MARVEL VS. CAPCOM

概要

『MARVEL VS. CAPCOM』はカプコンが発売した2D対戦格闘ゲーム。
カプコンとアメリカの大手アメコミ会社「マーベル」とのクロスオーバータイトルとして製作されたシリーズである。

なお、この項では「VS.マーヴル・シリーズ」として、
  • 『X-MEN VS. STREET FIGHTER』
  • 『MARVEL SUPER HEROES VS. STREET FIGHTER』
も合わせて解説する。



X-MEN VS. STREET FIGHTER

1996年に、CPシステムII基板にて稼働。
略称は『エクスト』『メンスト』『ペケスト』『XMVSF』『XVS』など。

マーベル・コミックの代表作『X-メン』の登場人物と、
カプコンの代表作『ストリートファイター』(主に『ストリートファイターZERO』)シリーズのキャラクターが共闘した初の作品。
なお、『ストリートファイター』のキャラクターが複数登場するのに単数形なのは
「ゲームとしての『X-MEN CHILDREN OF THE ATOM』と『ストリートファイター』両タイトルの対決」という図式であるためである。

前々作『X-MEN CHILDREN OF THE ATOM』において、
あくまでお遊びに近い隠しゲストキャラとして『ストリートファイター』シリーズのキャラである豪鬼が登場した事で、
マーヴル側から「どうせなら完全にクロスオーバーさせては」との意見が出て、本作が誕生した。
他社のキャラクターがクロスオーバーする事に慣れているアメリカンコミックならではの発想である。

なので実は事の発端はカプコンではなく、マーベルサイドからの提案で出来上がったタイトルなのである。
そのため当初は「何故『ストZERO』のキャラクターと闘う事になったんだ?」という、
クロスオーバーをさせる意味が不明な点もあり、稼働当初は好奇な目で見られたタイトルであった。
ちなみに上記の経緯からか、豪鬼はキャラクターセレクト画面でX-MEN側とストリートファイター側の境目に隠されて配置されている。

2対2のチーム戦で戦闘は一度に画面に4人が出るわけではなく基本は1対1。
しかし好きなタイミングで交代が可能で、プロレスのタッグマッチに近い形式で行われる。

しかし、エリアルレイヴといった空中コンボ、派手にアレンジされた必殺技ハイパーコンボ
発動時におけるキャラのカットインや時間や状況に応じてのステージ変化といった、
見栄えのいい魅力的な要素もあり、それなりのプレイヤーを獲得する事ができた。
そして日本以上に実は海外での人気が高く、続編が作られるきっかけとなったタイトルである。

なお、エリアルフィニッシュ(主に強属性)技は、
キャラクターによって横方向へ吹き飛ばす属性または下方向へ叩き付ける属性のどちらかであるが、
前者の性質を持つキャラは所謂永久パターンに持ち込めるある意味世紀末な仕様であった。
というか、難易度の高いものや特定のキャラ限定で入るものも含めれば、一応全キャラが永久持ちであった。
極めきったプレイヤーならば、画面中央で何かが刺さればそのまま画面端まで運んで永久。
その後の2人目に対しても、出てきた所に攻撃を重ねてそのまま永久と、開幕から20割が飛び交う世紀末永久コンボゲーと化していた。
後に出た移植版ではいくつかの永久ができなくなっていたが、それでもまだかなりの永久が残っていた。
そのため、このゲームを振り返る際、永久ゲーという文脈で語られる事も多い。

PS移植版『EX Edition』では性能の限界で交代が廃止され、普通のラウンド制バトルでパートナーがアシスト専用になっている。
代わりに独自要素としてハイパーコンボをハイパーコンボでキャンセルするハイパーキャンセルが追加。以降のPS版も同様の仕様。

登場キャラクター

シークレットキャラクター(隠しキャラ)は無し。
ただし豪鬼は普段は表示されておらず、見た目上の最上段からカーソルを上に動かす事で選択できる。
また、本作に限りスタートボタンを押しながら春麗を選択すると、『ZERO』のジャージ服に変わる。
X-MEN
ストリートファイター
ボスキャラクター
アポカリプス中ボス


