「こっからはド派手に行くぜ」
漫画『鬼滅の刃』の登場人物。名前の読みは「うずい てんげん」。
アニメの担当声優は『
天元突破グレンラガン』のカミナ役で知られる
小西克幸
氏
(格ゲー的には
マキシマや
鷲塚慶一郎の中の人として有名)。
「天元」繋がりの起用なのかは定かではないが、むしろ忍者繋がりで起用された気がしなくもない。ジャンプ的には浜渡浩満だし
また、遊郭編では蝶屋敷に現れ「任務に必要だから」とアオイとなほを無理矢理攫おうとして、
阻止しようとした炭治郎の言葉も「継子じゃない奴は
胡蝶の許可を取る必要もない」
という隊律を持ち出して聞く耳持たないなど、かなり強引で態度の悪い青年かと思われていた
(案の定、胡蝶しのぶとは後でモメたらしい)。
ただし、柱合裁判では反論すら許さず問答無用で処分しようとしていた柱が複数いた中で、
天元は反発する炭治郎に対し、
「その鬼が人を喰っていないこと、これからも喰わないことを口先だけじゃなく(ド派手に)証明しろ」と、
(明らかにそんな鬼がいる訳ないという先入観ありきの態度だったが)合理的な意見を述べていた。
これは彼が鬼殺隊に入った経緯に由来している。
天元は大正時代には既に滅びかけていた忍者の頭領の息子として生まれ、
次期頭領候補として育てられた来歴を持つ。
時代の流れに焦った父親が課した過酷な修行のせいで、九人いた姉弟は十五になるまでに七人死に、
生き残った二つ下の弟は父の生き写しのような忍らしい人格を形成したが、
天元は家族すら消耗品のように扱う忍の在り方に嫌気が差して出奔
(一部の姉弟が死んだのは、
修行の一環で顔を隠して家族同士で殺し合いをさせられたため)。
妻である三人のくノ一
*1と共に抜け忍となり、
命を守るための戦いに自ら身を置く事でかつての自身の忍としての在り方を否定するべく、
鬼殺隊に入隊して鬼と戦うようになったのである。
鬼殺隊員達は大抵家族や友人を鬼に殺されて抱いた鬼への憎悪から入隊した者ばかりで、天元はかなり異端の存在であった。
とはいえ、天元も戦う動機が自分のエゴである事は自覚しており、
同時に暫くは自分を形成する幼少期に植え込まれた価値観を否定しながら戦いの場に身を置く事に苦しんでいたが、
鬼殺隊のトップである産屋敷耀哉が、矛盾や葛藤を抱えながらも命を守ろうとする在り方を選んだ事を理解して感謝の意を述べた事が切っ掛けで、
本編時点ではある程度の折り合いは付けている。
下位の隊士に「俺は神でお前らは塵だ」「俺の機嫌を常に伺い全身全霊でへつらえ」「俺は上官!!柱だぞこの野郎!!」と公言して憚らないが、
その実隊士達や一般人を見捨てたり捨て駒にする事は絶対に無く、
過去には自分が宇髄一族を滅ぼしてその因果を絶つべきだったのではないかと懊悩しながらも、
結局家族の情が勝り自分の父と弟を殺す事ができず、加えて知らずとはいえ兄弟を殺した事を悔やみ続ける等、
強引で上下関係に厳しい体育会系なだけで、本質的には他の柱と変わらない人情家かつ責任感の強い人物である。
柱の中では古参の部類であり、同じく古参の
悲鳴嶼行冥や似たような経緯で鬼殺隊に入った伊黒小芭内とは仲が良い。
劇中で悲鳴嶼の事を「得体が知れない」と回想する場面があるが、これは彼の強さの底が知れないのに一目置いているという意味で、
悲鳴嶼の人柄は信頼している。
本編では、遊郭編で吉原に潜伏していると思われる鬼の探索の任務を受けたのが炭治郎と本格的に交流を持つ切っ掛けであった。
自分が客として通って探りを入れても手応えがなかったため、くノ一である3人の妻を潜入させていたのだが、
定期連絡が途絶えたため遊女として事件及び妻の安否の調査ができる女の隊員を蝶屋敷から調達しようとしたが、
色々あって
女装した炭治郎、善逸、伊之助を使って潜入捜査を試みる。が正直その仕立てはうまく行ってるとは言えない
当初こそ前述の俺は神発言で善逸をドン引きさせたが、「具体的には何を司る神ですか?」と大真面目に聞いてきた炭治郎に
これまた大真面目に「派手を司る祭りの神」と答えたりして打ち解ける。
だがそこにいたのは
煉獄杏寿郎を倒した猗窩座と同格である、
鬼殺隊員が百年以上も返り討ちに遭ってきた十二鬼月・上弦の一角である
妓夫太郎・
堕姫兄妹であり……。
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遊郭編ネタバレ注意 |
妓夫太郎の圧倒的な実力に大苦戦し、毒攻撃に身体を蝕まれながらも奮戦。
一度は隙を突いて妓夫太郎の頸を背後から狙うものの、頸を180度回転させて歯で日輪刀を受け止める鬼ならではの荒業で防がれ、
左腕も切断されついに心肺停止に追い込まれた……かと思いきや、
「筋肉によって自ら無理矢理心臓を止め、一時的に毒の巡りを食い止めていた」というこちらも忍者ならではの荒業を使用して持ち堪え、
戦術思考「譜面」を完成させた事で、毒に侵された身でありながら妓夫太郎の戦闘パターンを全て先読みして捌き切る。
妓夫太郎が天元に手一杯な所で、胸を刺されたが心臓の位置をずらすという離れ業で一命を取り留めた伊之助と善逸が堕姫を仕留め、
さらに天元が左目を抉られながらも自身の体を盾に妓夫太郎の身動きを封じて生んだ隙を見逃さなかった炭治郎渾身の斬撃により、ついに妓夫太郎は敗北。
約100年ぶりに上弦の一角を打ち取る事に成功した。
しかし戦後にとうとう毒が全身に回り、死を覚悟した天元は3人の妻達に遺言を語ろうとするも、
