乙女の祈り<Player of a little girl> - ラストクラウディア @ ウィキ

エピソード

ある巫女の物語

「世界樹ユグドラシルの巫女」と呼ばれたリーナは魔物たちと心通わしたとされる少女で、樹木の魔法や癒しの歌などで破神と人類の大戦前後に活躍した英雄の1人として知られている。

破神との大戦時には、自ら魂を削りながらミガル島を守り抜き、伝説的な最期を迎えた悲劇の英雄として、その生き様に感銘を受けた者も多いという。人と魔獣の壁を越え、グランゼリアに生きとし生ける者を救おうとした彼女の思いを風化させてはいけない。
そう考えた後世の人々は彼女をモチーフとした数多の書籍を記した。
それらは、リーナの実際の言動を客観的に記録したものもあれば、多くの虚実を交え、現実以上に英雄的、または聖女的に描かれたものもある。
割合としては後者の方が多く、多くの大衆にとっては英雄の実像よりも、“イメージとしての英雄”の方を求めていることがよく分かる事例といえる。

リーナのことをもっともよく知らしめたのは絵本「乙女の祈り」であろう。
この本は幼児向けに作られており、オルダーナに住む者ならばおそらく一度は幼い頃に読んだものであろう。
この絵本のリーナは、ユグドラシルからほど近い一軒家に祖母と二人だけで住んでいたとされ、友人もほとんどおらず、動物や植物だけを友とした心優しい少女として描かれている。

実際のリーナはフェアリーズフォレスト近くの村に住んでおり、周囲の人々に愛され、友達にも恵まれていたとされている。
また、リーナが初めてユグドラシルのもとへ向かった時についても、角が生えた馬「ユニコーン」という生物に導かれているように描かれているが、現実ではそのような事実は確認されていない。

巫女に関する文献

「乙女の祈り」のように、絵本からリーナという存在を身近に感じていく書籍もあれば、学問的視点から彼女の功績を検証する書物も多数残されている。
魔獣研究家の間では、彼女がどのように魔獣との意思疎通を可能にしていたのかを、巫女としての神秘性からではなく、より論理的な観点から検証した論文がこれまで多く発表されてきた。

またある自然学者は、人類の中で唯一ユグドラシルとの交信ができたリーナの素質を紐解き、彼女に続いて世界樹との意思疎通を可能にする者を誕生させようと試みた過程を記した本を出版している。

一方で、リーナのことをこれまでの見方とは異なる視点で描いた小説も存在する。
「ユグドラシルの女王」という小説は、実はリーナがユグドラシルを支配していた、という切り口で物語が紡がれていく。
もちろんこのような内容が事実という根拠は無く、
これは創作物として面白おかしく書かれた本として人々に認識されている。

リーナに対し、これまでにない描かれ方をしたこの本は一部では好評だったが、それ以上にその穿った解釈を非難する声が多かったとされる。
だが、そのような作品が発表されるということは、
それだけ色々な角度からリーナという存在が語られているということでもあり、多くの人々の中で彼女の存在が生き続け、愛されている証なのであろう。

巫女に関わった者達の記録

ミガル島における巫女の存在感

関連キャラクター

施術士リーナ