MARVEL SUPER HEROES VS. STREET FIGHTER


1997年に、CPシステムII基板にて稼働。
略称は『マヴスト』『MSHVSF』『MVS』など。

前作『X-MEN VS. STREET FIGHTER』同様の2対2のチーム戦で、スーパージャンプやエリアルレイヴなど、基本のアクションについても概ね前作同様である。
通常、4本の体力ゲージと2本のハイパーコンボゲージが画面には表示され、体力ゲージは各キャラごとに1本ずつ、
ハイパーコンボゲージはチームごとに2人で1本を共有しており、3レベルまで溜められるというシステムになっている。この点も前作通り。
本作からチームの1人を倒すと、その場でキャラが消える仕様に変更されたため、ゲーム展開がよりスピーディーになった。

前作で問題のあった永久エリアルレイヴは全て必ず下方向へ叩き付ける属性となったため、永久の難易度が上がった。

また本作は、テレビ番組『とんねるずの生でダラダラいかせて!!』(日本テレビ)との連携企画から生まれた新規キャラクター、
憲磨呂のおかげで世間にその名を広めたという、メディア戦略の効果を受けたタイトルとなった。

登場キャラクター

MARVEL
  • 通常キャラクター
  • シークレットキャラクター
ストリートファイター
  • 通常キャラクター
  • シークレットキャラクター
ゲストキャラクター
ボスキャラクター


MARVEL VS. CAPCOM CLASH OF SUPER HEROES


1998年2月に、CPシステムII基板にて稼働。
略称は『マヴカプ』『MVC』など。

シリーズの進化形として、カプコンはキャラクターの枠組みを『ストリートファイター』に絞らず、
過去のカプコンキャラクターまでに範囲を広げて、本格的な「メーカー同士の対決」を全面に押し出す形となっている。

またシステム面では基本的な物やチーム構成やルールを踏襲しつつ、スペシャルパートナーと呼ばれる専用のキャラクターを呼び出せるようになっている。
ゲーム開始時にメンバーを2人選んだ後スペシャルパートナー選択用のルーレットが出現し、これでスペシャルパートナーを選ぶ事になる。
なお、通常のルーレット選択の他にも特定のコマンドによりパートナーを選択したり、相手が使用していたパートナーを奪う形で変更できる。
また攻撃面での新システムとして、一定時間パートナーと同時に攻撃を行うヴァリアブルクロスがある。
効果時間中はほとんどのハイパーコンボが無制限に使用できるが、Lv3専用ハイパーコンボ
(本作で該当するものはリュウの「瞬獄殺」、ザンギエフの「ウルトラファイナルアトミックバスター」、モリガンの「エターナルスランバー」の3つ)、
スペシャルパートナー、一般の協力攻撃は一切使用不可となっている。

余談として、カプコンのアーケードタイトルで初めてBGMボーカル曲が採用されたタイトルでもある。

基本システム

操作系はレバー+6ボタン(弱・中・強パンチ×キックの6種類)。
最大ゲージは3本。
1ラウンド2対2の交代制タッグバトルであり、ボタンで操作随時交代可能、
待機中のキャラクターはヴァイタルソース分のライフを回復できる。
スーパージャンプ
普通のジャンプよりも高く飛ぶ。
落下中はある程度自由に操作が可能。
チェーンコンボ
タイミング良く通常攻撃ボタンを押すと、キャンセルがかかって連続ヒットする。
アドバンシングガード
ガード中にパンチボタン複数同時押しする事で使用可能。
攻撃を押し返して間合いを離す。
また、アドバンシングガード後のガード硬直時間は常に一定なので、
それを利用してガード硬直が長い攻撃に対してアドバンシングガードを行う事によって、
抜け出しや反撃を行うというテクニックが存在する。
エリアルレイブ
通常技のどれかが開始技となっており、前述のチェーンコンボから繋げるのが一般的。
ヒット後は↑入力で自動的にスーパージャンプし、浮いた相手を追いかける。
空中にいる相手にもチェーンコンボ(からのキャンセル必殺技、超必殺技)が可能であり、マヴカプを象徴する派手なコンボと言える。
ヴァリアブルクロス
パワーゲージが2本以上ある場合に発動可能。
発動後はパートナーと同時攻撃が可能になる他、Lv3を除いたハイパーコンボが無制限に使用可能となる。

