エピソード
神狩りの剣士
破神との大戦期前後、強さのみを追求してグランゼリア各地を放浪した謎の剣士シン。
異界からやって来たとされる彼は、神獣ラディガスを討伐し、“神狩り”の二つ名とともに一躍その名を知られるようになったが、それ以外にも数多くの武勇伝を残してる。
異界からやって来たとされる彼は、神獣ラディガスを討伐し、“神狩り”の二つ名とともに一躍その名を知られるようになったが、それ以外にも数多くの武勇伝を残してる。
ある時、シンは僻地の村からの依頼を受け、巨大飛龍の討伐に向かった。
その村は広大な牧草地と知られ、住んでいる物の大半が酪農を営んでいたが、その近くに一匹の巨大飛龍が巣を作り、度々家畜や人々を襲うようになったのだという。
村に到着したシンは、現地に物見台があることを知り、そこに登って飛龍を待ち構える。
それはわざと飛龍の目につきやすいところに立ち、自分を襲わせようという算段によるものだった。
そして日が高く昇った頃、問題の飛龍が村に飛来。
普段はすぐに家畜のもとに向かう飛龍も、この時ばかりはシンの殺気を感じ取ってか、一直線に彼のもとへと接近する。
シンの姿を確認し、激しく威嚇する飛龍。
だがシンの方はそんな飛龍にまったく動じることなく、その様子を一瞥。
その村は広大な牧草地と知られ、住んでいる物の大半が酪農を営んでいたが、その近くに一匹の巨大飛龍が巣を作り、度々家畜や人々を襲うようになったのだという。
村に到着したシンは、現地に物見台があることを知り、そこに登って飛龍を待ち構える。
それはわざと飛龍の目につきやすいところに立ち、自分を襲わせようという算段によるものだった。
そして日が高く昇った頃、問題の飛龍が村に飛来。
普段はすぐに家畜のもとに向かう飛龍も、この時ばかりはシンの殺気を感じ取ってか、一直線に彼のもとへと接近する。
シンの姿を確認し、激しく威嚇する飛龍。
だがシンの方はそんな飛龍にまったく動じることなく、その様子を一瞥。
「やはり飛龍ではこの程度か…」
次の刹那、彼は大きく飛翔したかと思うと電光石火の斬撃で、一刀のもとに飛龍を切り捨ててしまう。
村人たちは飛龍が退治されたことに喜びの声を上げ、一斉にシンを称賛したが、彼自身は喜ぶどころかどこか、不満げに溜息をついただけだったという。
村人たちは飛龍が退治されたことに喜びの声を上げ、一斉にシンを称賛したが、彼自身は喜ぶどころかどこか、不満げに溜息をついただけだったという。
シンにまつわるこのような話は他にも多く伝わっているが、それ以前…グランゼリアに来る以前の、まだ異界にいた時から、彼は数多くの武勇伝を作っていたとされている。
一宿一飯の恩義
異界の住人であったシンが、かつていた世界でその名を轟かせたのは48人斬りの逸話が最初だったとされている。
若い頃より強者との果し合いを求めて放浪していたシンだったが、ある村を訪れた際に豪農に招かれ、その屋敷に一泊した。
武芸者の武勇伝を聞くことが好きだった屋敷の当主は彼をたいそう手厚くもてなし、一方シンも話を聞かせるだけでなく、屋敷の子供たちに玩具を作ってあげるなどしてその厚意に報いたという。
事が起こったのは、その夜のことであった。
一家が寝静まった夜更け、シンはふと気配を感じて目を覚ます。
周囲を探ると、なんと武器を持った男たちが屋敷を取り囲んでいたのだ。
その者たちが一家の蓄えを狙う野党だと察知したシンは、急いで当主家族を蔵の中に匿い、自らは野盗らの先手を打つべく外に躍り出る。
武芸者の武勇伝を聞くことが好きだった屋敷の当主は彼をたいそう手厚くもてなし、一方シンも話を聞かせるだけでなく、屋敷の子供たちに玩具を作ってあげるなどしてその厚意に報いたという。
事が起こったのは、その夜のことであった。
一家が寝静まった夜更け、シンはふと気配を感じて目を覚ます。
周囲を探ると、なんと武器を持った男たちが屋敷を取り囲んでいたのだ。
その者たちが一家の蓄えを狙う野党だと察知したシンは、急いで当主家族を蔵の中に匿い、自らは野盗らの先手を打つべく外に躍り出る。
「俺がお前たちの相手をしてやろう!」
野盗たちは突如現れたシンに一瞬狼狽したものの、すぐ武器を手に彼に襲いかかる。
だが野盗風情がまともにシンと対峙できるはずもない。
影が交錯するたびに野盗は一人、また一人と次々と斬り倒されていく。
だが野盗風情がまともにシンと対峙できるはずもない。
影が交錯するたびに野盗は一人、また一人と次々と斬り倒されていく。
