白の追憶
とある街に立ち寄ったメルザ。そこでとった行動により兵士に追われることに。
破神の支配に苦しむ人々のため
旅に出たメルザだったが
敵の余りの強大さに、一人での
戦いに限界を感じ始めていた
そこでメルザは、ともに戦う
仲間を集めるため
とある街に
立ち寄ったのだが…
旅に出たメルザだったが
敵の余りの強大さに、一人での
戦いに限界を感じ始めていた
そこでメルザは、ともに戦う
仲間を集めるため
とある街に
立ち寄ったのだが…
【???】
待てー!!
待てー!!
【メルザ】
破神を倒す、なんて
おおっぴらに言ったら
破神を倒す、なんて
おおっぴらに言ったら
そりゃこうなるよね…
街の人たちにも
迷惑かけちゃったなぁ…
迷惑かけちゃったなぁ…
ううん、こんなことで
落ち込んでる場合じゃない
落ち込んでる場合じゃない
私は世界のみんなを
救おうとしているんだ
救おうとしているんだ
しっかりしなくちゃ!
よし!次の街では
うまくやるぞ!
うまくやるぞ!
【???】
ぎゃぁぁぁぁ!!
ぎゃぁぁぁぁ!!
【メルザ】
今の声は!
今の声は!
私も加勢します!
【兵士】
キサマ…!
何のつもりだ!
キサマ…!
何のつもりだ!
【メルザ】
いいから!今は
彼らを助けましょう!
いいから!今は
彼らを助けましょう!
反逆者
兵士を魔獣から救ったメルザ。だが、彼らの対応は彼女が想像したものとは違っていた。
【メルザ】
皆さん、お怪我の方は
大丈夫ですか?
皆さん、お怪我の方は
大丈夫ですか?
【兵士】
フン 助けたら見逃して
もらえるとでも思ったか?
フン 助けたら見逃して
もらえるとでも思ったか?
【メルザ】
待って
そんなつもりじゃ…
待って
そんなつもりじゃ…
【兵士】
黙れ黙れ!
破神様を倒すなどと
言うヤツを放っておけるか!
黙れ黙れ!
破神様を倒すなどと
言うヤツを放っておけるか!
【メルザ】
クッ…!
クッ…!
【兵士】
こら! 待てー!
こら! 待てー!
待てー!
この叛逆者め!
この叛逆者め!
【メルザ】
どこまで追ってくる
つもりなの?
どこまで追ってくる
つもりなの?
【兵士】
ハァ…ハァ…
くそ…っ!
逃げ足の速い奴め
ハァ…ハァ…
くそ…っ!
逃げ足の速い奴め
【メルザ】
振り切ったみたいね…
振り切ったみたいね…
叛逆者か…
でも私はみんなのために--
でも私はみんなのために--
また魔獣!?
もうっ!
もうっ!
絶え間ない襲撃
次々と襲いかかってくる平原の魔獣たち。落ち込む暇もないのはある意味救いかもしれない。
仲間がいれば
足を止め、自身の行動について考える「私のやっていることは……」
【メルザ】
私は、みんなのために…
私は、みんなのために…
でも、それをみんなが
望んでいないのだとしたら…
望んでいないのだとしたら…
私のやっていることは
自己満足…?
自己満足…?
いやこんなことで
迷ってたって仕方ない
迷ってたって仕方ない
ひとりだからこんなことを
考えてしまうんだ
考えてしまうんだ
仲間がいれば、きっと
こんなことで悩まない!
こんなことで悩まない!
よーし!次の街では
うまく仲間を集めるぞ!
うまく仲間を集めるぞ!
孤独な戦い
時折独り言がこぼれる。一人が戦うことを決めたはずなのに…。
兵士の言葉
戦いながら道を進み続けるとふとした時に兵士の言葉が思い出される。
自問
一度、振り切ったはずの迷い。街での出来事を思い出し、再び彼女は足を止める。
【???】
破神様を!?
バカな!
破神様を!?
バカな!
【兵士A】
何事だ!?
何事だ!?
【旅人】
こ、この女が…
破神様を倒すと!
こ、この女が…
破神様を倒すと!
【兵士A】
キサマ…なんて
畏れ多いことを!
キサマ…なんて
畏れ多いことを!
【男性A】
に、逃げろ!
天罰が下るぞ!
に、逃げろ!
天罰が下るぞ!
【女性】
は、破神様…
どうか御慈悲を…
は、破神様…
どうか御慈悲を…
【兵士A】
キサマをこの場で逮捕する
抵抗したら、命はないと思え!
キサマをこの場で逮捕する
抵抗したら、命はないと思え!
コラ!待てー!!
【メルザ】
私のやっている事って…
私のやっている事って…
本当に正しいのかな…
【兵士B】
これは…破神様の…!
これは…破神様の…!
【男性B】
つまり…
俺たちはもう…
つまり…
俺たちはもう…
【メルザ】
大変!
すぐに助けないと!
大変!
すぐに助けないと!
皆さんお怪我は
ありませんか?
ありませんか?
【男性B】
キサマ…
なんていうことを…!
キサマ…
なんていうことを…!
【メルザ】
え…?
え…?
私はみんなを助けたい…
でも、みんなは
それを望んでない
それを望んでない
どうして…
【???】
アンタの自己満足
だからじゃない?
アンタの自己満足
だからじゃない?
【メルザ】
あ、あなたは…
あ、あなたは…
【メルザ?】
見ればわかるでしょう?
私はアンタよ
見ればわかるでしょう?
私はアンタよ
混乱
目の前に現れた自分の姿をした少女。その存在に心がかき乱される。
もう一人の自分
鏡映しのように同じ姿をした二人のメルザ。その一方から発せられるのは否定の言葉だった。
前へ
もう一人の自分が投げかけるのは言葉の刃。それを受けとめるメルザは…
【メルザ?】
アンタのやってる事は
自己満足
アンタのやってる事は
自己満足
そんな事
誰も望まない
誰も望まない
これまでのことは
全てアンタの偽善よ
全てアンタの偽善よ
【メルザ】
そんなことない!
そんなことない!
私は、みんなの幸せのために
破神を倒すの!
破神を倒すの!
【メルザ?】
それは本当にみんなのため?
それは本当にみんなのため?
自分のためじゃないの?
【メルザ】
ううん、違う
ううん、違う
みんなのため
世界のみんなのために
世界のみんなのために
私は破神を倒すんだ!
こんなところで
止まっていられない
止まっていられない
そこをどいて!
私は進むの!
私は進むの!
みんなのために!
そのために仲間を見つけるんだ!
そのために仲間を見つけるんだ!
誰がため
もう一人のメルザを倒した彼女は今度こそ迷いを振り切り前へと進む。
もう一人の自分を
倒したメルザ
倒したメルザ
その瞳からは、一時見せた
迷いは消えていた
迷いは消えていた
破神を倒し、みんなを救う
その考えの元に彼女は旅を続け
その考えの元に彼女は旅を続け
この後、求めていた
仲間にも恵まれる
仲間にも恵まれる
しかし、そんな彼女に
後に降りかかることになる
後に降りかかることになる
多くの苦難と
多くの絶望が…
多くの絶望が…