登場キャラクター

MARVELサイド
  • メインキャラクター
  • シークレットキャラクター
CAPCOMサイド
  • メインキャラクター
  • シークレットキャラクター
ボスキャラクター
オンスロート(ラスボス)

スペシャルパートナー(アシスト専用)

MARVELサイド
CAPCOMサイド
名無しの超戦士1P、ルー&アカビー、アーサー想鐘サキ東風デビロット一味アニタ
魔法使いピュア&ドラ猫ファー、ミシェルハート、シャドウ(隠し)


MARVEL VS. CAPCOM 2 NEW AGE OF HEROES


2000年3月に、セガの汎用アーケード基板「NAOMI」にて稼働。
略称は『マヴカプ2』、『MVC2』など。

本作では、これまでのシリーズ作品のキャラクターがほぼ総登場し、使用可能キャラクターの総数は56人という大作となっている。
これは「最終作としてプレイヤーに未練を残させたくなかったため」としている他、
「マーベルから『アニタ、憲磨呂を除く過去作のキャラ全員の登場』を要請された」という話もある。

キャラクターの多さに伴って、従来のVS.シリーズの2on2による対戦から3on3による対戦へ変更している。
そして操作系も6ボタンではあるが、攻撃には4ボタン、残り2ボタンはアシスト専用に割り当てられている。
これまでのシリーズでも少なからず存在していた「ハメ」に近い攻め手や、
アーケードゲームではタブーとされる永久コンボ・即死コンボが、
特に本作は露骨なまでに発見・強調されてしまっている。
しかし実際実戦レベルで相手を倒せる永久を持っているのはアイアンマンだけであり、
ハメに関しては対策を知っていれば簡単に抜けられる通常行動の一部である。
またキャラクターの相性や性能も極端であり、通常のプレイではまず「詰み」になってしまうようなキャラの組み合わせもある。
それに「ヴァリアブルアシスト」も、対地・対空を選択できる細かい設定が可能となったが、
それが凄まじい性能を誇るキャラが多数発覚して、一旦捕らえればアシストを絡めた一方的な試合展開に持って行ける事もある。

以上の点を挙げて「ゲームバランスが悪い」と酷評される事が多いが、
自由度の高い「ヴァリアブルアシスト」を利用した立ち回りや、大味さと緻密さを併せ持つチーム単位での戦術面はマニアックな支持を受けている。
また、日本よりも米国での人気が高くゲームへの研究が盛んで、
米国では格闘ゲームの全国大会「EVO」の種目として毎年選ばれているほどの人気を誇る。
悪いと言われるバランスも、ゲームの基本部分が丁寧でしっかり作られているため、
最上位数チームを構成する数キャラ数アシストとそれ以外の要らないキャラから構成されるチームで分けて対戦すれば、バランスの取れた対戦を楽しむ事ができる。
そもそも最上位キャラを適当なチームに組み込んだとして必ずしもチームが強くなるという訳ではない。
同クラスの対戦だけでも面白ければ延々遊べるゲームの典型で、
上澄みの対戦が面白ければ長く遊べるという例に漏れなかったある意味カプコンらしいゲームである。

