三度目となる作戦。都市を制圧するインテリオル正規部隊を排除する。
展開するのはアルドラのノーマルと、メリエスの飛行要塞「フェルミ」。こちらもインテリオルの精鋭部隊と言える。
硝煙とレーザー光、撒き散らされるコジマ粒子と汚染される都市。
グリフォンをめぐる戦いの変化は、パックスエコノミカの終焉を予測させた。
インテリオル社所有の発電施設・メガリスを破壊する。
施設に集結した分厚い防衛部隊の中には、BFFの部隊も確認できる。苦しい戦いになるだろう。
だが、この施設が失われれば、非オーメル陣営の電力インフラは大きな打撃を受けるだろう。重要な作戦だ。
三度めの対インテリオル作戦。ローベルト・マイヤー大橋を占拠するインテリオル正規部隊を排除する。
AVの対GA宣戦布告以来、活発な動きを見せるインテリオルだが、その多くを「アナトリアの傭兵」に阻まれている。
三翼の一つが敵対企業と戦う事もできず、一機のネクストに押さえ込まれているこの展開は、
非オーメル陣営にとって非常に苦しいモノだろう。
GA社・ドルニエ採掘基地を占拠するアルドラの部隊を強襲する。
敵の中核はオリジナルの一人、No.14(フォーティーン)のシェリング。
彼は元レイヴンであり、「アナトリアの傭兵」が国家解体戦争で活躍した同業者であると知っている。
二人の戦いは、かつての伝説の再現となるか。
なお、この戦い以降、インテリオルの軍事行動はぱったりと見られなくなる。
かつてと同じく、早過ぎるリタイアとなったようだ。
GA領に程近い、レイレナード・レヴァンティーン基地。その地下施設に強行突入する。
地下実験場ではレイレナードの新型兵器が開発されているという。
自社近くでの状況に危機を感じたGAは、本社所属のリンクスを派遣するが、いまだ未帰還。
ネクストをも倒しうる何かが、この基地には潜んでいることになる。
BFF社最高最強のリンクス・メアリーシェリーの所在が確認された。アナトリアに撃破依頼が届く。
彼女のナンバーは、かつて戦ったシェリングを大きく上回るNo.5(ファイブ)。厳しい戦いが予測される。
作戦エリアとなる流氷群には、自然界に存在しないはずのコジマ粒子が異常な濃度で検出されている
BFF部隊による支援なのだろうが、高濃度のKPはこちらだけでなく、プロメシュースのPAも無効化してしまう。
互いのリスクを極大化する戦術は、「一撃も届かせない」という彼女の自信によるものか。
BFFの本社機能が集約された超大型艦・クィーンズランスの位置が特定された。これを撃沈する。
大艦隊が護衛についているようだが、ネクストの姿は確認されておらず、突破は可能と判断される。
非オーメル陣営を追い詰める一手となったこの作戦は、同時に、さらなる戦火と汚染を招く事にもなってしまう。
レイレナードとアクアビットの報復が始まる。
コロニーと外界をつなぐギアトンネルに、正体不明の大型兵器が出現した。迎撃要請が発せられる。
超出力のPAで全てを押し潰し、汚染しつくすこの兵器をコロニー内へ侵入させるわけにはいかない。
しかし、これほどの兵器を用意できる勢力とは何者なのか。
大企業のいずれかが、アナトリアを疎ましく考えているようだ。
BFFが壊滅し、インテリオルが戦闘不能となった今、レイレナードにできることは攻めることだけだった。
クィーンズランスの意趣返しとばかりに、オーメル陣営の重要拠点に次々と投入されるレイレナードとアクアビットのネクスト部隊。
「アナトリアのネクスト」が行ってきた作戦を拡大した形で返されたオーメル陣営は、これまで築いた有利を失う事となった。
さらに、残党と化したBFF部隊による妨害もオーメル陣営の力を削ぐ。
決死の攻撃を続けるレイレナード・アクアビット連合と、なんとか防戦を続けるオーメル陣営。
この戦局を動かしたのは、アナトリアとアスピナの両傭兵。
彼等のネクストは圧倒的だった。
味方からも恐れられるほどに。
中枢組織を失い、残党と化したBFFの部隊が、コロニー・ラズグールの地下施設を占拠した。
彼等はECMを随所に設置、電子の密林のなかで狙撃の目を光らせている。これを排除できるのはネクストを置いてほかない。
BFF残党の一部が、ゼクステクス世界空港に集結しつつあった。彼等の一掃が依頼される。
敵は長距離砲を装備したノーマル部隊で、密集防御の陣形を敷いている。近づくことは用意ではないだろう。
現在、BFF部隊は世界各地でオーメル陣営への抵抗を続けている。組織を失った彼等は、弾薬を手に入れる事すら困難なはずなのだが…
ネクスト投入後、事態を静観し続けているレイレナードと関係があるのだろうか。
南極に建造中だったコジマ施設「スフィア」。その防衛部隊であったサイレントアバランチを撃破する。
かつて幾度もこの重要施設を守り続けたサイレントアバランチは、BFF崩壊後も忠実にスフィアを守り続けている。
なにが彼等を駆り立てるのか。なぜ無駄な抵抗をやめないのか。
…それとも、まだ打つ手があるというのだろうか。
サイレントアバランチを失い、ついに確保されたコジマ施設「スフィア」で職員によるテロが発生した。
彼等は特殊な耐KPノーマルに搭乗し、スフィアタンク内に立てこもり、一方的な要求を主張している。
なぜ戦争は素人なはずの職員達が、ノーマルを乗っ取ってテロを敢行したのだろうか。
彼等は格納庫内の警備を突破することすら困難だったはずなのに。手引きするものが…?
