カットインとは、あるショット（画像）に別のショットを挿入する表現方法で、
ゲームでは特別な状況に表示されるイラストの事を差す。
こと、対戦格闘ゲームでは、
超必殺技やスーパーコンボ、ハイパーコンボ等といった大技を繰り出す際に用いられる事が多い。
主に超必殺技等の始動による暗転・動作一時停止時の間に表示される。
カットインの種類は様々で、キャラの表情が鮮明に判る様に目・顔のアップを用いたり、
また全身を表示させる場合もある。
対戦格闘でカットインを初めて導入したのは『
X-MEN VS. STREET FIGHTER』と言われており、
暗転にキャラクターイラストの上半身をカットインとして画面上部に差し込んだ事により、
ハイパーコンボの演出強化を図ったのが始まりとされている。
それ以降、同シリーズではキャラクターの全身をカットインで表示させたり、
同時に専用背景を合わせて表示させたり、キャラクター同士の顔半分を合体させて表示させたりと、
より演出面でも強化・進化を遂げていった。
これ以外の対戦格闘ゲームにも影響を与えており、やはり大技を繰り出す際の演出として
キャラクターの顔、もしくは全身をカットインで表示させ、演出強化に一役買っている。
『
MELTY BLOOD』のように1キャラに2種類のカットインが用意されていることもある。
またカットインは大技以外でも用いられる事は多く、
ジョジョの奇妙な冒険の様に、KO時のやられ演出として用いられたり、
北斗の拳では七星ゲージが無くなり
死兆星が輝いた時にキャラクターの表情が差し込まれる事もあったりする。
そしてキャラクターだけではなく、超必殺技の技名を表示させたり(
ギース・ハワードの『羅生門』等)、
そのキャラクターを象徴する漢字や文字を表示させるケースもある(
豪鬼の『天』や
殺意リュウの『滅』等）。
カットインは、そのキャラクターのいわゆる「攻撃準備」や「攻勢」をその表情や全身を使って表現出来るため、
キャラクター造形に関しても強い影響を与える事が可能なファクターともいえる。
また、『
アルカナハート』シリーズ（『2以降』）では下の画像のようにアニメーション効果まで付加されており、
他のゲームと比べても目を見張るものがあるだろう。
ほかには『BLAZBLUE』『ヴァンガードプリンセス』にもアニメーションカットインが取り入れられている。
MUGENにおけるカットイン
MUGENにおいても、様々なカットインを搭載する事が可能である。
原作重視のカットインは勿論、更に派手に演出を強化したり、専用背景を差し込んだり、
原作ゲームではカットインが付いていないキャラクターに付けてみたりと、
制作者の演出意図を理解できるポイントの一つとしても機能している。
中にはカットインを利用していわゆる「寸劇」を演じるものもあったり、
そのカットインのキャラクター自体が実は攻撃判定を持っており、相手を攻撃するといった、
ただの演出で終わらないのも魅力の一つである。
時にはそのカットインが試合を決めたりという波乱も巻き起こしたりと、
MUGENの拡張性を存分に活かした試合展開を作り上げる事も可能である。
また、壮大なカットイン演出を施したにも関わらず実はダメージが雀の涙であったり、
プレイ中、笑いを誘うようなインパクトの強いイラストを差し込んでみたりといった、
演出強化を逆手に取った楽しみを提供する場合もあったりする。
海外の制作者によるキャラクターのカットインでは、特に漢字を表示させる事に凝る物が多く、
いかにも『格好良い』、『強そう』といったイメージの漢字を用いる事が多いようである。
たまに変な字が出る場合もあるが
ただ、あまりやりすぎると試合のテンポが悪くなる場合もあるので、
カットインは出来るだけ集中した時間で簡潔にまとめる事が必要である。
カットインを搭載する場合には、演出意図を決め、
どのように表現するかという目的を持って製作するといいだろう。
- 北斗の拳（究極奥義、一撃必殺奥義、死兆星点灯（やられた側））
- BASARA（BASARA技、一撃BASARA技）
- ジョジョ（スーパーコンボ、タンデム、スーパコンボKO（やられた側））
- アルカナハート（超必殺技、クリティカルハート）
- MELTY BLOOD（EXエッジ、アークドライブ、アナザーアークドライブ）
- MVC（ハイパーコンボ）
- KOF2002UM（MAX2）
- 多数のオリジナルキャラ（超必殺、特定やられ等）
そしてMUGENオリジナルキャラとなるとこんなけしからんものも…。
| なぜそんなカットインにした |
だからサムネの方が気になると |
際立ったカットインは、動画サムネはもちろん大会やストーリーでもドラマティックな演出を盛り上げたりと、
キャラクターの注目度アップにもなる要素のひとつである。