なお、本作ではキャラクターの台詞やエンディングのエピローグなど、ストーリーに関する情報が殆どと言っていいほど無い。
これはNAOMIで当時使われていたROMボードが最大128MBで、その大半をキャラクターのドットアニメーションやエフェクトに費やされており、
他の情報を入れるには容量不足となってしまったためだと言われている
(後にメモリマネージャの改良やフラッシュROMの増量などで、使用容量上限が上がっている)。
この1年後にはGD-ROMシステムが登場しているので、間に合っていたらこれらの情報も補完されていたかもしれない。

基本システム

前作までとはシステムや操作方法が大きく変更され、
弱・強×パンチ・キックの4ボタン+待機しているキャラの援護×2の6ボタンとなった。
1ラウンド3対3の交代制チームバトルで、最大ゲージは5本に増加。
従来同様待機中のキャラクターはヴァイタルソース分のライフを回復できる。
ヴァリアブルアシスト
パートナーボタンを押す事で対応したパートナーが出現、必殺技を繰り出し、去っていく。
使用回数に制限は無いが、使用した時点でヴァイタルソースが消滅する。また攻撃の間に攻撃を受けた場合はダメージを受ける。
本作から「タイプα」「タイプβ」「タイプγ」の3種類からアシスト技を選択できるようになった。
ハイパーキャンセル
必殺技をハイパーコンボでキャンセルできる。
今となってはごく当たり前のようなシステムであるが、意外な事にマーヴルシリーズでこのシステムが採用されたのは実は本作が初めてである。
ディレイドハイパーコンボ
ハイパーコンボの動作中に次に待っている控えキャラクターのハイパーコンボのコマンドを入力する事で、
そのキャラクターがハイパーコンボを出しながら登場。
次のハイパーコンボを撃った時点で前のハイパーコンボを撃ったキャラクターは動作を中断し、控えキャラクターとなる。
気絶システム
コンボで通常攻撃を一定回数以上受けると無敵状態で吹き飛び復帰する。
前作と比較して気絶蓄積の条件などの調整がなされているが、
実戦レベルで相手を気絶させられるコンボを決められるキャラは殆どおらず、上位キャラではマグニートーとアイアンマンだけである。
上記2キャラを除けば対センチネル限定永久等が挙げられる。

登場キャラクター

AC版と家庭用で初期出現キャラクターが異なっていた為、隠しキャラクターの区別は省略する。
Xbox 360版とPS3版は最初から全員出現済み。
MARVELサイド
CAPCOMサイド
ボスキャラクター
アビス(最終ボス)


MARVEL VS. CAPCOM 3 Fate of Two Worlds


前作の2から10年ぶりの続編。
プレイステーション3及びX-BOX360の家庭用機専用タイトルとして2011年2月17日に発売された。
略称は『マヴカプ3』、『MVC3』など。

『ストIV』や『タツノコVSカプコン』同様に本作も2Dドットから3Dポリゴンへと表示方法が変更されている。
キャラクター選出は前作と比べて少なめにはなったが、デッドプール等といった渋めのチョイスや、
カプコンサイドもダンテウェスカーアマテラスといった、ファンの心をくすぐるチョイスとなっている。
イラストもこれまでのカプコン色の強いものから、
KOF』シリーズなどでお馴染みの森気楼氏を起用する事でアメコミテイストにシフトしており、独特の陰影と配色で描かれている。
本作ではカプコンサイドのキャラに限りボイスの日英切り替えが可能になっている。
デフォルト設定は出典元作品の音声仕様に準ずる。

双方のネットワーク配信システムから、ジル・バレンタインシュマゴラスが配信専用キャラクターとしてリリースされているが、
当初予定されていた追加キャラクター配信は行われず、コスチューム配信も殆ど行われなかった。
ネットワーク対戦の観戦機能を追加すると公式からアナウンスがなされたが結局音沙汰無しであるなど、
マッチングシステムや不親切なユーザーインターフェースを含め、
完全版を出す前の未完成版としての印象が拭えない印象をユーザーに与え、オンライン対戦は半年を待たず過疎化してしまった。