QL撃沈直後の攻勢以来、長く沈黙を守ってきたレイレナードがふたたび動き出した。
南極に建造された衛星破壊砲「エーレンベルク」が稼動したのだ。
まもなくエーレンベルク射界内に侵入してしまうGA社観測衛星を守るため、「アナトリアの傭兵」は突撃を要請された。
+ | ... |
オーメル陣営がBFF残党の処理に手間取る間に、アクアビットは切り札の用意に成功した。
超巨大自走コジマ砲「ソルディオス」。以前に壊滅させたGAEハイダ工廠で開発が進められていた巨大兵器の、その完成形だ。
アジア圏のコロニーを次々と蹂躙し続けるソルディオスを止めるため、アナトリアとアスピナの傭兵が出撃する。
No.3(スリー)のアンジェと、ネクスト・オルレアを撃破する。
彼女はかつての大戦で最も多くのレイヴンを倒した「烏殺し」のリンクスだという。
元レイヴンである「アナトリアの傭兵」とは因縁のある相手かもしれない。
剣士アンジェの決闘に応えよ。
レイレナードの最精鋭部隊が、オーメルサイエンス本社に迫りつつある。これを味方機と共に迎撃する。
敵戦力はオリジナル4人。かつて無い有力な部隊だが、逆に言えば、
レイレナードの侵攻部隊を壊滅させるチャンスでもある。
たった7人の「決戦」が始まる。
+ | 敵部隊詳細 |
ベルリオーズをはじめとするオリジナル達を失い、ついにレイレナードの侵攻は停止した。
すかさずオーメル陣営の反撃が始まるかと思われたが、彼等もまた消耗が激しい状態で、
体勢を立て直すには時間が掛かりそうだ。
レイレナードとアクアビット両社への最終攻撃は、二人の傭兵が行うこととなった。
ハイダ工廠粛清に端を発したこの「リンクス戦争」は、ようやく終結した。
コロニー・アナトリアは、戦争で手に入れた報酬によってかつてない繁栄を享受し、
「男」とフィオナは任を解かれ、自由になった。
コロニー・アスピナもおそらく同じ状況だろう。
だが、そんなごく少数の例外を除き、世界は混乱と疲弊の極地にあった。
荒れ果てた大地と、無秩序なコジマ汚染。
なんとかこの戦争を乗り切った各企業も得られたものは少なく、領土の復旧に精一杯な状況だった。
誰もがうらやむ2つのコロニーと、死に満ちた世界。
たとえその繁栄が、自らの命を懸けて勝ち取られたものだとしても、世界は彼等を許さないだろう。
アナトリアとアスピナ、そして二人の傭兵。
彼等はもはやイレギュラーなのだ。
自由となった「男」とフィオナがアナトリアを離れようとした、その日。コロニーは何者かの襲撃を受けた。
正体不明の敵を、しかしフィオナは見覚えがあるようだ。
そして「男」にとっても、通信から漏れ聞こえる声は聞き覚えのある「彼」の声だった。
なぜ彼が? あの機体は? 戦争は終わったのでは? 彼を倒した後に現れたNo.6(シックス)の目的は?
一つだけ言える事がある。それは、この世界から勝者が消えたという事。
「男」とフィオナは予定通りコロニーを去り、「彼」もまた、戦いの果てに消えた。
誰も居なくなったこの世界のことを、エミールはこれ以上語ろうとしない。