そして朝日が昇るころ、シンに促されて蔵から出た当主がその場で見たのは、屋敷の周りに倒れている数多の野党の姿だった。
その数、なんと48人。
命を助けられたことに感激した当主は、ぜひ礼がしたいとシンに屋敷に留まるよう願い、さらには娘の婿に、とまで言い出す。
戦いではまったく狼狽えることがなかったシンだったが、その申し出にはさすがに驚き、「自分はまだ修行中の身」と言って、逃げるようにその場を後にしたという。
屋敷の当主はその後も多くの武芸者たちをもてなしたが、その度にこのシンの48人斬りの話を語って聞かせたとされる。
その数、なんと48人。
命を助けられたことに感激した当主は、ぜひ礼がしたいとシンに屋敷に留まるよう願い、さらには娘の婿に、とまで言い出す。
戦いではまったく狼狽えることがなかったシンだったが、その申し出にはさすがに驚き、「自分はまだ修行中の身」と言って、逃げるようにその場を後にしたという。
屋敷の当主はその後も多くの武芸者たちをもてなしたが、その度にこのシンの48人斬りの話を語って聞かせたとされる。
鬼斬り
シンはもといた世界においても、人間の強者だけではなく、人外の“怪物”とも戦っていたという。
シンが初めて怪物と対峙したのは、とある領主に請われてのことだったという。
シンが初めて怪物と対峙したのは、とある領主に請われてのことだったという。
それは先の48人斬りなどにより、シンの剣客としての名が広がり始めていた頃だった。
評判を聞きつけた領主は、わざわざシンを部下に探し出させ、自らの城に招致する。
話しによれば、領内に恐ろしい大鬼が出現。家畜だけではなく、領民などもその被害に遭っているのだという。
当然、領主もその退治に部下を差し向けたが、大鬼は大木のような手足と、刃をまともに通さない硬い皮膚を持っており、すべて返り討ちにされていた。
大鬼の退治を依頼されたシンは、もとより強き者との戦いを望んでいたこともあり、二つ返事で了承。
さっそく大鬼が出没する場所に向かう。
評判を聞きつけた領主は、わざわざシンを部下に探し出させ、自らの城に招致する。
話しによれば、領内に恐ろしい大鬼が出現。家畜だけではなく、領民などもその被害に遭っているのだという。
当然、領主もその退治に部下を差し向けたが、大鬼は大木のような手足と、刃をまともに通さない硬い皮膚を持っており、すべて返り討ちにされていた。
大鬼の退治を依頼されたシンは、もとより強き者との戦いを望んでいたこともあり、二つ返事で了承。
さっそく大鬼が出没する場所に向かう。
話に聞いていた大鬼と直に対峙した瞬間、その巨大で異様な風体にさしものシンも少し気圧されたという。
だが、戦い慣れしている彼はすぐにいつもの自分を取り戻し、大鬼との戦いを始める。
大鬼から繰り出される攻撃は威力こそ凄まじいが、動き自体はそれほど速くなく、シンにとってはかわすことは難しくはなかった。
しかし、シンの攻撃も大鬼の強靭な皮膚に阻まれ、なかなか深い傷を負わせることはできない。
だが、戦い慣れしている彼はすぐにいつもの自分を取り戻し、大鬼との戦いを始める。
大鬼から繰り出される攻撃は威力こそ凄まじいが、動き自体はそれほど速くなく、シンにとってはかわすことは難しくはなかった。
しかし、シンの攻撃も大鬼の強靭な皮膚に阻まれ、なかなか深い傷を負わせることはできない。
「厄介な…これが人ならざる者の力か…」
そこで彼は、まず大鬼の右腕の同じ箇所に連撃を加え、徐々にその皮膚を斬り裂いていった。
そして大鬼が自分の腕の異変に気づいた時には、硬い皮膚はすべて削ぎ取られており、シンは無防備になったその腕を斬り落とすことに成功する。
そこからのシンの剣の冴えはすさまじく、同様の方法で左足、左手を続けて切断。ついには、その首を落としたという。
そして大鬼が自分の腕の異変に気づいた時には、硬い皮膚はすべて削ぎ取られており、シンは無防備になったその腕を斬り落とすことに成功する。
そこからのシンの剣の冴えはすさまじく、同様の方法で左足、左手を続けて切断。ついには、その首を落としたという。
この戦いにより、シンは人間だけでなく怪物との戦いにも新たな剣の道の光があると悟ったといわれている。
このころからシンは「鬼斬りのシン」と呼ばれるようになり、その噂はいっそう広まっていくのだった。
このころからシンは「鬼斬りのシン」と呼ばれるようになり、その噂はいっそう広まっていくのだった。