クリスタルキャッスル<Crystal Castle> - ラストクラウディア @ ウィキ

エピソード

マスターの誕生

かつてグランゼリアが破神の圧政によって支配されていた時代、ある商人がダラ砂漠の廃城付近で大型のクリスタル鉱脈を発見したという。
当時クリスタルは、様々な力の源として有用であったらしい。
商人はクリスタルを独占しようとしたが、鉱脈の発見情報を聞きつけ利権を奪おうとする神聖ロダール王国と、自身の力の源であるクリスタルを本能で求める魔獣が、すぐさまその鉱脈に向け進軍を開始する。
商人はクリスタルの権益を守るため、当時屈強な軍隊として名を馳せていたマスターフェリスの傭兵団を雇おうとした。

フェリスは、元々ロダール王国の出身といわれている。
国内でも特に貧しい地域の生まれで、物心ついた時から武器を握らされ、国と魔獣との戦いにおいて前線でこき使われていた。
戦うことに疑問を感じていた彼女であったが、王国貴族の「戦いで手柄を挙げれば望みの物を与える」という言葉を信じ、貧しいながらも自分に愛情を注いでくれる家族に豊かな生活をもたらすため、心無き戦に身を投じ続けたという。

だが、彼女の思いは裏切られる。
ある戦いの折、王国はフェリスの村に魔獣をあえておびき寄せ、その村ごと焼き払い魔獣を討伐する作戦を敢行する。
事前に作戦を知らされていなかった村人は、彼女の家族も含め生きながら焼かれたとされる。
フェリスは当時その魔獣討伐軍に加わっていながら作戦の詳細を聞かされておらず、目の前で焼け落ちる村と、守るべきはずであった家族が果てていく姿を見ながら、救うことのできなかった自身の無力さを呪い、このような作戦を敢行したロダール王国の残酷さを憎んだという。

直後に彼女はロダール王国の軍隊を離脱。そこから数年の彼女の足取りを正確に掴むことはできない。
彼女が再び歴史に名を出すのは、ある反ロダール王国地域における紛争にマスターフェリス傭兵団団長として参戦し、反ロダール王国勢力を勝利に導いた時である。

実力第一の傭兵団

フェリスは家族の命を奪った神聖ロダール王国を許しておらず、クリスタルを守るために彼女の傭兵団を雇おうとした商人の依頼を受諾する。
傭兵団員の出自は様々だが、共通点としてそれぞれ類まれな戦闘術を心得ていたという部分が挙げられる。

これは、兵団の正規部隊に所属するための第一条件といわれており、仮に兵団への所属を希望し戦いに参加したとしても、その戦いに秀でた武を示せない者は入団を認められなかったと伝わる。
一見入団を希望する者に対する冷たさを感じる話だが、それだけフェリスたちが身を置く戦いは激しいものであり、下手に参戦しようものなら一瞬で命を落とすような危険と常に隣合わせだったという。
入団資格の厳しさは、希望者の命を守ろうとする彼女の優しさといえよう。
それでも入団希望者は後を絶たなかったというが、その理由は団員があらゆる戦いにおいて、それぞれ優秀な戦歴を挙げてきたことも無関係ではない。

最古参の団員は、彼女と同じように貧しい環境で育ち、共に戦ってきた弓使いだといわれている。
彼には、ロダール王国に抗うある自治区に味方した戦いにおいて、たった1本の矢で指揮官を討ち取り王国軍を瓦解させたという逸話が残っている。
その弓使いと兵団の両翼を担っていたとされるのがロダール王国の聖職者の家柄でありながら、血筋によって完成された自分の人生に退屈し、己の力で人生を切り開こうとするフェリスの姿に魅せられた魔術士である。
彼は、ある国の隣国制圧戦に加担した際、拠点となる砦を一夜で作り上げ、攻め手を勝利に導いたことで有名である。

他にも、兵団の撤退時に幅十数メートルに及ぶ道を大岩を放り投げることで塞ぎ、追撃部隊の進行を防いだ戦士や、砦防衛線において千人斬りで敵を撃退した槍使いなど、兵団には一騎当千の強者が集っていたといわれている。
その中でも、団長のフェリスの功績は光る。
彼女は幼少時より実戦で培ってきた剣術を活かし、破神の眷属との戦いにおいて自ら先陣を務め見事敵を討ち果たしたと伝わる。

廃城の攻防

利権戦争の果てに

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