フェーヌ語(笛:fhenuk iecem ['wenək.jesm]、
須:fenusades leuvas)は、クラナの東南部を中心に現住していた
フェーヌ人の用いていた言語である。現存するフェーヌ諸語の一つであり、他のフェーヌ諸語と区別するために
ゼマフェロス・フェーヌ語、
東部フェーヌ語ということもある。現在、フェーヌ語を母語とする話者はおらず、各地方の言語に取って代われた。
概要
フェーヌ語は言語系統関係不明な
フレリオン諸語とされている。フェーヌ語を用いていた
フェーヌ人は、クラナ大陸のスローヴェからヴィテールにいたるまで遊牧生活を送っていた民族であり、それぞれの部族はフェーヌ語系統のあらゆる言語を話していた。
パンテガード成立後も、しばらくの間は
リパラオネ系渡来人と同化することなく、東クラナの文明社会と交易を行って過ごしていた。
パンテガードが滅亡した後、ゼマフェロス平原には???王国が成立し、そこに原住していた
フェーヌ人は支配下に入るようになった。
現状
フェーヌ語は現在母語話者がおらず、民族意識のある人たちの間の継承によってフェーヌ語が伝わっている。
ノルメル地方のフェーヌ語、ヴィテール地方のフェーヌ語は既に消滅しているとされており、残るスローヴェのフェーヌ語の話者も高齢化が進んでいる。しかし推定では、フェーヌ人としての民族意識を持っている人の中で日常会話程度なら話せるという人は全体の30%、短い文での対話・いくつかの単語を知っている人は全体の50%となっている。
邂逅以降、フェーヌ語を残そうとする政府の政策や
フェーヌ人の末裔の成果により、文法書・辞書などが出版され、多くの人がフェーヌ語を学んでいる。
現在、フェーヌ語の母語話者の音声資料は非常に乏しく、使用可能な資料は限られ、今後はそういった資料の活用が課題となっている。
フェーヌ語資料
フェーヌ人は
リパラオネ系民族の渡来以前、無文字社会であり、口承でのみ伝えられてきた。
文字としての資料は渡来後の
リパラオネ人によって残されており、
フェーヌ人の間でもいくつかの部族はその文字を取り入れていた。
時代が進むと、
フェーヌ人の間での文字の発展により、フェーヌ語の文法事項と沿った正書法が作られ、今のフェーヌ語の正書法につながった。
連邦による調査
連邦言語特務庁の調査により、フェーヌ語の現場調査が行われてきた。最初期の調査者であるXXXXによって、「ある程度の利用者が居るにも関わらず、公用語の認定がないのは自国家の民族と見做さないという不名誉である」という批判を述べたが、言語保証管理官事務所(SHEPOL)はこれに対して「その言語の使用者が、その言語を公的環境で使用できなからといって、必ずしも不満だと訴える事例は無い。むしろ、公的言語と私的言語を区分する領域として自らの言語文化を形成している普段通りの事例ではないか」と反論し、議論は集結している。
連邦政府からはフェーヌ語の継承に対する支援を他の少数言語と同様に行っているが、前述の通り、政治的な領域でその言語が使われるべきかは
フェーヌ人自身の行動或いはスローヴェ共和国の構成主体における事案として積極的介入を避けている。
文法
基本語順はSVOであるが、格変化・動詞の活用が発達しており、語順にとらわれない文が作れる。
また、フェーヌ語の一番の特徴として、特定の統語環境に応じて、単語の一部の発音が変化する軟音化、連音化が存在する。
軟音化
おおむね、摩擦音か接近音に変化し、大半の音には/w/の音素で発音するようになる。
一例として-u型名詞と子音型名詞の対格は語幹の一番後ろの音節に軟音化が発生する。
- fenu ['fˠenˠə] > fenhus ['fˠe.əs], ['fˠe:s]
- lofic ['lˠofˠɨs] > lofich ['lˠofˠɨx]
連音化
基本的に無声音は有声音に変化し、有声音は鼻音に変化する。
一例として前置詞のinc(須:esis)が用いられると続く名詞に連音化が発生する。
- fenu ['fˠenˠə] > inc'vfena [ɪnˠsˠ.'vˠenˠa]
名詞
フェーヌ語の名詞は5種類の語末で区別するクラスがあり、格変化の方法が変化する。
動詞
フェーヌ語の動詞は時制と法で活用する。
活用のタイプは大きく分けて4種類あり、語幹の語頭・語末が子音か母音かで区別する。
- クラスⅠ(C-Vna):kona(食べる)など
- クラスⅡ(C-Cna):gelna(飲む)など
- クラスⅢ(V-Vna):elhona(ある)など
- クラスⅣ(V-Cna):elna(言う)など
最終更新:2024年07月23日 01:04