エピソード
パレード
オルダーナ帝国博物館に、ある1枚の写真が保管されている。
そこには、巨大な動物に乗った1人の女性が街中で人々の声援に答えている姿が写されている。
その女性の名はリラ。
神聖ロダール王国の第一王女で、破神との開戦を強く主張して人類側の勝利に大きく貢献したものの、自身は戦乱の中で悲運にもその命を落とした人物である。
この写真は破神との戦いが起きるずっと以前に撮られたもので、彼女が魔獣討伐より王城に帰還する際に行われたパレードの様子を写したものである。
ロダール王族の中でも珍しく民衆のために活動したリラは、弓術の達人でもあり、自らの親衛隊を率いて人々を困らせている魔獣を討伐すべくロダール大陸を転戦した。
そして、その遠征より戻ってくるたびに市民より熱烈な称賛を受け、この写真のようなパレードが行われたという。
人々のリラを慕う人気は凄まじく、ロダール大陸で国王の名を知らなくても、リラの名前を知らぬ者はいないほどであった。
そこには、巨大な動物に乗った1人の女性が街中で人々の声援に答えている姿が写されている。
その女性の名はリラ。
神聖ロダール王国の第一王女で、破神との開戦を強く主張して人類側の勝利に大きく貢献したものの、自身は戦乱の中で悲運にもその命を落とした人物である。
この写真は破神との戦いが起きるずっと以前に撮られたもので、彼女が魔獣討伐より王城に帰還する際に行われたパレードの様子を写したものである。
ロダール王族の中でも珍しく民衆のために活動したリラは、弓術の達人でもあり、自らの親衛隊を率いて人々を困らせている魔獣を討伐すべくロダール大陸を転戦した。
そして、その遠征より戻ってくるたびに市民より熱烈な称賛を受け、この写真のようなパレードが行われたという。
人々のリラを慕う人気は凄まじく、ロダール大陸で国王の名を知らなくても、リラの名前を知らぬ者はいないほどであった。
当初、リラの父であるロダール王は、彼女が自ら魔獣退治に乗り出したことを快く思わなかったとされている。
だが、彼女が多くの魔獣を討ち果たし、民衆から絶大な人気を得るようになってからは、むしろそれを推奨。同時に当初は民衆の間だけで行われていたパレードを、国を挙げてのものに変えていった。
だが、彼女が多くの魔獣を討ち果たし、民衆から絶大な人気を得るようになってからは、むしろそれを推奨。同時に当初は民衆の間だけで行われていたパレードを、国を挙げてのものに変えていった。
ちなみに、写真の中で彼女が乗っている巨大な動物は「パーヤオ」という。
ロダール大陸に生息する希少種であり、王国が直々に飼育。そして戦意高揚のパレードなどで、写真のように使われていた。
オルダーナがロダールを制圧した際、すでに王城にはこの動物はいなかったとされる。すでに絶滅したのか、それとも何者かが逃がしてどこかで野生化して生息しているのか、現在は不明である。
ロダール大陸に生息する希少種であり、王国が直々に飼育。そして戦意高揚のパレードなどで、写真のように使われていた。
オルダーナがロダールを制圧した際、すでに王城にはこの動物はいなかったとされる。すでに絶滅したのか、それとも何者かが逃がしてどこかで野生化して生息しているのか、現在は不明である。
親衛隊の成り立ち
パレードの写真では、王女リラの後ろには彼女の親衛隊の隊員たちが続いている。
親衛隊とは文字通り、リラの身を守るために結成された隊のことである。
親衛隊とは文字通り、リラの身を守るために結成された隊のことである。
この隊を発案したのは、隊長を務めたサーリャという女性で、写真ではリラに続いてパーヤオに乗っている姿を確認することができる。
彼女は元々王族縁戚の生まれであり、幼い頃はリラの遊び相手として、そして成長してからは警護の騎士として、その側で仕えた。
リラが民衆のため魔獣と戦おうとした際、サーリャは必死に止めようとしたが、すぐにその決心が揺るがないことを察知。そこで彼女が妥協案として提示したのが、彼女を守る部隊…つまりは親衛隊の結成であった。
彼女は元々王族縁戚の生まれであり、幼い頃はリラの遊び相手として、そして成長してからは警護の騎士として、その側で仕えた。
リラが民衆のため魔獣と戦おうとした際、サーリャは必死に止めようとしたが、すぐにその決心が揺るがないことを察知。そこで彼女が妥協案として提示したのが、彼女を守る部隊…つまりは親衛隊の結成であった。
リラの承諾を得たサーリャは、すぐに隊員の人選に取り掛かる。王女の身辺警護を請け負うため、基本的には身分がしっかりした者であることが原則であるが、一方で戦士としての技量も重視。“ハリボテの軍隊”にならぬよう、実戦でもリラを守れる人員を選抜する。
それにより最精鋭とまではいかぬものの、十分に実践ができる者、もしくはその素質がある者によって隊が構成された。
以降、サーリャと親衛隊たちは破神との大戦前、大戦中を通してリラに随行し、彼女とともに数々の戦場を駆け抜けることになった。
それにより最精鋭とまではいかぬものの、十分に実践ができる者、もしくはその素質がある者によって隊が構成された。
以降、サーリャと親衛隊たちは破神との大戦前、大戦中を通してリラに随行し、彼女とともに数々の戦場を駆け抜けることになった。
リラとサーリャは主従の関係であるが、幼少期からの仲のこともあり、サーリャはリラに対して厳しい諌言をすることが度々であった。
むろん、それは行動力がある反面、世間知らずなところもあるリラのことを思ってのことであり、リラ自身も彼女への信頼は終生揺らぐことはなかった。
だが、サーリャのそんな言動は周囲から無礼だと見られることも多く、彼女の態度を改めさせ、主従の関係をはっきりさせるべきだとリラに進言する者もいた。
そんな意見に対し、リラはこう返したという。
むろん、それは行動力がある反面、世間知らずなところもあるリラのことを思ってのことであり、リラ自身も彼女への信頼は終生揺らぐことはなかった。
だが、サーリャのそんな言動は周囲から無礼だと見られることも多く、彼女の態度を改めさせ、主従の関係をはっきりさせるべきだとリラに進言する者もいた。
そんな意見に対し、リラはこう返したという。
「いいのです。だってサーリャは私の“お姉さん”なんですから」