「命というのは尊いものだ 大切にしなければ」
漫画『
鬼滅の刃』の登場人物。名前の読みは「どうま」
決して「わっぱみがき」ではない。
鬼舞辻無惨に仕える
鬼にして、幹部格「十二鬼月」のナンバー2である上弦の弐の称号を持つ。
アニメの担当声優は
多くの視聴者から概ね予想されていた
宮野真守
氏。
『
遊郭編』のラストに
妓夫太郎の回想という形で初登場。この時は名前が明かされず「当時の上弦の陸」と書かれていた。
上弦の鬼の中では、先に鬼となった
猗窩座を追い超して上の階位に到った程の実力者であり、
加えて同じ上弦の鬼となる妓夫太郎をスカウトするなどの成果を上げている。
人の命を何とも思っていない残忍な立ち振る舞いは鬼らしいが、
同胞である鬼はもちろん人間相手でも異様に明るく馴れ馴れしい態度で接し、
時には相手の苦悩や努力を認めて涙を流しながら褒めたたえる等、妙に感情表現が豊か。
……が、その態度は本当に他者への敬意や思慮からくるものではなく、
むしろ相手の心情を全く慮ることなく、ナチュラルに他人を見下す破綻した精神の持ち主。
自分より目上である
黒死牟にすらこのような言動で接しており、
あまり仲が良くない上弦の鬼の中でも特に他の同胞からの好感度が低い。
無惨も一応替えの効かない手駒の上弦として手元に置いていたものの、内心「あんまり好きじゃない」とウザがっていたらしい。
*1
挙句、階位で下の
鳴女からも割と冷淡に扱われていたりする。
唯一
玉壺だけは彼から壺を貰うなど、比較的という前置きは付くが、上弦の中ではまだ親しい方だった
(貰った壺は過去に捕食した女性の首を入れているらしく、過去の回想では壺に入った女性の首を愛でる姿が描写されている)。
その実態は、良心の呵責や他者への共感性が全くと言っていいほど存在しない正真正銘のサイコパス気質であり、
人間時代から「不快」以外の感情らしい感情を一切持ち合わせていない、鬼になる前からの生まれついての精神異常者である。
この歪みと持ち前の才能が合わさって、どんな相手でも無自覚に見下しており、
前述した異様な馴れ馴れしさや大仰な感情表現で他人の神経を逆撫でする様も、
恐らくそもそも他人の心境を理解出来ないのに、相手に寄り添った反応をしようとするが故のズレによるものと思われる。
ただし、利己的な考えが希薄で、自分の損得にすら執着が無い点だけは一般的なサイコパスと異なる。
しかし、妓夫太郎の敗北を詫びるために眼を差し出そうとしたり、生前父親から引き継いだ教団の神に無惨を掲げたり、
後々のために
毒や
剣士の情報収集を行うなど、無惨への忠誠心は本物である。
扇を起点として、
冷気や氷を操る血鬼術を用いる。
大規模な氷結攻撃から目に見えないレベルの微細な霧状の冷気として散布するなど幅広く調整可能で、
さらに氷には童磨の血液が含まれており、吸い込むと肺胞が壊死してしまうため、
呼吸を使う鬼殺隊にとっては初見殺しの致命傷となる。
また、人の感情を理解こそしていないが、経験則故か相手の感情を逆撫でし煽る事で相手の冷静さを奪う戦法を取る事もある。
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来歴 |
元々は「万世極楽教」という新興宗教団体の教祖夫婦の子として生まれ、日本人離れした特異な容姿に加えて高い知性を併せ持っていたため、
「神の声が聞こえるに違いない特別な子」とみなされ勝手に祭り上げられ、宗教の人心掌握に利用されてきた過去を持つ。
神の声など一度も聞こえなかった童磨からしてみれば、自身が妄想と断じる概念を盲信している両親や、
退屈極まりない身の上話をしては救済を求め涙を流して縋ってくる大人達など愚か以外の何者でもなく、
「こんな単純なこと(神はいない事実)を何十年生きてても理解できず、受け入れられない頭の悪い可哀想な人達」と憐みから涙を流して見下すなど、
賢すぎたことと見苦しい人間に接し続けた故に、共感性が希薄で歪んだ憐憫と傲慢に染まった人格を形成するに至った。
後に色狂いの父が信者の女に手を付け続けたことで、半狂乱状態となった母が父を滅多刺しにして殺害する事件が起き、
母の方も直後に服毒自殺を遂げたのだが、童磨がその凄惨な光景を見て感じたのも、
両親を亡くした悲しみでも、愚かな両親から解放されたという喜びでもなく、
「部屋を汚さないで欲しいなぁ」「血の匂いが臭いから早く換気しなきゃ」という不快感のみであった。
彼の精神的歪みは生来の物だが、周囲の環境もまたそれを矯正できなかった要因でもある。
