エピソード
幻の焔鳥
「レミ」…それは火山帯に生息し、長い寿命を持つ焔鳥の名前である。
炎を纏った幻想的で美しい姿を持つその怪鳥は、生物的な分類としては魔獣の一種に位置づけられているが、生態などでは謎な部分が多い。
すすんで人や他の生物を襲うことはあまりないが、かといって他の生物と遭遇しても怯えて隠れたり、逃れるようなことはしない。
兵士などと遭遇しても、こちらの心を見透かしたようにただ悠然と佇んでいるだけである。
過酷な環境を活動区域としている上、その個体数が少ないため、世界中を旅する冒険者でもその姿を目撃するのは極稀である。
だが、それ故にレミの悠然とした美しい姿を見た者は、それを生涯忘れることはないという。
ある冒険家はレミと遭遇した時のことをこう語っている。
炎を纏った幻想的で美しい姿を持つその怪鳥は、生物的な分類としては魔獣の一種に位置づけられているが、生態などでは謎な部分が多い。
すすんで人や他の生物を襲うことはあまりないが、かといって他の生物と遭遇しても怯えて隠れたり、逃れるようなことはしない。
兵士などと遭遇しても、こちらの心を見透かしたようにただ悠然と佇んでいるだけである。
過酷な環境を活動区域としている上、その個体数が少ないため、世界中を旅する冒険者でもその姿を目撃するのは極稀である。
だが、それ故にレミの悠然とした美しい姿を見た者は、それを生涯忘れることはないという。
ある冒険家はレミと遭遇した時のことをこう語っている。
「あれはラウラ火山で俺がゴブルたちと戦っていた時だった。いきなり突風が吹いたと思ったら、頭上に気配がしたんだ。
見上げた瞬間……時が止まったよ。
そこには、青空に美しい炎がたなびいていたんだ。
それがあの焔鳥レミだって気づいたのは、すでに飛び去った後だったよ」
見上げた瞬間……時が止まったよ。
そこには、青空に美しい炎がたなびいていたんだ。
それがあの焔鳥レミだって気づいたのは、すでに飛び去った後だったよ」
現在では、レミの姿は目撃者の証言を元に多くの絵画に描かれている。
それらは伝聞の情報によって描かれたため、正確ではないものも多くあるが、逆にそのことがより一層に焔鳥レミの美しさを多くの者に印象づけているともいえる。
それらは伝聞の情報によって描かれたため、正確ではないものも多くあるが、逆にそのことがより一層に焔鳥レミの美しさを多くの者に印象づけているともいえる。
魅了される者
画家レイラッドはレミを生涯追い続け、製作した作品のほとんどがその姿を描いたものである。
最初、彼は冒険者からの伝聞だけで絵画を描いていたが、次第にそれだけでは満足できなくなり、レミがいるとされる火山に直に通うようになった。
その際、警護のために冒険者を雇っていたが、火山に行ったからといってレミと必ず遭遇できるわけでもない。何度も火山を訪れているうちに、冒険者を雇うための資金が尽きてしまう。
そこで彼が取った方法は、自身の体を鍛え、自らが冒険者となることだった。
本来ならば生半可なことでは画家から冒険者への転職などできるはずもないのだが、彼の目的はレミの姿を見ることだけ。魔獣と戦う力は必要なく、危険から逃げる体力のみを鍛えたレイラッドは、各地の火山地帯を渡り歩くだけの力量を手に入れたとされる。
そして、遭遇する確率こそ低いものの、レミの姿を直に目にすることができるようなり、真に迫るような名作をいくつも作成。それらは画壇で高い評価を受け、その多くは後世にも伝えられている。
また、同時にレミの生態について新発見となる事象も数多く目撃し、手記に詳細な記述を残しており、魔獣の生態研究にも大きく功績を残している。
最初、彼は冒険者からの伝聞だけで絵画を描いていたが、次第にそれだけでは満足できなくなり、レミがいるとされる火山に直に通うようになった。
その際、警護のために冒険者を雇っていたが、火山に行ったからといってレミと必ず遭遇できるわけでもない。何度も火山を訪れているうちに、冒険者を雇うための資金が尽きてしまう。
そこで彼が取った方法は、自身の体を鍛え、自らが冒険者となることだった。
本来ならば生半可なことでは画家から冒険者への転職などできるはずもないのだが、彼の目的はレミの姿を見ることだけ。魔獣と戦う力は必要なく、危険から逃げる体力のみを鍛えたレイラッドは、各地の火山地帯を渡り歩くだけの力量を手に入れたとされる。
そして、遭遇する確率こそ低いものの、レミの姿を直に目にすることができるようなり、真に迫るような名作をいくつも作成。それらは画壇で高い評価を受け、その多くは後世にも伝えられている。
また、同時にレミの生態について新発見となる事象も数多く目撃し、手記に詳細な記述を残しており、魔獣の生態研究にも大きく功績を残している。