発売から9ヶ月後の2011年11月17日に、アッパーバージョンとなる『ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3』が登場。
PS3とXBOX360、そしてPSVitaでの発売となる。
特にPSVは本体と同時発売のローンチタイトルとして発表されている。
ゲームバランス調整はもちろん、登場・勝利時の字幕の追加、対戦時観戦機能の追加、特殊な対戦モード、更なるキャラクターの参戦もある。
コスチューム配信も追加キャラ含めて全キャラ分行われた。
ただし、諸般の事情でマグニートーだけは配信されなかった。詳細は当該項目にて。
2016年末には『INFINITE』の発表に合わせる形でPS4ダウンロード版も登場。
後発という事もありフルHD・60F対応に加えかつて配信されていたDLCの標準搭載(ここでもマグニートーは除く)、
更には海外でのみ発売された公式資料集の閲覧も可能な豪華仕様になっている。
2017年3月に同様の仕様でXBOX ONE版とパソコン版が配信され、PS4パッケージ版も発売された。

半年に渡る音信不通の期間を経て、
しかも有償バージョンアップ非対応でパッケージ販売のみ(同時期ネットワーク環境に大打撃を与える事件が頻発したという事情はあった)という仕様に、
販売前の不満やゲームバランスへの不安の声は続出したものの、結果的に見ればゲーム内バランスは劇的に改善された。
上位キャラと下位キャラの差は相変わらず激しいものの、チーム対戦やXファクターといった要素によってそれらの差を上手く丸め込む事に成功。
現時点ではレイレイ以外のどのキャラでもしかるべきチームを組めば活躍する見込みがあるとされる。
実際、下記にある全米大会にて日本のとある有名プレイヤーが、その当時では「普通はありえない」と言われる程の地雷チームで優勝した事もあり、
一部キャラランクに変動(中には大暴落をしたキャラも……)が起きたという逸話がある。

シリーズ、特に前作『MVC2』の圧倒的な米国人気から海外人気が高い作品であるが、
2011年、2012年と日本人が全米大会で優勝し、格闘ゲーム界に大きなムーブメントを巻き起こした。
その余勢を駆ってか、国内での格闘ゲームの祭典『闘劇』にノミネートされる。
これはAC版の無い、完全家庭用オンリーのゲームとしては初の快挙である。

登場キャラクター(五十音順)

MARVELサイド
CAPCOMサイド
ボスキャラクター
ギャラクタス(ラスボス)

基本システム


前作から更にシステムや操作方法が変更されている。
弱・中・強攻撃・エリアル始動の4ボタン+控えキャラのアシスト×2の6ボタンである。
1ラウンド3対3の交代制チームバトルで、最大ゲージは5本で 待機中のキャラクターはヴァイタルソース分のライフを回復できるのは変わらない。

ヴァリアブルアシスト
基本的には前作『MVC2』と変わらない。
ただし、アシストが相手の攻撃に巻き込まれてしまうと、通常の1.5倍のダメージが与えられてしまう。
本体と共に攻撃を食らってしまうとそのまま2体とも倒されてしまう事も。
また上級者同士の戦いでは、アシスト確認からの発生の速いビームや無敵突撃系HCでそのまま倒されてしまう。
このため、前作よりもアシスト出す時は気を配る必要がある。
『MVC3』時代は無敵のあるアシストが猛威をふるっていたが、
『UMVC3』では無敵のほとんどが削除され今までのようなアシストボタン擦りができなくなっている。
チームエリアルコンボ・チームエリアルカウンター
エリアル中にレバー上下左右のいずれか+エリアルボタンを押すと控えキャラに交代しエリアルを継続できる。
これがチームエリアルである。
交代回数は2回までであるが、控えが一人でもいれば2回行う事が可能である。
この時入力するレバー方向によってによって効果が異なる。
  • 上 :相手を上に打ち上げつつダメージが高くなるが、ゲージはあまり増えない
  • 下 :相手を地面に叩き付けバウンドを消費しゲージが一本増えるがダメージは小さい
  • 左右:二つの中間の性能(『UMVC3」からは相手ゲージが減少)
チームエリアルが成功した場合相手の受け身不能時間が変更され、
通常のエリアルでは繋がらないコンボが繋がるようになり、ダメージとゲージをより多く回収する事ができる。

