エピソード
伝説の湯治場
ランゼリア大陸の雪山の奥地に、ある伝説的な湯治場が存在する。
そこはかつて半人半獣の姿をした神が傷ついた己の眷属たちのために湯のありかを探り出して開設した場所とされる。
湧き出している湯は霊峰より流れ出たもので、通常の温泉などとは異なりと特殊な魔力を宿していたという。
そのため、その湯に浸かった生物は自己修復、再生の能力が活性化し、短期間のうちに傷や身体の疲れが癒されたと伝えられている。
その後、険しい場所にあるため人々が足を踏み入れることはなく、長き月日放置されたままになっていたが、破神との大戦前後の時期に一部の魔獣たちがこの湯治場を発見。
戦いの傷や身体の疲労を癒すために利用するようになり、今でもブレイズに所属する魔獣たちが度々訪れている。
本来、入浴などという風習がなかったはずの魔獣たちがこの湯治場を利用し始めたのは、湯が身体にとって有用であることを本能的に理解したからではないかと推測されている。
そこはかつて半人半獣の姿をした神が傷ついた己の眷属たちのために湯のありかを探り出して開設した場所とされる。
湧き出している湯は霊峰より流れ出たもので、通常の温泉などとは異なりと特殊な魔力を宿していたという。
そのため、その湯に浸かった生物は自己修復、再生の能力が活性化し、短期間のうちに傷や身体の疲れが癒されたと伝えられている。
その後、険しい場所にあるため人々が足を踏み入れることはなく、長き月日放置されたままになっていたが、破神との大戦前後の時期に一部の魔獣たちがこの湯治場を発見。
戦いの傷や身体の疲労を癒すために利用するようになり、今でもブレイズに所属する魔獣たちが度々訪れている。
本来、入浴などという風習がなかったはずの魔獣たちがこの湯治場を利用し始めたのは、湯が身体にとって有用であることを本能的に理解したからではないかと推測されている。
現在、この湯治場は1人の老人によって管理されており、彼により湯に満ちている魔力の濃度などが絶えず調節されている。
湯は魔力の濃度が薄い場合は癒しの効力が働かなくなり、逆に濃すぎれば生命活動が必要以上に活性化させられて身体に害を及ぼす結果になる。
湯治場の湯が正常な効能を示しているのは、この老人の力によるところが大きいとされている。
湯は魔力の濃度が薄い場合は癒しの効力が働かなくなり、逆に濃すぎれば生命活動が必要以上に活性化させられて身体に害を及ぼす結果になる。
湯治場の湯が正常な効能を示しているのは、この老人の力によるところが大きいとされている。
ある魔獣の休息
破神との大戦において、数多くの神の眷属を倒したとされ、“魔狼”と恐れられた魔獣カイネルは、戦いの中で仲間をかばって負傷してしまう。
傷自体はすぐにふさがり、命には別条がなかったものの、攻撃を受けた場所が悪かったのか、その後は身体を動かすごとに激痛が走り、以前のような素早い身のこなしができなくなってしまう。
それでも、同族たちを守るため戦場に立とうとするが、狼型の魔獣にとって戦場での俊敏な動きができないことは致命的といっていいものだった。
戦場で苦戦し、以前よりも負傷することが多くなった彼を見かね、戦友の魔獣はこの湯治場の存在を教える。
それでも戦線を離れることを嫌がったカイネルだったが、同族の兄弟たちに説得されて渋々了承し、湯治に赴くのだった。
湯の力をまったく信じていなかったカイネルとしては、最初に戦友や兄弟たちを納得させるため、適当に体裁だけ取り繕うつもりであった。
だが実際に湯に浸かってみたところ、不思議と自身の身体に力がみなぎっているのを実感する。
驚いたカイネルは、本来2、3日の逗留予定を1週間に伸ばし、湯治を続ける。
その後、戦線に復帰したカイネルは、負傷する以前よりも素早い動きで敵を翻弄する。
それだけでなく、爪による斬撃や牙による攻撃などもさらに力強いものへと変化。
自身よりも遥かに巨大な相手と対峙しても、一歩も退くことなく戦い続けることができたという。
傷自体はすぐにふさがり、命には別条がなかったものの、攻撃を受けた場所が悪かったのか、その後は身体を動かすごとに激痛が走り、以前のような素早い身のこなしができなくなってしまう。
それでも、同族たちを守るため戦場に立とうとするが、狼型の魔獣にとって戦場での俊敏な動きができないことは致命的といっていいものだった。
戦場で苦戦し、以前よりも負傷することが多くなった彼を見かね、戦友の魔獣はこの湯治場の存在を教える。
それでも戦線を離れることを嫌がったカイネルだったが、同族の兄弟たちに説得されて渋々了承し、湯治に赴くのだった。
湯の力をまったく信じていなかったカイネルとしては、最初に戦友や兄弟たちを納得させるため、適当に体裁だけ取り繕うつもりであった。
だが実際に湯に浸かってみたところ、不思議と自身の身体に力がみなぎっているのを実感する。
驚いたカイネルは、本来2、3日の逗留予定を1週間に伸ばし、湯治を続ける。
その後、戦線に復帰したカイネルは、負傷する以前よりも素早い動きで敵を翻弄する。
それだけでなく、爪による斬撃や牙による攻撃などもさらに力強いものへと変化。
自身よりも遥かに巨大な相手と対峙しても、一歩も退くことなく戦い続けることができたという。