エピソード
海賊船の秘密
かつてグランゼリアの海を縦横無尽に駆けたとされる海賊船レグニス号。
舵取りの担い手は、神聖ロダール王国の一船乗りからレグニス号の船長にまでのし上がった海賊だったといわれている。
舵取りの担い手は、神聖ロダール王国の一船乗りからレグニス号の船長にまでのし上がった海賊だったといわれている。
海賊の記録は、彼と航海を共にしたひとりの若者の手によって書かれた日誌と、若者が彼と別れた後、レグニス号の海賊達の活躍を語り歩いたことによって今を生きる人々の記憶に刻まれている。
海賊は各地に散らばるありとあらゆる金銀財宝を手中に収め、海への絶大な影響力を誇って自ら海賊王と名乗り、世界を席巻したという。
海賊は各地に散らばるありとあらゆる金銀財宝を手中に収め、海への絶大な影響力を誇って自ら海賊王と名乗り、世界を席巻したという。
ところで、記録によるとレグニス号は、元は海賊王の物ではなかったらしい。
ある時レグニス号がとある港に立ち寄った際、海賊王と裏取引をしていた商人が、彼に船の作りや手に入れた場所について尋ねたことがあった。
すると彼は「レグニスはどこかの国や技師が作った物でも、俺が奪った物でもねぇ」と答えたという。
商人がさらに詳しく話を聞こうとしたところ、海賊王は言葉を濁したとされる。
どうやらレグニス号には何か秘密があるようだ。
ある時レグニス号がとある港に立ち寄った際、海賊王と裏取引をしていた商人が、彼に船の作りや手に入れた場所について尋ねたことがあった。
すると彼は「レグニスはどこかの国や技師が作った物でも、俺が奪った物でもねぇ」と答えたという。
商人がさらに詳しく話を聞こうとしたところ、海賊王は言葉を濁したとされる。
どうやらレグニス号には何か秘密があるようだ。
海の母と子
レグニス号と海賊王の出会いについては、先述の若者の日誌に海賊王の証言という形で記録が残っている。
その詳細については割愛するが、海賊王はある者の声に応じ、その者からレグニス号を与えられたと日誌に記述されている。
その詳細については割愛するが、海賊王はある者の声に応じ、その者からレグニス号を与えられたと日誌に記述されている。
船をまるごと与えてしまうその声の主とは一体何者なのか。
どうやら海賊王は何かを知っていたらしいが、それを誰かに語ることはなかったという。
レグニス号が時を経て海賊王と共に姿を消した今となっては、この謎について追うことは不可能とも思われた。
どうやら海賊王は何かを知っていたらしいが、それを誰かに語ることはなかったという。
レグニス号が時を経て海賊王と共に姿を消した今となっては、この謎について追うことは不可能とも思われた。
しかし残された日誌の内容と、神聖ロダール王国に古くから伝わる神話に繋がる点が近年発見され、海賊とレグニス号を結び付けた声の主の正体について研究が進み始めている。
神話とはどのようなものなのか。
それはこんな話である。
神話とはどのようなものなのか。
それはこんな話である。
遥かいにしえの海。
そこには海を守る女神と、彼女の駆る船があった。
海の女神は、自身を海の平穏と豊かさの象徴とし、己が通る海路には幸福が訪れるとして舵を取っていたとされる。
また、女神の子供達は海の波と対話ができたとされ海を守る母を手助けしていたと伝わる。
そこには海を守る女神と、彼女の駆る船があった。
海の女神は、自身を海の平穏と豊かさの象徴とし、己が通る海路には幸福が訪れるとして舵を取っていたとされる。
また、女神の子供達は海の波と対話ができたとされ海を守る母を手助けしていたと伝わる。
長きに渡り海の平和が続いていたある日、女神と子供達のもとに、大地の神が現れた。
大地の神は日頃、女神達を地上から眺めていたという。
彼は、女神達の海を統べる姿に惹かれ、その術を自身の大地の統治にも生かすため、彼女らに教えを乞いに来たと告げる。
女神は当初、「教えることなどない」と大地の神の申し出を断ろうとした。
だが大地の神が、「近くで様子を見させてくれるだけでいい。邪魔だといわれたらおとなしく地上へ帰るから」となおも頼み込むため、彼女も無碍にはできず了承したという。
大地の神は日頃、女神達を地上から眺めていたという。
彼は、女神達の海を統べる姿に惹かれ、その術を自身の大地の統治にも生かすため、彼女らに教えを乞いに来たと告げる。
女神は当初、「教えることなどない」と大地の神の申し出を断ろうとした。
だが大地の神が、「近くで様子を見させてくれるだけでいい。邪魔だといわれたらおとなしく地上へ帰るから」となおも頼み込むため、彼女も無碍にはできず了承したという。
いざ大地の神と接してみると、彼は決して女神達の邪魔はせず、それでいて女神には礼節を尽くし、子供達には気さくに振舞う。
そんな彼に、女神は徐々に心を開いていき、子供達もよくなつき、次第に彼らの距離は縮まっていったとされる。
そんな彼に、女神は徐々に心を開いていき、子供達もよくなつき、次第に彼らの距離は縮まっていったとされる。