チームエリアルコンボをされている側は
相手がレバー+ボタンを押したと同時に同じ方向のレバー+ボタンを押せば相手を弾き飛ばしコンボを中断させ、
相手に小ダメージを与える事が可能である。
これがチームエリアルカウンターである。
上下は正確に押す(8または2のみ)必要があるが、左右については相手が左を押していても上下以外に倒していればカウンターが可能。
また、見てから反応でなくても、コンボされている間中ずっと連打していてもカウンター可能である。
ゲージの重要性が高いゲームであるため、自身と相手のゲージ状況とキャラを見つつ、下か横チームエリアルを対策するのが一般的である。
例:自身がフェニックスを入れている場合、相手はゲージを減らすため横チームエリアルを狙う可能性が高い

非常に簡単に言うと、相手にコンボを抜ける可能性を発生させるがダブルアップが狙える、というシステム。
リターンがデカい上に実質4択
(チームエリアルを抜けるためにSボタンを連打している事を読んでコンボを止め、Sを漏らした所で補正切り、という4択目が存在する)
という脱出困難さと、コンボがそこで途切れるという特大のリスクを背負う非常に大味かつ読みあいの無いただの運任せなシステムであり、
かつシステムで対策したはずの永久やらチームエリアルすかしチームエリアルなどバグの温床でもあるため、プレイヤーからの評判はあまりよろしくない。
よろしくない筈だったのだが、『UMVC3』では性能の些細な変化だけで特に変更もなかった。なんでやカプコン。あとエイティング。
X-ファクター
弱中強+エリアルボタンを同時に押す事で発動。
効果の作用は多数に上るが、簡単に言うと、
補正面を含んだ攻撃力とスピードがメチャンコ上がった状態で強制的にニュートラルに戻るって感じ。
何だそれ!とか言われてもそういうゲームなんで悪しからず。

Xファクターにはレベルが設定されており、その効果は残り人数に比例して強大化、ラスト一人からでも逆転が可能になる。
発動が可能なのは自身が攻撃を食らっていない時で地上にいる時ならいつでも可能(UMVC3からは空中でも)
単純に自身の必殺技や超必殺技をキャンセルしてコンボを伸ばしたり、速度上昇でファクター専用のコンボルートを辿ったりできる。
また、通常では0.1程度の最低ダメージ保証倍率が発動中のみ全キャラ共通で0.35に引き上げられる。
これと高い攻撃力補正が合わさって、発動中は火力が低いキャラであっても非常に高いコンボダメージを叩き出せる。
防御面に関してもガード中に発動し無敵技で切り返すなどガーキャンの様な使い方もできるし、
単純に削り無効、通常控えに居ないと回復しないヴァイタルソースが回復すると防御面の恩恵も大きい。
特に「削り殺し」があるゲームなので、キャラを守るためのXF、という場面も見られる。

攻撃力と速度の増加率はキャラごとに異なっており、
XFLv3(ラスト一人)時にMVC3では攻撃力ならば1.5倍~2.3倍という開きが、
速度については一部キャラは補正がない事もあった。
『UMVC3』では改めて数値が調整され、
攻撃力は例えばラス1状態では150~200%、速度上昇はそれに反比例する形で150%~100%」に、
つまり速度と攻撃力の合計が元キャラの2倍になるようになっている。
一部例外も居るが、この上昇率自体はほぼ全キャラ共通になっており、『MVC3』時代の格差は無くなった。

