ガイエスト修剣山<Geist Swordsmanship Mountain> - ラストクラウディア @ ウィキ

エピソード

魔剣山…剣士たちの地獄

ランゼリア大陸南東部にあるガイエスト山……
そこは「修剣山」と呼ばれ、数多の剣士が集い、その剣技と精神を互いに競い合ったとされる伝説の山である。

発祥は、武器商人ゲルべドが戦地に送るための傭兵を育成する場所をその山に作ったことだったとされている。
当時ゲルベドは紛争地域に武器を販売して大きな財を成していたが、さらに自身の傭兵たちを派遣することも考えていた。
だが、寄せ集めの質の悪い葉柄を送ったところで、自身の商人としての評価を落とすだけである。
そこで、借金を抱えた傭兵や奴隷たちは山を集め、“もの”になるまで過酷な鍛錬を課して鍛えることにしたのだ。
ゲルベドによって行われたガイエストでの訓練は、過酷で非人道的なもので、数多くのものが生命を落とした。
当時、麓の村の者は彼らの悲鳴のような叫び声をよく耳にしたとされ、現地では「ガイエスト魔剣山」と呼ばれるほどだった。

その一方で、凄まじい訓練を生き残った一部の者たちはゲルベドの目論見通りに一流の戦士へと成長。
「ガイエスト傭兵団」として紛争地域に派遣され、各地で並外れた強さを発揮して武名を轟かせた。
そして特に華々しい活躍をした者は、豪奢な生活を送る権限などをゲルベドより与えられたという。
だは、そんな生活も死の危険と隣り合わせの中で得たものでしかなく、どんなにゲルベドに気に入られようとも許可なく山を下りることなどは一切許されなかった。
待遇の差こそあれ、ガイエスト山の戦士たちは、所詮すべて商人ゲルベドの“所有物”でしかなかったのだ。

だが、ある男がこの山に送られて来たことから、その状況は大きく変わり始める。

剣聖の誕生

奴隷ライネスクがガイエスト山に連れて来られた当初、ゲルベドは彼を見て「見込みはない」とだけ述べたとされる。
だが、彼は徐々に剣士としての頭角を現し、山に入って1年ほどで傭兵団の一番の使いとして知られるようになっていった。
予想外のライネスクの成長にゲルベドは喜び、すぐに生活や食事で特別待遇を与えようとしたが、彼はそれらすべてを固辞。
その態度に不審なものを感じたゲルベドだが、大事な“商品”であるライネスクに対して、自身からの申し出を断る程度の自由は容認していたという。

そして事件は起きる。
ゲルベドが商談のために山を降りた隙を狙い、ライネスクが信用できる仲間たちとともに決起してガイエスト山を占拠してしまったのだ。
元々、山に住んでいた戦士たちのゲルベドへの忠誠心などは無いに等しい。反乱が起きたことなどは一度や二度ではない。
しかし、そのすべては小規模てきなものでしかなく、ゲルベドの子飼いの傭兵たちによって鎮圧されてきた。
大きな反乱を起こせるほど、戦士たちの信頼を勝ち得る人間がいなかったのだ。
だが、ライネスクは剣の腕、人格、そして何より自由を求めようとする気概…そのすべてを兼ね備えており、荒くれ者の戦士たちをまとめ上げる力量を十分に持っていた。

ガイエスト山占拠を知ったゲルベドは、新たな兵士を雇い入れて山を取り戻すべく押し寄せる。
だが、戦士として精鋭中の精鋭であるライネスクたちにとってそのような急造の軍勢など敵ではなく、圧倒的な力の差を見せつけて撃退。ゲルベドを捕えてしまう。
ガイエスト山の戦士たちの多くはゲルベドの処刑を望んだが、ライネスクはそれを制止。
二度とガイエスト山へ近づかないようゲルベドに約束させて、開放する。
ゲルベドを逃がしたことを不満に思った者も多かったが、ライネスクは「恐怖に怯える者を討っても仕方がない」と答えたのみだった。

その後、ライネスクは「ガイエスト傭兵団」の解散、そして山の開放を高らかに宣言する。
その言葉を受けて戦士たちの半数は故郷などに戻ったが、残り半数は山に留まった。
強制的にこの山に連行され、もはや戻るべき場所などない者も多かったのだ。
そんな彼らを見たライネスクは、戦うことしかできない自分たちが進むべき道を思案。
そして、この場所を純粋に剣技を鍛える場に作り変えることを決意する。
彼は残った仲間たちとともに修練場としての制度を整えながら、己を律する厳しい戒律、過酷で効果的だが生命の危険が少ない訓練法などを編み出していく。

やがて、戦士たちの指導をするライネスクは「ガイエストの剣聖」と呼ばれるようになっていった。

魔の山から剣を修める山へ

剣士たちの伝説

関連キャラクター

剣聖ライネスク