エピソード
真の魔導と三賢者
遥か昔、魔術の最高位に位置する「真の魔導」なるものが存在したという。
それは様々な魔術を究めし者たちが、その力を結集させた時に目覚める力だと伝わっている。
だが、そのような秀でた魔力を備えた魔術師が複数出現する琴など無く、言い伝えは徐々に風化していく。
それは様々な魔術を究めし者たちが、その力を結集させた時に目覚める力だと伝わっている。
だが、そのような秀でた魔力を備えた魔術師が複数出現する琴など無く、言い伝えは徐々に風化していく。
年月が流れ、世界を破神が支配していた頃、3人の強大な魔力を持つ魔術師がその「真の魔導」を求めていたという。
文明の祖ともいわれる炎を操るダイン。
天の力の一部でもある雷を操るカノン。
そして、氷の力を操るもう1人の魔術師。
氷の力を司る者の名前は今に残っていないが、魔術師が3人いたことは間違いないようだ。
文明の祖ともいわれる炎を操るダイン。
天の力の一部でもある雷を操るカノン。
そして、氷の力を操るもう1人の魔術師。
氷の力を司る者の名前は今に残っていないが、魔術師が3人いたことは間違いないようだ。
彼らは神聖ロダール王国本土にて行動を共にしていたというが正確な活動場所はよくわかっていない。
彼らが細かな移動を繰り返していたことも正体が掴みづらい要因のひとつだが、何よりも彼らはロダール王国の人々と一線を画して生活を営んでいたため接点が明らかに少ないということが一番大きな理由であろう。
人の関わりを持たないといっても程度があるのが通常だが、3人の魔術師は生活において全く自分たち以外の者とは接しなかったという。
そのような状態で、衣食住をどのように成り立たせていたのかは今をもって不明だが、彼らは独立した生活を営み、生活環境への対応も見事であったらしい。
彼らが細かな移動を繰り返していたことも正体が掴みづらい要因のひとつだが、何よりも彼らはロダール王国の人々と一線を画して生活を営んでいたため接点が明らかに少ないということが一番大きな理由であろう。
人の関わりを持たないといっても程度があるのが通常だが、3人の魔術師は生活において全く自分たち以外の者とは接しなかったという。
そのような状態で、衣食住をどのように成り立たせていたのかは今をもって不明だが、彼らは独立した生活を営み、生活環境への対応も見事であったらしい。
遠目から魔術師たちを見ていた者によれば、自然や文明に対する彼らの知識は非常に豊かで、刻刻と変化していく彼らの身の回りの事象に対する対応力も並外れた能力を持っていたとされる。
当時の人々は、その卓越した知恵と魔術に対し畏敬の念を込めて、彼らを「三賢者」と呼んでいた。
当時の人々は、その卓越した知恵と魔術に対し畏敬の念を込めて、彼らを「三賢者」と呼んでいた。
魔導の探求を阻む者
三賢者は神聖ロダール王国にて存在を認識されていたというがその出現は唐突なものであったらしい。
ある時、王国内に点在する古代遺跡のひとつに強大な魔力が発生し、見回り最中であった王国騎士がその遺跡に急行する。
ある時、王国内に点在する古代遺跡のひとつに強大な魔力が発生し、見回り最中であった王国騎士がその遺跡に急行する。
国に仇なす者の出現を危惧した騎士が、その魔力の正体を突き止めようとすると、遺跡内から三賢者が姿を現したというのが歴史上、彼らに関する記録が初めて挙がった事例だといわれている。
3人は王国騎士が警戒したような国に対する敵対心は無かった。というよりも彼らは国に対してだけではなく、世俗全般への関心が薄かったらしい。
彼らの関心がどこへ向かっていたのか。それは古代遺跡において彼らが行っていたという、魔導の研究に向けて注がれていたのではないかと推測できる。
強大な魔力が発生したのもその研究の最中であったからという説もあり、もしかしたら遺跡は特に魔力が向上しやすい環境で、彼らにとって格好の魔術の実験場だったのかもしれない。
彼らの関心がどこへ向かっていたのか。それは古代遺跡において彼らが行っていたという、魔導の研究に向けて注がれていたのではないかと推測できる。
強大な魔力が発生したのもその研究の最中であったからという説もあり、もしかしたら遺跡は特に魔力が向上しやすい環境で、彼らにとって格好の魔術の実験場だったのかもしれない。
そんな得体のしれない魔力を持つ三賢者の存在を破神は疎み、彼らのいる遺跡を囲むように山、平野、海の三方面から眷属を侵攻させたという。
並の人や魔獣では、到底太刀打ちできないほどの強大な力を持っている眷属に対し、三賢者は3人だけで戦いに挑んだ。
1人が氷の力で眷属の動きを止め、止まったところにもう1人が雷を落とす。
それでもなお攻め込んでくる眷属を、最後の1人が焼き尽くす。
三賢者の魔術の連携の前に、眷属たちは為す術もなく敗れ去ったという。
並の人や魔獣では、到底太刀打ちできないほどの強大な力を持っている眷属に対し、三賢者は3人だけで戦いに挑んだ。
1人が氷の力で眷属の動きを止め、止まったところにもう1人が雷を落とす。
それでもなお攻め込んでくる眷属を、最後の1人が焼き尽くす。
三賢者の魔術の連携の前に、眷属たちは為す術もなく敗れ去ったという。