『MVC2』時代、あまりにも1人倒された後の逆転性が無さすぎるという点が問題視され搭載されたシステムであり、
格ゲー史上最強の共通システムとも呼ばれる、1戦に1度限定の正に「最後の切り札」
3対1という絶望的な戦力差と体力差を返す為のシステムだけあって、その性能は他に類を見ない。
元々コンボ偏重のゲームバランス、キャラ火力の高さにXFというシステムが加わった事で、
ドラスティックな試合展開が演出される事も多数。
『MVC3』というゲームの派手さ、悪く言えば大味さを象徴する存在である。
復帰時間の減少
過去作での永久コンボ対策として、
コンボヒット数が多くなるにつれて相手の仰け反り時間や受け身・ダウン復帰時間が短くなり、コンボが繋がらなくなる。
また、地面バウンドや壁バウンド、崩れなどは1コンボ中に2回以上行おうとすると復帰時間が非常に短くなり、
バウンドと同時に技を重ねない限りは繋がらない事が多くなる。
ただし一部の受け身不能技についてはそちらが優先される。
これにより、ループコンボ自体は多数(特に高レベルのXファクター発動中)存在するものの「永久」は存在し得ない
……という建前になっている(実際には永久は存在する。ただし先述のチームエリアルに存在するバグを利用するもの)。
……というシステムはあるもののゲームスピードが遅くなっている事もあり、コンボで拘束される時間は従来のシリーズと比べ長くなっている。
そのため基本コンボが前作の永久コンボより長い元々受け身やダウン復帰不可時間が長い攻撃でコンボされて即死するなどは日常茶飯事である。
ループコンボについてはトッププレイヤーでも落とすほど激ムズだったり、Xファクター発動中限定だったり、
強化型HCの発動が必須だったりするため、割と野放し状態である。
特にXファクター中はよほど相手の体力が高くない限り基礎コンの方が手っ取り早く倒せるため、
ループコンボに行かない方がいいというケースも多数。
補足:特殊な仕様-補正切り ※UMVC3では削除
永久や一部キャラの調整をアップデートによって修正されていたが、
これについては『MVC3』では最後まで修正されなかったため仕様ではないかとされている。
喰らい判定を持続させたままディレイドハイパーコンボで相手に攻撃を当てないように交代する事で補正が切れるというものである。
補正が切れた場合、相手の吹っ飛び方が非常に大きくなるのが特徴である。
これは喰らい判定が持続しているため受け身を取れないが、
内部では受け身を取った事になっているため補正が切れてしまっている、とされている。
補正切りのメリットとしてはダメージ増加以外に、
復帰時間減少がリセットされているためコンボが容易に繋がる事(ただしバウンド消費はリセットされない)、
通常コンボをするためゲージを回収できる事などが挙げられる。
主な方法としては、投げや当身以外のロック技のHCを途中で当身や強化、コマ投げなどでディレイドしその後コンボを繋げるというものである。
また、始動要員は、一部のロック系通常必殺技の後HCを撃ち最速でディレイドする事でも可能
トロン・ボーン マグニートー ダンテなど)であり、
補正切り要員は相手に攻撃を当てなければ通常HCでも可能である。ただし、若干難易度が高い。


MUGENにおけるMVCシリーズ

ダイナミックな攻撃方法、そしてアメコミキャラクターの対戦格闘化という事で、どちらかと言うと海外製のキャラクターが多いのが特徴と言えるだろう。
特に、原作ゲームで登場しないアメコミキャラクターを格ゲーキャラ化したいという願いを反映できる事もあり、
マニアックなキャラクターをこのシステムをベースとして製作されるケースも多い。
原作再現、アッパー調整と、多種多様なキャラクターメイクも特徴的と言えるだろう。
また『MVC』のダイナミックな攻撃やシステムでも注目される事も多く、『MVC』に参戦していないキャラクターや、
他の対戦格闘ゲームのキャラクターが、『MVC』のシステムにアレンジされる事も多い。
全てにおいてインパクトを与えるキャラ造形、システムメイクができるタイトルとして注目されている。


最終更新:2023年03月07日 02:07