しかし生来賢かったので耳障りの良い言葉を与えては信者達から信仰され続け、20歳の時に無惨と出会い、
彼を生まれて初めて出会った「神」と崇め、自ら望んで鬼にしてもらったとのこと。
以降は万世極楽教を無惨を神格として崇める団体に改め、表向きは教祖として活動しつつ集ってくる信者を秘密裏に喰う餌場とするようになる。
童磨はこれらを、愚かな行為に勤しむ人間達を苦しみから解放するために喰らい、
自らの一部として永遠の存在にしてやることで救済するという「善行」と本気で考えながら行っていた。
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ネタバレ注意 |
実は胡蝶しのぶと嘴平伊之助にとって身内の仇である。
しのぶの姉であるカナエが鬼に殺されたことは言及されていたが、その当事者が童磨であった。
本来は喰うつもりだったようだが、致命傷を負わせたものの逃げられてしまったらしい。
そして、伊之助の母である琴葉を殺し、彼が孤児になる原因を作ったのも童磨であった。
琴葉は、夫や姑による家庭内暴力に晒され続けた末、救いを求めて生まれたばかりの伊之助を連れて万世極楽教に身を置いており、
童磨も彼女を気に入ったのか喰わずに手元に置き続けるつもりだったのだが、人食いの現場を見られたことで逃げられてしまう。
そのため逃げた彼女を追跡して喰ったのだが、その前に琴葉は逃げ切れないと考えせめて伊之助だけでも助かるようにと、
一縷の望みを賭けて息子を崖下に投げ落としたのである。
無限城編ではしのぶの仕込み刀の毒を悉く適合して無力化する形で全く寄せ付けず喰らい、一歩遅れてやってきた栗花落カナヲ、そして伊之助と交戦。
素顔に琴葉の面影があったため伊之助の身の上に気付き上記の出来事を教え、伊之助ををしのぶと母の仇と奮起させるが、
童磨はまともに戦おうとはせず、高所に逃げて「結晶ノ御子」を繰り出し、
窩座が炭治郎に倒されたことで時間が無くなってきたこともあり無数に生まれる氷の分身に2人の処分を任せてその場を去ろうとする。
だが、先刻喰らったしのぶは自身の敗北を見越して自分の身体に致死量の700倍もの藤の花の毒を仕込んでおり、
その毒がこのタイミングで童磨の全身に回り、これには流石に適合できず身体が崩れだしてしまう。
一気に戦局が逆転した童磨は最後のあがきとして血鬼術「霧氷・睡蓮菩薩」を繰り出すが、
技の精度の低さから苦し紛れの技だとカナヲに見抜かれ、自身の眼が潰れるリスクがある大技の花の呼吸・終の型「彼岸朱眼」により、
動体視力を極限まで上げたカナヲに頸を切る一歩手前まで詰め寄められてしまう。間一髪でカナヲの身体を凍らせて動きを止めるも、
その後ろから伊之助が放った獣の呼吸・思いつきの投げ裂きによって刀が押し込まれ、遂に童磨の頸は切断されたのだった。
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なお、本人の自己申告によれば探知探索は不得意との事。
事実童磨の血鬼術は実際に交戦する事での実戦調査に長けており、隠密活動を主とした探知には向いていない。
スピンオフの『鬼滅学園』では詐欺師として登場する。
本編同様、本名や実年齢等のプロフィールは不明。
髪がピンクと緑のグラデーションの女性に結婚詐欺を持ちかけようとしたのを最後に消息不明になった。
MUGENにおける童磨
Sebastião氏による、『
JUS』風
ドットを用いた
MUGEN1.0以降専用の
ちびキャラが公開中。
ちびキャラながら遠近共に広範囲攻撃が多いのが特徴。
また、地面を凍結させて相手をスリップさせるな
設置技などもあり、力押しだけでないテクニカルな攻め方が可能。
超必殺技は自立稼働する分身を生み出す「結晶ノ御子」や広範囲攻撃「霧氷・睡蓮菩薩」がある。
AIもデフォルトで搭載されている。
出場大会
無惨と言ったら下弦へのパワハラ会議や、無限列車直後の猗窩座への仕打ちのインパクトが強すぎて大体の部下を蔑ろにしている印象が強いものの、
向上心や忠誠心が高い者、相応に仕事をこなせる者は内心では高く評価していたりする。
特に上弦に対しては100年間も顔触れが変わらない有力な鬼揃いということもあって「お気に入り」と評する鬼も結構多く、
あの心身ともに醜悪で支離滅裂な言動の半天狗ですら「たまにうざく感じるが許容範囲」と語る程には許容範囲が広い様子。
そんな中で童麿に関しては、上弦の弐という実力と働きを認めつつも、内心では疎ましく思っているという異例の立ち位置にいるのである。
最終更新:2025年10月03日 22:25