妻達は動揺のあまりコントのように騒いでしまい全く聞いてもらえず、遺言も残せず先に逝く事にギャグ顔で絶望しながら死ぬ所だったが、
禰󠄀豆子の爆血によって体内の毒を除去され辛くも生還した。
鬼殺隊に大きな貢献をした天元だが隻腕・隻眼になった事もあり、連絡を受け現場に急行した蛇柱・伊黒小芭内に引退する旨を伝える。
受け入れられない伊黒にそれでもヒラの隊員よりはマシだと続投を懇願されるが
(皮肉も交えていたため非常に分かりづらいが天元の実力を高く評価しているが故の発言だった)、
かつての煉獄と同じく炭治郎達に自分の後釜に足る資質を見出した天元には、現場を去る事に憂いは無かった。
こうして柱を引退した天元であったが、鬼殺隊には引き続き所属しており、柱稽古に参加して隊士を指導するなど、以降も可能な範囲で隊に貢献した。
ただ、仕方ない事とはいえ自分だけ前線から離れた事への未練や仲間への後ろめたさはあったようで、
アニメでは原作に無い妻達から夜中にうなされている、自分を責めていると語られるシーンが追加されており、
理性では割り切っているものの内心共に戦えなくなった事を天元も歯痒く思っていたらしい。
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完結後のネタバレ・考察 |
前述のように天元は本意ではなかったとはいえ兄弟を殺害しており、
このせいで一時期は「自分は地獄に堕ちる」が口癖になる程に思い詰めていたらしいのだが、
最終回の現代編では彼の子孫兼生まれ変わりと思われる宇髄天満が登場している。
鬼滅の世界観では人を殺した者は鬼だった者も含めて八大地獄(最低でも約1兆年は転生できない)行きになり、
その証拠に鬼だった者、人を殺した者の子孫や生まれ変わりは最終回に登場していないのだが、
その唯一の例外と言えるのが天元の子孫である。
この理由は公言されていないが、考えられる原因としては兄弟も父や鬼と同様に罪人のような人物でノーカンだったか、
産屋敷家の人間が無惨討伐に貢献して長生きできるようになったように、彼も鬼殺隊に貢献した「恩赦」で罪を償った事になったためと思われる。
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戦闘能力 |
元々幼少期から忍として訓練していた事で高い身体能力を備えており、加えて「全集中 音の呼吸」の使い手であり、
鎖で持ち手の先端同士を繋いだ 斬月並みに大振りな2本の日輪刀を武器とする。
ちなみに、音の呼吸は雷の呼吸の派生との事。
片手で斬撃を放つ瞬間に片方の刃の先端を指で掴む事で刃の間合いを伸ばして離れた相手を攻撃するなど、
変幻自在でトリッキーな戦闘スタイルを取る。
また、超人的な聴力と絶対音感を備えており、相手の攻撃動作の律動を読み脳内で音として変換し、
相手の癖や死角を脳内で演算する「譜面」と呼ばれる戦闘計算式を使用する。
この他、鬼の身体にダメージを与えられる程の威力を秘めた爆薬を装備しており、
再生はされるが鬼に食らわせて隙を作ったり、鬼の攻撃を相殺するのに用いられる。
また、忍として育てられる過程で毒物への耐性や激しい運動中にも音一つ立てない身のこなしも身に付けている。
本編終了後の特別篇「斬られ心地インタビュー」では天元に首を刎ねられた鬼に「断面がなんかすごい綺麗」とコメントされている。
その実力は妓夫太郎をして「今まで殺してきた柱とは別格」とまで言わしめるほどだが、
天元に言わせれば、自身は 本編時点の柱の中では実力的には下位に属するらしい。
「俺が選ばれてる?ふざけんじゃねえ!!
俺の掌から今までどれだけの命が零れたと思ってんだ!?」
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MUGENにおける宇髄天元
mysh_2002氏による、『
JUS』風
ドットを用いた
MUGEN1.0以降専用の
ちびキャラが公開中。
スプライトはHacker93氏が製作したものを一部改変して作られている。
高い機動力と
コンボ性能を備えている他、クナイや爆薬による
飛び道具に加えて
当て身技も使用可能で、
ちびキャラながら距離を問わず戦える性能をしている。
AIもデフォルトで搭載済み。
旧バージョン
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最新版(DLは下記の動画から)
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出場大会
*1
故郷の里では15歳で三人娶る風習があったらしい。
劇中ではそれを公言した際「妻多すぎ」と
我妻善逸に嫉妬混じりに突っ込まれており、確かに大正の価値観でも異端ではあるが、
昔は現代以上に人が死にやすく、特に忍など戦場を生業とする存在は跡継ぎ候補は(言い方は悪いが)それなりに多い方が都合が良く、
しかも、妊娠と出産は女性にとって激務なので、食い扶持を稼げる家庭限定だが似たような措置は現実でも取られていた。
なお日本の法令上では既に明治初期に一夫一妻制となっているので、普通に考えると重婚罪となってしまうのだが、
三人全員とも宇随姓を名乗っていないことからも見るに、誰とも籍を入れず
内縁の妻としているものと思われる。
そもそも出自的に戸籍を持ってるのか?という疑問はさておいて
最終更新:2024年09月16日 01:41